音喜多勇吾の異世界転生

高橋

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2章 リファレン

エノーム・スキュアルオ

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ベリヤン元長官が去っても、サメが去るわけではない。
「支援砲、発射準備完了しました」
「まだ撃つな、危険だ」
レヴァヴェル近接新長官が指示を出す。
「全員、明日に備えて、休憩しろ」
そうなれば、俺は精霊部教授室へ戻っていく。
シェルパは今日は新しい友達の部屋で寝るらしい。部屋で休憩していると、ノックがあった。
「どうぞ」
「失礼します。レヴァヴィルです」
なんと、来客はあのレヴァヴィル長官だった。
「あっ、これはこれは近接長官様。何の御用でしょうか?」
「あ、えーと、そのだな。あのサメに対抗するのにはどうすれば良いのか聞きたくてな、どうすれば良いと思う?」
何この人、可愛い。美人なのに恥らうとか可愛い。
「そんな事聞かれましても・・・・・まあお座りください」
俺は、反対側に座る。
「いやな、着任初日で大変なんだ。仲間はいないし。だから歳が近くて、精霊にも強い音喜多教授の所に来たんだ。これからも来ていいか?」
「えっ、今ヴォリダランから出張中なのであと5日ほどで帰るんですが・・・・・」
レヴァヴェル長官は悲しそうな顔をするが、そんな顔をされても。
「そうだ、ワインを持ってきたんだ、一緒に飲まないか?」
「あっ、良いですね。グラス持ってきます」
ワインをグラスに注ぎ、二人で飲み始める。
1時間後 レヴァヴィルは、泥酔していた。呂律が回らないとかではなく、しゃべれていない。そんなレヴァヴィルを、ベッドに寝かしつけ、俺は資料整理を再開した。

次の日の朝
俺は、予定通り港へジャルラックを受け取りに行った。ジャルラックは、大型船に乗せられ運ばれてきた。飛んで来れば良いのではと考えたが、規則で、主がいない魔獣の単独行動は禁止されている。そのため、護送という名目で、送迎されたのだった。
「あっ、音喜多教授。ジャルラックは地下闘技場のほうで待機させてください」
「わかりました」
俺は、ジャルラックの背に乗り、指定された場所へ向かった。

そのころ総合戦術司令室では
「サメの判別、エノーム・スキュアルオと認定」
「支援砲、全弾命中、効果なし」
「副長官!今、カファロンシ海軍の魔法弾搭載船が到着しました。魔法弾発射は2分後だそうです」
「分かった。支援砲、砲撃中止」



「魔法弾、命中。エノーム・スキュアルオは完全に沈黙」
「はぁ。危ない所だった」


「音喜多教授。ただいま、あのサメを魔法弾により撃破したとの情報が入って着ました」
あーよかった。ジャルラックが手を出す間もなかったようだ。
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