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1、今夜、君に会いに来てもいい?
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(あぁ、これガチでダメな時のやつだ……)
クレアは終業2時間前に、何とも言えない疲れと虚無感を感じた。まだ水曜日なのに。
2年前の大不作の影響がまだまだ尾を引くこの御時世、仕事があるだけでもありがたい事だ。それなのに何ともしんどくなってくる時がある。
働き始めて1年ちょっと経った頃から仕事にはそれなりのストレスが付き物と割り切って、気持ちが一杯一杯になる度に色々なことを試して来た。
ちょっとだけ贅沢な買い物をしたり、旅行をしたり、実家に帰ってのんびりしてみたり。
最近では自分の機嫌を取るのも上手くなって来たとさえ思っていた。
それなのに、ここ半年位、気持ちの限界を感じるスパンがどんどん短くなってきていた。
しかも今日は女の子の日も近いせいか、ことさらに心も身体もしんどい。
(早く家に帰りたい……帰りに苺のタルトでも買って帰ろうかな)
デスクの書類に集中しているふりをして、実は全く別の事を考えていても周りに気付かれないのは、新人時代からこつこつと培ってきた経験の賜物だろうか。
なかなか進まなかった事務所の時計がやっと帰っても良い時間になると、ほっとため息がもれる。
5月の夜風が気持ち良い。
会社を出てトラムまでの道を、春らしい芳しさに包まれて歩く。
(いつも会社を出た瞬間ちょっと元気になるんだよなぁ。当たり前だけど……)
家に着くとまたどっと疲れが戻って来た。帰りに買い忘れたケーキの事を思い出してまたぐったりする。
「そう言えば……」
バッグの中から、今日の午後出張から戻ってきた同期のエルザがくれたアロマキャンドルを取り出す。
(エルザさん、魔法の癒し効果のあるアロマって言ってたけど、どんな魔法なんだろう。)
可愛いラッピングの中から、これまた可愛らしい瓶に入った乳白色のキャンドルが出てくる。
「ラベンダーの香りかな?」
アロマや香水には詳しくないけれど、良い香りは大好きなクレア。
(さすが営業部トップのエルザさん、分かってらっしゃる。)
感謝と感心をしながらキャンドルに人差し指で火を灯す。
クレアが唯一使える小さな魔法だった。
「良い香り……癒されるなぁ」
何とはなしにその小さな灯火を見ているだけでも、ささくれだった心が少しだけ和む。
夕食を作る気力もなかったので、昨日の夕飯の残りを温め直してささっと済ませると、お風呂に入った。
長い髪を根気よくタオルで乾かしながら先程よりも少し甘さの増したキャンドルの香りを楽しんでいると突然、キャンドルの20センチ程上に『はい / いいえ』と文字が浮かんだ。
(なにこれ、顧客アンケートかな?)
特に何も考えず、はいの方を選択する。
すると急にキャンドルの光が大きくなり、目の前に男の子(推定23くらい)が現れた。
「え、え??」
クレアは急に現れた男の子にも、その子のイケメン度合いにも驚かされた。
「あの失礼ですけど、どなたですか?」
「リヒトです。突然失礼します」
瞳はアッシュブルーで髪はさらさらの金髪。どう見ても成人男性なのに、天使ですかと聞きたくなる様な綺麗さ。
見た目に反して意外と低めのハスキーなボイスが絶妙にマッチしている。
生成りのYシャツにダークモカのスラックスは、ゆったりした服装だけれど清潔さを感じる。
クレアは一瞬どころかたっぷり10秒は見とれてしまう。
「リヒトさん、あのどう言ったご用件で……?」
「あなたが、えっと──」
「クレアです」
「クレアさんがこのキャンドルの魔法のサービスを受けますか? と言う質問に、はい。と答えられたので、僕がここに」
「さっきの質問? 顧客の満足感のアンケートかと思ってました……」
びっくりするクレアの横で、包装紙に紛れていた名刺大の紙をつまみ上げる。
「お客様がキャンドルを付けてから、その時魔法使いの都合がつけば、魔法のサービス*を受けるか質問が浮かびます。はい、いいえ、でお答え下さい。*サービスはあなたのお疲れを軽減できるささやかな物を魔法でご提供致します」
リヒトはすらすらと読み上げる。
「それはつまり、リヒトさんが魔法で何かしてくれるという事ですか?」
「そうです。このアロマキャンドルを作った先輩が今忙しくて、今日だけ代理で疲れている人の所へ出向いて、その人のささやかな願いを叶えることになりました」
「お願いと言うのは魔法のランプ的な……?」
「はい。でもあそこまで大それたことは出来ません。その人の代わりに魔法で買い物や家事をしたり、もしくは肩凝りが軽くなるようにしたり」
「そうなんですか……」
(それにしてもこんな美男子が粗末な拙宅に居るなんて、似合わないわ、申し訳ない!)
