144 / 262
奪われたお城と皇子の愛を取り戻せ!?〜シャルロットの幸せウエディングパレード
幽閉された王子様のはなし
しおりを挟む
暗くて埃っぽい塔の中に閉じ込められてどれくらい時間が過ぎたのかーーもう少年には分からなかった。
金髪に青い眼をした美しい王子は冷たくて硬い床に素足で座り込んでいた。
幼い体には酷すぎる怖い大人達からの精神また肉体的な虐待の日々、1秒1秒が永遠にも感じられるほど長く辛い日々。
『精霊王様ーー、精霊王様ーー、どうか、どうか、もう一度お父様やお母様達に会わせてください、お姉様達に会わせてくださいーーー僕、良い子にするから……』
痩せ細った手をギュッと握って、天窓から覗く銀色の月に向かって必死に祈った。
『死にたくないーーー』
『……生きたいか?』
どこからか誰かの声がする。
檻の外を振り返るが、今は看守も居ない。
もしかして精霊王さま?
『生きたい……、死にたくない。もう一度、みんなに会いたいーーっ』
精霊王というのは母国で祀られていた神のような存在だ。
大昔、母国に精霊王という人物が現れて、困っている民達を救ったのだと絵本で読んだ。
たまたまその日は無心で部屋の中に落ちていた石を使い、床に六芒星を描いていた。
昔 よく遊んだ従姉妹がよく落書きしていた星のマーク……魔除けの効果があるって言ってたっけ。
六芒星を優しい月明かりが照らし、そこにポタポタと口から流れる血が数滴落ちた。
その瞬間、目映い光が部屋中に溢れた……。
どこからか現れたのは、1匹のオオカミだった。
金髪に青い眼をした美しい王子は冷たくて硬い床に素足で座り込んでいた。
幼い体には酷すぎる怖い大人達からの精神また肉体的な虐待の日々、1秒1秒が永遠にも感じられるほど長く辛い日々。
『精霊王様ーー、精霊王様ーー、どうか、どうか、もう一度お父様やお母様達に会わせてください、お姉様達に会わせてくださいーーー僕、良い子にするから……』
痩せ細った手をギュッと握って、天窓から覗く銀色の月に向かって必死に祈った。
『死にたくないーーー』
『……生きたいか?』
どこからか誰かの声がする。
檻の外を振り返るが、今は看守も居ない。
もしかして精霊王さま?
『生きたい……、死にたくない。もう一度、みんなに会いたいーーっ』
精霊王というのは母国で祀られていた神のような存在だ。
大昔、母国に精霊王という人物が現れて、困っている民達を救ったのだと絵本で読んだ。
たまたまその日は無心で部屋の中に落ちていた石を使い、床に六芒星を描いていた。
昔 よく遊んだ従姉妹がよく落書きしていた星のマーク……魔除けの効果があるって言ってたっけ。
六芒星を優しい月明かりが照らし、そこにポタポタと口から流れる血が数滴落ちた。
その瞬間、目映い光が部屋中に溢れた……。
どこからか現れたのは、1匹のオオカミだった。
0
お気に入りに追加
396
あなたにおすすめの小説

寵愛のいる旦那様との結婚生活が終わる。もし、次があるのなら緩やかに、優しい人と恋がしたい。
にのまえ
恋愛
リルガルド国。公爵令嬢リイーヤ・ロイアルは令嬢ながら、剣に明け暮れていた。
父に頼まれて参加をした王女のデビュタントの舞踏会で、伯爵家コール・デトロイトと知り合い恋に落ちる。
恋に浮かれて、剣を捨た。
コールと結婚をして初夜を迎えた。
リイーヤはナイトドレスを身に付け、鼓動を高鳴らせて旦那様を待っていた。しかし寝室に訪れた旦那から出た言葉は「私は君を抱くことはない」「私には心から愛する人がいる」だった。
ショックを受けて、旦那には愛してもられないと知る。しかし離縁したくてもリルガルド国では離縁は許されない。しかしリイーヤは二年待ち子供がいなければ離縁できると知る。
結婚二周年の食事の席で、旦那は義理両親にリイーヤに子供ができたと言い出した。それに反論して自分は生娘だと医師の診断書を見せる。
混乱した食堂を後にして、リイーヤは馬に乗り伯爵家から出て行き国境を越え違う国へと向かう。
もし、次があるのなら優しい人と恋がしたいと……
お読みいただき、ありがとうございます。
エブリスタで四月に『完結』した話に差し替えいたいと思っております。内容はさほど、変わっておりません。
それにあたり、栞を挟んでいただいている方、すみません。


断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

【完結】仰る通り、貴方の子ではありません
ユユ
恋愛
辛い悪阻と難産を経て産まれたのは
私に似た待望の男児だった。
なのに認められず、
不貞の濡れ衣を着せられ、
追い出されてしまった。
実家からも勘当され
息子と2人で生きていくことにした。
* 作り話です
* 暇つぶしにどうぞ
* 4万文字未満
* 完結保証付き
* 少し大人表現あり
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる