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市役所
ゼウス(2)
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ポセイドンがそう言うと、ナナ、華奏と自動ドアに吸い込まれていく。
透は市役所の外観から元の世界を感じていた。
「透。早く早く!」
ナナに呼ばれて透も中に入ることにした。
中に入ると、おなじみの光景が広がっていた。
「市役所?!」
透は思わず口にした。
「少し違うな。ここは銀行だよ。総合窓口から銀行の職員は全てノンプレイヤーキャラクター、通称NPCが働いている。」
「ちなみに2Fは競売場だ。後で行ってみよう。3Fはカジノ。それで私達が今から行くのが4Fだ。」
総合窓口に向かいながらポセイドンが教えてくれた。
総合窓口に着くとNPCが話しかけてきた。
「ご用件をお伺いいたします」
「ゼウスに会いに来た。取り繋いでくれ」
ポセイドンが単刀直入言った。
「アポイントは御座いますか?」
「アポイントは無いが、ヤツはどうせ暇だろう。通してくれ」
「恐れ入りますが現在ゼウス様は面会謝絶となっております。」
「これだからNPCというやつは好きになれん」
ポセイドンがうんざりしていると横から華奏がNPCに話掛けた。
「ゼウスに12のポセイドンとアテナとアポロンが来ていると言ってちょうだい」
「畏まりました。少々お待ち下さい」
それから15分が経った頃だろうか。
「お待たせしております」
「はい。お待ちしておりました」
ナナが皮肉交じりに言った。
「ゼウス様の許可がおりましたので4F直通のエレベーターよりお上がり下さい」
NPCはそう言うと深々とお辞儀をした。
4人はエレベーターに乗ると直ぐに4Fへとついた。
ドアが開くとそこには古川金太が手をこまねいて待っていた。
「いやいやいや、ポセイドン様、アテナ様それにアポロン様まで」
「15分以上も待たせるとはどうゆうことだ古川。それにその髪と髭、どうにかなんないのか」
「色々と御座いましてすんまへん。ささ、お疲れでっしゃろ?」
ポセイドンの言葉を半分聞き流すように古川はそう言うと部屋へ招きいれた。
古川の部屋は1フロアぶち抜きとなっていてとても広く、ソファーなどの家具も一級品の物を取り揃えていた。奥に進むにつれゴミ袋が目立つようになり、最奥にある大画面のモニター前のソファー周辺は棲み処と化していた。
「どうぞ、お座りになって。ほんで今日のご用件は?」
クッションの埃を叩きながら古川は聞いた。
ポセイドンはこれまでの経緯を話した。
「あんさんか、只者ではないと思ってましたがな」
古川が透に向けて言った。
「だから古川、ゼウスの宝石をコピースロットに入れさせるんだ」
ポセイドンはいつもより強い口調で古川に言った。
「それは断じてあきまへん」
古川の答えは予想外だった。
「浮浪者崩れだったわてにゼウスの宝石をくれたのはほかでもないアレス様や。そのアレス様を裏切る行為はわてにはできまへん」
「なんだと?!」
ポセイドンがそう言うと少し怒り気味に詠唱した。
『三 叉 の 海 王 神』
透は市役所の外観から元の世界を感じていた。
「透。早く早く!」
ナナに呼ばれて透も中に入ることにした。
中に入ると、おなじみの光景が広がっていた。
「市役所?!」
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「ちなみに2Fは競売場だ。後で行ってみよう。3Fはカジノ。それで私達が今から行くのが4Fだ。」
総合窓口に向かいながらポセイドンが教えてくれた。
総合窓口に着くとNPCが話しかけてきた。
「ご用件をお伺いいたします」
「ゼウスに会いに来た。取り繋いでくれ」
ポセイドンが単刀直入言った。
「アポイントは御座いますか?」
「アポイントは無いが、ヤツはどうせ暇だろう。通してくれ」
「恐れ入りますが現在ゼウス様は面会謝絶となっております。」
「これだからNPCというやつは好きになれん」
ポセイドンがうんざりしていると横から華奏がNPCに話掛けた。
「ゼウスに12のポセイドンとアテナとアポロンが来ていると言ってちょうだい」
「畏まりました。少々お待ち下さい」
それから15分が経った頃だろうか。
「お待たせしております」
「はい。お待ちしておりました」
ナナが皮肉交じりに言った。
「ゼウス様の許可がおりましたので4F直通のエレベーターよりお上がり下さい」
NPCはそう言うと深々とお辞儀をした。
4人はエレベーターに乗ると直ぐに4Fへとついた。
ドアが開くとそこには古川金太が手をこまねいて待っていた。
「いやいやいや、ポセイドン様、アテナ様それにアポロン様まで」
「15分以上も待たせるとはどうゆうことだ古川。それにその髪と髭、どうにかなんないのか」
「色々と御座いましてすんまへん。ささ、お疲れでっしゃろ?」
ポセイドンの言葉を半分聞き流すように古川はそう言うと部屋へ招きいれた。
古川の部屋は1フロアぶち抜きとなっていてとても広く、ソファーなどの家具も一級品の物を取り揃えていた。奥に進むにつれゴミ袋が目立つようになり、最奥にある大画面のモニター前のソファー周辺は棲み処と化していた。
「どうぞ、お座りになって。ほんで今日のご用件は?」
クッションの埃を叩きながら古川は聞いた。
ポセイドンはこれまでの経緯を話した。
「あんさんか、只者ではないと思ってましたがな」
古川が透に向けて言った。
「だから古川、ゼウスの宝石をコピースロットに入れさせるんだ」
ポセイドンはいつもより強い口調で古川に言った。
「それは断じてあきまへん」
古川の答えは予想外だった。
「浮浪者崩れだったわてにゼウスの宝石をくれたのはほかでもないアレス様や。そのアレス様を裏切る行為はわてにはできまへん」
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ポセイドンがそう言うと少し怒り気味に詠唱した。
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