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女王様と犬、時々下克上 5
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ドアの開く物音に、私は暇つぶしにやっていたゲームをやめ、スマホから顔を上げた。
「上がったんですか?」
「あ、うん。タオルありがと」
お風呂上りの仁科からは石鹸の香りがした。濡れた髪と、ほんのり桜色に染まる頬が妙に色っぽくてドキドキする。
何見とれてるんだ、私は。慌てて仁科から目をそらすと、用意しておいたドライヤーを差し出した。
「使いますよね?」
「あ、うん。ありがと。それとごめん奈緒ちゃん、何かいらないビニール袋あったら貰ってもいいかな? 下着、一応手洗いしたんだけど持って帰りたくて……」
「ああ……いいですよ。用意します」
生温い目を向けると、仁科は気まずそうに目をそらした。が、直後、大きく目を見開いた。どうやら部屋の片隅に出した布団の存在に気付いたようだ。
「あの、奈緒ちゃん。この布団……何?」
「親が泊まりに来た時に使う布団なんですがそれでいいなら使ってください」
「え……? さっきは帰れって言ってたのに?」
「……ものすごーく不本意なんですが、外がやばいんです」
私は仁科に見せるために窓際に移動した。カーテンを引いただけでは結露で外の様子が見えにくかったので、ほんの少しだけ窓を開ける。
「さむっ、って、え? マジ?」
帰ってきたときにちらついていた雪は勢いを増し、大雪に変わっていた。
一冬に二、三度積もるか積もらないかの地域なのに、今日はその一日に当たったらしい。
地面は既に真っ白で、空からひっきりなしに大粒の雪が降り注ぐ景色は、まるで雪国みたいだった。
「この状態で追い出して事故られたら寝覚めが悪いので、すごくすごく嫌ですが泊めてあげます。でも変な真似したらたたき出すのでそのつもりで」
「……ツンデレがデレた」
「何か言いましたか?」
じろりと睨むと仁科はぶんぶんと頭を振った。
「ありがと、奈緒ちゃん。迷惑ばっかかけてごめん。助かるよ」
素直にお礼を言う仁科の姿に、また心が跳ねた。
暗闇の中目覚めた私は、時刻を確認するために枕元で充電中のスマホを手に取った。
(まだ三時……)
寝なきゃ。
ぼんやりとする頭で考えるが、そう言えば、眠りに付いた記憶がない事に気付く。
慌てて私は直前の記憶を探った。
バイトから帰ってきたら一週間前に襲ってきたのを返り討ちにした男がいて、何故か付き合うことになってなりゆきとは言え泊めることになって……
え? これ、夢じゃないよね。
ベッドから床を見下ろせば、平行して布団が敷かれており、こちらに背を向けて眠る頭があった。
暗くてもわかるふわふわとした髪型は、仁科と名乗った男のもので間違いない。
仁科の後に私もお風呂に入って、髪を乾かそうとしたらやってあげるって言われて――折角だからプロに任せようとドライヤーを渡したところまでは覚えている。人に髪を触られるのはすごく気持ちがよくて……そこから先の記憶がない。
(うわあああああああ)
いくら疲れていたとはいえ、よく知らない男の前で眠ってしまうなんて。危機感が足りないにもほどがある。
慌てて私は体を点検する。
特に異常はない、と思う。股間が痛むとか湿っているなどの異変は見当たらない。
気持ちが追いつくまで仁科は何もしないと言ってくれた。それを信じてもいいのだろうか。
きっとベッドに寝かせてくれたのも仁科だ。
現金なものだ。私は気持ちが仁科に傾くのを感じた。
もう一度眠りに付くために目を閉じる。仁科の寝息をBGMに――
することはできなかった。
っ、……はあ、はあ、はあ、はあ、
明らかに不自然な息遣いに私は眉をひそめた。
そろりと音を立てないように起き上がると、横になる仁科に忍び寄り、一気に布団を剥いでやる。
「……っ、え、な、奈緒ちゃん!?」
