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東大陸へーー幻狼エステル誕生。シャルロット、オオカミの精霊のママになる
シャルロットのイチゴ摘み
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「わぁ~苺だわ」
グレース皇子とクロウ、グレイを引き連れてやってきた庭園の一角が知らない間に苺畑になっていた。
クライシア大国では苺は夏野菜、今が旬のようだ。
「このお城ではね、お嫁さんをもらった王族は手ずからお庭に花を植える風習があるの。乙女椿の庭もレイメイが植えたんだよ!」
クロウが説明してくれた。
「まぁ、そうだったの。あ、ありがとう。グレース様、クロウ」
「姫には実の成る花が良いだろうってクロウが提案したんだ。優しげな白い花も、可愛らしい赤い実も、姫っぽい印象の花だな」
手のひらをギュッと優しく握られながら笑いかけられて、思わずドキドキしてしまった。
ぼんやりしていると、もう片方の手を急に人間化したクロウに引っ張られ苺畑の中へと連れ込まれた。
クロウは苺を一つ摘むとシャルロットの口に運んだ。
「シャルロット~、あーん」
シャルロットは苺を食べた。
「甘酸っぱくて美味しいわ」
「ふふん、新しい肥料のおかげだよ~」
オーギュスト国から帰国して一ヶ月弱、東方の村より東の魔女ルシアが往診にやってきた。
シャルロットの身体に宿った幻狼の赤ちゃんは順調に育ち、モゴモゴとシャルロットの胸の中でよく動くようになった。
最近は魔力の消費スピードも速くなり、胸の圧迫感も増している。
次の満月の夜辺りに産まれてくるとルシアに告げられた。
その満月の日が今夜……。
シャルロットは胸を撫でながら微笑んだ。
お腹はやっぱり臨月を迎えた今も微塵も膨らまない。
「見た目は全然変わってないけれど……新しい命が自分の中にいるってちゃんと感じるわ」
先週、夏風邪を引いて高熱を出してしまってから、治った今も食堂の仕事は休んだままだ。
ユハとリリースから絶対安静と言われて、こうしてシャルロットの身を心配して公務を減らしてくれたグレース皇子とクロウとともにのんびりと休暇を取っていた。
だが、本殿の中は一昨日からずっと騒がしい。
未だ謎に包まれている精霊の赤ちゃんの誕生に国内外の有識者達や新聞記者、関係者がお城へ押し寄せた。
またクロウを刺激してしまわないようにシャルロットの謁見依頼は謝絶、ルシアが対応してくれている。
「ううん……」
静かな青空の下、苺を籠いっぱいに積んでいたところで胸の奥の灼熱感が一層増す。
思わずクロウの胸の中に倒れ込んでしまった。
狼姿のグレイが駆け寄って来て、心配そうにシャルロットの頰を舐めていた。
額からはすごい量の冷や汗、意識も薄れていて顔を青くしてグッタリしている。
「……姫!?」
グレース皇子が不安そうにシャルロットの手を握る。
「姫の部屋へ運ぼう!早くルシアを呼んでくれ!」
グレース皇子は遠くに控えていた護衛の騎士達に指示を出した。
シャルロットはグレース皇子の腕の中で気を失っていた。
直ぐにシャルロットの私室のベッドへ運ばれ、侍女達とともにルシアが現れた。
ベッドの上で目を閉じたまま呼びかけにも応じずうなされているシャルロット。
「シャルロット!」
「シャルロットちゃん!」
お仕着せ姿のままのウェスタやリリースも慌てて部屋に駆けつけて来た。
ルシアはウェスタとグレイを呼んだ。
「予想以上に魔力の消耗が激しい!ウェスタ、グレイ、姫様に魔力をもっと送ってくれ!今のままだと力尽きてしまう」
緊迫した空気の中、二人は頷いた。
膨大な魔力を送れるのはシャルロットと正式に契約している精霊のみ。
「ルシア、シャルロット姫の容態は……?」
グレース皇子が尋ねると、ルシアの顔色が曇った。
「赤子は大丈夫だ……しかし……母体は……」
赤ちゃんとは言え高位聖霊。
幻狼の赤ちゃんは産まれて来るために、シャルロットの身体の中の魔力やエネルギーを大量に吸い上げて、母体を食い潰してしまいそうな勢いだった。
ウェスタやグレイが流し込んだ膨大な魔力も全て吸収してしまう。足りない分をシャルロットの生命エネルギーで補っているようだ。
