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第3章 賑やかし要員
10、夏休み目前
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約束の日、私は美奈子コーディネートの元、服装を準備した。
彼氏持ちのコーディネートは安心感ある。
それを痛感して、待ち合わせの駅に出向く。
「来栖さん、こんにちは。スカートとか清楚系で似合ってるね。本当、美人……」
「ありがとう!豊臣君も、……その、私服似合ってて良いですね」
顔に自信なかったけど、美人とか言われて心臓がバクバクである。
ストレートな意見が眩しい。
そのままカラオケボックスに突入し、カラオケをする前に豊臣君の手品ショーから始まった。
「ほら、こうすると……じゃーん」
「あれ!?柄違う!?なんで!?」
初心者だから自信がないけど、と言っていた豊臣君だったけど手品を全く知らない私からしたらプロみたいなもんだった。
カードをシャッフルする手つきも慣れていて、様になる。
「てじなーにゃ」
「豊臣君、それ懐かしいね!」
「懐かしいとか言うなよ!ジェネレーションギャップ感じるだろ」
「あははは」
おちゃらけているのも、素の自分を出してくれてるみたいで可愛い。
知れば知るほど、豊臣君色に染まる。
5種類の手品を披露して、今日の手品ショーは終わりと豊臣君は宣言した。
「全部凄かったよ!最初の手品とか凄い感動したよ!あれもう1回見たいな」
「ちっちっち。ダメダメ。俺1人に対して同じ手品見せない主義だから。新鮮味とかワクワク感失うでしょ」
「それ良いね!格好良い!」
「でしょでしょ。それに次はもっと凄い手品見せるし、その次はもっと凄い手品って感じにレベル上げていくからな、楽しみにしていてね」
本当に、それをやってくれるんだろうなという信頼感がそこにはあった。
次もある、そんな嬉しいことある!?
幸せで死にそう……。
「そっか、来栖さんはみんなより早い夏休みになるんだ」
「はい。みんなより早いと言っても2日ですが。手術するからしばらく夏休み無いみたいなもんだよねぇ……」
面倒だけど、生きるために私は手術をしなければならない。
手術、入院はもはや私にとっては恒例なのだ。
「でも、後半空いてるんでしょ?なら花火大会とか行きたくない?」
「行きたいけど人混み苦手なんですよね」
「なら大丈夫だよ、人いないスポットとか俺知ってるからさ。いいねぇ、来栖さんと行きたいところいっぱいあるんだ」
スマホで予定をメモする豊臣君。
本当にデートみたいなことをしてくれるんだ。
「普段は何かしてるんですか?」
「普段はずっとゲームよ。夏休み中は『悲しみの連鎖を断ち切り』っていうゲームをまたやり直すかな。これがまた面白いんよ。楽しいし、ワクワクするし、スリリングでさ」
「へー、豊臣君がオススメするなら私もやってみようかな」
「是非是非!語り合おうよ!」
同じことを語り合う。
そんなワクワクすることがあるのかと逆に聞きたいくらい期待が膨らんでいく。
「よし、夏休み中毎日来栖さんにラインする宣言するよ!しかも10行以上!」
「えー?本当に?手術とかしてるしライン見れない日続くよ」
「良いんだよ。俺のことをもっと来栖さんに知ってもらいたいんだ。よし、じゃあもし俺の夏休み毎日ラインが1回でも途切れたら罰ゲーム受けるよ」
「罰ゲーム?」
「そうだな……、じゃあ『来栖さんの言うことなんでも聞く』。これにしよう」
「え、ええ?」
豊臣君がグイグイ押してくる。
その姿が、可愛い、愛しい、好き、大好き。
「今年は良い夏休みになりそうだね」
「うんっ!」
夏休み。
花火大会やプールやウィンドウショッピングをしようなど語りあった。
多分、花火大会とかで告白される気がする。
しなくても多分私が告白する。
そのためにも、まずは苦痛で退屈な手術を乗り切ろう。
「じゃあ、最高の夏休みにしようなっ!」
「毎日ライン楽しみにしてます!」
「よっしゃ!がんばるぞ!」
私が夏休み前の最後の下校が終わった。
その2日後には、全生徒が夏休みに突入する。