焦った声を出す仁科は、布団の下で下半身を剥き出しにしていた。ズボンはおろか、下着すら脱ぎ捨てている。
「何やってるんですか?」
「あ、こ、これは……奈緒ちゃんが傍にいるんだと思ったらついムラムラして……もし奈緒ちゃんが起きて見られたら、凄い蔑んだ目で見られるんだろうなとか思うと我慢できなくて……」
「お望み通りの状況になったって事ですね」
「う……ん……ごめん奈緒ちゃん、俺、凄く恥ずかしいのに滅茶苦茶興奮してる」
暗がりにも仁科の瞳が潤んでいる事がわかった。
「へんたい」
「ごめんなさい。変態でごめんなさい」
謝りながらも仁科はこちらに体を向けると、まるで見せ付けるかのように勃ち上がるソレを扱きたてた。
モノクロの世界に荒い息遣いが響く。
いやらしい。
私は仁科のソコから目が離せない。体が熱くなるのを感じる。
「人んちの布団でそんな事して最低ですね。汚したら誰が洗濯すると思ってるんですか?」
「ごめんなさい……奈緒ちゃんが許してくれるなら俺、ちゃんと後始末する。持って帰って洗って返す……っから」
「ふうん、それならまぁ、それでいいですけど。すごいですね。めちゃくちゃ大きくなってる」
私はスマホを充電器から外し、ライト機能でソコを照らした。
煌々とした明かりに男のアレが浮かび上がる。
ソレは前に見たときよりもずっと大きくなっている。下生えをかき分け、そそりたつ幹には太い血管が浮きちょっとグロい。結構余っていたと記憶している皮は、限界まで伸びきっているのだろう。亀頭が剥き出しになり光を跳ね返してテカっている。先端には透明なしずくが滲んでいた。
ソレを握り上下する手の動きは、想像していたよりもずっと早い。
「そんなにゴシゴシして痛くないんですか?」
「これくらい、しないと、っきもち、よくない」
はあはあと荒い息をつく仁科は、苦しげに眉を寄せて答えた。
私はスマホでスポットライトのようにソコだけを照らしながら、ベッドから降りて仁科の股間の近くにしゃがみ込んだ。そしてつん、と先っぽに触れてみる。
仁科がはっと息を呑んだ。次の瞬間、大きく痙攣したかと思うとびゅく、と白い液体が勢いよく噴き出した。
(!)
私は慌ててスマホをガードする。びちゃりと温かい飛沫が顔から腕にかけてかかった。
スマホを傍らに置き、私は顔を濡らす液体を指でぬぐう。
指先をこすり合わせるとぬるぬるする。くん、と匂いをかいでみると、今までに匂ったことのない不思議な青臭い匂いがした。
「奈緒ちゃんごめん。俺、止めらんなかった。めちゃくちゃ汚しちゃった……」
「……別にいいですよ。私、仁科さんの事、結構気に入ってしまったみたいです」
「え……?」
仁科はきょとんと目を瞬かせた。そんな仁科に向かって私はくすりと笑う。
「ねぇ、私の事ずっと考えてたんですよね? どんな事想像してたのか、教えてください」
囁きながらソコに改めて触れると、仁科はびくりと身を竦ませた。
「な、奈緒ちゃんに、冷たい目で、見られて……」
「今、見てますよ。そんな目で」
「それで、根元を、強く握られて、先っぽをぐりぐりって……はしたないちんちんを躾けてあげますって、言われながら、っ」
「はしたないちんちんを、しつけてあげます」
仁科の言うままに私は両手を動かした。
先に爪を立てると体がびくりと跳ねる。
「ほんっとに変態ですね。さっき出したばっかりなのに」
しょんぼりと萎んでいたはずのソコは、少し触れただけなのにむくむくと力を取り戻した。
私に反応しているんだと思うとなんだか嬉しくて、仁科の手の動きを思い出しながら指先を滑らせ、ぎゅっと握ってみる。人肌のぬくもりと、血管のでこぼことた感触が伝わってきた。
「ぁ、ちょっと、強すぎ。もう少し、力抜いて」
「どうすればいいんですか? 教えてください」
尋ねると、仁科は半身を起こし私の手に自分の手を重ねた。
「これくらいの力で、こんな風に……」
仁科が誘導するままに私は手を上下させる。
「俺、奈緒ちゃんの手で、オナニーしてる」
