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第5章 鳥籠の少女
7、佐々木絵美の恋愛分析
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わたし自慢の幼馴染。
明智秀頼君はとにかくモテます。
「なー、津軽?どう思う?」
「知らないわよ。あんたが恥ずかしいとか知ったこっちゃないわよ」
円は表立って秀頼君と仲良くはしません。
でも、なんかたまにコソコソと2人で内緒話をしています。
内緒話の内容を秀頼君に聞くと『共通の話題』、円に聞くと『明智君がやらなきゃいけないこと』と答えます。
微妙に食い違っている返答な気がする。
それに、本当に『秀頼君がやらなきゃいけないこと』を秀頼君が相談しているなら……。
わたしに相談してくれないことが悲しい……。
「スターチャイルド本当にヤバいです!あの歌唱力リピート確定なんですけど!」
「わかるわかる。理沙も順調にスターチャイルドファンに育って嬉しいぜ」
「なんであんなに凄いのに無名なのがおかしいですよ!」
「なーに、言うなれば今はツボミの状態よ。デビューしてすぐなんてそんなもんよ。後から一気にメジャーになるから」
理沙ちゃんは最近、秀頼君の影響でアイドルにはまったらしいです。
十文字君と共通の話題を見つけるためにそんな相談をしたらしい。
……でも、なんか……。
「楽しみですね!明智君っ!」
「あぁ、期待大だ」
十文字君より秀頼君と仲良くなってない!?
理沙ちゃんが十文字君とアイドル話をしているより、断然秀頼君としている姿を目撃しています。
「秀頼、貴様は今日、店に来い!」
「なんで?」
「貴様に美味しいって言わせるためのコーヒーを改良中だ。第37回コーヒーにわかを殺すゲームの開催だっ!」
「最近、咲夜のコーヒーも段々マスターの味に近付き過ぎて難しいんだよ……」
「でも36回連続で正解を当てるじゃないか!秀頼のキッズ舌を騙すまでやり続けるぞ」
「しょーがねーなー」
「やった!やった!」
咲夜ちゃんは絶対秀頼君が好きなのがほぼ確定。
最近秀頼君を喫茶店に連れ込むペースが異常。
全然家に居ないんだもん。
秀頼君は鈍感なので咲夜ちゃんを意識してない。
ただ、意識をしてないからこそ、意識をしてしまったら咲夜ちゃんの距離感の異常に気付く。
咲夜ちゃんを妹みたいに見ているのかもしれないけど……。
多分それは、わたしと理沙ちゃんも含まれている(円だけは妹みたいに見られていないのがポイント)。
距離感の咲夜ちゃん。
十文字君という親友とセットでいられるから美味しい立ち位置の理沙ちゃん。
案外1番異性として見られている円。
極めつけはあれだ。
「全く好みじゃない女性と、めっちゃ好みの男性。そりゃあ俺は断然めっちゃ好みの男性を選ぶぜ!秀頼はどうだ?」
「いや、俺はそんなすぐ決まらないよ!?」
「じゃあそうだな……。ヘドロみたいな女と俺だったらどっちとキスするよ?」
「んー……、我慢してタケルかな」
「じゃあめっちゃ好みの男性のが有りってことだろうがっ!」
「そうだな」
あれが1番ヤバい。
わたしが最初に秀頼君と運命の赤い糸で結ばれていると言ったのに、いつの間にか秀頼君との出会いは運命とかいってパクリだした男!
狙ってる!絶対狙ってるよ!
十文字君とか選ばれたら、もはやわたし立ち直れないよ!
とにかく、あの男は異常にモテるんです。
理沙ちゃんは十文字君好きだとノーマークでしたが、ここ最近の仲はちょっと近すぎるんじゃないかな!?
