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奪われたお城と皇子の愛を取り戻せ!?〜シャルロットの幸せウエディングパレード
幸せの味
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バキバキと…月長石が音を立てながら小さく無数にひび割れた。魔術師の魔法で負荷が掛かってしまったようだ、時間が経つごとに石は膨張している。
その異変に、魔術師らは財宝に気を取られていて気付かない。
依然 生きた屍のようにグレース皇子は壁に背中を付けて呆然としていた…。
「そこまでだ!」
保管室の重たい二重扉が勢いよく開き、コボルトやクロウ、第二騎士団が駆け付けた。その2分後ーー 遅れて第一騎士団と共にシャルロット達もやってくる。
「……な!」
「えっ……?」
ゴルソン侯爵やレイナ、魔術師らは一歩後退する。慌てた様子だ。
「なっ……なんで……!?」
レイナは声を上げた。
ゴルソン侯爵は口を一文字に結び、こちらを睨んでいる。
「お前達が掛けた魔法は解けているぞ。観念しろ!大人しく投降するんだ」
「フンッ……解けたのなら、また掛ければ良いだけのこと」
「無駄だ。シャルロット姫の護符を持っているからな、お前達の魔法なんぞ跳ね返すだろう」
ゴルソン侯爵に詰め寄るレイメイ。
「ぐっ……!」
「無駄な抵抗はやめろ!カメリア妃が遺したお前達の悪事を暴く告発書が見つかったんだ~、それが魔族特別法廷に受理されたぞ。お前らはみんな漏れなく牢屋行きだ!!」
ユハはドヤ顔で何か書類を突き付けた。
『魔族特別法廷』
様々な国を対象に、魔法で罪を犯した魔人や魔術師を裁く独立した組織。
彼らの悪事は反逆罪だけには留まらず、もはや王室内で処理できる範囲には留まっていなかった。
各国で魔術師と関わることは重罪とされている。魔族特別法廷に上告され、ゴルソン侯爵を筆頭に、レイナ、魔術師らは裁かれることになる。
「な、なんだと……?」
「グレース様っ……!」
シャルロットは入室するとすぐにグレース皇子に駆け寄った。
クロウもびっくりしてそれに続く。
「グレース!グレース!ねえ、しっかりしてよ~!」
虚ろな目を開けたまま、意識がない。
シャルロットは何度もグレース皇子の肩を揺さぶった、クロウはグレースの胸に縋りながらワンワン泣いてる。
「なに?」
グレース皇子の首元には真っ黒で大きな痣が広がっていた。
ハリセンも効かない。
冷たくなったほっぺを叩いてみても意識は戻らない。
バキバキバキ……ッ
真っ黒に変色した大きな月長石から音がした。
一同が振り返ると月長石が破片を四方八方に飛ばしながら派手に大爆発したーー。
「わぁああ!」
悲鳴が部屋に響く、コボルトが咄嗟の機転で結界魔法を発した。
部屋の厳重な扉は吹き飛び、壁は崩れ、床は落ちた。
大地震が起こったかのように大月堂は激しく左右に揺れて、天井の巨大なシャンデリアを振り落とし大破させたーー。
コボルトの結界にふんわりと包まれたシャルロット達は緩やかに地面に降ろされた。
結界が無ければ、今頃みんな壊れた建物の下敷きになって死んでいただろう……。
ゴルソン侯爵やレイナ、魔術師たちは顔面蒼白して腰を抜かしてる。
「奴らを早く捕縛しろ!」
王は騎士らに命令した。
騎士らは戸惑いながらも慌てて立ち上がると、縄で彼らを拘束した。
「グレース様!」
一向に目を覚まさないグレース皇子をクロウは地面に寝かせた。
心配そうに彼を見つめるシャルロット。
月長石のカケラが宙を舞っては、光になって消えていく。
半壊した大月堂に、無数の光が空へ舞い上がりーー夜空に太陽の光が少しだけ差していた。やがて朝が来る。
(昔 絵本で読んだおとぎ話だったら、こういう時……)
シャルロットは深く息を吐くと、ゆっくりと意識のないグレース皇子の顔に自分の顔を近付けてーーそしてキスをした。
(……キスで魔法を解いたりするのよね?)
