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第4章 変人親子の喫茶店
2、谷川咲夜
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俺に絡んできたガキは、短い髪型をしていてかなり癖っ毛の強い子である。
コーヒーカップが付いているヘアゴムを止めている。
身長はやや低め(絵美よりは高い。絵美が低すぎるだけだが……)の体型である。
「貴様、名前を名乗れ」
「明智秀頼だよ」
「なんだその中途半端な名前は!?明智なら光秀。豊臣なら秀頼と名前をきちんと付けろ」
「いや、俺が決めた名前じゃねーし……」
というか、俺の前世の名前が豊臣光秀なんだよ。
ちょっと複雑な気分になるからやめて欲しい。
「秀頼からはクズでゲスで性根が腐ってるオーラを感じるな」
「初対面でなんでそんなに罵倒されるの……?」
「罵倒ではない。ウチの個人的な感想だ」
「個人的な感想って言えばなんでも許されると思うなよ」
しかもある意味その評価が間違っていない。
「君は?」
「ウチの名前は谷川咲夜だ」
「た、谷川咲夜!?」
彼女の名前は……、知らん。
本気で誰だ?
俺の知り合う人全員がゲームキャラクターなわけではないから本気でわからない。
当然、谷川咲夜なんてキャラクターは『悲しみの連鎖を断ち切り』には登場しない。
「ふーっ。疲れた……。ん?」
そこへマスターが帰ってきて、俺と女の子を視界に入れた。
「来たかマスター。ケーキを所望する」
「咲夜……、君もか……」
「マスター、誰なのこの礼儀知らずの子供は?」
「君も、十分礼儀ないからね」
やれやれと息を付きながらマスターは、冷蔵庫へ行きケーキを取り出していた。
「咲夜は僕の娘だよ」
「え!?マスターの名字谷川なの!?」
「あ、そこから知らないんだ……」
苦笑いをしながらケーキを女の子の前に置いた。
「なんで娘からもマスターって呼ばれてるの?」
「テレビっ子だからさ。ハードボイルドなドラマ見てマスターって呼んだり、時代劇のドラマ見て貴様って呼んだり」
「そっか、俺の隣の家に住む女も恋愛ドラマの影響受けて頭の中身がピンクなんだがそれと一緒だな」
「咲夜には恋愛ドラマを見せないようにしよう……」
娘の前のマスターは、親バカ感溢れる雰囲気に見える。
「というわけだ。秀頼、ここは貴様のようなキッズが来る様な店ではない。ここは大人が楽しむ店だ」
「ほぅ、大人が楽しむ店か。詳しく頼む」
「ここには安らぎと快楽に飢えた大人たちが楽しむ場だ。お金を支払い気持ち良くなって帰っていただく。そういう大人のお店だ」
「お金を支払い気持ち良くなって帰っていただくかぁ!」
「やめて!言い方が悪すぎるでしょ!」
発言者本人である咲夜は父親がなぜ止めたのか理解できていないらしい。
「マスターの娘は素で『気持ち良くなって帰っていただく大人のお店』とか言うのか。将来有望だな」
「君はわかって言ってるね?姉貴は君にどんな教育してんだよ……」
殴られている子供を助けないで怯えていた人ですとは言わないでおこう……。
そう心で呟いていると、ようやく目の前にエスプレッソを置かれる。
「それでマスター!このキッズはなんだ!?」
「姉貴が預かってる子供だよ」
「預かってる子供?産んだ子供ではないのか?」
「姉貴と秀頼君は血の繋がりないからね。産んでないよ」
つまり、俺と咲夜は完全な赤の他人となる。
親子の会話を聞きながらコーヒーをすする。
「あー、やっぱりマスターのコーヒーは良いな」
「常に素直なら君も可愛い子供に見えるんだけどねー」
マスターもひねくれ者なので、これでも喜んでいるのがわかる。
そのやり取りを見た咲夜が口を尖らせた。
「キッズなんか何出されても喜ぶでしょ」
「なんだと?俺は味の違いがわかる男だ」
「なら勝負しよう」
「勝負?」
咲夜は厨房へ歩いていき、空のカップを2つ用意して、自分の目の前に並べる。
そして、宣言する。
「コーヒーにわかを殺すゲームだ」
「なるほど、つまりコーヒーにわかを殺すゲームということだな」
「そうだ。コーヒーにわかを殺すのだ」
「そんな悪魔のゲームが……。まるでコーヒーにわかを殺すゲームみたいなものが存在するのか」
「……仲良いね、君ら。打ち解けるのがはやっ」
咲夜からコーヒーにわかを殺すゲームの詳細を伺う。
コーヒーカップが付いているヘアゴムを止めている。
身長はやや低め(絵美よりは高い。絵美が低すぎるだけだが……)の体型である。
「貴様、名前を名乗れ」
「明智秀頼だよ」
「なんだその中途半端な名前は!?明智なら光秀。豊臣なら秀頼と名前をきちんと付けろ」
「いや、俺が決めた名前じゃねーし……」
というか、俺の前世の名前が豊臣光秀なんだよ。
ちょっと複雑な気分になるからやめて欲しい。
「秀頼からはクズでゲスで性根が腐ってるオーラを感じるな」
「初対面でなんでそんなに罵倒されるの……?」
「罵倒ではない。ウチの個人的な感想だ」
「個人的な感想って言えばなんでも許されると思うなよ」
しかもある意味その評価が間違っていない。
「君は?」
「ウチの名前は谷川咲夜だ」
「た、谷川咲夜!?」
彼女の名前は……、知らん。
本気で誰だ?