人間のか弱い少女の身には負担が大きかった。
リリースはハッとして部屋を飛び出した。
しばらくして小さな器を片手に戻って来ると、それを東の魔女ルシアに手渡した。
「魔王山で取れたアオサンザシの実を月の光の下で干してすり潰したものです!魔岩塩を削って調合しました!魔力や体力回復の効果があるの」
「魔岩塩にアオサンザシ……、よし、リリース嬢、それをシャルロット様へ食べさせてくれ」
リリースは真剣な表情で横たわるシャルロットの口にすり潰した実を運んだ。
シャルロットの顔に血の気が戻った。
リリースは安堵した表情を見せた。
一時間、二時間と、時間は過ぎていく。
リリースの調合した薬の効果かシャルロットの意識がはっきりと戻った。
「シャルロットちゃん、苦しくない?」
「う、うん。ありがとう。ウェスタさん、グレイ、リリース、みんな……」
人間の子供を産む時の陣痛や出産の痛みや苦しさは無い。
その代わりに死ぬんじゃないかと不安になるほどの激しい脱力感や眠気、今だって唇を微かに動かせて喋るのがやっとで腕や脚が自力では動かせない。
血圧が急激に下がっているのか全身の血の気や体温が引いて驚くほど寒くて、毛布を一枚多く被せてもらった。
グレース皇子やクロウ達は隣の部屋で控えてもらっている。
三時間、四時間と時間が過ぎる度に胸の奥にあった灼熱感はどんどん皮膚辺りまで浮かび上がっていた。
全身凍るように寒いのに、胸元には熱した鉄の大きな塊が入っているように熱い。
そして真っ赤に染まった空の半分に暗い青色が差した頃、部屋中に黄金の光が溢れた。
するっとシャルロットの胸から何かが外へ抜けていく奇妙な感覚と共に、白い光の玉が飛び出した。
光の玉は中に浮かび、そしてシャルロットの腹の上に降りて来た。
「……え……!」
シャルロットの髪色と同じ黄金の毛並みに、黄金色のつぶらな瞳をした狼の赤ちゃんだ。
既に目は開き自力で立っていて、大きな欠伸をした後にキョトンとした表情で首を横に傾けシャルロットの顔を見つめた。
「……ママ!」
子狼は舌足らずな声で叫ぶとシャルロットに飛びかかった。
部屋にいた誰もが驚いたような表情をしていた。
「シャルロット!」
隣に控えていたグレース皇子や幻狼姿のクロウも慌てて駆け付けた。
幻狼姿のクロウはベッドに上半身を乗せると、産まれたばかりの赤ちゃんの毛を優しくペロペロと舐めグルーミングを始めた。
「はじめまして、パパだよ」
嬉しそうに短い尻尾を振って父親であるクロウの顔に擦り寄る赤ちゃん。
シャルロットの側にいたグレイもまた、赤ちゃんの背中を優しく舐めてあげた。
「パパ~」
既に自力で歩けるようで、言葉も拙いながら話せている。
シャルロットはその様子を微笑ましそうに見つめていた。
「こりゃ、すごいわ。二度と見れない光景だねえ」
ルシアは口をあんぐりと開けて驚いたままだ。
滅多に見ることができない精霊誕生の瞬間。
「か、可愛い~!ぬいぐるみみたいね!」
リリースも興奮気味だ。
グレース皇子もしばらく呆然としていたが、シャルロットに駆け寄ると微笑んだ。
「シャルロット姫、お疲れ様」
「グレース様……、ふう」
シャルロットはベッドの上にまた仰向けに寝転んだ。
ホッとしたらまた身体の力が抜けて来た。
幻狼の赤ちゃんがぶるっと身体を震わせると、今度は人間の2歳児くらいの姿に変化した。
シャルロット譲りの柔らかい金髪に幻狼特有の黄金の瞳の可愛らしい男の子だ。
この姿の方が魔力の消耗が少なくて幻狼にとってはラフな姿のようだ。
「まあ、人間の姿だとグレース様にそっくりね」
目元と太めの眉がグレース皇子にとても似ていた。
グレース皇子は男の子の頭を優しく撫でてあげた。男の子ははにかみながらグレース皇子に抱き着いた。
「シャルロット、この子の名前は?」
グレイに問われ、シャルロットは考え込んだ。
「名前……」
男の子はグレース皇子に大人しく抱っこされてシャルロットをじっと見ていた。
「……エステルがいいわ」
エステルはまた子狼の姿になり、グレース皇子の腕から飛び降りるとシャルロットの胸の中に飛びついた。
シャルロットは愛おしそうに子供を抱えると頭を撫でてあげた。