期待を胸に、豊臣君と言葉を交わした。
彼氏持ちのコーディネートは安心感ある。
それを痛感して、待ち合わせの駅に出向く。
「来栖さん、こんにちは。スカートとか清楚系で似合ってるね。本当、美人……」
「ありがとう!豊臣君も、……その、私服似合ってて良いですね」
顔に自信なかったけど、美人とか言われて心臓がバクバクである。
ストレートな意見が眩しい。
そのままカラオケボックスに突入し、カラオケをする前に豊臣君の手品ショーから始まった。
「ほら、こうすると……じゃーん」
「あれ!?柄違う!?なんで!?」
初心者だから自信がないけど、と言っていた豊臣君だったけど手品を全く知らない私からしたらプロみたいなもんだった。
カードをシャッフルする手つきも慣れていて、様になる。
「てじなーにゃ」
「豊臣君、それ懐かしいね!」
「懐かしいとか言うなよ!ジェネレーションギャップ感じるだろ」
「あははは」
おちゃらけているのも、素の自分を出してくれてるみたいで可愛い。
知れば知るほど、豊臣君色に染まる。
5種類の手品を披露して、今日の手品ショーは終わりと豊臣君は宣言した。
「全部凄かったよ!最初の手品とか凄い感動したよ!あれもう1回見たいな」
「ちっちっち。ダメダメ。俺1人に対して同じ手品見せない主義だから。新鮮味とかワクワク感失うでしょ」
「それ良いね!格好良い!」
「でしょでしょ。それに次はもっと凄い手品見せるし、その次はもっと凄い手品って感じにレベル上げていくからな、楽しみにしていてね」
本当に、それをやってくれるんだろうなという信頼感がそこにはあった。
次もある、そんな嬉しいことある!?
幸せで死にそう……。
「そっか、来栖さんはみんなより早い夏休みになるんだ」
「はい。みんなより早いと言っても2日ですが。手術するからしばらく夏休み無いみたいなもんだよねぇ……」
面倒だけど、生きるために私は手術をしなければならない。
手術、入院はもはや私にとっては恒例なのだ。
「でも、後半空いてるんでしょ?なら花火大会とか行きたくない?」
「行きたいけど人混み苦手なんですよね」
「なら大丈夫だよ、人いないスポットとか俺知ってるからさ。いいねぇ、来栖さんと行きたいところいっぱいあるんだ」
スマホで予定をメモする豊臣君。
本当にデートみたいなことをしてくれるんだ。
「普段は何かしてるんですか?」
「普段はずっとゲームよ。夏休み中は『悲しみの連鎖を断ち切り』っていうゲームをまたやり直すかな。これがまた面白いんよ。楽しいし、ワクワクするし、スリリングでさ」
「へー、豊臣君がオススメするなら私もやってみようかな」
「是非是非!語り合おうよ!」
同じことを語り合う。
そんなワクワクすることがあるのかと逆に聞きたいくらい期待が膨らんでいく。
「よし、夏休み中毎日来栖さんにラインする宣言するよ!しかも10行以上!」
「えー?本当に?手術とかしてるしライン見れない日続くよ」
「良いんだよ。俺のことをもっと来栖さんに知ってもらいたいんだ。よし、じゃあもし俺の夏休み毎日ラインが1回でも途切れたら罰ゲーム受けるよ」
「罰ゲーム?」
「そうだな……、じゃあ『来栖さんの言うことなんでも聞く』。これにしよう」
「え、ええ?」
豊臣君がグイグイ押してくる。
その姿が、可愛い、愛しい、好き、大好き。
「今年は良い夏休みになりそうだね」
「うんっ!」
夏休み。
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多分、花火大会とかで告白される気がする。
しなくても多分私が告白する。
そのためにも、まずは苦痛で退屈な手術を乗り切ろう。
「じゃあ、最高の夏休みにしようなっ!」
「毎日ライン楽しみにしてます!」
「よっしゃ!がんばるぞ!」
私が夏休み前の最後の下校が終わった。
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期待を胸に、豊臣君と言葉を交わした。
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