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火の精霊ウェスタと素敵な社員食堂〜封印を解かれた幻狼グレイとシャルロットの暗殺計画?
グレイとの契約
しおりを挟む「ふわああ」
狼姿のクロウは大きく口を開け欠伸をして、シャルロットの私室のベッドの下の絨毯の上に伏せた。
そしてウトウトしている。
「いや、でも……」
今夜はお渡りの日だった。
いつものように夜 グレース皇子が訪ねてきたのだが、今夜は兄の左王も同伴だった。
帰り際になって仲良く談笑していたはずの兄の左王とグレース皇子が揉め始めた。
「私の事は気にするな、さっさと本殿へ帰りたまえ」
左王はシャルロットのベッドにロングソードを片手に胡座をかいて座っていた。
「お義兄様は帰らないのですか?」
「妹の暗殺計画が持ち上がってるのだぞ、今夜は妹と一緒に寝て護衛する」
「第一騎士団の騎士が隣の部屋に控えて寝ずの番をしていますから…。なんなら俺が姫の寝室に泊まって護衛を……」
「お前と同室にするのも危険だろう」
左王は先刻から酷くイライラした様子だった。
拘留中の侍女長ステラの件やステラの自白で明らかになったシャルロットの暗殺計画、黒幕の貴族が今朝から行方をくらましてる事もあり今夜は厳戒態勢だ。
落ちぶれた新興貴族の息子だったヘンリー子爵は死んだ皇太后の取り巻きの愛人の一人で、愛人契約の見返りで子爵に叙爵され、議会で貴族院に捻じ込まれたという黒い噂があるが、金がらみで不正を働き降格の危機にあるようで、下手すれば没落だろう。
彼と、彼の一人娘のアイリーン、彼ら親子が間違いなく実行犯だ。
侍女長ステラは彼らに利用されたようだ。
ヘンリー子爵やアイリーン令嬢を巧妙にそそのかし操っていたのは反国王派で封建派の代表貴族ゴルソン侯爵。彼はうまく証拠を隠し、アリバイを出してきてのらりくらりと逃げているようだ。
第一騎士団の騎士が居城内を護衛し、城内全域また城下町を第二騎士団や兵士まで出動しパトロールしている。
失踪中のヘンリー子爵はどうやら先代王の幻狼の封印が解かれ逃げた件にも絡んでいるそうだ。
「シャルロットちゃん、こんばんは」
火の精霊ウェスタが突然姿を現した。
結局、グレース皇子と左王はシャルロットの寝室に留まっている。
グレース皇子は隣の部屋のソファーの上で眠るそうだ。シャルロットは目をギラギラさせた兄の左王と一緒にベッドに入った。
「ウェスタさん!」
「私もシャルロットちゃんの警護をするわ!」
「ありがとう、心強いわ」
(けれど、今はクロウもこの部屋にいて、強い結界を張ってくれてるから誰も侵入できないと思うのだけれど……)
シャルロットはキョロキョロと辺りを見渡していた。
オーロラ色に輝くクロウの結界が目視出来た。
同じ精霊であるウェスタは自由に出入りできるようだが…
「廊下の見回りに行ってくるわね!」
ウェスタはシャルロットの頭を優しく撫でると、また結界を出て行った。
シャルロットは兄の左王の隣に仰向けに寝転んだ。
「シャルロット、大丈夫か?」
左王に優しく声をかけられ、シャルロットは隣を振り向く。
「お兄様…」
「ここは思った以上に危険だ。お前が望むなら、お前を連れて直ぐにでもオリヴィア小国へ帰るぞ?お父様やお母様もここへ嫁がせるのを心配していた」
「……ちょっと、怖いけれど、大丈夫よ。グレース様やクロウがいるし、仲間もいっぱいいるもの」
兄を心配させないように笑顔を作った。
*
深夜三時を過ぎた。
静寂の中バチッとどこかで静電気が走るような異音でシャルロットは目を覚ました。
目を開けベッドから体を起こすとそこにはシャルロットの目前で背を向けて尾を上げ壁を睨みながら威嚇しているクロウの姿が目に入った。
明らかな異変に気付き、左王や隣の部屋で眠っていたグレース皇子も起きて来る。
クロウが睨む先には銀色の毛並みをした幻狼グレイが居た。
クロウの張った結界を破って現れたらしい。
先ほどの異音は結界が破れる音だ。
「グレイ!?なぜ……」
クロウとグレース皇子は叫んだ。
グレイはベッドの上で呆然としているシャルロットに向かって突進してきた。クロウは向かって来たグレイに体当たりをし、絨毯の上に二匹の狼が転がる。
クロウはグレイの上に馬乗りになって体を押さえつけた。
「あ……」
銀色の狼。
この前、雪が降る夜に会った幻狼だ。
シャルロットは思い出していた。
「や、やめて…クロウ」
「シャルロット……」