はあはあと仁科は荒い息をつく。もの凄く興奮しているようだ。
硬くて太い。初めて触る男性器の感触に、私も下半身がぬかるむのを感じていた。
経験、ないのに。
初対面に近くて、ほとんど知らないに等しい男に、捧げてもいいかもしれない、なんて。
この雰囲気に流されて、求められるままにシてもいいかもしれないと思う自分はきっとどこかおかしい。
踏みとどまらなきゃ。理性ではわかっているのに、止められない。
「他には? 妄想の中の私は、仁科さんにどんな事したんですか……?」
「さ、触っても、全然おさまらないから、私の中でおさめてあげますって……ごめんなさい。俺、変なこと考えて、ごめんなさい」
私は仁科のソレから手を放すと、パジャマのズボンを下着ごと脱ぎ捨てた。
「なお、ちゃん……?」
「わたしの、なかで……しつけてあげます」
「ちょ、奈緒ちゃん、本気?」
私は焦る仁科の上に跨ると、太腿の上に腰を下ろした。
「本気だって言ったらどうします?」
私のアソコの毛に、仁科のアレが触れている。ほんの少し腰をずらせば、性器同士が触れ合いそうだ。仁科は食い入るように至近距離にある互いの性器を見つめている。
「そりゃ嬉しいし、シたい、けど……奈緒ちゃん、初めてって……変なことしたら追い出すって言ってたのに……」
私は仁科に見せ付けるようにゆっくりと腰をずらすと、性器同士を触れ合わせた。
「わかります? 私も興奮してるみたいです」
仁科はごくりと生唾を飲んだ。私の腰に手を添えると、擦り付けるように腰を動かしてくる。
濡れた割れ目に仁科の固いものが当たって、こすれて、気持ちいい。
「ホントにいいの? ちょっと動かしたら、入っちゃうよ……?」
「いいって言ったらどうするんですか?」
息を呑む気配が伝わってきた。しかし、しばしのためらいの後、仁科は動きを止め、首を振った。
「ダメだよ奈緒ちゃん。ゴム付けてないし、今日はまだやめとこ?」
「したくないの?」
「入れたいよ! ……けど、今日このまましちゃうのはなんかダメな気がするんだ」
ダメだとかやめようとか言う割にはそれ以上の抵抗はしてこない。本気で跳ね除ければ私は力では抵抗できないのに。
なんだか腹が立った。ここまでして今更引き下がるなんてできないと思った。
私はそこをこすり合わせながら、慎重に角度を変えて行った。
指ですら入れたことがない場所に、こんな大きなモノが本当に入るのだろうか。
不安はあったがそれよりも入れてみたいという好奇心が勝った。
「ん……」
先端が私の中に潜り込んできた。
大きい。ふとい。
少しずつ体重をかけていくと、めりめりと私の中を広げながら中へ中へと入ってきた。
ちょっと痛いけど、我慢できないほどじゃない。
――と、思っていたら、激痛が走った。
何これ、めっちゃ痛い。これ以上無理。やっぱり少しづつ慣らさないとダメだ。
私は仁科のお腹に手を突くと、一旦引き抜くことにした。
亀頭がズズズ、と膣壁をまくり上げてくる。
ある一点をかすめた時、痛痒いような快感が全身を走った。
何これ。ちょっと、きもちいい、かも。
ここ、こすれるの、いい。
私は体を上下に動かし、仁科のモノを使ってそこを刺激する。
「ぁ、奈緒ちゃん、先っぽだけじゃ、やだ」
腰に添えられたままの仁科の手に力がこもった。そして下から上へ、大きく突き上げてくる。
「いっ」
たああああああ。
男の力は思ったよりも強くて、酷い痛みと共に、仁科のモノが、根元まで入ってきた。
私はぜいぜいと荒い息をついた。
痛い。痛い。痛い。
「奈緒ちゃんの中、凄い。きゅうきゅう締めてくる」
うっとりとした声と共に、中のモノがひくひくした。
「う、ごかさないで。痛い」
「奈緒ちゃんこそそんな締めないで……おれ、がまんできなっ」
ぶるりと仁科の全身が震えた。そして最奥にびゅくびゅくと何かが叩きつけられる。
「……もしかして、イった?」
「ごめん、俺、中に」
「早すぎじゃないですか?」
「だってずっと我慢してたから……」
