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温泉街ハロゲートへ〜シャルロットと騎士団の極楽☆温泉旅行
夜に咲いた花の街と届かない恋
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月明かりが差し込む深夜の客間に1人の男が忍び込んだ。
シャルロットは皮膚にビリッと静電気が走ったような感覚がして、ふと目を覚ます。
大きなキングサイズのベッドにはグレース皇子や幻狼姿のクロウやグレイが眠っている。
だが、誰一人目を覚まさない。
人影がシャルロットに向かってスタスタと歩いてきた。
「……だっ」
誰?そう声を上げようとすると白い手が伸びてきてシャルロットの口を塞いだ。
明るい月光にその姿が晒される。
そこに居たのはユハだった。
シャルロットは目を見開いて彼を凝視した。
「シー、静かに」
ユハは寝間着姿のシャルロットを横抱きにしてベッドから離れた。
そしてバルコニーへ向かって歩き出す。
「…ユハ?」
「東大陸で、俺、めっちゃ頑張ったからご褒美をもらいに来たの☆約束でしょ?」
「グレース様に一声かけて行かなきゃ、心配するわ」
「大丈夫~、俺っちのかけた魔法でぐっすり眠ってるよ。逢引の邪魔はされたくないしね~」
ユハはシャルロットを腕に抱えたままバルコニーから飛び降りた。
シャルロットはびっくりして落ちないようにユハに抱き着く。
「ちょ、ちょっと!」
絶叫マシンみたいに物凄い勢いで空を駆けている。
ユハは楽しそうにニコニコ笑っていた。
そうして運ばれたのは温泉街の中にある広い更地だった。
「ユハ?ここは……」
「俺っちね、ここに大きなホテルを建てようって思っててさ。シモンやグレースにも既に話してあるんだけど~」
「ほ、ホテル?」
「そ、そんでね、ホテルの中にレストランを作ろうかと考えてるんだ。今クライシア大国内やソレイユ国の有名な料理人達にも色々と声も掛けてるところ。今すぐってわけじゃなくて、計画としては数年先のことになるけれど……、アルハンゲルも引き抜くつもり」
シャルロットは驚いた。
「……え?それじゃ……、お城の社員食堂はどうするの?」
「今後は料理長のマーヤに引き継いでもらうよ、彼、すごく真面目で優秀だからね☆本人も希望している」
「……」
シャルロットは寂しそうな顔をして黙り込んでしまった。
ユハは更地の上に降りると、ギュッとシャルロットの身体を抱き締めた。
「ねえ、シャルロット。シャルロットも俺と一緒に来ない?グレースと結婚して王妃様になるより、俺と一緒にレストランで働いた方がきっと100倍楽しいよ?」
「……え?」
突然 真剣な顔をして、じっと見つめられた。
いつもの冗談かと一瞬思ったけれど、そんな雰囲気じゃなかった。
「ーー俺はシャルロットと一緒に料理をするのが楽しいんだ、これからも、君と一緒にいたい」
「…わ、私も、ユハとお料理するのは楽しいわ、食堂だってやり甲斐があるの。これからもそうだと思っていたから……急にそんな話をされても……」
ユハの腕の中でシャルロットは俯き、目を潤ませていた。
「泣くなんて、気が早いなあ☆まだ何も着工してすらいないのに」
「…泣いてないわ。少し寂しくなっただけよ。でも、レストランを開くことが…ユハの前世からの夢だものね。応援するーー!でも、私は一緒に働けないわ」
シャルロットはユハの腕から降りた。
そしてユハに向かい合い、きちんと目を見て断った。
「シャルロット……」
「私はグレース様と結婚して、いずれはこの国の王妃様になる。グレース様は今この国と、自分の役目に真面目に向き合っているわ。私は、彼の幻狼であるクロウと一緒に、その支えになりたいの。そして私も、私にできることをしてこの国を良くして行きたい。ユーシンやキャロルさんや騎士たち、この国の大切な人たちが笑って暮らせるように……」
直向きな言葉に、ユハは寂しげな目をして優しく笑った。
「だから……ごめんなさい、ユハ…せっかく誘ってもらえたのに」
「謝らないで、シャルロット」
しんと静まりかえる2人の間に冷たい夜風が吹き抜けた。
ユハはシャルロットの身体を突然抱き寄せ、驚いてぽかんと開いたシャルロットの薄い唇にキスをした。