クレアは心の中で詫びる。
「クレアさんは何をお望みですか?」
リヒトはニコニコしながらクレアに尋ねた。
「え、私ですか? えーっと、特には……。きっと他にもっと助けの必要な方がいますから、私の代わりにその方の所へ行ってあげて下さい」
「本当に何も依頼しなくて良いんですか?」
「はい、このキャンドルの香りで十分癒されましたから。」
「代わりの人か……」
形の良い顎に手を当てて考え込むリヒト。
「あ、ではリヒトさんご本人にはだめですか?」
「え、僕ですか?」
リヒトはびっくりしてクレアを見返す。
「ご自分を労るのはどうかなって思って……」
クレアは段々リヒトの美貌を見慣れて来て、やっとリヒトの目を見て話せるようになってくる。
「それなら、クレアさんに癒してもらえたら嬉しいです」
とにっこりと笑った。
その清々しい程に色っぽい笑顔に、クレアの笑顔は引きつる。
(やっぱりムリ、イケメン×笑顔は眩しすぎて直視出来ない!)
「あの、私がリヒトさんを癒すとは……?」
若干視線を外しながらリヒトに尋ねる。
「今日から三日間クレアさんが眠る頃に、少しだけ会いに来てもいいですか?」
「寝る前に?」
「はい。クレアさんの声、すごく優しくて、その声を聞いたらすごく癒されそうな気がして」
「そんな事でリヒトさんの助けになるのなら……」
早速今晩からと言う事で、クレアはお茶を準備して、リヒトに勧めた。
何か魔法は使えるか聞かれて、魔法で火を出せる話をしたら、その火力の調節方法をそれは見事に教えてくれて、2分後には今までの火の4倍まで調節して出せるようになった。
ずっと手を握られてのレクチャーだったのでクレアは終始赤面していたが、リヒトは説明に集中していて気付かれていなかったと思いたい。
その後もとりとめのない話をしていたが、リヒトは眠そうに目をこすり始めると、急に床で眠り始めてしまった。
そして今、クレアはベッドの上でリヒトに後ろから抱きしめられている。
首筋にたまに寝息が当たる。
(なんでリヒトさんのお願いを承諾したんだろ……って、そんなのリヒトさんがカッコいいからだよね……でもこの状況はすごく癒されるけど、とてつもなく緊張する!!)
見知らぬ男性を家にあげてベッドで抱きしめられているなんてどうかしている。
正直、リヒトがこんなにかっこ良くなければ、全力で拒否していたと思う。
(リヒトさん、なんかいい匂いする。なんだろう、ハーブの香りかな……)
ひどく緊張していたはずなのに、クレアも疲れていたせいか、こんな状況にもかかわらず、ついに目蓋が重くなって来た。
翌朝、目を覚ますとリヒトの腕の中だった。
すやすや眠るリヒトを起こさずに目覚まし時計を確認する。後15分ほどで起きなくてはならない。
( 朝から生きる彫刻に抱き締められてるとか、心臓に悪いなぁ、心は潤うけど……そう言えばリヒトさんは朝、寝てても大丈夫なのかな?)
「リヒトさん、今、朝6時15分なんですが、ご予定大丈夫ですか?」
後ろから抱き締められたままだったので、どうにかもぞもぞ動いてリヒトの方を向き話しかける。
「んん……」
眠たそうに目蓋を開けるリヒト。
(寝顔も寝起きも既にカッコいい人って、神話じゃなくて本当に存在するんだ……)
感心するクレアの横で、リヒトは目を見開く。
「クレアさん! すみません、僕、昨日あのまま眠っちゃったんだ!?」
動揺して言葉がくだけている。
「はい、とてもよく眠ってらして、でも床で寝ちゃったのでベッドに運んだのですが、そのままその……リヒトさんの腕に収められて……」
「本当にすみませんでした!」
「いえ、よく眠れたなら良かったです。癒されたと言う事ですよね?」
「はい、すごく……」
リヒトは照れた様子で頷いた。
「それなら、良かったです。あの、お時間大丈夫ですか?」
「はい、すぐに出れば大丈夫です。勤め先はこの近くの魔法省なので」
「えぇ、すごいですね! そんな方に私の粗末な魔法のレクチャーをして頂いたなんて、恐れ多いです」
「そんなことないです。火が使えるのはとても大切な力です。それに僕は魔法が使えるだけで──」
その先を続けないリヒトが、なんだか苦しそうだったので、クレアは聞けなかった。
「本当にどうもありがとうございました」
「あの、今晩いらっしゃるなら、10時頃なら大丈夫です。」
「ありがとうございます。ではその頃に」
リヒトはそう言うと目の前からあっという間に居なくなった。
「すごい、本当に魔法使いなんだなぁ」
クレアは終業2時間前に、何とも言えない疲れと虚無感を感じた。まだ水曜日なのに。
2年前の大不作の影響がまだまだ尾を引くこの御時世、仕事があるだけでもありがたい事だ。それなのに何ともしんどくなってくる時がある。
働き始めて1年ちょっと経った頃から仕事にはそれなりのストレスが付き物と割り切って、気持ちが一杯一杯になる度に色々なことを試して来た。
ちょっとだけ贅沢な買い物をしたり、旅行をしたり、実家に帰ってのんびりしてみたり。
最近では自分の機嫌を取るのも上手くなって来たとさえ思っていた。
それなのに、ここ半年位、気持ちの限界を感じるスパンがどんどん短くなってきていた。
しかも今日は女の子の日も近いせいか、ことさらに心も身体もしんどい。
(早く家に帰りたい……帰りに苺のタルトでも買って帰ろうかな)
デスクの書類に集中しているふりをして、実は全く別の事を考えていても周りに気付かれないのは、新人時代からこつこつと培ってきた経験の賜物だろうか。
なかなか進まなかった事務所の時計がやっと帰っても良い時間になると、ほっとため息がもれる。
5月の夜風が気持ち良い。
会社を出てトラムまでの道を、春らしい芳しさに包まれて歩く。
(いつも会社を出た瞬間ちょっと元気になるんだよなぁ。当たり前だけど……)
家に着くとまたどっと疲れが戻って来た。帰りに買い忘れたケーキの事を思い出してまたぐったりする。
「そう言えば……」
バッグの中から、今日の午後出張から戻ってきた同期のエルザがくれたアロマキャンドルを取り出す。
(エルザさん、魔法の癒し効果のあるアロマって言ってたけど、どんな魔法なんだろう。)
可愛いラッピングの中から、これまた可愛らしい瓶に入った乳白色のキャンドルが出てくる。
「ラベンダーの香りかな?」
アロマや香水には詳しくないけれど、良い香りは大好きなクレア。
(さすが営業部トップのエルザさん、分かってらっしゃる。)
感謝と感心をしながらキャンドルに人差し指で火を灯す。
クレアが唯一使える小さな魔法だった。
「良い香り……癒されるなぁ」
何とはなしにその小さな灯火を見ているだけでも、ささくれだった心が少しだけ和む。
夕食を作る気力もなかったので、昨日の夕飯の残りを温め直してささっと済ませると、お風呂に入った。
長い髪を根気よくタオルで乾かしながら先程よりも少し甘さの増したキャンドルの香りを楽しんでいると突然、キャンドルの20センチ程上に『はい / いいえ』と文字が浮かんだ。
(なにこれ、顧客アンケートかな?)
特に何も考えず、はいの方を選択する。
すると急にキャンドルの光が大きくなり、目の前に男の子(推定23くらい)が現れた。
「え、え??」
クレアは急に現れた男の子にも、その子のイケメン度合いにも驚かされた。
「あの失礼ですけど、どなたですか?」
「リヒトです。突然失礼します」
瞳はアッシュブルーで髪はさらさらの金髪。どう見ても成人男性なのに、天使ですかと聞きたくなる様な綺麗さ。
見た目に反して意外と低めのハスキーなボイスが絶妙にマッチしている。
生成りのYシャツにダークモカのスラックスは、ゆったりした服装だけれど清潔さを感じる。
クレアは一瞬どころかたっぷり10秒は見とれてしまう。
「リヒトさん、あのどう言ったご用件で……?」
「あなたが、えっと──」
「クレアです」
「クレアさんがこのキャンドルの魔法のサービスを受けますか? と言う質問に、はい。と答えられたので、僕がここに」
「さっきの質問? 顧客の満足感のアンケートかと思ってました……」
びっくりするクレアの横で、包装紙に紛れていた名刺大の紙をつまみ上げる。
「お客様がキャンドルを付けてから、その時魔法使いの都合がつけば、魔法のサービス*を受けるか質問が浮かびます。はい、いいえ、でお答え下さい。*サービスはあなたのお疲れを軽減できるささやかな物を魔法でご提供致します」
リヒトはすらすらと読み上げる。
「それはつまり、リヒトさんが魔法で何かしてくれるという事ですか?」
「そうです。このアロマキャンドルを作った先輩が今忙しくて、今日だけ代理で疲れている人の所へ出向いて、その人のささやかな願いを叶えることになりました」
「お願いと言うのは魔法のランプ的な……?」
「はい。でもあそこまで大それたことは出来ません。その人の代わりに魔法で買い物や家事をしたり、もしくは肩凝りが軽くなるようにしたり」
「そうなんですか……」
(それにしてもこんな美男子が粗末な拙宅に居るなんて、似合わないわ、申し訳ない!)