キスをした瞬間、グレース皇子の固まっていた手指がピクリと痙攣した。
顔を離すと、彼の虚ろな瞳に光が戻り、首の黒い痣が薄れていく。
「……あ!」
「ひ、姫……?」
まだ気怠そうだが。グレース皇子は意識を取り戻した。
シャルロットは泣きながら彼に抱き着いた。
「グレース様……!」
大泣きするシャルロットとクロウを見て、グレース皇子は苦笑しながら身体を起こした。
そして2人の頭をポンポンと優しく撫でた。
「ありがとう、シャルロット、クロウ…」
「ふえ~、大嫌いなんて嘘だよぉ~グレース~よがっだああ!」
クロウはグレース皇子に抱き着いた。
明け方、西の空からブラウンのマントを羽織った複数の魔人の男達が空を飛んで現れた。
魔族特別法廷から派遣された者達だろう。
「城門から入れなかったので上空から失礼する、ゴルソン侯爵を始め、罪人の身柄はこちらで預かろう」
ニコリともしない冷徹そうな男らは淡々と事務的にユハに接している。
シャルロットは彼らに話し掛けた。
「あ、あの……レイナさんは……?彼女はこれからどうなってしまうの?話を聞けば、魔術師については彼女は何も知らなかったみたいですし……その……」
シャルロットは自分のライカとして働いていた、彼女の処罰が気になった。
彼女がしたことは許されることではないが、根っこが悪い子だとも思えなくて、どうしても気になってしまった。
「知らなかったなど通用しません。私は派遣されただけですので罪を裁く立場ではありませんが、今分かっている罪状だけで考慮してみてもーー少なくとも死刑は免れませんね。まあ、死刑だけで済めば軽い方ですよ」
感情もなく、さらっと言った。
「死刑……!?そんな……!」
動揺したシャルロットに、ユハは厳しい声を掛けた。
「お姫ちゃんの優しいところは俺っち好きだよ。でもね、情に流されやすいのはお姫ちゃんの悪いとこでもあると思うんだ。彼女は自分の意志で罪を犯した、それ相応の罰が下るだけだ。お姫ちゃんが気にすることない、今一度 冷静になってね」
「……ユハ……」
シャルロットはコクリと頷いた。
*
城の大月堂は半壊してしまったが、日が経つにつれて城内には平穏が戻ってきていた。
シャルロットは今日も食堂のキッチンに立ち、料理をしている。
「わあ、美味しい!」
カメリア妃のレシピ本に書かれていたレシピを元に作った野菜や大麦たっぷりの羊のお肉入りスープ『スコッチブロス』が鍋いっぱいに出来上がっていた。
それを味見用の皿に取り、食べてみた。
「身体があったまるわね」
「うん、そうねえ~。私には懐かしい味だわ」
火の精霊ウェスタも味見をして頷いた。
ウェスタは大昔からニヴルヘイム国に棲みついていた精霊だ。
故郷を思い出したのか、スープを見つめて優しげな顔で笑っていた。
「使用人にはニヴルヘイム国出身の人も多いし、食堂のメニューに取り入れても良いかもしれないわね」
「ええ」
シャルロットはにっこりと微笑んだ。
*
魔族特別法廷の委員会が管理する塔にある牢に、レイナは入れられていた。
現在はゴルソン侯爵らの余罪を取り調べ中で、彼女は冷たい牢の中でひたすら裁判を待つ日々。
「面会だーー、来い」
そう言って看守がレイナの元にやってきた。
腕を拘束され、看守に連れられて向かった部屋には思い掛けない人がいた。
「レイナ……っ!」
そこに居たのは喧嘩別れしたままの姉ジュディだった。
「姉さん……!?」
レイナは泣きながら姉に駆け寄るがーー姉妹の間を冷たい鉄格子が隔てていた。
もうハグさえできない。
「姉さん!ごめんなさい……!ごめんなさい……!あたしっ……」
「……、心配してたのよ……ずっとあなたを探してた。ずっとあなたのことを思ってた……」
「ううっ……」
両親が死んで姉妹2人だけになって、平凡でも、側から見れば可哀想な姉妹であっても、姉さんと一緒に暮らせるだけで幸せだった。
今になって思い知った。ーーでも、今では何もかも遅すぎた。
牢の中で、レイナはずっと後悔していた。
「この前ね、シャルロット姫様が私に会いに来たの。あなたのことを話してくれたわ、そして、あなたに会いに行くように手配してくれたの……」
「えっ……?」
シャルロットの世話をする中で、なんとなく姉と喧嘩したことを他愛なく話したことがあった。