「……!?」
「ご褒美いただき☆俺っちを使うと高く付くって言ったっしょ?」
ユハはニコニコといつもの調子で笑っている。
シャルロットは怒ってユハに平手打ちしようと手を振るうが、簡単に止められてしまった。
「暴力はダメだよ~子猫ちゃん」
シャルロットの手を取り、今度は指先にキスをするユハ。
「ワイセツ行為はもっとダメでしょ?……もっ、もう!真面目な話してたのに、なんでふざけるの?」
「魔人はねえ、ふざけてキスなんてしないんだよ~。魔力や魂を譲渡する神聖な儀式だからね」
「???、私、今 魔力に困ってないわよ?」
シャルロットは目を点にしたまま首を傾げている。
「お姫ちゃんってアホでかわいいなあ」
「今度は侮辱なの?」
怒ってユハをギロッと睨むシャルロット。
ユハは笑い終わると、ハァッと大きなため息を吐いてシャルロットに背を向けた。
「ゆはーーーーっ!もぉ~~~!」
突然何かが紺碧の空から勢いよく降ってきて地面に落下した。
「く、クロウ?」
幻狼姿のクロウが目の前に立って威嚇していた。
牙を剥き出して唸っている幻狼を目の前にしても、ユハは飄々と笑っている。
「思ったより早くお姫ちゃんの番犬が来ちゃったね~、せっかくの逢瀬が~……」
「私は犬じゃないもん!ユハ!何の真似?私やグレイやグレースに変な魔法かけたのユハでしょ!?やい!シャルロットを返せ!」
「クロウったら!喧嘩はダメよ」
シャルロットは顔をしわくちゃにして唸り続けるクロウに駆け寄って身体を撫でて落ち着かせようとした。
「はいはい、間男は退散しますよ~☆じゃあね、おやすみ、マイスイートハートお姫ちゃん」
「あっちへ行け~!あんぽんたん~!」
クロウはシャルロットを自分の身体で隠しながらギャンギャン吠えた。
ユハも表情がコロコロ変わるクロウが面白くて半ば揶揄してるんだろう。
「あはは☆クロウが怖いから俺っち帰るわ。城へ帰ったら改めてデートしようね?ダーリン」
「させないもん!バカ~!」
ユハがその場を去っても、クロウはプンスカ怒ってる。
シャルロットは苦笑していた。
「ごめんなさい、勝手に抜け出して。グレース様とグレイは?」
「グレイは起きてるけど、グレースは眠ったままだよ。ユハが魔法で眠らせたみたい」
「…そう、ちょうどいいわ。眠らせたままにしておきましょう?最近考え事が多くて寝不足みたいなの」
「ウン、そうだねえ」
クロウはオオカミ姿から人の姿に切り替わった。
シャルロットはニコニコと笑って、クロウの手を握りながら背伸びをすると彼に優しくキスをした。
シャルロットからのキスに、クロウは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「えへへ~、シャルロット~、大好き~♡」
「私もクロウが大好きよ」
「私の方がもっと大好きだもん~♡」
単純な性格のクロウは、すっかり機嫌が直ったようだ。
今は人の姿をしているけど尻尾をブンブン振っているような幻覚も見える。
空からアラレのような光の粒子が降り注ぎ、ポンッ ポンッーーと、カラフルな煙と共に何かが地面の上で弾けた。
頭上を見上げると夜空を花の精霊フラーが舞っていた。
「……?」
「フラーの祝福だ、クリスティと契約したんだね!」
シャルロットとクロウを取り囲むように何もなかった大地に、緑の草木や美しい花が咲いた。
「わ、バラだわ」
「秋バラだねえ」
あちらこちらで青々しく萌えるラベンダーの葉。
真っ白で素朴で可愛らしいアスターやアネモネ、コスモスの花にシュウメイギク、シックな色合いの上品なダリア、華やかな秋バラ、殺風景だった温泉施設の前の遊歩道には葉が真っ赤に色付いたメタセコイア並木。
秋色のガーデンが広がっていた。
「ふん、どお?」
空の上で花の精霊フラーはドヤ顔している。
「素敵ね!」
「朝、みんなが起きたらびっくりするねえ」
温泉施設のバルコニーではクリスティがシモンと寄り添いながら花が笑み、カラフルに色付いていく風景を眺めていた。
「クリスティ様、あの気難しい花の精霊と契約できたのですね」
「うふふ、一緒にお酒を飲みながら趣味の話で盛り上がってね……すっかり意気投合しましたのよ」
「………花の精霊と男色の話ですか?」
