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奪われたお城と皇子の愛を取り戻せ!?〜シャルロットの幸せウエディングパレード
epilogue
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1年と数ヶ月後ーー。
シャルロットを取り囲む人々にも変化が訪れた。
ーー元ソレイユ国の王夫妻でありクライシア大国へ亡命していたマリヤ達夫婦は、孤児院で出会った孤児の姉弟を養子に迎えてオリヴィア小国へと移住した。
子供がいなかった夫婦は養子に入った姉弟をとても可愛がっており、今は大きな牧場で酪農経営をはじめている。
幻狼ミモザも、マリヤ達家族と幸せそうに暮らしているようだ。
たまにマリヤ達の牧場で作ったチーズやバターをお城まで届けに来てくれる。
やってくるたびにシャルロットを口説いたりベタベタするのでクロウは不満のようだが、持ってくる手作りの乳製品はどれも絶品で美味しかった。
明帝国も新皇帝ジョンシアは即位するとボロボロだった傾国を一年足らずで建て直した。
金色の幻狼エステルは彼の隣に立ち、共に国を護っているようだ。
時々ジョンシアとくだらない喧嘩をしてシャルロットの元に転移魔法で家出をしてくる。
身体は大きくなり青年の姿に成長したが、まだ中身は母親に甘えたい子供のよう。
ーーオーギュスト国のヴェルは、この春めでたく王に即位した。
戴冠式で久しぶりに会ったヴェルは身長が20センチも伸びて大人っぽくなっていたが、性格は相変わらず甘えん坊で可愛らしい。しかし、王としての仕事は真面目に取り組んでいるようだ。
猫神様の人気もますます強くなり、近隣国でも大ブーム。
猫神様の露出は増えて、猫神様が振付を担当しプロデュースした猫ダンスが社会現象になっているらしい。
ヴェルはゲーテ王子に未だお熱だそうで、熱烈なアプローチをしてゲーテ王子は悲鳴をあげながら逃げ回っていた。
ーーシャルロットの周りではベビーラッシュ。
クリスティもシモンそっくりな男の子の赤ちゃんが誕生し、まだ掴まり立ちしかできないのにシモンは早くもベビーに剣術を教え込もうと張り切っていた。
シャルロットの兄である右王の妻ビオラは年子で妊娠。先月出産したがーーなんとまた双子の男の子。
孫が4人も出来てオリヴィア小国のお城は大所帯で賑やかに、シャルロットの母も満足そうだ。
幻狼グレイも今、番いの相手であるフクシアとの子を身籠っていて、フクシアは舞い上がっている。
秋には子幻狼が産まれるだろう。
リリースは東の魔女ルシアに弟子入りし、シャルロットの護衛をしていたアダムは官僚に。第一騎士団のイルカルは騎士団を退職して城を去った。現在はオリヴィア小国で左王の側近に転職、王の仕事の補佐や世話、護衛などを担当している。
男気溢れる左王に惚れ込んで、一生彼に付いていくと決めたようだ。
シャルロットが一番びっくりしたのは騎士団の険悪な団長2人、コハン団長とメリー団長が年末に突然結婚したことか……。
当初2人は結婚式を挙げない予定だったが、シャルロットが新設したハロゲートの精霊薔薇の丘のチャペルで宣伝目的の模擬披露宴の新郎新婦に2人を抜擢、騎士らが参列しーー、それを見学した客から大好評で結婚式の予約が殺到した。
美しく感動的な結婚式だったのに、夫婦団長2人は毎日のように大声張り上げ城内で喧嘩をしている。
食堂にも新しいスタッフが増えた。
孤児院から今年退所予定だった子が数人起用され、住み込みで働いてもらっている。
とても真面目で物覚えのいい少年たちで、料理の楽しさにも目覚めている。
今後とも食堂のことをしっかりと任せられそうだ。
「お姫ちゃん、このブラウニー一本もらってもいい?」
月守のシャルロットの私室、その奥にあるキッチンにユハが仕事を抜け出して遊びに来ていた。
2人は隣り合ってキッチンの台に向かいながら、出来上がった焼き菓子を包んでいた。
「良いわよ。元から貴方にあげるつもりだったもの」
「サンキュー☆」
ユハは今、アルハンゲルと共同で食堂の仕事の合間にハロゲートの開発事業に着手している。
もうすでに建設は始まっていた。
「シャルロット様~、そろそろ出発のお時間です!」
余所行きの服を着たシャルロットの古くからの侍女リリーが大声で呼び掛ける。
「えっ?もうそんな時間なの?」
シャルロットは慌てて持っていた焼き菓子を紙で包み、バスケットの中に入れた。
キッチンの後片付けも済んだ、身支度もオッケーだ。急いでエプロンを脱いで、それを大きなトランクケースの中に押し込んだ。
「じゃあ、ユハ。行くわね」
「行ってらっしゃい☆俺っちのレストランが出来たら、俺っち 1番にお姫ちゃんを招待するねっ」
「ふふ、何があっても絶対に行くわ!約束よ?」
シャルロットは小指をユハに差し出した。
ユハは穏やかに笑ってシャルロットと指切りを交わした。
部屋の隅でうたた寝していた幻狼姿のグレイはシャルロットの隣に立ち、首を傾げた。
「シャルロット……それはなあに?」
「約束を立てる儀式よ、私が昔いた世界のまじないみたいなものね」
自分も真似したくなったのか、グレイはきょとんとした顔しながら自分も前脚をシャルロットに立てた。
「ふふ」
シャルロットは笑うとグレイの前脚をギュッと握った。
シャルロットはエプロンを脱ぐと落ち着いたブラウンと可愛らしい小花柄のワンピースに身を包み、つばの広いオフホワイトの大きな帽子を被って全身鏡の前に立った。
「それじゃあ、メイさん。今までお世話になりました」
「はい、シャルロット様の留守は私がしっかりとみているわ!どうか、お元気で」
メイの目には薄っすらと涙が滲んでいた。
シャルロットも寂しげな表情を浮かべて、彼女と向かい合う。
ーーシャルロットは今日、クライシア大国の城を出て行く。
「シャルロット、準備はいいか?」
本殿を出ると、王家の馬車の前にグレース皇子とクロウが立っていた。
シャルロットは笑顔で彼らに駆け寄った。
「ええ。お菓子も焼いたから、船で食べましょう?」
「ああ、いい香りだな。食べるのが楽しみだ」
グレース皇子は今秋から遠い大陸にあるエスター国の大学都市にある有名なアカデミーへ留学することが決まった。期間は2年間。
各国の要人や貴族のご子息・息女が通う大学のような機関。父である王のレイメイも昔在学していたアカデミーで自分も学びたい、視野を広げたいとーーグレース皇子は自ら希望した。
シャルロットは迷わず彼について行くと決めたのだ。
2人の幻狼クロウとグレイ、フクシアも一緒だ。
三匹の大きな幻狼が馬車に乗り込むと、車内はもうギュウギュウだ。
「お前ら転移魔法が使えるんなら、馬車じゃなくて魔法で移動すればいいだろう」
「疲れるからやだもん~っ」
「オレも船に乗りたいんだぜ」
クロウとフクシアはルンルンと楽しげだ。
グレイはおとなしくシャルロットの足元で伏せ寝をはじめた。
「皇子、姫様、間も無く出発いたします」
「はい」
馬車の外には親衛隊の服を着たキャロルとユーシン、ゲーテ、アーサーも居た。
彼らは今年の春から新しくグレース皇子とシャルロットの親衛隊に任命され、留学にも付いてきてくれる。
「ふわぁ~、眠ぃ」
ゲーテは気怠そうだった。
騎士団の方で、明け方まで送別会をしていたらしく、二日酔いだろう。
それをキャロルは窘める。
「おい!勤務中だぞ!シャキッとしろ!」
「ハイハイ、あーウゼェ……」
念願の親衛隊になれたキャロルはかなり張り切っていた。
「はい、これ。朝、お菓子を焼いたのよ。親衛隊のみんなで食べてね」
「ありがとうっす、シャルルさん」
「あざっす」
ユーシンとアーサーは菓子を受け取ると礼を言った。
やがて馬車は動き出し、城門をくぐった。
シャルロットは窓から遠ざかるお城を見つめて、柔らかく笑う。
「いろんなことがあったなあ……」
初めてこの国にやって来たのが昨日のように感じる。隣に座っているグレース皇子はシャルロットの手をギュッと握って、優しい笑顔を向けた。
シャルロットは甘えるように笑ってグレース皇子の腕を抱いて、肩に寄り掛かる。
重なり合う手のひら、2人の指にはまったお揃いの結婚指輪が太陽の光を浴びてキラリと光った。
シャルロットの物語はまだまだ続いていきそうだ。
ーー北のふ頭へ向かう馬車は、やがて湖の滸にある広大な向日葵畑の前を横切った。
シャルロットを取り囲む人々にも変化が訪れた。
ーー元ソレイユ国の王夫妻でありクライシア大国へ亡命していたマリヤ達夫婦は、孤児院で出会った孤児の姉弟を養子に迎えてオリヴィア小国へと移住した。
子供がいなかった夫婦は養子に入った姉弟をとても可愛がっており、今は大きな牧場で酪農経営をはじめている。
幻狼ミモザも、マリヤ達家族と幸せそうに暮らしているようだ。
たまにマリヤ達の牧場で作ったチーズやバターをお城まで届けに来てくれる。
やってくるたびにシャルロットを口説いたりベタベタするのでクロウは不満のようだが、持ってくる手作りの乳製品はどれも絶品で美味しかった。
明帝国も新皇帝ジョンシアは即位するとボロボロだった傾国を一年足らずで建て直した。
金色の幻狼エステルは彼の隣に立ち、共に国を護っているようだ。
時々ジョンシアとくだらない喧嘩をしてシャルロットの元に転移魔法で家出をしてくる。
身体は大きくなり青年の姿に成長したが、まだ中身は母親に甘えたい子供のよう。
ーーオーギュスト国のヴェルは、この春めでたく王に即位した。
戴冠式で久しぶりに会ったヴェルは身長が20センチも伸びて大人っぽくなっていたが、性格は相変わらず甘えん坊で可愛らしい。しかし、王としての仕事は真面目に取り組んでいるようだ。
猫神様の人気もますます強くなり、近隣国でも大ブーム。
猫神様の露出は増えて、猫神様が振付を担当しプロデュースした猫ダンスが社会現象になっているらしい。
ヴェルはゲーテ王子に未だお熱だそうで、熱烈なアプローチをしてゲーテ王子は悲鳴をあげながら逃げ回っていた。
ーーシャルロットの周りではベビーラッシュ。
クリスティもシモンそっくりな男の子の赤ちゃんが誕生し、まだ掴まり立ちしかできないのにシモンは早くもベビーに剣術を教え込もうと張り切っていた。
シャルロットの兄である右王の妻ビオラは年子で妊娠。先月出産したがーーなんとまた双子の男の子。
孫が4人も出来てオリヴィア小国のお城は大所帯で賑やかに、シャルロットの母も満足そうだ。
幻狼グレイも今、番いの相手であるフクシアとの子を身籠っていて、フクシアは舞い上がっている。
秋には子幻狼が産まれるだろう。
リリースは東の魔女ルシアに弟子入りし、シャルロットの護衛をしていたアダムは官僚に。第一騎士団のイルカルは騎士団を退職して城を去った。現在はオリヴィア小国で左王の側近に転職、王の仕事の補佐や世話、護衛などを担当している。
男気溢れる左王に惚れ込んで、一生彼に付いていくと決めたようだ。
シャルロットが一番びっくりしたのは騎士団の険悪な団長2人、コハン団長とメリー団長が年末に突然結婚したことか……。
当初2人は結婚式を挙げない予定だったが、シャルロットが新設したハロゲートの精霊薔薇の丘のチャペルで宣伝目的の模擬披露宴の新郎新婦に2人を抜擢、騎士らが参列しーー、それを見学した客から大好評で結婚式の予約が殺到した。
美しく感動的な結婚式だったのに、夫婦団長2人は毎日のように大声張り上げ城内で喧嘩をしている。
食堂にも新しいスタッフが増えた。
孤児院から今年退所予定だった子が数人起用され、住み込みで働いてもらっている。
とても真面目で物覚えのいい少年たちで、料理の楽しさにも目覚めている。
今後とも食堂のことをしっかりと任せられそうだ。
「お姫ちゃん、このブラウニー一本もらってもいい?」
月守のシャルロットの私室、その奥にあるキッチンにユハが仕事を抜け出して遊びに来ていた。
2人は隣り合ってキッチンの台に向かいながら、出来上がった焼き菓子を包んでいた。
「良いわよ。元から貴方にあげるつもりだったもの」
「サンキュー☆」
ユハは今、アルハンゲルと共同で食堂の仕事の合間にハロゲートの開発事業に着手している。
