227 / 262
シャルロットと精霊博士のサンクスギビング・ターキーデー
ベンジーの診察と小旅行計画
しおりを挟む
ベンジャミンの精霊の研究のためにと、シャルロットは自身の身を投じ研究に協力してあげた。
そのために、数日に渡って彼の研究室へ通っていた。
「不妊か……」
シャルロットはエステルを産んだあと2人目の不妊に悩んでいた。
お月のものもちゃんとあったが、人間のグレース皇子の子も精霊であるクロウの子もなかなか授からなかった。
それも良い機会だから医者の彼に相談して、キチンと検査もした。
「人間の赤ちゃんを産むのもそうだけど、幻狼の子を産むって身体にかなり負担がかかって大変なことだからねーー本能的に妃殿下の身体が危険を察して産み控えているのかも。妃殿下の身体自体には、特に異常は何もなかったよ」
「そ、そっか……良かったわ」
「もともと魔人・人間・獣人ーー種族が違うもの同士は妊娠し難いんだ。気にすることないよ」
「は、はい……」
「うーん、後、妃殿下は魔力が自分で作れなくて安定してないから、経口摂取で魔力を増やして行けばいいんじゃないかな?」
「何を食べればいいの?」
「ナッツ類かなぁ、ハシバミの木の実とか?ハシバミの木には魔力が詰まっててね、栄養も多い。俺の祖国のペレー国ではハシバミから取った木材は魔道具造りとか魔法の杖なんかの材料になるし、木の実は魔人が魔力を高めるために食べるよ」
「ハシバミ……?」
植物に疎いシャルロットは首を傾げた。
椅子に座っていたシャルロットの足元にぴったりくっついていたクロウが教えてあげた。
「ハシバミの木は、ヘーゼルナッツの木だよ、シャルロット~」
「まあ、ヘーゼルナッツ、美味しいわよね」
「俺の友人がエスター国の郊外の村でヘーゼルナッツ果樹園やってるんだけど、ちょうど収穫期だし、感謝祭終わったら連れてってあげるよ。木の実を分けてもらえると思うし。採れたての方が詰まってる魔力が多いんだ」
「まあ!本当?嬉しいわ!」
「おいでおいで~!俺の友人ね~、デュラハンって名前なんだけど、コミュ障で友達が少ないんだ。でも、すごく寂しがりやだから、是非 友達になってあげてよ。彼ね、昔は騎士をしてたんだ!だから、妃殿下の騎士たちも連れておいでー。同業者がいたら内気な彼も気安くなるかも?」
「ええ、ぜひお伺いするわ!」
「まあ、ちょーっとビジュアル的にビックリするかもしれないけど、良いやつだからさ。仲良くしてあげてよ」
「……?、ええ……。グレース様に相談してみるわね」
もうすぐアカデミーも冬の長期休暇に入るから小旅行も良いかも……シャルロットはワクワクしてた。
「デュラハン……?どこかで聞いた名前だ……」
クロウは思い出そうとしていたが、やっぱり分からなかった。
そのために、数日に渡って彼の研究室へ通っていた。
「不妊か……」
シャルロットはエステルを産んだあと2人目の不妊に悩んでいた。
お月のものもちゃんとあったが、人間のグレース皇子の子も精霊であるクロウの子もなかなか授からなかった。
それも良い機会だから医者の彼に相談して、キチンと検査もした。
「人間の赤ちゃんを産むのもそうだけど、幻狼の子を産むって身体にかなり負担がかかって大変なことだからねーー本能的に妃殿下の身体が危険を察して産み控えているのかも。妃殿下の身体自体には、特に異常は何もなかったよ」
「そ、そっか……良かったわ」
「もともと魔人・人間・獣人ーー種族が違うもの同士は妊娠し難いんだ。気にすることないよ」
「は、はい……」
「うーん、後、妃殿下は魔力が自分で作れなくて安定してないから、経口摂取で魔力を増やして行けばいいんじゃないかな?」
「何を食べればいいの?」
「ナッツ類かなぁ、ハシバミの木の実とか?ハシバミの木には魔力が詰まっててね、栄養も多い。俺の祖国のペレー国ではハシバミから取った木材は魔道具造りとか魔法の杖なんかの材料になるし、木の実は魔人が魔力を高めるために食べるよ」
「ハシバミ……?」
植物に疎いシャルロットは首を傾げた。
椅子に座っていたシャルロットの足元にぴったりくっついていたクロウが教えてあげた。
「ハシバミの木は、ヘーゼルナッツの木だよ、シャルロット~」
「まあ、ヘーゼルナッツ、美味しいわよね」
「俺の友人がエスター国の郊外の村でヘーゼルナッツ果樹園やってるんだけど、ちょうど収穫期だし、感謝祭終わったら連れてってあげるよ。木の実を分けてもらえると思うし。採れたての方が詰まってる魔力が多いんだ」
「まあ!本当?嬉しいわ!」
「おいでおいで~!俺の友人ね~、デュラハンって名前なんだけど、コミュ障で友達が少ないんだ。でも、すごく寂しがりやだから、是非 友達になってあげてよ。彼ね、昔は騎士をしてたんだ!だから、妃殿下の騎士たちも連れておいでー。同業者がいたら内気な彼も気安くなるかも?」
「ええ、ぜひお伺いするわ!」
「まあ、ちょーっとビジュアル的にビックリするかもしれないけど、良いやつだからさ。仲良くしてあげてよ」
「……?、ええ……。グレース様に相談してみるわね」
もうすぐアカデミーも冬の長期休暇に入るから小旅行も良いかも……シャルロットはワクワクしてた。
「デュラハン……?どこかで聞いた名前だ……」
クロウは思い出そうとしていたが、やっぱり分からなかった。
0
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。


断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる