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【過去編】転生先はオリヴィア小国のお姫様?シャルロットとお兄様のホームメイド・トンプース
目を覚ますと…
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“日本”で最期に見たのは電線越しの眩しい青空。
すぐに目の前は真っ白になって、全身から瞬く間に血が引いた。
考える間もなく、私は死んだ。
即死だったせいか痛みや苦しみもなかった、重たい貧血の末ーーまるで眠りにつくような感覚。
10秒ほど経って、突然肌を刺激するような寒さや、誰かにギュッと抱きしめられてるような触感で目を覚ました。
(………!?)
目を覚ました瞬間、幼子は噎せていた。
「ゲホ、ゲホ!」
水を吐き出して息を切っていた。
背中を誰かが叩いている。
全身ずぶ濡れで、手足は血の気もなく固まってて酷く冷えていた。寒さで身体がブルブル震える。
「な……?」
「シャルロット!平気か?」
ここは森の中にある川辺のようだ。
そしてシャルロットと名前を呼ばれた幼子の前と後ろには知らない男の人がいた。一卵性の双子か……コピーしたように同じ顔の金髪碧眼の美形な外国人。
「?」
シャルロットは目を見張っていた。
「……大丈夫ですか?」
背後から声がした。
高い崖の上からブラウンヘアの男が降りて来た。
「え!?あ、その馬車の紋章は……ペレー国の……」
シャルロットの見合い相手の男性だった。
「……?」
シャルロットは驚いて言葉も出ない。
ふと上を見ると、高い崖。
足元には崩れた岩が転がっている。
全く記憶は無いけれど、自分はあの崖から落ちたんだろう。その割にはずぶ濡れな事以外外傷はない……。
「貴方が僕とシャルロットを助けてくれたのか?」
「ああ、魔法でね…ごめん、突然で俺も戸惑ってたから、勢い余って川に投げちゃった」
「いえ……、お陰で怪我はないです」
「大丈夫か?可愛いレディー、可哀想に……こんなに震えて。川の中は冷たかったろう」
彫りの深い顔にガタイの良い身体、綺麗なグリーンの瞳。
洋画の中から出てきたような、ハリウッドスターのようなイケメンだ。
彼は寒さで震えるシャルロットを抱き上げて、優しく背中を撫でた。
すると小さい体をふわっと温風が包み、濡れた髪や服が乾いた。
同様に、金髪の男性らも温風で包まれ、濡れた身体はすっかり乾いていく。
「あ、ありがとう……」
「金髪に青い目、お前らはオリヴィア小国の双子の王子か?この子は、俺の見合い相手のお姫様かい?」
「ああー!お前がロリコン王子ルートヴィヒか!」
「心外だな、俺はロリコンじゃない!妹萌えだ!間違えるな!お前らだってシスコン王子って有名じゃないか!仲間だろ」
「ぎゃー!仲間認定された!」
賑やかな男達を呆然と見つめながら、シャルロットはずっと抜け殻のように押し黙っていた。
「シャルロット?どうしたんだ?」
「……」
「きっと、あの高い崖から落ちたことが相当ショッキングだったんだろ、ほら、早く城へ戻ろう」
「ところでお前はどうしてここに?」
「城へ到着すると、お前達が居なくなったと大騒ぎだったから探しに来たんだ」
「み、見合いは破談じゃ!ロリコン王子に大事な妹はわたさん!」
「アハ、良いよ…そのつもりだったし。でも、そのかわりに、協力してもらおうか」
ロリコン王子は笑った。
「俺、ペレー国のルートヴィヒ王子はこの国で不幸な事故に遭って死亡する。」
突拍子のない宣言。
「ハァ?」
双子は同時に言葉を漏らした。
「お前たちには俺の死の、アリバイ作りに協力してもらおう!」
すぐに目の前は真っ白になって、全身から瞬く間に血が引いた。
考える間もなく、私は死んだ。
即死だったせいか痛みや苦しみもなかった、重たい貧血の末ーーまるで眠りにつくような感覚。
10秒ほど経って、突然肌を刺激するような寒さや、誰かにギュッと抱きしめられてるような触感で目を覚ました。
(………!?)
目を覚ました瞬間、幼子は噎せていた。
「ゲホ、ゲホ!」
水を吐き出して息を切っていた。
背中を誰かが叩いている。
全身ずぶ濡れで、手足は血の気もなく固まってて酷く冷えていた。寒さで身体がブルブル震える。
「な……?」
「シャルロット!平気か?」
ここは森の中にある川辺のようだ。
そしてシャルロットと名前を呼ばれた幼子の前と後ろには知らない男の人がいた。一卵性の双子か……コピーしたように同じ顔の金髪碧眼の美形な外国人。
「?」
シャルロットは目を見張っていた。
「……大丈夫ですか?」
背後から声がした。
高い崖の上からブラウンヘアの男が降りて来た。
「え!?あ、その馬車の紋章は……ペレー国の……」
シャルロットの見合い相手の男性だった。
「……?」
シャルロットは驚いて言葉も出ない。
ふと上を見ると、高い崖。
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全く記憶は無いけれど、自分はあの崖から落ちたんだろう。その割にはずぶ濡れな事以外外傷はない……。
「貴方が僕とシャルロットを助けてくれたのか?」
「ああ、魔法でね…ごめん、突然で俺も戸惑ってたから、勢い余って川に投げちゃった」
「いえ……、お陰で怪我はないです」
「大丈夫か?可愛いレディー、可哀想に……こんなに震えて。川の中は冷たかったろう」
彫りの深い顔にガタイの良い身体、綺麗なグリーンの瞳。
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彼は寒さで震えるシャルロットを抱き上げて、優しく背中を撫でた。
すると小さい体をふわっと温風が包み、濡れた髪や服が乾いた。
同様に、金髪の男性らも温風で包まれ、濡れた身体はすっかり乾いていく。
「あ、ありがとう……」
「金髪に青い目、お前らはオリヴィア小国の双子の王子か?この子は、俺の見合い相手のお姫様かい?」
「ああー!お前がロリコン王子ルートヴィヒか!」
「心外だな、俺はロリコンじゃない!妹萌えだ!間違えるな!お前らだってシスコン王子って有名じゃないか!仲間だろ」
「ぎゃー!仲間認定された!」
賑やかな男達を呆然と見つめながら、シャルロットはずっと抜け殻のように押し黙っていた。
「シャルロット?どうしたんだ?」
「……」
「きっと、あの高い崖から落ちたことが相当ショッキングだったんだろ、ほら、早く城へ戻ろう」
「ところでお前はどうしてここに?」
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「み、見合いは破談じゃ!ロリコン王子に大事な妹はわたさん!」
「アハ、良いよ…そのつもりだったし。でも、そのかわりに、協力してもらおうか」
ロリコン王子は笑った。
「俺、ペレー国のルートヴィヒ王子はこの国で不幸な事故に遭って死亡する。」
突拍子のない宣言。
「ハァ?」
双子は同時に言葉を漏らした。
「お前たちには俺の死の、アリバイ作りに協力してもらおう!」
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