「赤ちゃん、できたらどうしてくれるんですか」
「ホントにごめん。もしそうなったら、俺ちゃんと働いてるし、責任取るから」
仁科はこちらが可哀想なくらいにしょんぼりと項垂れた。
本人の分身もそれは同じで、少し体をずらすだけで簡単に私の中からずるりと抜けた。一緒にどろりとしたものまで垂れてきて、不覚にも感じてしまった。
やだ、やらしい。けど、いいかも。
なんだか気分がよかったので、私は種明かしをしてやることにした。
「たぶん大丈夫だと思いますよ。私、ピル飲んでるので」
「へ?」
思いも寄らない事だったのか、仁科は目をぱちくりさせた。
「そうじゃなきゃ生でなんかしません。生理が重いから手放せないんですよね」
「マジ……で」
「信じられないなら見せてあげましょうか?」
私は薬のシートを取りに行くため立ち上がろうとした。
すると中に注がれたものが太腿を伝う感触があり、慌てて私は腰を落とした。幸い手の届くところにボックスティッシュがあったので、こぼれてきたものを丁寧に拭き取る。
「先に後始末しなきゃだめですね。トイレに行ってきます」
一連の私の動きを、仁科は食い入るように見つめていた。
「何じっと見てるんですか」
「や、だってすごいエロくて……」
「むっつりですね」
「男は誰だってむっつりスケベだよ!」
言い返してくる仁科は、年上のはずなのに子供っぽくてなんだか可愛かった。
「仁科さん、よかったらシャワー使ってくださいね」
「え、いいの?」
「どうぞ。タオルは準備しておきます。男性ものの着替えなんてないのでそのままで我慢してもらうことになりますけど」
「ありがと、助かるよ。奈緒ちゃんは? シャワー浴びなくて平気?」
「私はそんなに汚れてませんから」
「え……? でも中に出しちゃったのに……か、掻きだしたりとか」
「ピル飲んでるから必要ないです」
「で、でもそれって……ずっと奈緒ちゃん中に俺のを……」
「そうです。えっちぃですよね」
囁くと、仁科は私の下腹部を見ながら口元を押さえた。エロい想像をしているのだろう。下半身がまた勃ち上がりかけている。
でも、それは私も同じだ。最奥からのズキズキとした痛みですらも甘く感じられた。
「上がったんですか?」
「あ、うん。タオルありがと」
お風呂上りの仁科からは石鹸の香りがした。濡れた髪と、ほんのり桜色に染まる頬が妙に色っぽくてドキドキする。
何見とれてるんだ、私は。慌てて仁科から目をそらすと、用意しておいたドライヤーを差し出した。
「使いますよね?」
「あ、うん。ありがと。それとごめん奈緒ちゃん、何かいらないビニール袋あったら貰ってもいいかな? 下着、一応手洗いしたんだけど持って帰りたくて……」
「ああ……いいですよ。用意します」
生温い目を向けると、仁科は気まずそうに目をそらした。が、直後、大きく目を見開いた。どうやら部屋の片隅に出した布団の存在に気付いたようだ。
「あの、奈緒ちゃん。この布団……何?」
「親が泊まりに来た時に使う布団なんですがそれでいいなら使ってください」
「え……? さっきは帰れって言ってたのに?」
「……ものすごーく不本意なんですが、外がやばいんです」
私は仁科に見せるために窓際に移動した。カーテンを引いただけでは結露で外の様子が見えにくかったので、ほんの少しだけ窓を開ける。
「さむっ、って、え? マジ?」
帰ってきたときにちらついていた雪は勢いを増し、大雪に変わっていた。
一冬に二、三度積もるか積もらないかの地域なのに、今日はその一日に当たったらしい。
地面は既に真っ白で、空からひっきりなしに大粒の雪が降り注ぐ景色は、まるで雪国みたいだった。
「この状態で追い出して事故られたら寝覚めが悪いので、すごくすごく嫌ですが泊めてあげます。でも変な真似したらたたき出すのでそのつもりで」
「……ツンデレがデレた」
「何か言いましたか?」
じろりと睨むと仁科はぶんぶんと頭を振った。
「ありがと、奈緒ちゃん。迷惑ばっかかけてごめん。助かるよ」