「あー……、中学って大変だなぁ……。俺が1番大変だったのも中学の記憶だもん」
「いや、それって今じゃない?」
「まー。そうだけど……」
秀頼君ってたまにこう、……わたしより遥かに年上なんじゃないかって思う。
十文字君や理沙ちゃんらと長い付き合いだけど、彼らは成長したなって感じがするんだけど。
秀頼君は、全く成長していない。
バカにしているわけではない。
初対面の時に、既に秀頼君という存在がすでに完成されていた。
そんな風に感じる。
普通、子供はレベルアップする。
学校に通い、新しい出会いと別れを通じてドンドンレベルが上がる。
しかし、秀頼君にはそれらが全く見当たらない。
最初からレベルがカンストしていたみたいにあまりに成長が不自然なのだ。
それだけ、秀頼君は昔から素敵ってことだよねっ!
「…………」
「…………」
「…………」
「……あ、あのっ!秀頼君は頭良いですよね!どうしてそんなに頭が良いのかなって……?」
「勉強してたから」
「あっ、はい……」
『勉強してた』ってなんでしょう?
『勉強してる』って言うべきなんじゃないでしょうか?
ただのニュアンスの違いのような気がするけど……。
それよりも……。
あれ?
わたしが1番、秀頼君と距離遠くない?
衝撃の事実に気付いてしまった。
もっと、秀頼君と話したい!
恋のライバルが多すぎる……。
分析ばかりではなく何か行動に移さないと色々と置いて行かれる。
「佐々木さん!」
「えっ!?は、はい!?」
わたしが焦りを感じていた頃、横から突然接点のないクラスメートから声を掛けられた。
「み、宮村さん……?」
「あっ、私のこと知っていたんですね!嬉しいですっ!」
私の両手を握り、嬉しそうに微笑む宮村さん。
宮村永遠さん。
いかにも秀頼君が大好きなゲームに登場しそうなくらいの美人。
成績優秀で、スタイル抜群、クラスメートの注目を浴びている人だ。
秀頼君こういう人好きそうだなぁ。
秀頼君との接点はなさそうだけど。
いかにも地味で小さいわたしと並べられると、世の中って不公平だと思う。
「あ、……あのっ!?友達になってくださいっ!」
「え……?」
「佐々木さん、めっちゃ可愛いですっ!」
なんか、嵐の予感。
円との初対面と同じ、なんか色々とわたしの交友関係が大きく変わりそうな気がしてならなかった……。
そして、デジャブな感覚が酷く気持ち悪い。
明智秀頼君はとにかくモテます。
「なー、津軽?どう思う?」
「知らないわよ。あんたが恥ずかしいとか知ったこっちゃないわよ」
円は表立って秀頼君と仲良くはしません。
でも、なんかたまにコソコソと2人で内緒話をしています。
内緒話の内容を秀頼君に聞くと『共通の話題』、円に聞くと『明智君がやらなきゃいけないこと』と答えます。
微妙に食い違っている返答な気がする。
それに、本当に『秀頼君がやらなきゃいけないこと』を秀頼君が相談しているなら……。
わたしに相談してくれないことが悲しい……。
「スターチャイルド本当にヤバいです!あの歌唱力リピート確定なんですけど!」
「わかるわかる。理沙も順調にスターチャイルドファンに育って嬉しいぜ」
「なんであんなに凄いのに無名なのがおかしいですよ!」
「なーに、言うなれば今はツボミの状態よ。デビューしてすぐなんてそんなもんよ。後から一気にメジャーになるから」
理沙ちゃんは最近、秀頼君の影響でアイドルにはまったらしいです。
十文字君と共通の話題を見つけるためにそんな相談をしたらしい。
……でも、なんか……。
「楽しみですね!明智君っ!」
「あぁ、期待大だ」
十文字君より秀頼君と仲良くなってない!?