「うふ、布教活動ですわ。それに、フラー様はとても喜んでくださったもの。引っ越してきたばかりで趣味友達も近くにいなくて寂しかったの♪」
朝陽が空に昇る頃ーーハロゲートはすっかり美しい花の街へと変化していた。
シャルロットは皮膚にビリッと静電気が走ったような感覚がして、ふと目を覚ます。
大きなキングサイズのベッドにはグレース皇子や幻狼姿のクロウやグレイが眠っている。
だが、誰一人目を覚まさない。
人影がシャルロットに向かってスタスタと歩いてきた。
「……だっ」
誰?そう声を上げようとすると白い手が伸びてきてシャルロットの口を塞いだ。
明るい月光にその姿が晒される。
そこに居たのはユハだった。
シャルロットは目を見開いて彼を凝視した。
「シー、静かに」
ユハは寝間着姿のシャルロットを横抱きにしてベッドから離れた。
そしてバルコニーへ向かって歩き出す。
「…ユハ?」
「東大陸で、俺、めっちゃ頑張ったからご褒美をもらいに来たの☆約束でしょ?」
「グレース様に一声かけて行かなきゃ、心配するわ」
「大丈夫~、俺っちのかけた魔法でぐっすり眠ってるよ。逢引の邪魔はされたくないしね~」
ユハはシャルロットを腕に抱えたままバルコニーから飛び降りた。
シャルロットはびっくりして落ちないようにユハに抱き着く。
「ちょ、ちょっと!」
絶叫マシンみたいに物凄い勢いで空を駆けている。
ユハは楽しそうにニコニコ笑っていた。
そうして運ばれたのは温泉街の中にある広い更地だった。
「ユハ?ここは……」
「俺っちね、ここに大きなホテルを建てようって思っててさ。シモンやグレースにも既に話してあるんだけど~」
「ほ、ホテル?」
「そ、そんでね、ホテルの中にレストランを作ろうかと考えてるんだ。今クライシア大国内やソレイユ国の有名な料理人達にも色々と声も掛けてるところ。今すぐってわけじゃなくて、計画としては数年先のことになるけれど……、アルハンゲルも引き抜くつもり」
シャルロットは驚いた。
「……え?それじゃ……、お城の社員食堂はどうするの?」
「今後は料理長のマーヤに引き継いでもらうよ、彼、すごく真面目で優秀だからね☆本人も希望している」
「……」
シャルロットは寂しそうな顔をして黙り込んでしまった。
ユハは更地の上に降りると、ギュッとシャルロットの身体を抱き締めた。
「ねえ、シャルロット。シャルロットも俺と一緒に来ない?グレースと結婚して王妃様になるより、俺と一緒にレストランで働いた方がきっと100倍楽しいよ?」
「……え?」
突然 真剣な顔をして、じっと見つめられた。
いつもの冗談かと一瞬思ったけれど、そんな雰囲気じゃなかった。
「ーー俺はシャルロットと一緒に料理をするのが楽しいんだ、これからも、君と一緒にいたい」
「…わ、私も、ユハとお料理するのは楽しいわ、食堂だってやり甲斐があるの。これからもそうだと思っていたから……急にそんな話をされても……」
ユハの腕の中でシャルロットは俯き、目を潤ませていた。
「泣くなんて、気が早いなあ☆まだ何も着工してすらいないのに」
「…泣いてないわ。少し寂しくなっただけよ。でも、レストランを開くことが…ユハの前世からの夢だものね。応援するーー!でも、私は一緒に働けないわ」
シャルロットはユハの腕から降りた。
そしてユハに向かい合い、きちんと目を見て断った。
「シャルロット……」
「私はグレース様と結婚して、いずれはこの国の王妃様になる。グレース様は今この国と、自分の役目に真面目に向き合っているわ。私は、彼の幻狼であるクロウと一緒に、その支えになりたいの。そして私も、私にできることをしてこの国を良くして行きたい。ユーシンやキャロルさんや騎士たち、この国の大切な人たちが笑って暮らせるように……」
直向きな言葉に、ユハは寂しげな目をして優しく笑った。
「だから……ごめんなさい、ユハ…せっかく誘ってもらえたのに」
「謝らないで、シャルロット」
しんと静まりかえる2人の間に冷たい夜風が吹き抜けた。
ユハはシャルロットの身体を突然抱き寄せ、驚いてぽかんと開いたシャルロットの薄い唇にキスをした。
「……!?」
「ご褒美いただき☆俺っちを使うと高く付くって言ったっしょ?」
ユハはニコニコといつもの調子で笑っている。
