絶対お兄ちゃん主義!

桜祭

文字の大きさ
上 下
12 / 33
1章

恋愛脳の流亜

しおりを挟む
海谷星丸について
達裄の幼馴染であり、親友であり、準主人公的な立ち位置のキャラです。
キャラ紹介ではメインヒロインを差し置いて2番目に紹介されそうです。
達裄がジョーカーで、彼はエース的な役割でしょうか。
自分の作品ではエースを主人公に当てはめるのですがそういう事でも主人公は異質で彼は普通の苦労人の主人公向きだとは思うのですが。
もしかしたら達裄ら3人グループで一番常識人かもしれないです(あくまでも3人の中でと注記)。


星虹光について
達裄の頼れる相談役のたまに話に絡む程度のお姉さん的キャラの筈がいつの間にかメインヒロイン級の扱いです。
キャラ紹介ではメインヒロインを差し置いて3番目に紹介されそうです。
この物語ではお姉さんというより姉御肌を強めて、達裄との微妙な関係を描いていけたらと思います。
多分このまま3人グループのままだったら達裄と光はお互いゆっくりと惹かれあうのですがそれでは物語にならないのが悔やまれます。


山田影太について
星丸よりも近くは無いけど友達みたいな関係です。
運動神経も良い、顔も整っていてモテる要素はあるのですが、彼自身幼い女の子が好きな残念な方です。
しかし読み返すとポン酢より出番がまだ無い。
多分これから出番があるんですよ。


深海雨について
幼なじみであり、達裄の事を唯一『たっくん』と特別なあだ名で呼ぶ彼女がヒロインではない、そんな事があって驚いています。



―――――


本編の前に前回の後日談の後日談。
もう『サナダユキムラ』はどうでも良い。
なんか流亜の事を考えると悔しいというか、イラッとくるというか。
以下、割愛。




「私、青高を目指してみます」
「西川……、こないだまで秋風女子だって言ってたじゃないか。なんで急にレベルを上げるんだ……。教師の俺は強制出来ないけどさ、流石に無理は止めなくちゃいけないんだよ。専願でもリスクが高すぎるんだが……」
「秋風女子はレベルに合わせていただけで、本当に行きたいところは青高なんですよ」
「そんな生徒珍しくもないんだよ。それで落ちて後悔した生徒を俺は何十人見てるんだぞ。お前もその1人になっちまうぞ?」
「受けてもいないのにそんな事言わないでください!これから努力していきます!」

冬休み前の中学の西川流亜の進路相談は教師とおおいに揉めて、予定時間より10分も伸びたというところから始まった。
根拠もなく、保障もないただの子供の意見。
教師歴10年以上の何人もの生徒に勉強を教えて、世に人を運び出した教師の意見。
正しいのは誰の目からも正しくて、それでも無茶を言って教師を呆れさせ納得させないまま進路相談を終えた1人の少女のお話。
今回はそんな大人になって思い出したら黒歴史とも取れる事件から始まった。


……あれ?俺関係なくね?
俺はただいま独りでオフラインスマブラソロプレイをエンジョイしているところであった。





―――――




「はぁ……」

やってしまった、言ってしまった。
昨日クラスの担任と言い争った後悔が胸でぐるぐるとうずまいている。
しかももう1日経ってしまった。
昨日3時間ぐらい勉強はしたが、そんな程度でどうにもならないのはとっくにわかっている。
青高の過去問をやってはみたが、点数を見たらただ勉強のやる気を削ぐ結果になったのは言うまでもない。
数日経ってから言うのもなんだとも思うが達裄先輩にはまだ返事を出していない。
『俺に頼れ!』そう書かれてあった言葉を頼りに私は校門で達裄先輩を出待ちしていた。
写真・新聞・文芸部というほぼ活動していない部活の人なので多分直帰だと思うのだがまだ目的の生徒の姿は見えない。

「あ、流亜ちゃんこんにちは」
「こんにちはです」

達裄先輩と付き合いがあり、何回か私も会った事のある雨先輩であった。
彼女は優しい先輩でとても話しやすい。

「もしかして流亜ちゃんたっくん待ちかな?」
「はい、そうです」

「相変わらず仲良いねえ」と、くすくす笑っていた。
もしかしたら雨先輩は私の達裄先輩の気持ちに気づいていたりするのかな?
むしろ積極的な方だと自負しているんだけど何分相手はガードが堅い。

「こないだたっくん星丸に流亜ちゃんの事どう思うかって聞いてたよ。あの時星丸私一筋って言ってくれたよ~」
「そこでのろけられても反応に困るのですが……」

というか本当に聴いたんだ。
あの時急に意味深な事言ってきたから本当は気持ちに気づいてるけど答えられないって告白すらしていない返事がきそうで怖かったな。

「そんな噂をするとほら来たよ」
「えっ?」

あれから達裄先輩とは初めて会うな。
どんな表情で答えよう。
うわー、今まで正直に頼みごとしたことなくて怖いなぁ。

「いやーごめんねぇ雨と……流亜ちゃん」
「いや、そんなに待ってないよ星丸」

ってそっちかよ!
確かに達裄先輩だけじゃなく星丸先輩の噂もしていたけど。
付き合っている2人だから待ち合わせも普通か。
少し落胆し肩を落とす。
緊張した私がバカだった……。

「うわー……、俺の姿見て落胆するとか」
「ははは、嫌われてんな達裄」
「え……?」

星丸先輩に慰められていたのは待ち人の遠野達裄でした。
まさか星丸先輩と一緒に歩いていたなんて考えていなかった。
笑顔で出迎えようとしていたのに肩を落とすところをはっきり見られていたし。
というか嫌ってないのに……。
タイミングが悪すぎます達裄先輩!

「もしかして流亜と雨で約束でもしたか?じゃあ星丸、帰るか」
「よし!通行人女性の肌年齢を言い合いながら帰るか」
「なんだその気持ち悪い遊び……。楽しそー」

そう達裄先輩と星丸先輩は誤解して帰路に向かっていました。
というか気付けよ!
あんな事色紙に書いたんだもんその返事をしに来たと察しろよ。

「違うよたっくん、流亜ちゃんはたっくんに用事があるんだって」
「え?俺別に約束なんかしてない」
「もー、何言ってのよたっくん。可愛い後輩が待ってたんだから付き合いなって」

雨先輩は達裄先輩を引き留めた。
入れ替わりで星丸先輩の隣に雨先輩が出向く。

「で、たっくんと何するつもりだったって?」
「はは」

愛想笑いをする星丸先輩と拗ねている雨先輩は2人の世界を作って校門から出て行くのであった。
私もあんな風に達裄先輩とやってみたいなぁ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

最底辺の落ちこぼれ、実は彼がハイスペックであることを知っている元幼馴染のヤンデレ義妹が入学してきたせいで真の実力が発覚してしまう!

電脳ピエロ
恋愛
時野 玲二はとある事情から真の実力を隠しており、常に退学ギリギリの成績をとっていたことから最底辺の落ちこぼれとバカにされていた。 しかし玲二が2年生になった頃、時を同じくして義理の妹になった人気モデルの神堂 朱音が入学してきたことにより、彼の実力隠しは終わりを迎えようとしていた。 「わたしは大好きなお義兄様の真の実力を、全校生徒に知らしめたいんです♡ そして、全校生徒から羨望の眼差しを向けられているお兄様をわたしだけのものにすることに興奮するんです……あぁんっ♡ お義兄様ぁ♡」 朱音は玲二が実力隠しを始めるよりも前、幼少期からの幼馴染だった。 そして義理の兄妹として再開した現在、玲二に対して変質的な愛情を抱くヤンデレなブラコン義妹に変貌していた朱音は、あの手この手を使って彼の真の実力を発覚させようとしてくる! ――俺はもう、人に期待されるのはごめんなんだ。 そんな玲二の願いは叶うことなく、ヤンデレ義妹の暴走によって彼がハイスペックであるという噂は徐々に学校中へと広まっていく。 やがて玲二の真の実力に危機感を覚えた生徒会までもが動き始めてしまい……。 義兄の実力を全校生徒に知らしめたい、ブラコンにしてヤンデレの人気モデル VS 真の実力を絶対に隠し通したい、実は最強な最底辺の陰キャぼっち。 二人の心理戦は、やがて学校全体を巻き込むほどの大きな戦いへと発展していく。

