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朝診察
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南先生side
柊が入所した翌日の朝。
担当している子たちの部屋へ診察に向かった。
まだ月経がきた子は居ないため、本当に軽い健康チェックだけだ。
最初に斗真のベッドに行きベッド周りのカーテンをきっちり閉め、斗真の顔を覗き込んだ。
「おはよう。斗真、眠そうだね。」
「ぅん…。昨日遅くまで新作のゲームしちゃったんだよね。」
「そっか。今日治療あるから、寝不足でもしっかりね」
「はぁ…。だるいぃ。」
「検温はした?」
「したよ。36度3…。」
「平熱だね。内診するね。」
素直にズボンとパンツを抜いで、足をM字に開いた斗真の太ももを軽く押さえ、ゴム手袋をはめた右手を優しく膣に挿入した。
膣のぬめり具合も問題ない。
「痛みはない?子宮口触るね。」
ぐっと下腹部に左手で圧をかけ、そっと膣奥にある子宮口に触れる。
ぴくりと足が動き僅かに腰が引けた。
「痛かった?」
「…ぃや。なんか…敏感かも……。」
「そっか。良い傾向だね。ありがとう。もう服着ても大丈夫だよ。」
次は照の所だな。
まだ起きた気配がないような…。
少しカーテンを隙間から覗くと、僅かに火照った顔の照と目が合った。
「ぁ、起きてた?熱ありそうだね。」
「…ん。38度1だった。」
「今寒い?暑い?」
「少し寒い…。」
質問している間も布団の中で、ゴソゴソと執拗に手が動いているのが気になる。
「…おまた気になる?」
ギクッとした顔で、恐る恐る目を合わせてくる照に優しく問いかける。
「…おちんちんが…なんか、ジクジクしてて…。でも…その、前立腺液が出たら…少し落ち着く。」
「そうなんだね。内診したいんだけど、布団捲っても大丈夫?」
「…ぇ。その……。」
「先生、分かってるから大丈夫だよ。恥ずかしかったら、手だけ入れて診察するよ?」
「……少しだけなら、布団捲ってもいいよ。」
「分かった。」
照の足元の布団を膝上まで捲り上げ片手で空間をつくる。
「照、少しの間だけ陰茎から手を離してね。」
「……ん…。」
小ぶりな陰茎にティッシュを当て握っている照に声をかけ陰茎の状態も視診する。
鈴口がヌラヌラ光っていて、陰茎を押さえていたティッシュには、排出された前立腺液が着いている。
「内診するね。指入れるから、ゆっくり深呼吸~。」
「…ふぅ~。」
「…中熱いね。子宮口触るね。」
布団を持ち上げていた手を下腹部に当て、ぐっと押しながら子宮口を触診していく。
陰茎を刺激していたからか、膣の分泌液も多い。
指を抜き膣周りをティッシュで拭い布団を戻した。
「はい。お疲れ様。朝食持って来るから、ゆっくり寝ててね。水分はしっかり摂ってよ?」
「はぁ~ぃ…。」
熱のせいで、いつもみたいに弾ける笑顔がなくて心配になる。
最後は柊だな。
昨晩は寝れないからと、日付けが変わった頃に中庭のベンチで夜風に当たっていた所をたまたま通りかかった廣田先生が、連れ帰ってくれた。
担当医以外は、治療などで関わる事がないが、特に柊の事は多くの先生が周知していて気にかけていた。
なんと言っても柊は、問題行動のオンパレードだからな。
「柊、おはよう。」
布団を頭まですっぽり被り未だ眠っている柊の肩を揺すり起こす。
「…触んな。」
眠くて不機嫌な柊に睨まれ腕を振り払われた。
「診察するよ。先に体温計って。」
布団の中で身を捩り抵抗する柊を脇に体温計を固定し、抑えるのは結構大変だ。
検温完了を報せる電子音が鳴り体温計を確認する。
「平熱だね。内診するよ。下全部脱いでね。」
「嫌だわ…。治療の時にも診るクセに。」
「分かった。じゃあ…布団は捲らないから、手だけ入れて膣の様子診させて。」
「そーいう事じゃねぇんだけど…。ッ…どいて。」
俺の横を通り抜けカーテンを開け出て行こうとする柊の手首を掴んだ。
「ッ!何すんだよ!離せって!」
「どこ行くの?まだ内診終わってないからベッドに戻って。」
内診は単に膣や子宮の状態を診察するだけではなく。
膣に挿入される事への不快感に慣れるために行われる訓練の一環でもある。
特に柊のように拒否反応が強い子は、毎朝反復して訓練する事で、治療時の挿入をスムーズに行えるようにする必要がある。
「ッち!手離せよ!」
ゴム手袋を不潔にしないように左手で、柊の手首を掴んでいた為、手首捻じるようにして抵抗する柊の動きに負け振り払われてしまった。
その拍子に柊もカーテンを開け走って廊下に出てしまう。
「柊!待ちなさい!ったく…騒がしくしてゴメンな。」
調子の悪い照と、服を着替えている斗真に謝り柊を追いかけるため廊下に出た。
柊が走って向かった先はトイレ。
この機会を逃さまいと俺も急いで向かう。
……ガララッ!
