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2章
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しおりを挟むロンが婚約するといううわさはあっという間に王宮に広がった。
メイドさん達はこそこそと廊下で話したりしている。
私も加わって話を聞こうとするとみんな逃げてしまう。
う~ん、情報聞きたいのに。
私の周りにいる人は誰一人口をわらない。
ニコもコーナンもハリーもベルも教えてくれない。
む~。ちゃんと教育されてるんじゃないの。
こんなときぐらい私をのけ者にしてほしくないなぁ。
なんだか、さみしい。
こんな時、自分はこっちの人間じゃないことがいやというくらいに分かる。
動物達に声をかけてもみんな黙って私の肩をぽんぽんと叩くだけだし。
なんだか、やだなぁ。
ロンが、婚約かぁ。
結婚するのか。
好きな人いたんだ。
好きな人いたのにキスとかしたんだ。やっぱりからかってたんだ。
あんなに優しくれたり、
大声で笑えるようになったり、
一緒に戦ったり、
一緒にすごして楽しかったのに。
ドキドキして毎日が楽しかったのに。
好きになりかけてたのに。
ううん、もう好きなんだ。
ロンのことが大好きなんだ。
彼とずっと一緒にいたいって思ったんだ。
なんで、今頃気づいたんだろう。
なんでもっと早くに気づかなかったんだろう。
あまりにもみんなに気を使われていたたまれなくなって外に出て散歩することにした。
花でも眺めて気分転換をするか、竹刀でも振り回しに行こうか。
なんとなく足元を眺めながら歩いていた。
どのくらい歩いたのか、あれいつもと違う道をあるいてる。
そう思ったら後ろから人の気配がした。
油断してたのが悪かった。
口に布が当たったと思ったら不思議な匂いがして急に眠気が襲った。
いつもならこんなに油断しないのに。。。。
次に目を覚ましたのは暗い暗いところだった。
薄暗く、ろうそくの光が二つ見える。
よく目を凝らすと祭壇みたいなものが見えてきた。
う~ん、油断したなぁ。不覚じゃ。
とりあえず体を調べようとすると両手と両足がくくられていた。
幸い、口は大丈夫みたい。
「だーれーかーいーまーすーかー」
叫んでももちろん返事がない。
はぁ。ついてないなぁ。
横になったまま、この部屋を眺める。
ここは・・・・・。なにかの宗教かなにかの祭壇?
床には丸い円が書いてあって、何か呪文かなにか書いてある。やだ、魔法陣みたいじゃん。
もしかして私はいけにえ?
もしかして死んじゃうの?
もう、みんなに会えないの?
ロンとしゃべれないままお別れなの?
自分の考えに震えがきた。
悪いことは考えないようにしよう。
他には・・・・と。
あ、あれもしかして私の携帯?
祭壇の上に私の携帯が置いてある。
こんなところにあったんだ。よかったぁ。
よかったぁ、じゃないよ!
ちっともよく無いじゃん。いけにえにされるというのに。
もー。誰か助けてー。
だんだん、悲しくなってきた。
涙が出そう。
ううん、絶対泣かない。こんなところで泣いてたまるか。
きっと抜け出してやる。
抜け出して・・・・・。
暗い暗い場所から心に強く誓った。
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