たった少し、何気ないお喋りだったのにーーシャルロットはその話を覚えていたようだ。
「うう……」
レイナは泣き崩れてしまった。
姉は手に持っていたカバンから手作りのスコーンを取り出した。
「食事もあまり取ってないんでしょう?ほら、これを食べて。焼いて来たのよ。看守にもちゃんと許可を取ったから、どうぞ」
姉がよく作ってくれたスコーン。
ここ数日何も喉を通らなかったがーーレイナは泣きながらそれを口に運んだ。
「美味しい……。姉さんの味だわ」
この食べ飽きていた素朴な味がーーゴルソン侯爵の屋敷で食べた、どんな贅沢なご馳走よりも美味しかった。
最後の晩餐に この料理が食べられてーーレイナはとても幸せだった。
その異変に、魔術師らは財宝に気を取られていて気付かない。
依然 生きた屍のようにグレース皇子は壁に背中を付けて呆然としていた…。
「そこまでだ!」
保管室の重たい二重扉が勢いよく開き、コボルトやクロウ、第二騎士団が駆け付けた。その2分後ーー 遅れて第一騎士団と共にシャルロット達もやってくる。
「……な!」
「えっ……?」
ゴルソン侯爵やレイナ、魔術師らは一歩後退する。慌てた様子だ。
「なっ……なんで……!?」
レイナは声を上げた。
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「お前達が掛けた魔法は解けているぞ。観念しろ!大人しく投降するんだ」
「フンッ……解けたのなら、また掛ければ良いだけのこと」
「無駄だ。シャルロット姫の護符を持っているからな、お前達の魔法なんぞ跳ね返すだろう」
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「ぐっ……!」
「無駄な抵抗はやめろ!カメリア妃が遺したお前達の悪事を暴く告発書が見つかったんだ~、それが魔族特別法廷に受理されたぞ。お前らはみんな漏れなく牢屋行きだ!!」
ユハはドヤ顔で何か書類を突き付けた。
『魔族特別法廷』
様々な国を対象に、魔法で罪を犯した魔人や魔術師を裁く独立した組織。
彼らの悪事は反逆罪だけには留まらず、もはや王室内で処理できる範囲には留まっていなかった。
各国で魔術師と関わることは重罪とされている。魔族特別法廷に上告され、ゴルソン侯爵を筆頭に、レイナ、魔術師らは裁かれることになる。
「な、なんだと……?」
「グレース様っ……!」
シャルロットは入室するとすぐにグレース皇子に駆け寄った。
クロウもびっくりしてそれに続く。
「グレース!グレース!ねえ、しっかりしてよ~!」
虚ろな目を開けたまま、意識がない。
シャルロットは何度もグレース皇子の肩を揺さぶった、クロウはグレースの胸に縋りながらワンワン泣いてる。
「なに?」
グレース皇子の首元には真っ黒で大きな痣が広がっていた。
ハリセンも効かない。
冷たくなったほっぺを叩いてみても意識は戻らない。
バキバキバキ……ッ
真っ黒に変色した大きな月長石から音がした。
一同が振り返ると月長石が破片を四方八方に飛ばしながら派手に大爆発したーー。
「わぁああ!」
悲鳴が部屋に響く、コボルトが咄嗟の機転で結界魔法を発した。
部屋の厳重な扉は吹き飛び、壁は崩れ、床は落ちた。
大地震が起こったかのように大月堂は激しく左右に揺れて、天井の巨大なシャンデリアを振り落とし大破させたーー。
コボルトの結界にふんわりと包まれたシャルロット達は緩やかに地面に降ろされた。
結界が無ければ、今頃みんな壊れた建物の下敷きになって死んでいただろう……。
ゴルソン侯爵やレイナ、魔術師たちは顔面蒼白して腰を抜かしてる。
「奴らを早く捕縛しろ!」
王は騎士らに命令した。
騎士らは戸惑いながらも慌てて立ち上がると、縄で彼らを拘束した。
「グレース様!」
一向に目を覚まさないグレース皇子をクロウは地面に寝かせた。
心配そうに彼を見つめるシャルロット。
月長石のカケラが宙を舞っては、光になって消えていく。
半壊した大月堂に、無数の光が空へ舞い上がりーー夜空に太陽の光が少しだけ差していた。やがて朝が来る。
(昔 絵本で読んだおとぎ話だったら、こういう時……)
シャルロットは深く息を吐くと、ゆっくりと意識のないグレース皇子の顔に自分の顔を近付けてーーそしてキスをした。
(……キスで魔法を解いたりするのよね?)