スライム10,000体討伐から始まるハーレム生活

昼寝部
ファンタジー
 この世界は12歳になったら神からスキルを授かることができ、俺も12歳になった時にスキルを授かった。  しかし、俺のスキルは【@&¥#%】と正しく表記されず、役に立たないスキルということが判明した。  そんな中、両親を亡くした俺は妹に不自由のない生活を送ってもらうため、冒険者として活動を始める。  しかし、【@&¥#%】というスキルでは強いモンスターを討伐することができず、3年間冒険者をしてもスライムしか倒せなかった。  そんなある日、俺がスライムを10,000体討伐した瞬間、スキル【@&¥#%】がチートスキルへと変化して……。  これは、ある日突然、最強の冒険者となった主人公が、今まで『スライムしか倒せないゴミ』とバカにしてきた奴らに“ざまぁ”し、美少女たちと幸せな日々を過ごす物語。

ぼっち陰キャはモテ属性らしいぞ

みずがめ
恋愛
 俺、室井和也。高校二年生。ぼっちで陰キャだけど、自由な一人暮らしで高校生活を穏やかに過ごしていた。  そんなある日、何気なく訪れた深夜のコンビニでクラスの美少女二人に目をつけられてしまう。  渡会アスカ。金髪にピアスというギャル系美少女。そして巨乳。  桐生紗良。黒髪に色白の清楚系美少女。こちらも巨乳。  俺が一人暮らしをしていると知った二人は、ちょっと甘えれば家を自由に使えるとでも考えたのだろう。過激なアプローチをしてくるが、紳士な俺は美少女の誘惑に屈しなかった。  ……でも、アスカさんも紗良さんも、ただ遊び場所が欲しいだけで俺を頼ってくるわけではなかった。  これは問題を抱えた俺達三人が、互いを支えたくてしょうがなくなった関係の話。

男女比世界は大変らしい。(ただしイケメンに限る)

@aozora
ファンタジー
ひろし君は狂喜した。「俺ってこの世界の主役じゃね?」 このお話は、男女比が狂った世界で女性に優しくハーレムを目指して邁進する男の物語…ではなく、そんな彼を端から見ながら「頑張れ~」と気のない声援を送る男の物語である。 「第一章 男女比世界へようこそ」完結しました。 男女比世界での脇役少年の日常が描かれています。 「第二章 中二病には罹りませんー中学校編ー」完結しました。 青年になって行く佐々木君、いろんな人との交流が彼を成長させていきます。 ここから何故かあやかし現代ファンタジーに・・・。どうしてこうなった。 「カクヨム」さんが先行投稿になります。

勇者一行から追放された二刀流使い~仲間から捜索願いを出されるが、もう遅い!~新たな仲間と共に魔王を討伐ス

R666
ファンタジー
アマチュアニートの【二龍隆史】こと36歳のおっさんは、ある日を境に実の両親達の手によって包丁で腹部を何度も刺されて地獄のような痛みを味わい死亡。 そして彼の魂はそのまま天界へ向かう筈であったが女神を自称する危ない女に呼び止められると、ギフトと呼ばれる最強の特典を一つだけ選んで、異世界で勇者達が魔王を討伐できるように手助けをして欲しいと頼み込まれた。 最初こそ余り乗り気ではない隆史ではあったが第二の人生を始めるのも悪くないとして、ギフトを一つ選び女神に言われた通りに勇者一行の手助けをするべく異世界へと乗り込む。 そして異世界にて真面目に勇者達の手助けをしていたらチキン野郎の役立たずという烙印を押されてしまい隆史は勇者一行から追放されてしまう。 ※これは勇者一行から追放された最凶の二刀流使いの隆史が新たな仲間を自ら探して、自分達が新たな勇者一行となり魔王を討伐するまでの物語である※

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

男女比がおかしい世界に来たのでVtuberになろうかと思う

月乃糸
大衆娯楽
男女比が1:720という世界に転生主人公、都道幸一改め天野大知。 男に生まれたという事で悠々自適な生活を送ろうとしていたが、ふとVtuberを思い出しVtuberになろうと考えだす。 ブラコンの姉妹に囲まれながら楽しく活動!

貞操観念逆転世界におけるニートの日常

猫丸
恋愛
男女比1:100。 女性の価値が著しく低下した世界へやってきた【大鳥奏】という一人の少年。 夢のような世界で彼が望んだのは、ラブコメでも、ハーレムでもなく、男の希少性を利用した引き籠り生活だった。 ネトゲは楽しいし、一人は気楽だし、学校行かなくてもいいとか最高だし。 しかし、男女の比率が大きく偏った逆転世界は、そんな彼を放っておくはずもなく…… 『カナデさんってもしかして男なんじゃ……?』 『ないでしょw』 『ないと思うけど……え、マジ?』 これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。 貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。

処理中です...