クレアは心の中で詫びる。
「クレアさんは何をお望みですか?」
リヒトはニコニコしながらクレアに尋ねた。
「え、私ですか? えーっと、特には……。きっと他にもっと助けの必要な方がいますから、私の代わりにその方の所へ行ってあげて下さい」
「本当に何も依頼しなくて良いんですか?」
「はい、このキャンドルの香りで十分癒されましたから。」
「代わりの人か……」
形の良い顎に手を当てて考え込むリヒト。
「あ、ではリヒトさんご本人にはだめですか?」
「え、僕ですか?」
リヒトはびっくりしてクレアを見返す。
「ご自分を労るのはどうかなって思って……」
クレアは段々リヒトの美貌を見慣れて来て、やっとリヒトの目を見て話せるようになってくる。
「それなら、クレアさんに癒してもらえたら嬉しいです」
とにっこりと笑った。
その清々しい程に色っぽい笑顔に、クレアの笑顔は引きつる。
(やっぱりムリ、イケメン×笑顔は眩しすぎて直視出来ない!)
「あの、私がリヒトさんを癒すとは……?」
若干視線を外しながらリヒトに尋ねる。
「今日から三日間クレアさんが眠る頃に、少しだけ会いに来てもいいですか?」
「寝る前に?」
「はい。クレアさんの声、すごく優しくて、その声を聞いたらすごく癒されそうな気がして」
「そんな事でリヒトさんの助けになるのなら……」
早速今晩からと言う事で、クレアはお茶を準備して、リヒトに勧めた。
何か魔法は使えるか聞かれて、魔法で火を出せる話をしたら、その火力の調節方法をそれは見事に教えてくれて、2分後には今までの火の4倍まで調節して出せるようになった。
ずっと手を握られてのレクチャーだったのでクレアは終始赤面していたが、リヒトは説明に集中していて気付かれていなかったと思いたい。
その後もとりとめのない話をしていたが、リヒトは眠そうに目をこすり始めると、急に床で眠り始めてしまった。
そして今、クレアはベッドの上でリヒトに後ろから抱きしめられている。
首筋にたまに寝息が当たる。
(なんでリヒトさんのお願いを承諾したんだろ……って、そんなのリヒトさんがカッコいいからだよね……でもこの状況はすごく癒されるけど、とてつもなく緊張する!!)
見知らぬ男性を家にあげてベッドで抱きしめられているなんてどうかしている。
正直、リヒトがこんなにかっこ良くなければ、全力で拒否していたと思う。
(リヒトさん、なんかいい匂いする。なんだろう、ハーブの香りかな……)
ひどく緊張していたはずなのに、クレアも疲れていたせいか、こんな状況にもかかわらず、ついに目蓋が重くなって来た。
翌朝、目を覚ますとリヒトの腕の中だった。
すやすや眠るリヒトを起こさずに目覚まし時計を確認する。後15分ほどで起きなくてはならない。
( 朝から生きる彫刻に抱き締められてるとか、心臓に悪いなぁ、心は潤うけど……そう言えばリヒトさんは朝、寝てても大丈夫なのかな?)
「リヒトさん、今、朝6時15分なんですが、ご予定大丈夫ですか?」
後ろから抱き締められたままだったので、どうにかもぞもぞ動いてリヒトの方を向き話しかける。
「んん……」
眠たそうに目蓋を開けるリヒト。
(寝顔も寝起きも既にカッコいい人って、神話じゃなくて本当に存在するんだ……)
感心するクレアの横で、リヒトは目を見開く。
「クレアさん! すみません、僕、昨日あのまま眠っちゃったんだ!?」
動揺して言葉がくだけている。
「はい、とてもよく眠ってらして、でも床で寝ちゃったのでベッドに運んだのですが、そのままその……リヒトさんの腕に収められて……」
「本当にすみませんでした!」
「いえ、よく眠れたなら良かったです。癒されたと言う事ですよね?」
「はい、すごく……」
リヒトは照れた様子で頷いた。
「それなら、良かったです。あの、お時間大丈夫ですか?」
「はい、すぐに出れば大丈夫です。勤め先はこの近くの魔法省なので」
「えぇ、すごいですね! そんな方に私の粗末な魔法のレクチャーをして頂いたなんて、恐れ多いです」
「そんなことないです。火が使えるのはとても大切な力です。それに僕は魔法が使えるだけで──」
その先を続けないリヒトが、なんだか苦しそうだったので、クレアは聞けなかった。
「本当にどうもありがとうございました」
「あの、今晩いらっしゃるなら、10時頃なら大丈夫です。」
「ありがとうございます。ではその頃に」
リヒトはそう言うと目の前からあっという間に居なくなった。
「すごい、本当に魔法使いなんだなぁ」
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