素直にお礼を言う仁科の姿に、また心が跳ねた。
暗闇の中目覚めた私は、時刻を確認するために枕元で充電中のスマホを手に取った。
(まだ三時……)
寝なきゃ。
ぼんやりとする頭で考えるが、そう言えば、眠りに付いた記憶がない事に気付く。
慌てて私は直前の記憶を探った。
バイトから帰ってきたら一週間前に襲ってきたのを返り討ちにした男がいて、何故か付き合うことになってなりゆきとは言え泊めることになって……
え? これ、夢じゃないよね。
ベッドから床を見下ろせば、平行して布団が敷かれており、こちらに背を向けて眠る頭があった。
暗くてもわかるふわふわとした髪型は、仁科と名乗った男のもので間違いない。
仁科の後に私もお風呂に入って、髪を乾かそうとしたらやってあげるって言われて――折角だからプロに任せようとドライヤーを渡したところまでは覚えている。人に髪を触られるのはすごく気持ちがよくて……そこから先の記憶がない。
(うわあああああああ)
いくら疲れていたとはいえ、よく知らない男の前で眠ってしまうなんて。危機感が足りないにもほどがある。
慌てて私は体を点検する。
特に異常はない、と思う。股間が痛むとか湿っているなどの異変は見当たらない。
気持ちが追いつくまで仁科は何もしないと言ってくれた。それを信じてもいいのだろうか。
きっとベッドに寝かせてくれたのも仁科だ。
現金なものだ。私は気持ちが仁科に傾くのを感じた。
もう一度眠りに付くために目を閉じる。仁科の寝息をBGMに――
することはできなかった。
っ、……はあ、はあ、はあ、はあ、
明らかに不自然な息遣いに私は眉をひそめた。
そろりと音を立てないように起き上がると、横になる仁科に忍び寄り、一気に布団を剥いでやる。
「……っ、え、な、奈緒ちゃん!?」
焦った声を出す仁科は、布団の下で下半身を剥き出しにしていた。ズボンはおろか、下着すら脱ぎ捨てている。
「何やってるんですか?」
「あ、こ、これは……奈緒ちゃんが傍にいるんだと思ったらついムラムラして……もし奈緒ちゃんが起きて見られたら、凄い蔑んだ目で見られるんだろうなとか思うと我慢できなくて……」
「お望み通りの状況になったって事ですね」
「う……ん……ごめん奈緒ちゃん、俺、凄く恥ずかしいのに滅茶苦茶興奮してる」
暗がりにも仁科の瞳が潤んでいる事がわかった。
「へんたい」
「ごめんなさい。変態でごめんなさい」
謝りながらも仁科はこちらに体を向けると、まるで見せ付けるかのように勃ち上がるソレを扱きたてた。
モノクロの世界に荒い息遣いが響く。
いやらしい。
私は仁科のソコから目が離せない。体が熱くなるのを感じる。
「人んちの布団でそんな事して最低ですね。汚したら誰が洗濯すると思ってるんですか?」
「ごめんなさい……奈緒ちゃんが許してくれるなら俺、ちゃんと後始末する。持って帰って洗って返す……っから」
「ふうん、それならまぁ、それでいいですけど。すごいですね。めちゃくちゃ大きくなってる」
私はスマホを充電器から外し、ライト機能でソコを照らした。
煌々とした明かりに男のアレが浮かび上がる。
ソレは前に見たときよりもずっと大きくなっている。下生えをかき分け、そそりたつ幹には太い血管が浮きちょっとグロい。結構余っていたと記憶している皮は、限界まで伸びきっているのだろう。亀頭が剥き出しになり光を跳ね返してテカっている。先端には透明なしずくが滲んでいた。
ソレを握り上下する手の動きは、想像していたよりもずっと早い。
「そんなにゴシゴシして痛くないんですか?」
「これくらい、しないと、っきもち、よくない」
はあはあと荒い息をつく仁科は、苦しげに眉を寄せて答えた。
私はスマホでスポットライトのようにソコだけを照らしながら、ベッドから降りて仁科の股間の近くにしゃがみ込んだ。そしてつん、と先っぽに触れてみる。
仁科がはっと息を呑んだ。次の瞬間、大きく痙攣したかと思うとびゅく、と白い液体が勢いよく噴き出した。
(!)
