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1章
3人の強さ
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「実はあたし達道がわからないんだ。だから知っていたらで良いから教えてくれませんか山田」
「なんで呼び捨てなんだよ」
「おっと年上でしたね。山田先輩」
音の態度に少し怒った影太であったがどうせ年下女の子にでかい事は言えないだろう。
おそらく影太は音、めぐりじゃなく瑠璃狙いだと思う。
それでも協力するのだからその意気には驚きだ。
「えっと、海谷先輩と遠野先輩もお願いします」
「先輩方お願いします」
末っ子のめぐりだけは頭を下げなかったが2人が頭まで下げているし、声を掛けたのもこちらなので強く断れない雰囲気でやれやれと今回だけは付き合うと決めた。
「えっと場所探してんだ。きかいだーマンションってんだ」
「そんな人造人間みたいな名前のマンション知らんよ」
星丸の突っ込みに俺は理解出来たが、影太と三つ子はわけがわからなくぽかーんとしていた。
こんなの20代でもわかる人少なくないか?
なんで俺と星丸はわかってんだ?
しかし俺もきかいだーマンションなんて聞いた事無かった。
「あれ、違うか?きか……、きか、ああもう『きか』は確実なんだよ!」
「……音ちゃんもう良いです。如月《きさらぎ》マンションです」
見かねた瑠璃はそう言って「わかります?」と聞いてきた。
というか音情報最初の1文字以外全然違うじゃないか。
如月マンションは俺も知っている。
少し道が食い込んでいてわかりにくい。
そして関係はないだろうけど遠野巫女が一人暮らしをしていて、つい最近まで妹の遠野恋が過ごしていたマンションだ。
滅多に近寄らないけど。
「如月マンションね、よし俺が案内しよう」
影太がそのまま前を歩き三つ子と俺、星丸は結構な大所帯で如月マンションへと足を運ぶ。
そしてようやく話すチャンスが出来たと影太が三つ子に気づかれない様に笑っている。
……これ第三者から見たら誘拐に見えるんじゃね?
俺と星丸共犯者じゃないか?
「しかし君達可愛いねー、何年生?」
「私達は中学2年生です。山田先輩達はどこの高校ですか?」
「俺達は青高だよ。今1年生なんだ」
「音ちゃん、めぐりちゃんすごい頭が良い先輩達です。私達も頑張らないとね」
やっぱり青高って頭良さそうに見えるんだな。
実際入ってしまえば自由で赤点も緩い高校なんだがな。
「でもこの3人バカっぽくね?」
音はとにかくすごく失礼な奴であった。
でもなんでも口に出来るってすごいな。
音の鋭い勘に星丸と影太はずーんと気持ちを落とした。
俺もこの2人と同じくバカに見えてたのか、ショックである。
「いや、『ユキ』なら頭良いんじゃない?」
「…………」
どんだけ疑ってんだよめぐり。
なんて答えよ。
肯定したら負けな気がするし、否定したら本当に負けになるのだが。
「いや普通だよ、ほら俺って見た性格だし、見た学力だし」
「脳ある鷹は爪を隠しますか」
何言っても信じられないんだな俺って。
めぐりとは相性悪いのかな。
まぁ如月マンションまでの道のりまででそれからは会う事もないだろうけど。
「でも私、遠野先輩カッコイイなって思うよ、結構タイプだなー」
「は?」
瑠璃がそう言った瞬間4人の視線がすべて俺にぶつかった。
影太が特に悔しそう。
やっぱり瑠璃狙いだったわけか。
「ちょー強そう」
「いや、こいつは弱いな」
否定をしたのは音であった。
何故少し喧嘩腰なのか。
というか瑠璃以外の2人明らかに俺の事嫌ってんだろ。
「こいつはマンガでいう四天王の2番目に強い奴の右腕クラスの強さだな」
「すっげーピンとこない強さな」
「山田先輩は四天王の一番弱い奴、海谷先輩は四天王の部屋を掃除しているおばちゃんレベルと見た」
俺、影太より下かよ!
しかも星丸だけは無駄に当たっているじゃないか。
星丸は泣きそうになっていた。
「達裄、あの音ちゃんにお前の強さ見せてやれよ。四天王の上の大魔王クラスだって見せてやれよ!」
抵抗が大人気なかった。
他力本願で俺が直接実力を見せろって事だろうか?
