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09.慰めと受容 1 ※
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ずっと好きだった人から縋るように求められ、私は拒否できなかった。
「わたしで、よければ……」
答えると同時にネイト様は私を引きずるようにして移動し、乱暴にベッドに放り投げた。
「本当にいい? 一度始めたら止まれないよ?」
私に覆い被さるネイト様の瞳はらんらんと輝き、まるで肉食獣のようだった。
普段は人畜無害な、穏やかそうな雰囲気の人なのに。
顔付きが変わるくらいに傷ついているのだ。
警告が出来たはずなのに、傍観者の立場を取った事への罪悪感が湧き上がる。
「それでネイト様の気持ちが治まるのなら私は構いません。お慕いしています」
そう告げると、ネイト様の瞳が見開かれた。
こちらの人の瞳は、淡いから、どんな色でも水晶みたいで綺麗だ。
ネイト様の茶色の瞳も、スモーキークォーツみたいでとても綺麗。
「……知ってたよ。だから俺は……悪い大人だから、君の気持ちにつけ込むんだ」
ネイト様の表情が歪んだ。
私はネイト様の頬に手を添えた。
「つけ込んでください。私はネイト様のものになりたいです。あの人のように裏切りませ……」
言葉は途中で遮られた。
ネイト様の唇で塞がれたからだ。
貪るような口付けだった。
うっすらと開いた唇の合わせ目から、ネイト様の舌が侵入し、私の舌を探り、捉え、絡みつかせてくる。
歯列も、口腔内も、余すところなく舐め回され、お互いの唾液同士が混ざり合う。
ネイト様の、グリーンのような爽やかな香りに包まれ、頭がくらくらした。
舌と舌が絡み合う微かな水音が卑猥だった。
ちゅ、とリップ音とともに唇が開放された。
唾液が銀の糸を引き、ぷつりと切れた。
ネイト様は私の髪を一束掬い取り、そこに口付けると、囁くように告げた。
「脱いで」
「え……?」
「俺を慰めてくれるんだろ、レスリー。なら、出来るよね」
ネイト様への気持ちを試されていると感じた。
ならば私のする事は一つだけだ。
しかし、後ろ手にドレスのボタンを外そうとして、はたと困ってしまう。
「あの……一人では脱げないんです。後ろのボタン、外していただけますか?」
私はネイト様に背を向けた。
「そうだった。女の子のドレスは一人では脱げない構造だったね」
ネイト様がくすりと笑った気配がした。
衣擦れの音と共に、背中のボタンが外された気配がした。
続いて髪飾りが抜き取られる。
「使ってくれてたんだね、これ」
「はい。気に入っているので」
今日、髪をまとめていたのは、ネイト様に貰った髪飾りだった。
「壊れるといけないから」
ネイト様は一言断ると、髪飾りをベッド横のサイドテーブルに置いた。続いて、下着越しに背中が撫でられた。
「さあ、後は自分で脱いで」
「ね、ネイト様も脱いでください。私だけ脱ぐのは不公平です」
「そうだね。脱がなきゃ汚しちゃうからね」
からかうように囁かれて、かっと顔が熱くなった。
中村樹里は経験のないまま死んだ。女子校出身で、大学に入って、さあこれからだって時に病気になったからだ。
だから、これが私の初体験という事になる。
私はネイト様に背を向け、ドレスを脱ぎ捨てた。
下着も、パニエも、身につけたもの全てを脱ぎ捨て、生まれたままの姿になる。
「見せて」
大切なところを腕で隠して振り向くと、ネイト様もまた、生まれたままの姿だった。
「隠さないで」
腕を取られ、全てがネイト様に晒された。
「レスリーは綺麗だ」
「ね、ネイト様も、綺麗です」