大きな音を立てて引き戸が開かれ、大急ぎで入って行く柊の後ろ姿。
俺もトイレに入り壁に採尿用に設置されている紙コップを1つプッシュして取り出し、ズボンとパンツを下ろし、陰茎を便器に向けた柊の後ろにピタリと張り付いた。
少量の尿が出始めた所で、紙コップを陰茎の前に出しなんとか尿を採取する事に成功した。
僅かに手にかかったが、ゴム手袋をつけていたためセーフだろう。
柊はめちゃくちゃ嫌そうな顔で睨んでくるけど知ったこっちゃない。
「……最悪かよ。」
「そんな怒らないでよ。柊が尿検査をなかなか提出してくれないから、こうなるんだよ?」
「尿検査したんだから、内診は免除な。飯食ってくる。」
手を洗い颯爽と食堂へ行った柊を見送り、尿が入った紙コップに名前を書き、トイレにある小窓に提出した。
内診はできなかったけど、無事任務完了だな。
柊が入所した翌日の朝。
担当している子たちの部屋へ診察に向かった。
まだ月経がきた子は居ないため、本当に軽い健康チェックだけだ。
最初に斗真のベッドに行きベッド周りのカーテンをきっちり閉め、斗真の顔を覗き込んだ。
「おはよう。斗真、眠そうだね。」
「ぅん…。昨日遅くまで新作のゲームしちゃったんだよね。」
「そっか。今日治療あるから、寝不足でもしっかりね」
「はぁ…。だるいぃ。」
「検温はした?」
「したよ。36度3…。」
「平熱だね。内診するね。」
素直にズボンとパンツを抜いで、足をM字に開いた斗真の太ももを軽く押さえ、ゴム手袋をはめた右手を優しく膣に挿入した。
膣のぬめり具合も問題ない。
「痛みはない?子宮口触るね。」
ぐっと下腹部に左手で圧をかけ、そっと膣奥にある子宮口に触れる。
ぴくりと足が動き僅かに腰が引けた。
「痛かった?」
「…ぃや。なんか…敏感かも……。」
「そっか。良い傾向だね。ありがとう。もう服着ても大丈夫だよ。」
次は照の所だな。
まだ起きた気配がないような…。
少しカーテンを隙間から覗くと、僅かに火照った顔の照と目が合った。
「ぁ、起きてた?熱ありそうだね。」
「…ん。38度1だった。」
「今寒い?暑い?」
「少し寒い…。」
質問している間も布団の中で、ゴソゴソと執拗に手が動いているのが気になる。
「…おまた気になる?」
ギクッとした顔で、恐る恐る目を合わせてくる照に優しく問いかける。
「…おちんちんが…なんか、ジクジクしてて…。でも…その、前立腺液が出たら…少し落ち着く。」
「そうなんだね。内診したいんだけど、布団捲っても大丈夫?」
「…ぇ。その……。」
「先生、分かってるから大丈夫だよ。恥ずかしかったら、手だけ入れて診察するよ?」
「……少しだけなら、布団捲ってもいいよ。」
「分かった。」
照の足元の布団を膝上まで捲り上げ片手で空間をつくる。
「照、少しの間だけ陰茎から手を離してね。」
「……ん…。」
小ぶりな陰茎にティッシュを当て握っている照に声をかけ陰茎の状態も視診する。
鈴口がヌラヌラ光っていて、陰茎を押さえていたティッシュには、排出された前立腺液が着いている。
「内診するね。指入れるから、ゆっくり深呼吸~。」
「…ふぅ~。」
「…中熱いね。子宮口触るね。」
