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第一章
第10話/桜永美月:4
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2023年6月1日(木) 18:00 放課後
近所でありながら、唯の母と最後に会ったのはいつだろうか。
小学校高学年あたりから部活動に時間の多くを割くようになった美月は、自然と唯と遊ぶ機会も減り、ましてや互いの自宅へ上がることなど皆無となっていた。
幼い日の美月は親友であることをいいことに我が物顔で唯の自宅へ上がり込み、唯が不在にもかかわらず飲み物を所望したり、外で遊んで汚れた衣服を洗ってもらったりと、とにかく無礼の限りを尽くしていた。
炭酸飲料の一気飲みで気絶した美月のために救急車を呼ばせてしまったこともあるが、それはまだマシで、一度自らの行いが原因で唯を病院送りにしてしまったことさえある。
さすがにその時は烈火のごとく叱られたが、その後も唯の母はありとあらゆる悪行を重ねたこの厚かましい小鬼をもてなし、変わらずその慈眼を向けてくれたのだった。
それから成長するにつれ、美月は当時いかに自分が厚顔無恥であったかを恥じ入ることになる。
唯の母に対して合わせる顔がないというほどではないにせよ、やはりどこか負い目を感じていたのだった。
加えて、唯の母と美月との共通の話題──つまり唯は、美月の中で今最もセンシティブな話題である。
久しぶりということもあり、何か障りない話題を喋ろうとする前に、唯の母はそれは嬉しそうな表情で口を開いた。
「あの昨日はありがとうね。おうちの方にもお電話すればよかったけど……今どきお電話番号が分からなくって」
「昨日……ですか?」
何のことか分からなかった。
何を家に電話などすることがあるのだろう?
話題への反応ができない美月だが唯の母は続ける。
「唯ちゃん、昨日は美月ちゃんの家に泊まるからって。……また前みたいに仲よくしてくれて本当にありがとうねぇ」
美月の顔に瞬間的に笑顔が張り付けられる。
唯が昨日、私の家に泊まった? それってどういう……。
「あ……」
唯は嘘をついている。家族に。
嘘をついて外泊したのだ。
つまりそれは、家族には言えない場所に。
「あ、それ……あの……」
張り付けた笑顔のまま視線を右下に左下にと泳がせる。
「あ! 多分、別の友達の家で、お泊まり会やるって言ってたやつかも……? です。私も……誘われてたから、なんかごっちゃになったのか……も?」
美月も、嘘をついた。
あまりにも下手な嘘だったが、この場を取りなすにはほかに術はないように思われた。
正直にことを話し、今自分に向けられている優しい慈眼が崩れてしまうのが怖かった。
唯にも、嘘をつかないといけないほどの事情があったのかもしれない。
昨日の夜に何があったのか、自分は何も知らないのだ。
「あ、そうだったの? でもほら、唯ちゃん美月ちゃんと同じクラスになったってね、ずっと喜んでるから、どうか仲よくしてあげてね」
目に浮かぶようだった。
美月が知っている、昨日までの唯のあどけない笑顔。
「私の方こそ……! あの、おばさんもお元気そうでよかったです。また、お邪魔させてください」
美月はバッグの持ち手を握りしめ、深々をお辞儀をする。
頭に取り憑いた何かを振り払うように。
唯の母は美月の姿をひとしきり眺めてからその慈眼をさらに細め、微笑んだ。
「ええ、もちろんいつでも遊びに来てね。声かけてくれてありがとうね」
遠ざかっていく自転車から小さく手が振られている。
その様子はもはや美月の目には映っていなかった。
顔から、頭から、血が引いていくのが分かる。
唯、昨日何があったの?
