あなたは死後、異世界に転生します。（短め更新）

新しい人生

四話 あれから

　僕の生誕から１年が過ぎようやくほんの少しだが自分の足で歩くことに成功した。まぁ一、二歩がまだ限界でそれ以上歩こうとするとバランスが崩れてすぐひざから崩れ落ちてしまうのだ。
「あぅあ（なぜだ）」
　頭では歩く姿をイメージ出来ているのだが身体が言うことをきかない…。
焦ってもしょうがないとは思ったりもするのだが、自分の身体を自由に動かせるようには早くなりたいとも思うから結局は今日も自己新記録を更新すべく意欲的に歩く練習をしているのだった。
　それから更に10回ほど挑戦して疲れた僕は窓際までハイハイをして行き壁に寄りかかって休憩をしようとした。
　すると、窓の外からビュンビュンという風を切る音が聞こえてきて気になった
僕は壁を支えに立ち上がり窓に向かって背伸びをする。
　しかし、まったくといって届く気配がない…それを偶然見かけた母が僕に駆け寄ってきた。
「あらあらお外が見たいの？」
と必死で窓に手を伸ばす僕に微笑んで「おいで」と言い僕を抱き上げた。

　母が嬉しそうに窓の外をみたので僕も釣られて外をみた。
　すると、窓の外には父が剣を振るい稽古けいこをしていて僕はその姿をカッコいいとみとれた。