布団を持ち上げていた手を下腹部に当て、ぐっと押しながら子宮口を触診していく。
陰茎を刺激していたからか、膣の分泌液も多い。
指を抜き膣周りをティッシュで拭い布団を戻した。
「はい。お疲れ様。朝食持って来るから、ゆっくり寝ててね。水分はしっかり摂ってよ?」
「はぁ~ぃ…。」
熱のせいで、いつもみたいに弾ける笑顔がなくて心配になる。
最後は柊だな。
昨晩は寝れないからと、日付けが変わった頃に中庭のベンチで夜風に当たっていた所をたまたま通りかかった廣田先生が、連れ帰ってくれた。
担当医以外は、治療などで関わる事がないが、特に柊の事は多くの先生が周知していて気にかけていた。
なんと言っても柊は、問題行動のオンパレードだからな。
「柊、おはよう。」
布団を頭まですっぽり被り未だ眠っている柊の肩を揺すり起こす。
「…触んな。」
眠くて不機嫌な柊に睨まれ腕を振り払われた。
「診察するよ。先に体温計って。」
布団の中で身を捩り抵抗する柊を脇に体温計を固定し、抑えるのは結構大変だ。
検温完了を報せる電子音が鳴り体温計を確認する。
「平熱だね。内診するよ。下全部脱いでね。」
「嫌だわ…。治療の時にも診るクセに。」
「分かった。じゃあ…布団は捲らないから、手だけ入れて膣の様子診させて。」
「そーいう事じゃねぇんだけど…。ッ…どいて。」
俺の横を通り抜けカーテンを開け出て行こうとする柊の手首を掴んだ。
「ッ!何すんだよ!離せって!」
「どこ行くの?まだ内診終わってないからベッドに戻って。」
内診は単に膣や子宮の状態を診察するだけではなく。
膣に挿入される事への不快感に慣れるために行われる訓練の一環でもある。
特に柊のように拒否反応が強い子は、毎朝反復して訓練する事で、治療時の挿入をスムーズに行えるようにする必要がある。
「ッち!手離せよ!」
ゴム手袋を不潔にしないように左手で、柊の手首を掴んでいた為、手首捻じるようにして抵抗する柊の動きに負け振り払われてしまった。
その拍子に柊もカーテンを開け走って廊下に出てしまう。
「柊!待ちなさい!ったく…騒がしくしてゴメンな。」
調子の悪い照と、服を着替えている斗真に謝り柊を追いかけるため廊下に出た。
柊が走って向かった先はトイレ。
この機会を逃さまいと俺も急いで向かう。
……ガララッ!
大きな音を立てて引き戸が開かれ、大急ぎで入って行く柊の後ろ姿。
俺もトイレに入り壁に採尿用に設置されている紙コップを1つプッシュして取り出し、ズボンとパンツを下ろし、陰茎を便器に向けた柊の後ろにピタリと張り付いた。
少量の尿が出始めた所で、紙コップを陰茎の前に出しなんとか尿を採取する事に成功した。
僅かに手にかかったが、ゴム手袋をつけていたためセーフだろう。
柊はめちゃくちゃ嫌そうな顔で睨んでくるけど知ったこっちゃない。
「……最悪かよ。」
「そんな怒らないでよ。柊が尿検査をなかなか提出してくれないから、こうなるんだよ?」
「尿検査したんだから、内診は免除な。飯食ってくる。」
手を洗い颯爽と食堂へ行った柊を見送り、尿が入った紙コップに名前を書き、トイレにある小窓に提出した。
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