シャルロット姫の食卓外交〜おかん姫と騎士息子の詰め所ごはん

ムギ・オブ・アレキサンドリア

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シャルロットと精霊博士のサンクスギビング・ターキーデー

(小話)王子様をヤンキーへ魔改造?

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D番街ーーダウンタウンの治安の悪い街。
路上には怪しい客引きや売人、ガラの悪い若者がたむろっていた。

ゲーテはチンピラのような格好に扮して街を闊歩し、ジュリアンの情報を聞き回っていた。
ガラの悪い少年少女らともすぐに打ち解けて仲良くなり、情報を聞き出せていた。

「すげえ!ゲーテ王子!服を着崩しただけなのに…どこからどう見ても不良だよ!とてもミレンハン国の第一王子とは思えない!」

騎士アヴィは拍手していた。

「ハン!当然だ!俺様は何を着ても様になるんだ!」

「ウンウン、誰もゲーテ王子が王族だとは気付いてないよー!」

ゲーテはドヤ顔をして気をよくしていた。
後ろでユーシンは苦笑した。

「褒め言葉じゃないよね?アヴィ…」

「それに比べて、グレース皇子はダメダメだな……どう見ても、どっかの金持ちの御坊ちゃまだよ~。後、態度がすごくタカビーで偉そう!みんな警戒してるよ」

「そうか?よくわからん」

「うーん、ピアスとかタトゥーとか入れてみたらどうすかね?髪も遊ばせてみたり……」

「いいねえ」

「それなら魔法で姿を変えてみる……」

騎士2人はグレース皇子を不良姿へと魔改造した。
面白がっているようだ。

「あはは、シャルルさんが見たら腰を抜かすなあ!」

「うん、グレース皇子。これなら喋らなければ普通の非行少年っすよ!」

「……こんな姿をクロウとお父様が見たら激怒するだろうな…」

「良い経験じゃん!あ、ダーツバーでも行く?」

「お前らな、遊びに来たんじゃないんだぞ」

「たまには良いじゃん、ハメを外したって~!」

アヴィとユーシンは楽しそうにグレース皇子の背中を押す。


城の中では皇子と騎士という関係性ーー仲は良くとも、どこか一線を引いた付き合いをしていたが、やっぱり年の近い彼ら、たまには普通の男友達のように連むのも楽しいもんだとグレース皇子はひっそり思いながら、彼らの後ろを歩いていた。
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