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ミレンハン国のトド王妃と赤獅子シモンのダイエット大作戦!?〜美しい公爵令嬢と獣人騎士の身分差恋愛の行方
ごちそうバラ寿司にゲーテ王子の誓い
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本殿の大広間。
普段は王族や貴族達、または外国からの重要な賓客にしか開放しない特別なホールに騎士達は招集された。
同じくシャルロットを含む食堂のメンバーたちもお招きされた。
異国の雰囲気のある料理人達が集い、長テーブルの上にいくつも並べられた大きな飯台の中に入ったご飯をせっせと扇片手に冷ましたり、魚や野菜などをカットしていた。
シャルロットと共にホールにやって来ていたゲーテ王子は料理人達に混ざり大きな魚を華麗な手捌きで捌いている人物を見つけ、驚いたように声を出した。
「トーマだ!」
ゲーテ王子よりも筋肉質で少し背が高く、浅黒い肌に空色のベリーショートヘアにシャープな目や唇をした青年だ。
「トーマ?」
「俺様の弟だ」
ゲーテ王子の弟らしい彼はシャルロット達に気付き、調理の手を止めてエプロン姿のままこちらにやって来た。
隣にはグリムがいる。
「お久しぶりです、兄上。それから……シャルロット姫様、お初にお目にかかります。いつも兄がお世話になっています。弟のトーマと申します」
高飛車な兄とは違い、大人びた雰囲気で礼儀正しい弟。
「何しに来たんだ?お前」
「父上の命を受け、母上とグリムを迎えに来ました。王令により、こちらの国に迷惑を掛けたお詫びに食事会を開かせていただいております」
「まあ。何を作っていらっしゃるの?」
「私が作ってるのは白甘鯛のお造りです。向こうで料理人達が作っているのがバラ寿司と吸い物です」
美味しそうな海鮮メニューにシャルロットは目を輝かせた。
「まあ、すごいわ!」
「ミレンハン国の地酒のウイスキーもありますよ」
グリムは楽しそうに酒瓶を掲げた。
「太っ腹な王様ね」
「ミレンハン国の王様ね、家出した王妃様にラブレター送ってきたみたいだよ?何だかんだラブラブな夫婦だね☆」
ユハは笑った。
それで朝からナージャ王妃はかなりご機嫌だったのか、シャルロットは思い出していた。
「王妃様もすごく綺麗になったし、きっと惚れ直しちゃうわね」
リリースはシャルロットの隣でクスッと笑った。
酒好きのアルハンゲルは立ったままウイスキーをニートで飲み始めた。
「アルってばまだ王子様に挨拶の途中ですわよ?お行儀が悪いわ」
「………」
窘めるシャルロットの頭をアルハンゲルは真顔で、からかうように鷲掴みして髪を乱した。
怒るシャルロットを無視して酒を飲み続ける。
「や、やめて!ちょっと……聞いてるの?」
ーーどうして私にはいつも意地悪なのかしら?
シャルロットは不満たっぷりな視線を彼に送りつつ、すっかり乱れた髪を手櫛で整えた。
「姫様、気にしないで。騎士が集うと椅子も足りないので今日は立食式ですよ。交流会のようなものなので気楽に楽しんでください」
グリムはそう言うと出来上がったばかりのバラ寿司を小皿に取り分けてくれた。
「幻狼のクロウさんが教えてくれた料理です。シャルロット姫様が好きな料理だとお聞きしました」
「クロウが?ええ、大好きですわ!」
酢飯には細かく切った海の幸や炒り卵、野菜が混ぜ込まれていた。
「残念です。我が国へ嫁いで来てくだされば毎日食べ放題ですのに」
グリムは大袈裟な泣き真似をした。
「お前はまだそれを言うのか!……と、そうだな、騎士団やミレンハン国の輩もみんな揃ってる所だし、ちょうどいい」
ゲーテ王子はキョロキョロと辺りを見渡す。
大勢の騎士達はグラスを片手に酒を飲んだりご馳走を食べ賑やかに談笑をし、大広間に連なる奥の間にはナージャ王妃やオリヴィア小国の王達、グレース皇子やクライシア大国の王などの王族が座っていた。
ゲーテ王子はシャルロットの前に立ち、ホールに響くような大きな声を出した。
「おい、シャルル。いや、シャルロット姫」
「………はい?」
ゲーテ王子の声に、騎士達はおしゃべりを止めて一斉にこちらを見た。
奥の間にいるグレース皇子達もこちらを見ている。
急に真剣な顔をして、どうしたんだろう?