私は慌ててスマホをガードする。びちゃりと温かい飛沫が顔から腕にかけてかかった。
スマホを傍らに置き、私は顔を濡らす液体を指でぬぐう。
指先をこすり合わせるとぬるぬるする。くん、と匂いをかいでみると、今までに匂ったことのない不思議な青臭い匂いがした。
「奈緒ちゃんごめん。俺、止めらんなかった。めちゃくちゃ汚しちゃった……」
「……別にいいですよ。私、仁科さんの事、結構気に入ってしまったみたいです」
「え……?」
仁科はきょとんと目を瞬かせた。そんな仁科に向かって私はくすりと笑う。
「ねぇ、私の事ずっと考えてたんですよね? どんな事想像してたのか、教えてください」
囁きながらソコに改めて触れると、仁科はびくりと身を竦ませた。
「な、奈緒ちゃんに、冷たい目で、見られて……」
「今、見てますよ。そんな目で」
「それで、根元を、強く握られて、先っぽをぐりぐりって……はしたないちんちんを躾けてあげますって、言われながら、っ」
「はしたないちんちんを、しつけてあげます」
仁科の言うままに私は両手を動かした。
先に爪を立てると体がびくりと跳ねる。
「ほんっとに変態ですね。さっき出したばっかりなのに」
しょんぼりと萎んでいたはずのソコは、少し触れただけなのにむくむくと力を取り戻した。
私に反応しているんだと思うとなんだか嬉しくて、仁科の手の動きを思い出しながら指先を滑らせ、ぎゅっと握ってみる。人肌のぬくもりと、血管のでこぼことた感触が伝わってきた。
「ぁ、ちょっと、強すぎ。もう少し、力抜いて」
「どうすればいいんですか? 教えてください」
尋ねると、仁科は半身を起こし私の手に自分の手を重ねた。
「これくらいの力で、こんな風に……」
仁科が誘導するままに私は手を上下させる。
「俺、奈緒ちゃんの手で、オナニーしてる」
はあはあと仁科は荒い息をつく。もの凄く興奮しているようだ。
硬くて太い。初めて触る男性器の感触に、私も下半身がぬかるむのを感じていた。
経験、ないのに。
初対面に近くて、ほとんど知らないに等しい男に、捧げてもいいかもしれない、なんて。
この雰囲気に流されて、求められるままにシてもいいかもしれないと思う自分はきっとどこかおかしい。
踏みとどまらなきゃ。理性ではわかっているのに、止められない。
「他には? 妄想の中の私は、仁科さんにどんな事したんですか……?」
「さ、触っても、全然おさまらないから、私の中でおさめてあげますって……ごめんなさい。俺、変なこと考えて、ごめんなさい」
私は仁科のソレから手を放すと、パジャマのズボンを下着ごと脱ぎ捨てた。
「なお、ちゃん……?」
「わたしの、なかで……しつけてあげます」
「ちょ、奈緒ちゃん、本気?」
私は焦る仁科の上に跨ると、太腿の上に腰を下ろした。
「本気だって言ったらどうします?」
私のアソコの毛に、仁科のアレが触れている。ほんの少し腰をずらせば、性器同士が触れ合いそうだ。仁科は食い入るように至近距離にある互いの性器を見つめている。
「そりゃ嬉しいし、シたい、けど……奈緒ちゃん、初めてって……変なことしたら追い出すって言ってたのに……」
私は仁科に見せ付けるようにゆっくりと腰をずらすと、性器同士を触れ合わせた。
「わかります? 私も興奮してるみたいです」
仁科はごくりと生唾を飲んだ。私の腰に手を添えると、擦り付けるように腰を動かしてくる。
濡れた割れ目に仁科の固いものが当たって、こすれて、気持ちいい。
「ホントにいいの? ちょっと動かしたら、入っちゃうよ……?」
「いいって言ったらどうするんですか?」
息を呑む気配が伝わってきた。しかし、しばしのためらいの後、仁科は動きを止め、首を振った。
「ダメだよ奈緒ちゃん。ゴム付けてないし、今日はまだやめとこ?」
「したくないの?」
「入れたいよ! ……けど、今日このまましちゃうのはなんかダメな気がするんだ」
ダメだとかやめようとか言う割にはそれ以上の抵抗はしてこない。本気で跳ね除ければ私は力では抵抗できないのに。
なんだか腹が立った。ここまでして今更引き下がるなんてできないと思った。
