絶対お兄ちゃん主義!

桜祭

文字の大きさ
上 下
22 / 33
1章

姉の塩対応

しおりを挟む
「戻ったよー……ってあれ恋?」
「『ど、どうしよう姉さん?俺達裄なんだけど恋の体になっちゃた』」

作戦としては俺の声マネをさせた恋を俺に見立てて、新しい家族なんかよりこっちの方がやばくて大変だ!妹の事は曖昧にしてしまえというバカみたいな作戦だ。
10秒で思いついた作戦に突っ込んではいけない。

「何してんの恋?」
「『俺と恋の体が入れかわっちゃたんだ!どうしよう』」
「……恋の意識が入った達裄連れて来なさい」

やばい。
俺に物まねスキルなどあるわけない。
マジでどうしよう。

「『おーい、恋』」と無駄に俺の声である恋が俺を連れ戻しに来た。
そのまま恋に引っ張られ姉さんの前に連れられた。

「『連れて来たよ姉さん』」と本当に無駄に俺の声の恋は俺を目の前に連れて来た。
多分姉さんも恋の物まねスキルを知っているんだろうな。
知らなきゃガチびっくりするもん。
俺の声と恋の声まねで俺の声の方が偽物なんじゃないかって疑う程だ。

「あらー恋、こんなに大きくなちゃって」

からかいのバカにした声。
完全にバレてます。

「……恋、何バカな事してんだ?」
「お兄ちゃんずるーい」

俺に出来るのは恋を裏切って素に戻る事であった。
恋は俺ずるいずるいって言いながら、胸をコンコン叩いていた。
全然痛くないし、見てると和む。
この動画欲しいな。

「はいはい、いちゃつくのは後にして」
「い、いちゃついてねーよ」
「はわわ、いちゃいちゃでしたでしょうか」

姉に初めて見せた反応だったからか赤くなった恋。
姉さんと俺はそんな恋に温かい目で見守った。
それを終えた姉さんは「散々待たせてごめんねぇ」と外に居る三つ子に声を掛けるとそのままぞろぞろと中に押し込んで来た。

「あ……」
「あ……」
「あ……」

ついさっき別れたばかりの三つ子であった。
それぞれ同じ反応で口を開いた。
案の定まさかの再会である。

「……」

気まずい雰囲気が玄関内に4人に流れた。
姉さんと恋は何故そんな空気になっているのかわかってない様子で俺と三つ子を交互に見渡していた。

「遠野先輩!」
「遠野先輩!」
「ユキ!」

あれ?おかしいな?
ついに探し人への疑問ではなく言い切っている者が1人。

「えっと……、お前らあれだろ?『ヤオルメ』で覚えてるぞ」
「『ヤオルメ』ってなんだ?」
「最初のヤだけ苗字でそれ以降は君らの名前の頭文字」
「当たってますよ遠野先輩~」
「というよりユキ、あんた私達の名前忘れたの?」

もう2度と会わないだろうとたかくくってこの3人の名前を忘れてしまった。
当然ながら他に居たバカ2名の名前ならスラっと出るのだが。

「思い出した!矢沢オーガ、矢沢ルン、矢沢メナナだ」
「んなわけねーだろ!あたしの名前DQNネームじゃねーか!」
「ルンもメナナもDQNネームじゃないかな音ちゃん?」
「まず矢沢って誰よ?」

姉さんの紹介で改めて、八重坂音、八重坂瑠璃、八重坂めぐり。
姉さんの名前も一応、遠野巫女。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!

電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。 しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。 「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」 朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。 そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる! ――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。 そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。 やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。 義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。 二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ

みずがめ
恋愛
 俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。  そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。  渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。  桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。  俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。  ……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。  これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...