今、唯は──
『今日は部活行こっかなって』
美月は踵を返し、元来た道を引き返す。
駆け出した美月の視線の先で飛び跳ねているのは、東に向かって長く伸びた自分自身の影だ。
いくら俊足を誇る美月であっても、自分の影に追い付くことはできない。
その学校の方向へと長く長く伸びた影は道を急ぐ美月の心情そのものだった。
正門へ続く学校下の坂を途中で左に折れる。
教員が通勤時に利用する、裏門に続く道だ。
文芸部部室のある旧校舎にはこちらの方が近い。
曲がりくねった坂道を力の限りに駆け上がる途中、すれ違う野球部のランニング集団からどよめきが上がる。
普段の美月なら、その反応に気をよくしていただろうか。
今の美月の耳には自身が切る風の音も、地面に叩きつけられる硬いソールの音さえも聞こえていなかった。
旧校舎に辿り着いた時には辺りは薄暗くなっていた。
呼吸を整えつつ、外よりもさらに暗い玄関をくぐる。
煤けたスノコに靴が横付けされている。いつもそこにあるのは唯の小さな靴がひと組。
しかし、今ここにあるのは──ふた組。
美月の胸が大きく鳴った。
一つ。小さい方のローファーは唯のもの。
そしてもう片方はサイズ的には男子生徒のものだ。
美月はこの玄関に唯以外の靴が置いてあるのを見たことがない。
仲睦まじげに並ぶふた組の靴から少し離れた場所に靴を脱ぎ、スリッパも履かずそのまま廊下を抜けようとした美月の足が止まる。
というよりも、何か床の上のものを踏んだことで不意に足が滑りそうになったのだ。
視線を落とした先では、辺り一面に大量のプリント類が散乱している。
変だおかしい。いつもの“ここ”じゃない。
視線を再び廊下奥の闇に戻し、駆け出す美月。
足裏で蹴られた冷え切ったプリントは蹴り飛ばされても宙を舞うことなく、すぐにまた床に張り付いて冷たくなった。
美月は、闇の中にほのかな明かりを見る。
廊下突き当たり右、文芸部部室のドア窓から漏れていた光だった。
あと数メートルで部室のドアに手が届くというところで美月は思わず足を止めた。
部室から漏れ出ているのは光だけでなかった。
声ならぬ声。
それは、女性の声だった。
喉奥から絞り上げるようにして出された苦悶の音。
それが次第に艶を帯び、最後には歓喜の嬌声へと変貌する。
ひと呼吸のうちに出されるその声が、何度も何度も一定のリズムで繰り出される。
声を出すごとに声色はますます艶かしく淫らになっていくのが分かった。
これって──
大人の女の人の声だ。唯じゃない。
唯じゃない、誰か別の人が、この場所で……映画のワンシーンで見たことある……“あれ”をしている。
じゃあ誰が?
そう思いかけた瞬間、女性の声の調子が変化した。
抑えるようなトーンの小さく、鼻にかかった甘い声。
そこにいないと思っていた幼馴染が、くしゃみを我慢するときの声だった。
「小動物の鳴き声みたい」だとからかっていた、そのかわいらしいくしゃみが美月は好きだった。
鼻にかかった声色はそのままに、低音域に艶かしい音色が施されている。
その声が断続的に続いたあと、抑えきれない嬌声の蓋が外れ、再びまた“大人の女の人の声”に変わった。
美月はその場所で10分ほど固まっていた。
実際には2、3分程度かもしれないが、美月にはとても長い時間に感じられた。
床の冷たさに気が付いた美月はゆっくりと二歩、三歩と後退る。
そしてまだ、いや一層色めき立つ幼馴染の嬌声を背に、暗い廊下を歩き、旧校舎を後にした。
近所でありながら、唯の母と最後に会ったのはいつだろうか。
小学校高学年あたりから部活動に時間の多くを割くようになった美月は、自然と唯と遊ぶ機会も減り、ましてや互いの自宅へ上がることなど皆無となっていた。
幼い日の美月は親友であることをいいことに我が物顔で唯の自宅へ上がり込み、唯が不在にもかかわらず飲み物を所望したり、外で遊んで汚れた衣服を洗ってもらったりと、とにかく無礼の限りを尽くしていた。
炭酸飲料の一気飲みで気絶した美月のために救急車を呼ばせてしまったこともあるが、それはまだマシで、一度自らの行いが原因で唯を病院送りにしてしまったことさえある。
さすがにその時は烈火のごとく叱られたが、その後も唯の母はありとあらゆる悪行を重ねたこの厚かましい小鬼をもてなし、変わらずその慈眼を向けてくれたのだった。
それから成長するにつれ、美月は当時いかに自分が厚顔無恥であったかを恥じ入ることになる。
唯の母に対して合わせる顔がないというほどではないにせよ、やはりどこか負い目を感じていたのだった。
加えて、唯の母と美月との共通の話題──つまり唯は、美月の中で今最もセンシティブな話題である。
久しぶりということもあり、何か障りない話題を喋ろうとする前に、唯の母はそれは嬉しそうな表情で口を開いた。
「あの昨日はありがとうね。おうちの方にもお電話すればよかったけど……今どきお電話番号が分からなくって」
「昨日……ですか?」
何のことか分からなかった。
何を家に電話などすることがあるのだろう?