エステル、ーー星。
黄金に輝く毛や瞳はお星様のようにキラキラと輝いていた。
ぴったりな名前だわ。
グレース皇子とクロウ、グレイを引き連れてやってきた庭園の一角が知らない間に苺畑になっていた。
クライシア大国では苺は夏野菜、今が旬のようだ。
「このお城ではね、お嫁さんをもらった王族は手ずからお庭に花を植える風習があるの。乙女椿の庭もレイメイが植えたんだよ!」
クロウが説明してくれた。
「まぁ、そうだったの。あ、ありがとう。グレース様、クロウ」
「姫には実の成る花が良いだろうってクロウが提案したんだ。優しげな白い花も、可愛らしい赤い実も、姫っぽい印象の花だな」
手のひらをギュッと優しく握られながら笑いかけられて、思わずドキドキしてしまった。
ぼんやりしていると、もう片方の手を急に人間化したクロウに引っ張られ苺畑の中へと連れ込まれた。
クロウは苺を一つ摘むとシャルロットの口に運んだ。
「シャルロット~、あーん」
シャルロットは苺を食べた。
「甘酸っぱくて美味しいわ」
「ふふん、新しい肥料のおかげだよ~」
オーギュスト国から帰国して一ヶ月弱、東方の村より東の魔女ルシアが往診にやってきた。
シャルロットの身体に宿った幻狼の赤ちゃんは順調に育ち、モゴモゴとシャルロットの胸の中でよく動くようになった。
最近は魔力の消費スピードも速くなり、胸の圧迫感も増している。
次の満月の夜辺りに産まれてくるとルシアに告げられた。
その満月の日が今夜……。
シャルロットは胸を撫でながら微笑んだ。
お腹はやっぱり臨月を迎えた今も微塵も膨らまない。
「見た目は全然変わってないけれど……新しい命が自分の中にいるってちゃんと感じるわ」
先週、夏風邪を引いて高熱を出してしまってから、治った今も食堂の仕事は休んだままだ。
ユハとリリースから絶対安静と言われて、こうしてシャルロットの身を心配して公務を減らしてくれたグレース皇子とクロウとともにのんびりと休暇を取っていた。
だが、本殿の中は一昨日からずっと騒がしい。
未だ謎に包まれている精霊の赤ちゃんの誕生に国内外の有識者達や新聞記者、関係者がお城へ押し寄せた。
またクロウを刺激してしまわないようにシャルロットの謁見依頼は謝絶、ルシアが対応してくれている。
「ううん……」
静かな青空の下、苺を籠いっぱいに積んでいたところで胸の奥の灼熱感が一層増す。
思わずクロウの胸の中に倒れ込んでしまった。
狼姿のグレイが駆け寄って来て、心配そうにシャルロットの頰を舐めていた。
額からはすごい量の冷や汗、意識も薄れていて顔を青くしてグッタリしている。
「……姫!?」
グレース皇子が不安そうにシャルロットの手を握る。
「姫の部屋へ運ぼう!早くルシアを呼んでくれ!」
グレース皇子は遠くに控えていた護衛の騎士達に指示を出した。
シャルロットはグレース皇子の腕の中で気を失っていた。
直ぐにシャルロットの私室のベッドへ運ばれ、侍女達とともにルシアが現れた。
ベッドの上で目を閉じたまま呼びかけにも応じずうなされているシャルロット。
「シャルロット!」
「シャルロットちゃん!」
お仕着せ姿のままのウェスタやリリースも慌てて部屋に駆けつけて来た。
ルシアはウェスタとグレイを呼んだ。
「予想以上に魔力の消耗が激しい!ウェスタ、グレイ、姫様に魔力をもっと送ってくれ!今のままだと力尽きてしまう」
緊迫した空気の中、二人は頷いた。
膨大な魔力を送れるのはシャルロットと正式に契約している精霊のみ。
「ルシア、シャルロット姫の容態は……?」
グレース皇子が尋ねると、ルシアの顔色が曇った。
「赤子は大丈夫だ……しかし……母体は……」
赤ちゃんとは言え高位聖霊。
幻狼の赤ちゃんは産まれて来るために、シャルロットの身体の中の魔力やエネルギーを大量に吸い上げて、母体を食い潰してしまいそうな勢いだった。
ウェスタやグレイが流し込んだ膨大な魔力も全て吸収してしまう。足りない分をシャルロットの生命エネルギーで補っているようだ。
人間のか弱い少女の身には負担が大きかった。
リリースはハッとして部屋を飛び出した。
しばらくして小さな器を片手に戻って来ると、それを東の魔女ルシアに手渡した。