シャルロットは目を丸くしながら、自分の目の前に立ったゲーテ王子の顔を仰ぎ見た。
「先日は溺れて瀕死の俺様を救ってくれた事に、先ずは礼を言おう。お前が居なければ俺は今頃死んでいただろう」
「………大袈裟ですわ。当たり前の事をしたまでよ。ゲーテ王子がご無事で何よりですわ」
「ふん、俺様がせっかく感謝を述べているんだ。素直に受け取れ」
踏ん反り返りながらゲーテ王子は意気揚々と言い放つと、今度はシャルロットの前に片膝をついて彼女の手のひらを取り、そして手の甲にキスをした。
これにはシャルロットも声を出して驚いた。
「………な!なに?」
「何ってこれが忠誠の儀式だろう?喜べ。命を救ってくれた礼に、俺様がお前の騎士になって一生護ってやろう!有り難く思え」
「どうして騎士が、そんなにも偉そうな態度なんですか」
グリムがやれやれと言いながら苦笑している。
「ゲーテ王子、姫様の護衛は私です!必要ありません」
遠くからシャルロットを見守っていた騎士のキャロルが慌ててすっ飛んで来た。
「こんなチビで貧相な男に騎士が務まるかよ?」
「チビじゃないし!貧相じゃない!」
怒髪天のキャロルを無視してゲーテ王子は続けた。
「…他国の王子がこの国の騎士なんて……」
「俺様はクライシア大国の騎士じゃなく、お前個人に仕える騎士になるんだ」
「……えっと、救助のことでしたら……そんなに負い目に捉えなくてもいいのよ?」
「負い目になんて思っていないし、あれだけが理由じゃない」
ゲーテ王子はシャルロットの手を握ったまま、真剣な目で見つめてきた。
「シャルル、俺はお前が好きだ」
躊躇う様子もなく断言するように、はっきりとした口調で述べられた愛の言葉にシャルロットは驚き後退りしてしまう。
「ごめんなさい。嬉しいけれど、答えられないわ」
シャルロットは呆然としたまま、だがすぐに迷うことなくそう言い渡した。
ゲーテ王子は苦笑しながら優しい瞳でシャルロットをまた見つめる。
「俺様を振るなんて本当に生意気な女だな!」
ケラケラ笑うと、また強気な顔をして言った。
「別に気持ちに答えて欲しいわけじゃない。好きだから側にいてお前を守りたいと思った。俺様が、俺のためにそうしたいと思ったのだ。断るなど許さん!頷くまで飯は食わさんぞ!」
「ふふ、いつもながら強引ね。貴方って人は」
半ば押し売りのようだわ。シャルロットは思わず笑ってしまった。
「…分かったわ、よろしくお願いします。私のやんちゃな騎士(ナイト)様」
「ふん、やんちゃは余計だ」
シャルロットはゲーテ王子と握手を交わす。
周りにいた騎士達が祝福するように一斉に拍手をした。
その様子をヤキモチを妬いたようにムッとした表情で見つめるグレース皇子と、立派になった息子の姿を目を細め微笑ましそうな母親の顔をして見守るナージャ王妃。
「良いのですか?王妃様、大事な息子さんが騎士なんて……」
右王の問いを、ナージャ王妃は笑い飛ばす。
「良いのよ~。宮殿にいてもウドの大木だし、いい就職先が見つかってよかったわ」
「まぁ、良いじゃないか。私もあの年の頃は国を渡り歩きながら傭兵をやっていた。良い経験になるだろう」
左王は酒を飲みながら呟いていた。
交流会はすっかりゲーテ王子の騎士就任パーティーと化し、どんちゃん騒ぎは深夜まで続いた。
花冷えの時期も過ぎてすっかり暖かくなった頃、ナージャ王妃はグリムやトーマ王子と共に帰国することになった。
オリヴィア小国の双子の王と上王も同様に。
左王との別れを惜しみ男泣きしている騎士もいる。特に左王と仲の良かった騎士イルカルは大号泣だった。
「では、シャルロット、また顔を見に来るぞ」