理沙ちゃんが十文字君とアイドル話をしているより、断然秀頼君としている姿を目撃しています。
「秀頼、貴様は今日、店に来い!」
「なんで?」
「貴様に美味しいって言わせるためのコーヒーを改良中だ。第37回コーヒーにわかを殺すゲームの開催だっ!」
「最近、咲夜のコーヒーも段々マスターの味に近付き過ぎて難しいんだよ……」
「でも36回連続で正解を当てるじゃないか!秀頼のキッズ舌を騙すまでやり続けるぞ」
「しょーがねーなー」
「やった!やった!」
咲夜ちゃんは絶対秀頼君が好きなのがほぼ確定。
最近秀頼君を喫茶店に連れ込むペースが異常。
全然家に居ないんだもん。
秀頼君は鈍感なので咲夜ちゃんを意識してない。
ただ、意識をしてないからこそ、意識をしてしまったら咲夜ちゃんの距離感の異常に気付く。
咲夜ちゃんを妹みたいに見ているのかもしれないけど……。
多分それは、わたしと理沙ちゃんも含まれている(円だけは妹みたいに見られていないのがポイント)。
距離感の咲夜ちゃん。
十文字君という親友とセットでいられるから美味しい立ち位置の理沙ちゃん。
案外1番異性として見られている円。
極めつけはあれだ。
「全く好みじゃない女性と、めっちゃ好みの男性。そりゃあ俺は断然めっちゃ好みの男性を選ぶぜ!秀頼はどうだ?」
「いや、俺はそんなすぐ決まらないよ!?」
「じゃあそうだな……。ヘドロみたいな女と俺だったらどっちとキスするよ?」
「んー……、我慢してタケルかな」
「じゃあめっちゃ好みの男性のが有りってことだろうがっ!」
「そうだな」
あれが1番ヤバい。
わたしが最初に秀頼君と運命の赤い糸で結ばれていると言ったのに、いつの間にか秀頼君との出会いは運命とかいってパクリだした男!
狙ってる!絶対狙ってるよ!
十文字君とか選ばれたら、もはやわたし立ち直れないよ!
とにかく、あの男は異常にモテるんです。
理沙ちゃんは十文字君好きだとノーマークでしたが、ここ最近の仲はちょっと近すぎるんじゃないかな!?
「あー……、中学って大変だなぁ……。俺が1番大変だったのも中学の記憶だもん」
「いや、それって今じゃない?」
「まー。そうだけど……」
秀頼君ってたまにこう、……わたしより遥かに年上なんじゃないかって思う。
十文字君や理沙ちゃんらと長い付き合いだけど、彼らは成長したなって感じがするんだけど。
秀頼君は、全く成長していない。
バカにしているわけではない。
初対面の時に、既に秀頼君という存在がすでに完成されていた。
そんな風に感じる。
普通、子供はレベルアップする。
学校に通い、新しい出会いと別れを通じてドンドンレベルが上がる。
しかし、秀頼君にはそれらが全く見当たらない。
最初からレベルがカンストしていたみたいにあまりに成長が不自然なのだ。
それだけ、秀頼君は昔から素敵ってことだよねっ!
「…………」
「…………」
「…………」
「……あ、あのっ!秀頼君は頭良いですよね!どうしてそんなに頭が良いのかなって……?」
「勉強してたから」
「あっ、はい……」
『勉強してた』ってなんでしょう?
『勉強してる』って言うべきなんじゃないでしょうか?
ただのニュアンスの違いのような気がするけど……。
それよりも……。
あれ?
わたしが1番、秀頼君と距離遠くない?
衝撃の事実に気付いてしまった。
もっと、秀頼君と話したい!
恋のライバルが多すぎる……。
分析ばかりではなく何か行動に移さないと色々と置いて行かれる。
「佐々木さん!」
「えっ!?は、はい!?」
わたしが焦りを感じていた頃、横から突然接点のないクラスメートから声を掛けられた。
「み、宮村さん……?」
「あっ、私のこと知っていたんですね!嬉しいですっ!」
私の両手を握り、嬉しそうに微笑む宮村さん。
宮村永遠さん。
いかにも秀頼君が大好きなゲームに登場しそうなくらいの美人。
成績優秀で、スタイル抜群、クラスメートの注目を浴びている人だ。
秀頼君こういう人好きそうだなぁ。
秀頼君との接点はなさそうだけど。
いかにも地味で小さいわたしと並べられると、世の中って不公平だと思う。
「あ、……あのっ!?友達になってくださいっ!」
「え……?」
「佐々木さん、めっちゃ可愛いですっ!」
なんか、嵐の予感。
円との初対面と同じ、なんか色々とわたしの交友関係が大きく変わりそうな気がしてならなかった……。
そして、デジャブな感覚が酷く気持ち悪い。
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