私はそこをこすり合わせながら、慎重に角度を変えて行った。
指ですら入れたことがない場所に、こんな大きなモノが本当に入るのだろうか。
不安はあったがそれよりも入れてみたいという好奇心が勝った。
「ん……」
先端が私の中に潜り込んできた。
大きい。ふとい。
少しずつ体重をかけていくと、めりめりと私の中を広げながら中へ中へと入ってきた。
ちょっと痛いけど、我慢できないほどじゃない。
――と、思っていたら、激痛が走った。
何これ、めっちゃ痛い。これ以上無理。やっぱり少しづつ慣らさないとダメだ。
私は仁科のお腹に手を突くと、一旦引き抜くことにした。
亀頭がズズズ、と膣壁をまくり上げてくる。
ある一点をかすめた時、痛痒いような快感が全身を走った。
何これ。ちょっと、きもちいい、かも。
ここ、こすれるの、いい。
私は体を上下に動かし、仁科のモノを使ってそこを刺激する。
「ぁ、奈緒ちゃん、先っぽだけじゃ、やだ」
腰に添えられたままの仁科の手に力がこもった。そして下から上へ、大きく突き上げてくる。
「いっ」
たああああああ。
男の力は思ったよりも強くて、酷い痛みと共に、仁科のモノが、根元まで入ってきた。
私はぜいぜいと荒い息をついた。
痛い。痛い。痛い。
「奈緒ちゃんの中、凄い。きゅうきゅう締めてくる」
うっとりとした声と共に、中のモノがひくひくした。
「う、ごかさないで。痛い」
「奈緒ちゃんこそそんな締めないで……おれ、がまんできなっ」
ぶるりと仁科の全身が震えた。そして最奥にびゅくびゅくと何かが叩きつけられる。
「……もしかして、イった?」
「ごめん、俺、中に」
「早すぎじゃないですか?」
「だってずっと我慢してたから……」
「赤ちゃん、できたらどうしてくれるんですか」
「ホントにごめん。もしそうなったら、俺ちゃんと働いてるし、責任取るから」
仁科はこちらが可哀想なくらいにしょんぼりと項垂れた。
本人の分身もそれは同じで、少し体をずらすだけで簡単に私の中からずるりと抜けた。一緒にどろりとしたものまで垂れてきて、不覚にも感じてしまった。
やだ、やらしい。けど、いいかも。
なんだか気分がよかったので、私は種明かしをしてやることにした。
「たぶん大丈夫だと思いますよ。私、ピル飲んでるので」
「へ?」
思いも寄らない事だったのか、仁科は目をぱちくりさせた。
「そうじゃなきゃ生でなんかしません。生理が重いから手放せないんですよね」
「マジ……で」
「信じられないなら見せてあげましょうか?」
私は薬のシートを取りに行くため立ち上がろうとした。
すると中に注がれたものが太腿を伝う感触があり、慌てて私は腰を落とした。幸い手の届くところにボックスティッシュがあったので、こぼれてきたものを丁寧に拭き取る。
「先に後始末しなきゃだめですね。トイレに行ってきます」
一連の私の動きを、仁科は食い入るように見つめていた。
「何じっと見てるんですか」
「や、だってすごいエロくて……」
「むっつりですね」
「男は誰だってむっつりスケベだよ!」
言い返してくる仁科は、年上のはずなのに子供っぽくてなんだか可愛かった。
「仁科さん、よかったらシャワー使ってくださいね」
「え、いいの?」
「どうぞ。タオルは準備しておきます。男性ものの着替えなんてないのでそのままで我慢してもらうことになりますけど」
「ありがと、助かるよ。奈緒ちゃんは? シャワー浴びなくて平気?」
「私はそんなに汚れてませんから」
「え……? でも中に出しちゃったのに……か、掻きだしたりとか」
「ピル飲んでるから必要ないです」
「で、でもそれって……ずっと奈緒ちゃん中に俺のを……」
「そうです。えっちぃですよね」
囁くと、仁科は私の下腹部を見ながら口元を押さえた。エロい想像をしているのだろう。下半身がまた勃ち上がりかけている。
でも、それは私も同じだ。最奥からのズキズキとした痛みですらも甘く感じられた。
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