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シャルロットと精霊博士のサンクスギビング・ターキーデー
クロウと闇夜の破壊者
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某日の深夜。
クロウは最近夜な夜な出歩いていた。
「よっこらしょ~」
クロウはそっと気配を殺しながら、とある施設の倉庫の中に転移魔法で侵入した。
その隣には黒衣を纏った大男の影がある。彼の肩には水色の毛並みを持つ猫が乗っていた。
ここはとある大金持ちの邸宅の敷地内にある小さな美術館だ。
敷地内を見回っていた警備員は眠らせてあるから容易く入り込めた。
「気配消して移動するのってやっぱ疲れる~」
「サンキュー クロちゃん、移動がめっちゃ楽だわ」
大男は白い歯を見せてニカッと笑うと手に持っていた自作の魔道具の大鎌を振った。
大鎌を向けたのは大きなガラスのケージ、その中には怯えた様子だったり衰弱した精霊達が閉じ込められている。
精霊達を閉じ込めたケージは部屋のいたるところに飾られていた。
クロウはケージの中の精霊に話し掛ける。
「うう…、怖かったよね?もう大丈夫だよ、今助けてあげるからね~っ」
精霊達はコクリと頷き、皆一斉にこっちを見ている。
黒衣の大男は無言で部屋中のケージを破壊した。
壊れたケージから精霊たちは素早く飛び出す。
精霊達は助けてくれた大男に感謝し、闇の中に溶けて消えて行った。
それを最後まで見守るとーーようやく大男は安堵の息を漏らした。
「クロちゃん、今度は明日だ。D番街のロレンス学園の学生祭でーーまた頼めるか?」
「オッケー!うふふ、私たちってなんだか正義のヒーローみたいだね~!」
「ヒーローか……、いいや、これは俺が招いた種なんだ。自分の手で始末しないと…」
「ウウン、悪い事を考える奴らが悪いの!君は何も悪くないんだよ~、ベンジー」
クロウは大男の脚にすり寄った。
「ありがと、クロちゃん。頼もしい相棒だ」
「ふふふっ、明日も頑張ろうね~!」
真っ暗な闇の中で、2人の小声だけが聞こえていた。
クロウは最近夜な夜な出歩いていた。
「よっこらしょ~」
クロウはそっと気配を殺しながら、とある施設の倉庫の中に転移魔法で侵入した。
その隣には黒衣を纏った大男の影がある。彼の肩には水色の毛並みを持つ猫が乗っていた。
ここはとある大金持ちの邸宅の敷地内にある小さな美術館だ。
敷地内を見回っていた警備員は眠らせてあるから容易く入り込めた。
「気配消して移動するのってやっぱ疲れる~」
「サンキュー クロちゃん、移動がめっちゃ楽だわ」
大男は白い歯を見せてニカッと笑うと手に持っていた自作の魔道具の大鎌を振った。
大鎌を向けたのは大きなガラスのケージ、その中には怯えた様子だったり衰弱した精霊達が閉じ込められている。
精霊達を閉じ込めたケージは部屋のいたるところに飾られていた。
クロウはケージの中の精霊に話し掛ける。
「うう…、怖かったよね?もう大丈夫だよ、今助けてあげるからね~っ」
精霊達はコクリと頷き、皆一斉にこっちを見ている。
黒衣の大男は無言で部屋中のケージを破壊した。
壊れたケージから精霊たちは素早く飛び出す。
精霊達は助けてくれた大男に感謝し、闇の中に溶けて消えて行った。
それを最後まで見守るとーーようやく大男は安堵の息を漏らした。
「クロちゃん、今度は明日だ。D番街のロレンス学園の学生祭でーーまた頼めるか?」
「オッケー!うふふ、私たちってなんだか正義のヒーローみたいだね~!」
「ヒーローか……、いいや、これは俺が招いた種なんだ。自分の手で始末しないと…」
「ウウン、悪い事を考える奴らが悪いの!君は何も悪くないんだよ~、ベンジー」
クロウは大男の脚にすり寄った。
「ありがと、クロちゃん。頼もしい相棒だ」
「ふふふっ、明日も頑張ろうね~!」
真っ暗な闇の中で、2人の小声だけが聞こえていた。
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