クロウがシャルロットに振り返った瞬間、グレイはクロウに体当たりした。
左王は幻狼の姿が見えないが気配を察知し抜き身の剣を振るう。グレイはそれを軽やかにかわし、グレース皇子の魔法も涼しげな顔で避け、シャルロットに向かって白い光の玉を放った。
「シャルロット……!」
クロウ達の叫ぶ声が遠くなる。
胸にサッカーボール大の空気の玉を当てられたような衝撃だ。
痛みは、ない。
恐る恐る目を開けると裸足に寝間着のまま雪原の中に座り込んでいた。
転移の魔法だ。だが、見知らぬ場所だ。
城内ではない、どこかの山の中。
「寒……」
目の前には銀色の幻狼が立っていた。
ビリッと宙に火花が散って、小さな光の中からグレース皇子とクロウ、左王が降って来た。
三人は積もった雪の上に落ちた。
「シャルロット!」
グレース皇子は腰を抜かして呆然と座り込んでいたシャルロットの元へ駆け寄り、思い切り抱きしめた。
そして抱きしめたまま、側にいた幻狼を睨んだ。
「グレイ!シャルロット姫に何故このような真似を!」
「…………」
グレイは黙ってじっとグレース皇子を見つめていた。
「グレイ、何つけられちゃってんのよ!役立たず!」
紫色のドレスに黒くて大きな狩り用のマントを羽織った少女がこちらに向かって来た。
ヘンリー子爵の娘、アイリーンだ。
アランの取り巻きの令嬢の一人で、以前シャルロットに向かって紅茶を浴びせようとしたあの令嬢だ。
もともとシャルロットに対して当たりが強かったが、今目の前にいる彼女はなんだか様子がおかしい。
皺くちゃで干からびたような片腕、瞳は赤く変色し、顔半分に赤紫色の大きな痣が広がっていた。
彼女の姿を見てクロウは何かを察したようだった。
「グレイ!?まさか……あの子と契約したの!?君は……なんてことを……!」
グレイを問い質す。
幻狼の魔力は普通の人間や魔人では受け止められない。
大昔 王家の分家である公爵家の令息が幻狼の魔力目当てに契約した事があったが、膨大な魔力に生身の身体が耐えきれず亡くなっている。
王族の八割前後ほどの高い魔力を持っている公爵家の令息でそれだ、魔人の末裔で魔人の血が1ミリ程度しか入っていないような彼女が幻狼と契約するなど自殺行為でしかない。
例え王族であっても千分の一の確率で契約者がショック死するケースもあった。
だから現在では王族の王位継承者のみが幻狼と契約することを許されていた。
「貴女なんか……いなくなればいいのに!」
彼女は銀色の塗装がされた長筒の魔銃の銃口をシャルロットに向け引き金を引いた。
シャルロットは血の気の引いた顔で絶句した。
「やめろ!」
グレース皇子はシャルロットを庇うように前に出た。
…不発だった。
魔銃を手に持つアイリーンの手はガクガクと震えていた。
赤い目からは涙が溢れていた。
強い殺意と決意を胸にここまで来た彼女だったが、やはり本当に普通の少女なのだ、容易く人を殺せるはずがなかった。
グレイはそれを分かっていたようだ。
彼女が手にする高価な魔銃も、幻狼の封印を解くための特殊なポーションも、とても落ち潰れた一代貴族の娘が手に入れられる代物ではなかった。
幻狼との具体的な契約方法についても知る人は限られている。
彼女は契約方法は知っていたのに、前述のリスクを知らなかった。知っていたら誰も契約などしないだろう。
シャルロットを消すためにはクロウと拮抗できる幻狼の手が必要だった、自分が死ぬようなリスクを負わないように彼女を上手く言いくるめ利用したんだろう。
グレース皇子は一瞬でそれを把握した。
「お前は、何が目的でこのような真似を?」
「グレース様……」
グレース皇子に睨まれた彼女は顔を青くして腰を抜かしてしまった。
魔銃が雪の上に無造作に落ちる。
左王は彼女に駆け寄り魔銃を回収した。
「……ずっと、グレース様をお慕いしておりました……」
嗚咽混じりに彼女は叫んだ。
「……だって…、アラン様とグレース様が結ばれるなら…私だって…素直に応援できた……。アラン様はとても素晴らしいお方でしたから……っ、それなにに、貴方は……シャルロット姫様なんかと……っ」
「それでシャルロットを殺す気だったのか?」
グレース皇子の酷く低い声。
容赦ない辛辣な眼差しに、アイリーンは涙を枯らし顔を強張らせて震えた。
「シャルロットが死ねば、俺が悲しむという考えは無かったのか?」
「ですから……アラン様と」
「シャルロットの代わりなど居ない!お前は俺からシャルロットを奪おうとしたのだ、自分の都合のために!俺のことを慕っていただと?本当に慕っているなら、そのような真似をするのか?」