兄達は妹の頭を優しく撫でると馬車に乗り込んだ。
父親である上王もそれに続いた。
2つの国の馬車は城の門をくぐり旅立ってしまった。
「………急に人が引けると寂しくなるわね」
「ああ……」
シャルロットの隣で、グレース皇子も寂しげな表情をしていた。
幻狼姿のクロウはグレース皇子に寄り添っていた。
「あの…。グレース様、クロウ。今日はもうご予定はないんでしょう?私も暇をもらったの。これから3人でピクニックへ行きませんか?」
シャルロットは笑顔で言った。
「わあい!久しぶりのデートだ~!」
クロウは飛び跳ね、尻尾を振りながらシャルロットの周りをぐるぐる駆け回り喜んだ。
「サンドウィッチ作るわね。王有林のクロウのお花畑で食べましょうか」
「んじゃ、俺様が護衛してやるか!」
割り込んで来たゲーテ王子をクロウは頬っぺたを膨らませながら迷惑そうに睨んだ。
「お前は要らん。護衛は俺だけで十分だ」
グレース皇子は邪険そうにゲーテ王子を睨む。
薄くかかっていた雲の隙間から太陽が顔を覗かせた。
今日は一日、ピクニック日和だろう。
シャルロットはワクワクしながら空を仰いでいた。
普段は王族や貴族達、または外国からの重要な賓客にしか開放しない特別なホールに騎士達は招集された。
同じくシャルロットを含む食堂のメンバーたちもお招きされた。
異国の雰囲気のある料理人達が集い、長テーブルの上にいくつも並べられた大きな飯台の中に入ったご飯をせっせと扇片手に冷ましたり、魚や野菜などをカットしていた。
シャルロットと共にホールにやって来ていたゲーテ王子は料理人達に混ざり大きな魚を華麗な手捌きで捌いている人物を見つけ、驚いたように声を出した。
「トーマだ!」
ゲーテ王子よりも筋肉質で少し背が高く、浅黒い肌に空色のベリーショートヘアにシャープな目や唇をした青年だ。
「トーマ?」
「俺様の弟だ」
ゲーテ王子の弟らしい彼はシャルロット達に気付き、調理の手を止めてエプロン姿のままこちらにやって来た。
隣にはグリムがいる。
「お久しぶりです、兄上。それから……シャルロット姫様、お初にお目にかかります。いつも兄がお世話になっています。弟のトーマと申します」
高飛車な兄とは違い、大人びた雰囲気で礼儀正しい弟。
「何しに来たんだ?お前」
「父上の命を受け、母上とグリムを迎えに来ました。王令により、こちらの国に迷惑を掛けたお詫びに食事会を開かせていただいております」
「まあ。何を作っていらっしゃるの?」
「私が作ってるのは白甘鯛のお造りです。向こうで料理人達が作っているのがバラ寿司と吸い物です」
美味しそうな海鮮メニューにシャルロットは目を輝かせた。
「まあ、すごいわ!」
「ミレンハン国の地酒のウイスキーもありますよ」
グリムは楽しそうに酒瓶を掲げた。
「太っ腹な王様ね」
「ミレンハン国の王様ね、家出した王妃様にラブレター送ってきたみたいだよ?何だかんだラブラブな夫婦だね☆」
ユハは笑った。
それで朝からナージャ王妃はかなりご機嫌だったのか、シャルロットは思い出していた。
「王妃様もすごく綺麗になったし、きっと惚れ直しちゃうわね」
リリースはシャルロットの隣でクスッと笑った。
酒好きのアルハンゲルは立ったままウイスキーをニートで飲み始めた。
「アルってばまだ王子様に挨拶の途中ですわよ?お行儀が悪いわ」
「………」
窘めるシャルロットの頭をアルハンゲルは真顔で、からかうように鷲掴みして髪を乱した。
怒るシャルロットを無視して酒を飲み続ける。
「や、やめて!ちょっと……聞いてるの?」
ーーどうして私にはいつも意地悪なのかしら?