「魔王山で取れたアオサンザシの実を月の光の下で干してすり潰したものです!魔岩塩を削って調合しました!魔力や体力回復の効果があるの」
「魔岩塩にアオサンザシ……、よし、リリース嬢、それをシャルロット様へ食べさせてくれ」
リリースは真剣な表情で横たわるシャルロットの口にすり潰した実を運んだ。
シャルロットの顔に血の気が戻った。
リリースは安堵した表情を見せた。
一時間、二時間と、時間は過ぎていく。
リリースの調合した薬の効果かシャルロットの意識がはっきりと戻った。
「シャルロットちゃん、苦しくない?」
「う、うん。ありがとう。ウェスタさん、グレイ、リリース、みんな……」
人間の子供を産む時の陣痛や出産の痛みや苦しさは無い。
その代わりに死ぬんじゃないかと不安になるほどの激しい脱力感や眠気、今だって唇を微かに動かせて喋るのがやっとで腕や脚が自力では動かせない。
血圧が急激に下がっているのか全身の血の気や体温が引いて驚くほど寒くて、毛布を一枚多く被せてもらった。
グレース皇子やクロウ達は隣の部屋で控えてもらっている。
三時間、四時間と時間が過ぎる度に胸の奥にあった灼熱感はどんどん皮膚辺りまで浮かび上がっていた。
全身凍るように寒いのに、胸元には熱した鉄の大きな塊が入っているように熱い。
そして真っ赤に染まった空の半分に暗い青色が差した頃、部屋中に黄金の光が溢れた。
するっとシャルロットの胸から何かが外へ抜けていく奇妙な感覚と共に、白い光の玉が飛び出した。
光の玉は中に浮かび、そしてシャルロットの腹の上に降りて来た。
「……え……!」
シャルロットの髪色と同じ黄金の毛並みに、黄金色のつぶらな瞳をした狼の赤ちゃんだ。
既に目は開き自力で立っていて、大きな欠伸をした後にキョトンとした表情で首を横に傾けシャルロットの顔を見つめた。
「……ママ!」
子狼は舌足らずな声で叫ぶとシャルロットに飛びかかった。
部屋にいた誰もが驚いたような表情をしていた。
「シャルロット!」
隣に控えていたグレース皇子や幻狼姿のクロウも慌てて駆け付けた。
幻狼姿のクロウはベッドに上半身を乗せると、産まれたばかりの赤ちゃんの毛を優しくペロペロと舐めグルーミングを始めた。
「はじめまして、パパだよ」
嬉しそうに短い尻尾を振って父親であるクロウの顔に擦り寄る赤ちゃん。
シャルロットの側にいたグレイもまた、赤ちゃんの背中を優しく舐めてあげた。
「パパ~」
既に自力で歩けるようで、言葉も拙いながら話せている。
シャルロットはその様子を微笑ましそうに見つめていた。
「こりゃ、すごいわ。二度と見れない光景だねえ」
ルシアは口をあんぐりと開けて驚いたままだ。
滅多に見ることができない精霊誕生の瞬間。
「か、可愛い~!ぬいぐるみみたいね!」
リリースも興奮気味だ。
グレース皇子もしばらく呆然としていたが、シャルロットに駆け寄ると微笑んだ。
「シャルロット姫、お疲れ様」
「グレース様……、ふう」
シャルロットはベッドの上にまた仰向けに寝転んだ。
ホッとしたらまた身体の力が抜けて来た。
幻狼の赤ちゃんがぶるっと身体を震わせると、今度は人間の2歳児くらいの姿に変化した。
シャルロット譲りの柔らかい金髪に幻狼特有の黄金の瞳の可愛らしい男の子だ。
この姿の方が魔力の消耗が少なくて幻狼にとってはラフな姿のようだ。
「まあ、人間の姿だとグレース様にそっくりね」
目元と太めの眉がグレース皇子にとても似ていた。
グレース皇子は男の子の頭を優しく撫でてあげた。男の子ははにかみながらグレース皇子に抱き着いた。
「シャルロット、この子の名前は?」
グレイに問われ、シャルロットは考え込んだ。
「名前……」
男の子はグレース皇子に大人しく抱っこされてシャルロットをじっと見ていた。
「……エステルがいいわ」
エステルはまた子狼の姿になり、グレース皇子の腕から飛び降りるとシャルロットの胸の中に飛びついた。
シャルロットは愛おしそうに子供を抱えると頭を撫でてあげた。
エステル、ーー星。
黄金に輝く毛や瞳はお星様のようにキラキラと輝いていた。
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