もうすでに建設は始まっていた。
「シャルロット様~、そろそろ出発のお時間です!」
余所行きの服を着たシャルロットの古くからの侍女リリーが大声で呼び掛ける。
「えっ?もうそんな時間なの?」
シャルロットは慌てて持っていた焼き菓子を紙で包み、バスケットの中に入れた。
キッチンの後片付けも済んだ、身支度もオッケーだ。急いでエプロンを脱いで、それを大きなトランクケースの中に押し込んだ。
「じゃあ、ユハ。行くわね」
「行ってらっしゃい☆俺っちのレストランが出来たら、俺っち 1番にお姫ちゃんを招待するねっ」
「ふふ、何があっても絶対に行くわ!約束よ?」
シャルロットは小指をユハに差し出した。
ユハは穏やかに笑ってシャルロットと指切りを交わした。
部屋の隅でうたた寝していた幻狼姿のグレイはシャルロットの隣に立ち、首を傾げた。
「シャルロット……それはなあに?」
「約束を立てる儀式よ、私が昔いた世界のまじないみたいなものね」
自分も真似したくなったのか、グレイはきょとんとした顔しながら自分も前脚をシャルロットに立てた。
「ふふ」
シャルロットは笑うとグレイの前脚をギュッと握った。
シャルロットはエプロンを脱ぐと落ち着いたブラウンと可愛らしい小花柄のワンピースに身を包み、つばの広いオフホワイトの大きな帽子を被って全身鏡の前に立った。
「それじゃあ、メイさん。今までお世話になりました」
「はい、シャルロット様の留守は私がしっかりとみているわ!どうか、お元気で」
メイの目には薄っすらと涙が滲んでいた。
シャルロットも寂しげな表情を浮かべて、彼女と向かい合う。
ーーシャルロットは今日、クライシア大国の城を出て行く。
「シャルロット、準備はいいか?」
本殿を出ると、王家の馬車の前にグレース皇子とクロウが立っていた。
シャルロットは笑顔で彼らに駆け寄った。
「ええ。お菓子も焼いたから、船で食べましょう?」
「ああ、いい香りだな。食べるのが楽しみだ」
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シャルロットは迷わず彼について行くと決めたのだ。
2人の幻狼クロウとグレイ、フクシアも一緒だ。
三匹の大きな幻狼が馬車に乗り込むと、車内はもうギュウギュウだ。
「お前ら転移魔法が使えるんなら、馬車じゃなくて魔法で移動すればいいだろう」
「疲れるからやだもん~っ」
「オレも船に乗りたいんだぜ」
クロウとフクシアはルンルンと楽しげだ。
グレイはおとなしくシャルロットの足元で伏せ寝をはじめた。
「皇子、姫様、間も無く出発いたします」
「はい」
馬車の外には親衛隊の服を着たキャロルとユーシン、ゲーテ、アーサーも居た。
彼らは今年の春から新しくグレース皇子とシャルロットの親衛隊に任命され、留学にも付いてきてくれる。
「ふわぁ~、眠ぃ」
ゲーテは気怠そうだった。
騎士団の方で、明け方まで送別会をしていたらしく、二日酔いだろう。
それをキャロルは窘める。
「おい!勤務中だぞ!シャキッとしろ!」
「ハイハイ、あーウゼェ……」
念願の親衛隊になれたキャロルはかなり張り切っていた。
「はい、これ。朝、お菓子を焼いたのよ。親衛隊のみんなで食べてね」
「ありがとうっす、シャルルさん」
「あざっす」
ユーシンとアーサーは菓子を受け取ると礼を言った。
やがて馬車は動き出し、城門をくぐった。
シャルロットは窓から遠ざかるお城を見つめて、柔らかく笑う。
「いろんなことがあったなあ……」
初めてこの国にやって来たのが昨日のように感じる。隣に座っているグレース皇子はシャルロットの手をギュッと握って、優しい笑顔を向けた。
シャルロットは甘えるように笑ってグレース皇子の腕を抱いて、肩に寄り掛かる。
重なり合う手のひら、2人の指にはまったお揃いの結婚指輪が太陽の光を浴びてキラリと光った。
シャルロットの物語はまだまだ続いていきそうだ。
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