シャルロットは不満たっぷりな視線を彼に送りつつ、すっかり乱れた髪を手櫛で整えた。
「姫様、気にしないで。騎士が集うと椅子も足りないので今日は立食式ですよ。交流会のようなものなので気楽に楽しんでください」
グリムはそう言うと出来上がったばかりのバラ寿司を小皿に取り分けてくれた。
「幻狼のクロウさんが教えてくれた料理です。シャルロット姫様が好きな料理だとお聞きしました」
「クロウが?ええ、大好きですわ!」
酢飯には細かく切った海の幸や炒り卵、野菜が混ぜ込まれていた。
「残念です。我が国へ嫁いで来てくだされば毎日食べ放題ですのに」
グリムは大袈裟な泣き真似をした。
「お前はまだそれを言うのか!……と、そうだな、騎士団やミレンハン国の輩もみんな揃ってる所だし、ちょうどいい」
ゲーテ王子はキョロキョロと辺りを見渡す。
大勢の騎士達はグラスを片手に酒を飲んだりご馳走を食べ賑やかに談笑をし、大広間に連なる奥の間にはナージャ王妃やオリヴィア小国の王達、グレース皇子やクライシア大国の王などの王族が座っていた。
ゲーテ王子はシャルロットの前に立ち、ホールに響くような大きな声を出した。
「おい、シャルル。いや、シャルロット姫」
「………はい?」
ゲーテ王子の声に、騎士達はおしゃべりを止めて一斉にこちらを見た。
奥の間にいるグレース皇子達もこちらを見ている。
急に真剣な顔をして、どうしたんだろう?
シャルロットは目を丸くしながら、自分の目の前に立ったゲーテ王子の顔を仰ぎ見た。
「先日は溺れて瀕死の俺様を救ってくれた事に、先ずは礼を言おう。お前が居なければ俺は今頃死んでいただろう」
「………大袈裟ですわ。当たり前の事をしたまでよ。ゲーテ王子がご無事で何よりですわ」
「ふん、俺様がせっかく感謝を述べているんだ。素直に受け取れ」
踏ん反り返りながらゲーテ王子は意気揚々と言い放つと、今度はシャルロットの前に片膝をついて彼女の手のひらを取り、そして手の甲にキスをした。
これにはシャルロットも声を出して驚いた。
「………な!なに?」
「何ってこれが忠誠の儀式だろう?喜べ。命を救ってくれた礼に、俺様がお前の騎士になって一生護ってやろう!有り難く思え」
「どうして騎士が、そんなにも偉そうな態度なんですか」
グリムがやれやれと言いながら苦笑している。
「ゲーテ王子、姫様の護衛は私です!必要ありません」
遠くからシャルロットを見守っていた騎士のキャロルが慌ててすっ飛んで来た。
「こんなチビで貧相な男に騎士が務まるかよ?」
「チビじゃないし!貧相じゃない!」
怒髪天のキャロルを無視してゲーテ王子は続けた。
「…他国の王子がこの国の騎士なんて……」
「俺様はクライシア大国の騎士じゃなく、お前個人に仕える騎士になるんだ」
「……えっと、救助のことでしたら……そんなに負い目に捉えなくてもいいのよ?」
「負い目になんて思っていないし、あれだけが理由じゃない」
ゲーテ王子はシャルロットの手を握ったまま、真剣な目で見つめてきた。
「シャルル、俺はお前が好きだ」
躊躇う様子もなく断言するように、はっきりとした口調で述べられた愛の言葉にシャルロットは驚き後退りしてしまう。
「ごめんなさい。嬉しいけれど、答えられないわ」