シャルロットは怒ってユハに平手打ちしようと手を振るうが、簡単に止められてしまった。
「暴力はダメだよ~子猫ちゃん」
シャルロットの手を取り、今度は指先にキスをするユハ。
「ワイセツ行為はもっとダメでしょ?……もっ、もう!真面目な話してたのに、なんでふざけるの?」
「魔人はねえ、ふざけてキスなんてしないんだよ~。魔力や魂を譲渡する神聖な儀式だからね」
「???、私、今 魔力に困ってないわよ?」
シャルロットは目を点にしたまま首を傾げている。
「お姫ちゃんってアホでかわいいなあ」
「今度は侮辱なの?」
怒ってユハをギロッと睨むシャルロット。
ユハは笑い終わると、ハァッと大きなため息を吐いてシャルロットに背を向けた。
「ゆはーーーーっ!もぉ~~~!」
突然何かが紺碧の空から勢いよく降ってきて地面に落下した。
「く、クロウ?」
幻狼姿のクロウが目の前に立って威嚇していた。
牙を剥き出して唸っている幻狼を目の前にしても、ユハは飄々と笑っている。
「思ったより早くお姫ちゃんの番犬が来ちゃったね~、せっかくの逢瀬が~……」
「私は犬じゃないもん!ユハ!何の真似?私やグレイやグレースに変な魔法かけたのユハでしょ!?やい!シャルロットを返せ!」
「クロウったら!喧嘩はダメよ」
シャルロットは顔をしわくちゃにして唸り続けるクロウに駆け寄って身体を撫でて落ち着かせようとした。
「はいはい、間男は退散しますよ~☆じゃあね、おやすみ、マイスイートハートお姫ちゃん」
「あっちへ行け~!あんぽんたん~!」
クロウはシャルロットを自分の身体で隠しながらギャンギャン吠えた。
ユハも表情がコロコロ変わるクロウが面白くて半ば揶揄してるんだろう。
「あはは☆クロウが怖いから俺っち帰るわ。城へ帰ったら改めてデートしようね?ダーリン」
「させないもん!バカ~!」
ユハがその場を去っても、クロウはプンスカ怒ってる。
シャルロットは苦笑していた。
「ごめんなさい、勝手に抜け出して。グレース様とグレイは?」
「グレイは起きてるけど、グレースは眠ったままだよ。ユハが魔法で眠らせたみたい」
「…そう、ちょうどいいわ。眠らせたままにしておきましょう?最近考え事が多くて寝不足みたいなの」
「ウン、そうだねえ」
クロウはオオカミ姿から人の姿に切り替わった。
シャルロットはニコニコと笑って、クロウの手を握りながら背伸びをすると彼に優しくキスをした。
シャルロットからのキスに、クロウは嬉しそうに満面の笑みを浮かべた。
「えへへ~、シャルロット~、大好き~♡」
「私もクロウが大好きよ」
「私の方がもっと大好きだもん~♡」
単純な性格のクロウは、すっかり機嫌が直ったようだ。
今は人の姿をしているけど尻尾をブンブン振っているような幻覚も見える。
空からアラレのような光の粒子が降り注ぎ、ポンッ ポンッーーと、カラフルな煙と共に何かが地面の上で弾けた。
頭上を見上げると夜空を花の精霊フラーが舞っていた。
「……?」
「フラーの祝福だ、クリスティと契約したんだね!」
シャルロットとクロウを取り囲むように何もなかった大地に、緑の草木や美しい花が咲いた。
「わ、バラだわ」
「秋バラだねえ」
あちらこちらで青々しく萌えるラベンダーの葉。
真っ白で素朴で可愛らしいアスターやアネモネ、コスモスの花にシュウメイギク、シックな色合いの上品なダリア、華やかな秋バラ、殺風景だった温泉施設の前の遊歩道には葉が真っ赤に色付いたメタセコイア並木。
秋色のガーデンが広がっていた。
「ふん、どお?」
空の上で花の精霊フラーはドヤ顔している。
「素敵ね!」
「朝、みんなが起きたらびっくりするねえ」
温泉施設のバルコニーではクリスティがシモンと寄り添いながら花が笑み、カラフルに色付いていく風景を眺めていた。
「クリスティ様、あの気難しい花の精霊と契約できたのですね」
「うふふ、一緒にお酒を飲みながら趣味の話で盛り上がってね……すっかり意気投合しましたのよ」
「………花の精霊と男色の話ですか?」
「うふ、布教活動ですわ。それに、フラー様はとても喜んでくださったもの。引っ越してきたばかりで趣味友達も近くにいなくて寂しかったの♪」
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