キスをした瞬間、グレース皇子の固まっていた手指がピクリと痙攣した。
顔を離すと、彼の虚ろな瞳に光が戻り、首の黒い痣が薄れていく。
「……あ!」
「ひ、姫……?」
まだ気怠そうだが。グレース皇子は意識を取り戻した。
シャルロットは泣きながら彼に抱き着いた。
「グレース様……!」
大泣きするシャルロットとクロウを見て、グレース皇子は苦笑しながら身体を起こした。
そして2人の頭をポンポンと優しく撫でた。
「ありがとう、シャルロット、クロウ…」
「ふえ~、大嫌いなんて嘘だよぉ~グレース~よがっだああ!」
クロウはグレース皇子に抱き着いた。
明け方、西の空からブラウンのマントを羽織った複数の魔人の男達が空を飛んで現れた。
魔族特別法廷から派遣された者達だろう。
「城門から入れなかったので上空から失礼する、ゴルソン侯爵を始め、罪人の身柄はこちらで預かろう」
ニコリともしない冷徹そうな男らは淡々と事務的にユハに接している。
シャルロットは彼らに話し掛けた。
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シャルロットは自分のライカとして働いていた、彼女の処罰が気になった。
彼女がしたことは許されることではないが、根っこが悪い子だとも思えなくて、どうしても気になってしまった。
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感情もなく、さらっと言った。
「死刑……!?そんな……!」
動揺したシャルロットに、ユハは厳しい声を掛けた。
「お姫ちゃんの優しいところは俺っち好きだよ。でもね、情に流されやすいのはお姫ちゃんの悪いとこでもあると思うんだ。彼女は自分の意志で罪を犯した、それ相応の罰が下るだけだ。お姫ちゃんが気にすることない、今一度 冷静になってね」
「……ユハ……」
シャルロットはコクリと頷いた。
*
城の大月堂は半壊してしまったが、日が経つにつれて城内には平穏が戻ってきていた。
シャルロットは今日も食堂のキッチンに立ち、料理をしている。
「わあ、美味しい!」
カメリア妃のレシピ本に書かれていたレシピを元に作った野菜や大麦たっぷりの羊のお肉入りスープ『スコッチブロス』が鍋いっぱいに出来上がっていた。
それを味見用の皿に取り、食べてみた。
「身体があったまるわね」
「うん、そうねえ~。私には懐かしい味だわ」
火の精霊ウェスタも味見をして頷いた。
ウェスタは大昔からニヴルヘイム国に棲みついていた精霊だ。
故郷を思い出したのか、スープを見つめて優しげな顔で笑っていた。
「使用人にはニヴルヘイム国出身の人も多いし、食堂のメニューに取り入れても良いかもしれないわね」
「ええ」
シャルロットはにっこりと微笑んだ。
*
魔族特別法廷の委員会が管理する塔にある牢に、レイナは入れられていた。
現在はゴルソン侯爵らの余罪を取り調べ中で、彼女は冷たい牢の中でひたすら裁判を待つ日々。
「面会だーー、来い」
そう言って看守がレイナの元にやってきた。
腕を拘束され、看守に連れられて向かった部屋には思い掛けない人がいた。
「レイナ……っ!」
そこに居たのは喧嘩別れしたままの姉ジュディだった。
「姉さん……!?」
レイナは泣きながら姉に駆け寄るがーー姉妹の間を冷たい鉄格子が隔てていた。
もうハグさえできない。
「姉さん!ごめんなさい……!ごめんなさい……!あたしっ……」
「……、心配してたのよ……ずっとあなたを探してた。ずっとあなたのことを思ってた……」
「ううっ……」
両親が死んで姉妹2人だけになって、平凡でも、側から見れば可哀想な姉妹であっても、姉さんと一緒に暮らせるだけで幸せだった。
今になって思い知った。ーーでも、今では何もかも遅すぎた。
牢の中で、レイナはずっと後悔していた。
「この前ね、シャルロット姫様が私に会いに来たの。あなたのことを話してくれたわ、そして、あなたに会いに行くように手配してくれたの……」
「えっ……?」
シャルロットの世話をする中で、なんとなく姉と喧嘩したことを他愛なく話したことがあった。
たった少し、何気ないお喋りだったのにーーシャルロットはその話を覚えていたようだ。
「うう……」
レイナは泣き崩れてしまった。
姉は手に持っていたカバンから手作りのスコーンを取り出した。
「食事もあまり取ってないんでしょう?ほら、これを食べて。焼いて来たのよ。看守にもちゃんと許可を取ったから、どうぞ」
姉がよく作ってくれたスコーン。
ここ数日何も喉を通らなかったがーーレイナは泣きながらそれを口に運んだ。
「美味しい……。姉さんの味だわ」
この食べ飽きていた素朴な味がーーゴルソン侯爵の屋敷で食べた、どんな贅沢なご馳走よりも美味しかった。
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