シャルロットは呆然としたまま、だがすぐに迷うことなくそう言い渡した。
ゲーテ王子は苦笑しながら優しい瞳でシャルロットをまた見つめる。
「俺様を振るなんて本当に生意気な女だな!」
ケラケラ笑うと、また強気な顔をして言った。
「別に気持ちに答えて欲しいわけじゃない。好きだから側にいてお前を守りたいと思った。俺様が、俺のためにそうしたいと思ったのだ。断るなど許さん!頷くまで飯は食わさんぞ!」
「ふふ、いつもながら強引ね。貴方って人は」
半ば押し売りのようだわ。シャルロットは思わず笑ってしまった。
「…分かったわ、よろしくお願いします。私のやんちゃな騎士(ナイト)様」
「ふん、やんちゃは余計だ」
シャルロットはゲーテ王子と握手を交わす。
周りにいた騎士達が祝福するように一斉に拍手をした。
その様子をヤキモチを妬いたようにムッとした表情で見つめるグレース皇子と、立派になった息子の姿を目を細め微笑ましそうな母親の顔をして見守るナージャ王妃。
「良いのですか?王妃様、大事な息子さんが騎士なんて……」
右王の問いを、ナージャ王妃は笑い飛ばす。
「良いのよ~。宮殿にいてもウドの大木だし、いい就職先が見つかってよかったわ」
「まぁ、良いじゃないか。私もあの年の頃は国を渡り歩きながら傭兵をやっていた。良い経験になるだろう」
左王は酒を飲みながら呟いていた。
交流会はすっかりゲーテ王子の騎士就任パーティーと化し、どんちゃん騒ぎは深夜まで続いた。
花冷えの時期も過ぎてすっかり暖かくなった頃、ナージャ王妃はグリムやトーマ王子と共に帰国することになった。
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左王との別れを惜しみ男泣きしている騎士もいる。特に左王と仲の良かった騎士イルカルは大号泣だった。
「では、シャルロット、また顔を見に来るぞ」
兄達は妹の頭を優しく撫でると馬車に乗り込んだ。
父親である上王もそれに続いた。
2つの国の馬車は城の門をくぐり旅立ってしまった。
「………急に人が引けると寂しくなるわね」
「ああ……」
シャルロットの隣で、グレース皇子も寂しげな表情をしていた。
幻狼姿のクロウはグレース皇子に寄り添っていた。
「あの…。グレース様、クロウ。今日はもうご予定はないんでしょう?私も暇をもらったの。これから3人でピクニックへ行きませんか?」
シャルロットは笑顔で言った。
「わあい!久しぶりのデートだ~!」
クロウは飛び跳ね、尻尾を振りながらシャルロットの周りをぐるぐる駆け回り喜んだ。
「サンドウィッチ作るわね。王有林のクロウのお花畑で食べましょうか」
「んじゃ、俺様が護衛してやるか!」
割り込んで来たゲーテ王子をクロウは頬っぺたを膨らませながら迷惑そうに睨んだ。
「お前は要らん。護衛は俺だけで十分だ」
グレース皇子は邪険そうにゲーテ王子を睨む。
薄くかかっていた雲の隙間から太陽が顔を覗かせた。
今日は一日、ピクニック日和だろう。
シャルロットはワクワクしながら空を仰いでいた。
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