俺の知り合う人全員がゲームキャラクターなわけではないから本気でわからない。
当然、谷川咲夜なんてキャラクターは『悲しみの連鎖を断ち切り』には登場しない。
「ふーっ。疲れた……。ん?」
そこへマスターが帰ってきて、俺と女の子を視界に入れた。
「来たかマスター。ケーキを所望する」
「咲夜……、君もか……」
「マスター、誰なのこの礼儀知らずの子供は?」
「君も、十分礼儀ないからね」
やれやれと息を付きながらマスターは、冷蔵庫へ行きケーキを取り出していた。
「咲夜は僕の娘だよ」
「え!?マスターの名字谷川なの!?」
「あ、そこから知らないんだ……」
苦笑いをしながらケーキを女の子の前に置いた。
「なんで娘からもマスターって呼ばれてるの?」
「テレビっ子だからさ。ハードボイルドなドラマ見てマスターって呼んだり、時代劇のドラマ見て貴様って呼んだり」
「そっか、俺の隣の家に住む女も恋愛ドラマの影響受けて頭の中身がピンクなんだがそれと一緒だな」
「咲夜には恋愛ドラマを見せないようにしよう……」
娘の前のマスターは、親バカ感溢れる雰囲気に見える。
「というわけだ。秀頼、ここは貴様のようなキッズが来る様な店ではない。ここは大人が楽しむ店だ」
「ほぅ、大人が楽しむ店か。詳しく頼む」
「ここには安らぎと快楽に飢えた大人たちが楽しむ場だ。お金を支払い気持ち良くなって帰っていただく。そういう大人のお店だ」
「お金を支払い気持ち良くなって帰っていただくかぁ!」
「やめて!言い方が悪すぎるでしょ!」
発言者本人である咲夜は父親がなぜ止めたのか理解できていないらしい。
「マスターの娘は素で『気持ち良くなって帰っていただく大人のお店』とか言うのか。将来有望だな」
「君はわかって言ってるね?姉貴は君にどんな教育してんだよ……」
殴られている子供を助けないで怯えていた人ですとは言わないでおこう……。
そう心で呟いていると、ようやく目の前にエスプレッソを置かれる。
「それでマスター!このキッズはなんだ!?」
「姉貴が預かってる子供だよ」
「預かってる子供?産んだ子供ではないのか?」
「姉貴と秀頼君は血の繋がりないからね。産んでないよ」
つまり、俺と咲夜は完全な赤の他人となる。
親子の会話を聞きながらコーヒーをすする。
「あー、やっぱりマスターのコーヒーは良いな」
「常に素直なら君も可愛い子供に見えるんだけどねー」
マスターもひねくれ者なので、これでも喜んでいるのがわかる。
そのやり取りを見た咲夜が口を尖らせた。
「キッズなんか何出されても喜ぶでしょ」
「なんだと?俺は味の違いがわかる男だ」
「なら勝負しよう」
「勝負?」
咲夜は厨房へ歩いていき、空のカップを2つ用意して、自分の目の前に並べる。
そして、宣言する。
「コーヒーにわかを殺すゲームだ」
「なるほど、つまりコーヒーにわかを殺すゲームということだな」
「そうだ。コーヒーにわかを殺すのだ」
「そんな悪魔のゲームが……。まるでコーヒーにわかを殺すゲームみたいなものが存在するのか」
「……仲良いね、君ら。打ち解けるのがはやっ」
咲夜からコーヒーにわかを殺すゲームの詳細を伺う。
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