「ああ……私は本当に貴方のことが……ぐ、グレース様を思って……」
「お前のような人の意志を無視して自我を通そうとする女など好きになるわけがない……!」
「………!」
狼狽えるアイリーン。
グレース皇子はかつてないほど鬼のような形相で彼女に冷たく言い渡す。
「うううっ……」
突然アイリーンは蹲り身悶えし始めた。
荒い呼吸に冷や汗。
シャルロットは血相を変えて彼女に駆け寄った。
「シャルロット!何を……」
グレース皇子は驚いて声を上げる。
「こんなに苦しんで……どうしたのかしら?早く医者を!」
「無理だ。彼女は幻狼と契約をした、その代償だ。遅かれ早かれ幻狼の魔力に身体が蝕まれて、死ぬだろう」
「…そ、そんな!」
シャルロットは座り込み、身悶えながら倒れ込んだ彼女の身を支えていた。
酷い高熱、半分意識もないだろう。
「グレース様……ごめんなさい……、シャルロット様……ごめ……」
赤い目は彼女本来の焦げ茶色の瞳に戻っている。
シャルロットは彼女の手をギュッと握った。
「ねえ、貴方がこの子と契約したんでしょう?何か方法はないの?契約を解く方法とか……」
シャルロットは銀色の幻狼グレイに尋ねた。
「……私は一方的にこの娘に無理矢理契約させられたのだ、私が了承していないから今は仮契約状態だが……。仮契約でこの拒絶反応だからな、もし契約していたら即死だっただろう」
「仮?ってことは解消できるの?解消できたら助かるの?」
「解消はできる彼女が死ねば契約は終わりだ」
「それじゃ意味ないわ!他にはないの?」
「幻狼との契約は容易に解けるものじゃない、二重契約は不可能だ。お前が私と新たに契約してくれたら、その娘とは解消できる」
「え?」
王族以外の、魔力もない人間と幻狼が契約するなど前代未聞だ。
なんて馬鹿げたことを言っているのだと、グレース皇子はグレイに詰め寄った。
クロウや左王も驚愕したような顔でこちらを見ている。
「ドラジェの精霊の祝福を受け、クロウとも番の儀をして、火の精霊ウェスタとも契約できたのだろう?お前は稀に存在する精霊との波長が合う人間なのかもしれない」
「私しか不可能なのね?」
「前例が無いからどうなるかは予測がつかないが可能性はゼロでは無い。しかし、このままだとアイリーンは確実に死ぬ、一か八かだが」
「シャルロット!やめろ!そんな危険な真似は……」
「契約するわ!」
シャルロットは語気を強めて言った。
不安や恐怖で手は震えてる。
でも、このまま何もせずに彼女を死なせてしまったら一生後悔するような気がした。
「ば、馬鹿っ……シャルロット……やめて!そんなことしたら君まで……」
隣に立つクロウが不安げな瞳で見つめてくる。
シャルロットはぐっと拳を握って、笑った。
「食堂が来週からオープンなのよ!まだビオラ様へ贈る編み物も終わらせてないの!騎士団の詰め所の大掃除だって控えているの、それにグレース様との結婚式もあるわ。やることいっぱいあるんだから……死ねないわ!絶対死なない!」
笑顔を見せた。
グレイはシャルロットの手の甲に擦り寄った。
幻狼にとって服従を示す行為らしい。
「お願い、グレイ」
「了解した」
グレイはシャルロットの白い腕に歯を立て血を啜った。
正式な契約の儀式などする時間もなく、取り急ぎの簡易的な方法だったが契約の印が頸に熱く浮かび上がった。
胸に膨大な魔力が流れ込んでくる感覚、それは塊となり内臓を圧迫しながら胸の奥で肥大化していく。
シャルロットは意識を失い雪の上に倒れ込んだ。
幻狼のグレイは人の姿へと変化し、シャルロットを横抱きにして立ち上がった。
「グレイ、シャルロットは?」
「大丈夫だ、多少発熱してるが、眠ってるだけだ。アイリーンとも解約できた。奇跡だ」
左王は意識を失っているアイリーンを介抱した。
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「……わざわざここまで転移したのか?彼女との契約を破棄させるために……。シャルロットと契約させるために、わざわざ彼女と引き合わせたのか?」
「…もうこれしか方法がなかった。アイリーンは死ぬ必要もシャルロットを殺す必要もない、罪など犯さず生きて欲しかった」
憎しみで生きても虚しいだけなのだ。
それを知ってるのは自分だけでいい、とグレイは思った。
「城へ戻ろう」
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