ギャルゲーのヘイトを溜めるクズでゲスな親友役として転生してしまいました。そして主人公が無能すぎて役にたたない……。

桜祭

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第4章 変人親子の喫茶店

5、ギフト持ちの犯罪

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「だからっ!姉貴が自殺するわけないだろっ!どう考えても君がなんかしたんだろっ!?」
「なんかってなんだよ、おっさん?言い掛かりがうぜーんだけど」

ここ連日、おばさんの弟を名乗る変なおっさんが家にやって来る。
いつもはすぐに追い返すと消えるのだが、今日は中々にしつこい。

「姉貴は君に怯えていた……。怖い、旦那が殺されるかもって僕に何度も何度も相談してきたんだぞ!?その2人が自殺!?あり得ないだろそんなの!?秀頼、お前が殺したんだろっ!?」
「知りません。2人が自殺した時は俺は自宅に居ました。証人も存在します。どうか変な言い掛かりはよして帰ってください」
「ふざけた態度もいい加減にしろっ!」

はぁ……。
うるせぇシスコンだなぁ。
世の中シスコンしか居ないのか……?

『命令支配』使って退場させたり、黙らせるのも考えていたが、そんなの面白くない。
俺はこのおっさんの弱点という弱点を徹底的に探らせてある。

「姉貴がもしかしたら秀頼がギフト持ちじゃないかって怯えていた」
「あ?」

ギフト、その単語を聞いて一気に警戒心を上げる。
あのババア、ペラペラと喋っていやがったな。

「ギフトだったら殺しのアリバイとか要らないんじゃないのか!?『相手を自殺させる』ギフトとか前例も実際確認されている」
「ほぅ……」

『相手を自殺させる』ギフトねぇ……。
しょっぱいなぁ。
俺のギフトの完全下位互換だ。
自分のギフトが如何に優れた最強チート能力かというのを強く自覚する。

「『相手を自殺させる』能力とかではないにしろ、どうだ?ギフト持ちは図星だろう?僕は君をこれから『ギフト管理局』へ通報させてもらう。ギフト持ちの犯罪は重罪だ」
「…………」
「何を、……何をニヤニヤ笑っていやがるんだっ!」

通報ごときで俺に勝ったと思っているおめでたい脳内にだよ。
おばさんは無能だった。
その血が繋がった弟もやはり無能だったことがわかった。

「ちょうど俺のツレから連絡あってさ」
「ツレ?」
「そうそう、一応俺の彼女がこれからここに遊びに来るって」

そう言うと、ガラリと家の出入口が開かれる。
突然の音に、おっさんはそちらを振り替える。

「あっ、秀頼君こんにちは」
「おう、待ってたぞ絵美」
「エヘヘー」

短いツインテールを揺らしながら絵美が顔や手、脚を血で塗らした身体で笑いながら家に上がってくる。
ーー何かを引きずりながら。

「ま、待て!?オイッ!?」
「ちょっと、おじさん!セクハラやめて」

伸ばしたおっさんの手を払い除ける絵美。
絵美の払い除けた方の逆の手には女の脚が掴まれている。

「ちょうど車で待たせてたみたいだね。ダメだよ、おじさん?可愛い娘さんを車に閉じ込めるなんてかわいそー」
「咲夜……?」
「車のサイドウィンドウ割っちゃった、ごめんなさい」

申し訳なさそうに頭を下げる絵美だが、おっさんは絵美が引きずる女にしか目が言っていない。

「おい、……殺したのか!?咲夜を!?」
「あー…………。娘さんが暴れるからさ。ちょっと半殺し程度に殴っちゃった程度ですよ。おじさんはちょっと大袈裟に驚き過ぎです!ごめんね」
「ま、……ますたー」

血と涙で塗れた顔を娘はおっさんに向ける。
彼は絵美と俺に対して怒りを爆発させた。

「お前らぁぁぁぁ!姉貴のみならず咲夜までっ!?」
「あ。そういう暑苦しいの要らない。【突っ立って、黙って見てろ】」
「!?」

絵美がようやくおっさんの弱点を連れ出してきた。
こうやって相手を苦しめる時が1番楽しめるもんだ。

「ふへへ、あんたが推理したことと経験していること。2つのことからたどり着いたと思うがこれが俺のギフトだ。俺の命令には、誰も逆らえない」
「キャハハハ!秀頼君が、おじさんに娘ちゃんを殺せって言っても逆らえないからね。おじさんの負けー」
「ーーーーーー!」

何か言いたげだが、俺の命令がある限り口を開けない。
この場の勝利は俺が制した。
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