話題への反応ができない美月だが唯の母は続ける。
「唯ちゃん、昨日は美月ちゃんの家に泊まるからって。……また前みたいに仲よくしてくれて本当にありがとうねぇ」
美月の顔に瞬間的に笑顔が張り付けられる。
唯が昨日、私の家に泊まった? それってどういう……。
「あ……」
唯は嘘をついている。家族に。
嘘をついて外泊したのだ。
つまりそれは、家族には言えない場所に。
「あ、それ……あの……」
張り付けた笑顔のまま視線を右下に左下にと泳がせる。
「あ! 多分、別の友達の家で、お泊まり会やるって言ってたやつかも……? です。私も……誘われてたから、なんかごっちゃになったのか……も?」
美月も、嘘をついた。
あまりにも下手な嘘だったが、この場を取りなすにはほかに術はないように思われた。
正直にことを話し、今自分に向けられている優しい慈眼が崩れてしまうのが怖かった。
唯にも、嘘をつかないといけないほどの事情があったのかもしれない。
昨日の夜に何があったのか、自分は何も知らないのだ。
「あ、そうだったの? でもほら、唯ちゃん美月ちゃんと同じクラスになったってね、ずっと喜んでるから、どうか仲よくしてあげてね」
目に浮かぶようだった。
美月が知っている、昨日までの唯のあどけない笑顔。
「私の方こそ……! あの、おばさんもお元気そうでよかったです。また、お邪魔させてください」
美月はバッグの持ち手を握りしめ、深々をお辞儀をする。
頭に取り憑いた何かを振り払うように。
唯の母は美月の姿をひとしきり眺めてからその慈眼をさらに細め、微笑んだ。
「ええ、もちろんいつでも遊びに来てね。声かけてくれてありがとうね」
遠ざかっていく自転車から小さく手が振られている。
その様子はもはや美月の目には映っていなかった。
顔から、頭から、血が引いていくのが分かる。
唯、昨日何があったの?
今、唯は──
『今日は部活行こっかなって』
美月は踵を返し、元来た道を引き返す。
駆け出した美月の視線の先で飛び跳ねているのは、東に向かって長く伸びた自分自身の影だ。
いくら俊足を誇る美月であっても、自分の影に追い付くことはできない。
その学校の方向へと長く長く伸びた影は道を急ぐ美月の心情そのものだった。
正門へ続く学校下の坂を途中で左に折れる。
教員が通勤時に利用する、裏門に続く道だ。
文芸部部室のある旧校舎にはこちらの方が近い。
曲がりくねった坂道を力の限りに駆け上がる途中、すれ違う野球部のランニング集団からどよめきが上がる。
普段の美月なら、その反応に気をよくしていただろうか。
今の美月の耳には自身が切る風の音も、地面に叩きつけられる硬いソールの音さえも聞こえていなかった。
旧校舎に辿り着いた時には辺りは薄暗くなっていた。
呼吸を整えつつ、外よりもさらに暗い玄関をくぐる。
煤けたスノコに靴が横付けされている。いつもそこにあるのは唯の小さな靴がひと組。
しかし、今ここにあるのは──ふた組。
美月の胸が大きく鳴った。
一つ。小さい方のローファーは唯のもの。
そしてもう片方はサイズ的には男子生徒のものだ。
美月はこの玄関に唯以外の靴が置いてあるのを見たことがない。
仲睦まじげに並ぶふた組の靴から少し離れた場所に靴を脱ぎ、スリッパも履かずそのまま廊下を抜けようとした美月の足が止まる。
というよりも、何か床の上のものを踏んだことで不意に足が滑りそうになったのだ。
視線を落とした先では、辺り一面に大量のプリント類が散乱している。
変だおかしい。いつもの“ここ”じゃない。
視線を再び廊下奥の闇に戻し、駆け出す美月。
足裏で蹴られた冷え切ったプリントは蹴り飛ばされても宙を舞うことなく、すぐにまた床に張り付いて冷たくなった。
美月は、闇の中にほのかな明かりを見る。
廊下突き当たり右、文芸部部室のドア窓から漏れていた光だった。
あと数メートルで部室のドアに手が届くというところで美月は思わず足を止めた。
部室から漏れ出ているのは光だけでなかった。
声ならぬ声。
それは、女性の声だった。
喉奥から絞り上げるようにして出された苦悶の音。
それが次第に艶を帯び、最後には歓喜の嬌声へと変貌する。
ひと呼吸のうちに出されるその声が、何度も何度も一定のリズムで繰り出される。
声を出すごとに声色はますます艶かしく淫らになっていくのが分かった。
これって──
大人の女の人の声だ。唯じゃない。
唯じゃない、誰か別の人が、この場所で……映画のワンシーンで見たことある……“あれ”をしている。
じゃあ誰が?
そう思いかけた瞬間、女性の声の調子が変化した。
抑えるようなトーンの小さく、鼻にかかった甘い声。
そこにいないと思っていた幼馴染が、くしゃみを我慢するときの声だった。
「小動物の鳴き声みたい」だとからかっていた、そのかわいらしいくしゃみが美月は好きだった。
鼻にかかった声色はそのままに、低音域に艶かしい音色が施されている。
その声が断続的に続いたあと、抑えきれない嬌声の蓋が外れ、再びまた“大人の女の人の声”に変わった。
美月はその場所で10分ほど固まっていた。
実際には2、3分程度かもしれないが、美月にはとても長い時間に感じられた。
床の冷たさに気が付いた美月はゆっくりと二歩、三歩と後退る。
そしてまだ、いや一層色めき立つ幼馴染の嬌声を背に、暗い廊下を歩き、旧校舎を後にした。
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