「よし、なら海谷先輩のいう妄言を遠野先輩に見せてもらおうか」
とてもノリノリな音は俺の実力を測るみたいなノリでゲームの説明をしようとか言っている。
気乗りはしないが星丸のバトンだけは受っ取っておくかとイヤイヤゲームに参加した。
「いいか、今からあたしが手にするハチマキを引っ張り合うだけの簡単な綱引き勝負だ。今まであたしは男にだって負けた事ないからな」
そう言ってカバンへ手を伸ばす音。
しかし音の態度が急変する。
「あれ?今手にハチマキ取ったのに落としちゃったかな?」
「なぁ音?このハチマキ取ったら勝ちって事なんだよな」
俺の頭上に掲げられた右手には赤いハチマキが収まっている。
「なんで呼び捨てなんだよ」
「おっと年上でしたね。山田先輩」
音の態度に少し怒った影太であったがどうせ年下女の子にでかい事は言えないだろう。
おそらく影太は音、めぐりじゃなく瑠璃狙いだと思う。
それでも協力するのだからその意気には驚きだ。
「えっと、海谷先輩と遠野先輩もお願いします」
「先輩方お願いします」
末っ子のめぐりだけは頭を下げなかったが2人が頭まで下げているし、声を掛けたのもこちらなので強く断れない雰囲気でやれやれと今回だけは付き合うと決めた。
「えっと場所探してんだ。きかいだーマンションってんだ」
「そんな人造人間みたいな名前のマンション知らんよ」
星丸の突っ込みに俺は理解出来たが、影太と三つ子はわけがわからなくぽかーんとしていた。
こんなの20代でもわかる人少なくないか?
なんで俺と星丸はわかってんだ?
しかし俺もきかいだーマンションなんて聞いた事無かった。
「あれ、違うか?きか……、きか、ああもう『きか』は確実なんだよ!」
「……音ちゃんもう良いです。如月《きさらぎ》マンションです」
見かねた瑠璃はそう言って「わかります?」と聞いてきた。
というか音情報最初の1文字以外全然違うじゃないか。
如月マンションは俺も知っている。
少し道が食い込んでいてわかりにくい。
そして関係はないだろうけど遠野巫女が一人暮らしをしていて、つい最近まで妹の遠野恋が過ごしていたマンションだ。
滅多に近寄らないけど。
「如月マンションね、よし俺が案内しよう」
影太がそのまま前を歩き三つ子と俺、星丸は結構な大所帯で如月マンションへと足を運ぶ。
そしてようやく話すチャンスが出来たと影太が三つ子に気づかれない様に笑っている。
……これ第三者から見たら誘拐に見えるんじゃね?
俺と星丸共犯者じゃないか?
「しかし君達可愛いねー、何年生?」
「私達は中学2年生です。山田先輩達はどこの高校ですか?」
「俺達は青高だよ。今1年生なんだ」
「音ちゃん、めぐりちゃんすごい頭が良い先輩達です。私達も頑張らないとね」
やっぱり青高って頭良さそうに見えるんだな。
実際入ってしまえば自由で赤点も緩い高校なんだがな。
「でもこの3人バカっぽくね?」
音はとにかくすごく失礼な奴であった。
でもなんでも口に出来るってすごいな。
音の鋭い勘に星丸と影太はずーんと気持ちを落とした。
俺もこの2人と同じくバカに見えてたのか、ショックである。
「いや、『ユキ』なら頭良いんじゃない?」
「…………」
どんだけ疑ってんだよめぐり。
なんて答えよ。
肯定したら負けな気がするし、否定したら本当に負けになるのだが。
「いや普通だよ、ほら俺って見た性格だし、見た学力だし」
「脳ある鷹は爪を隠しますか」
何言っても信じられないんだな俺って。
めぐりとは相性悪いのかな。
まぁ如月マンションまでの道のりまででそれからは会う事もないだろうけど。
「でも私、遠野先輩カッコイイなって思うよ、結構タイプだなー」
「は?」
瑠璃がそう言った瞬間4人の視線がすべて俺にぶつかった。
影太が特に悔しそう。
やっぱり瑠璃狙いだったわけか。
「ちょー強そう」
「いや、こいつは弱いな」
否定をしたのは音であった。
何故少し喧嘩腰なのか。
というか瑠璃以外の2人明らかに俺の事嫌ってんだろ。
「こいつはマンガでいう四天王の2番目に強い奴の右腕クラスの強さだな」
「すっげーピンとこない強さな」
「山田先輩は四天王の一番弱い奴、海谷先輩は四天王の部屋を掃除しているおばちゃんレベルと見た」
俺、影太より下かよ!
しかも星丸だけは無駄に当たっているじゃないか。
星丸は泣きそうになっていた。
「達裄、あの音ちゃんにお前の強さ見せてやれよ。四天王の上の大魔王クラスだって見せてやれよ!」
抵抗が大人気なかった。
他力本願で俺が直接実力を見せろって事だろうか?
「よし、なら海谷先輩のいう妄言を遠野先輩に見せてもらおうか」
とてもノリノリな音は俺の実力を測るみたいなノリでゲームの説明をしようとか言っている。
気乗りはしないが星丸のバトンだけは受っ取っておくかとイヤイヤゲームに参加した。
「いいか、今からあたしが手にするハチマキを引っ張り合うだけの簡単な綱引き勝負だ。今まであたしは男にだって負けた事ないからな」
そう言ってカバンへ手を伸ばす音。
しかし音の態度が急変する。
「あれ?今手にハチマキ取ったのに落としちゃったかな?」
「なぁ音?このハチマキ取ったら勝ちって事なんだよな」
俺の頭上に掲げられた右手には赤いハチマキが収まっている。
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