ネイト様のそこが既に反応しているのがちらりと見えたが、恥ずかしくて私は目をそらした。
細身に見えたネイト様だが、その体は鍛えられ、騎士と遜色ないくらいの筋肉がついていた。
冷静に考えれば当然だ。エルドリッジ領は北の大国オーディンに国境を接している。そのため辺境伯家には私設兵団の所持が認められている。いざ有事があればネイト様は一軍の将として、その軍を率いて戦うのだ。
「俺の体は傷だらけで綺麗じゃないよ。レスリーのがずっと綺麗だ」
ネイト様は眩しそうに目を細めると、やや小ぶりな私の胸に触れてきた。
エロゲのレスリーは、騎士という職業柄か貧乳枠なんだよね。騎士にはならなかったけど、結局そこまで大きくは育たなかった。でも、エロゲヒロインだけあって、胸の色は綺麗だから、気に入ってもらえるといいんだけど。
むに、と胸が揉まれた。
同時にネイト様の唇が首筋に近付き、口付けられた。
ゆっくりと私の体がベッドに押し倒される。
胸に触れる手はそのままに、口付けは首から鎖骨へと移動した。
強く吸いつかれ、私の体に、ネイト様の印が刻まれる。
指先は乳首に移動し、摘んだり、引っ掻いたりと悪戯を始めた。
「気持ちいい?」
息を飲むと尋ねられる。
「わ、かりません。くすぐったい……です」
「そう? 腰が動いてるけど」
「それは、くすぐったいから!」
反論するとくすくすと笑われ、ちゅ、と胸に吸いつかれた。
「ネイト様、赤ちゃんみたい」
なんだか可愛らしくなって、ネイト様の頭を撫でると、かり、と乳首を甘噛みされた。
ぺろ、と見せつけるように舐められたり、口に含んだまま、舌を下品に動かしたり。
「んっ……」
むず痒い感覚に声が漏れた。
「赤ちゃんに吸われて感じるなんて、いやらしいママだ」
「赤ちゃんはそんな吸い方しません!」
「俺は赤ちゃんじゃないからね」
悪戯っぽく笑うと、ネイト様は胸から顔を上げ、下肢に手を這わせた。
「凄いね。髪が白金だと、ここもこんな色になるんだ」
一見無毛にも見える淡い茂みを触られ、体がかあっと熱くなった。そうなってるのはエロゲ映えの為なのだろうか。自分でも恥ずかしいと常々思っていたのだ。
「言わないでください」
「どうして? 綺麗でいやらしくて可愛いよ」
するりと女の子の部分に触られる。
「本当にレスリーは俺でいいの? 妻を寝とられる様な男だよ?」
「それは、あの方の見る目がなかっただけです! ネイト様は素敵な人なのに……」
「そんなこと言ってくれるのはレスリーだけだ。だからレスリー、俺は君を縛り付けるよ。他の誰にも取られない様に」
「はい。ネイト様が縛って下さっ、あっ…!」
割れ目を掻き分けられ、指でなぞられて声が漏れた。
「ここに、俺のモノを入れて、徹底的に仕込んであげる。俺なしじゃ生きていけないように。レスリーは誰にも奪わせない」
ああ、また、肉食獣の眼差しになった。
とろりと女の子の部分か溶けて、いやらしい液体が分泌されたのが自分でもわかった。
ネイト様はそれを纏わせて、つぷりと私の中に指先を侵入させる。
「痛くない?」
質問に、私はこくりと頷いた。
ゆっくりと指が動き、未熟なそこに入っていく。
痛みはないが、異物感と圧迫感が凄い。
ネイト様は慎重に指を動かして、少しずつ私の体を拓いていった。
その手つきは、まさに開拓という言葉が相応しい。
「狭いね」
囁きながら、ネイト様は私の中を探る。
「ふっ……」
親指で、外側の酷く感じる部分を押された。同時に、ネイト様の指がある一点を掠め、私の体が跳ねた。
「見つけた」
ネイト様は嬉しそうに笑うと、そこを何度もなぞった。
少し浅めの、お腹側のところ。
「ネイト様、んっ、そこ、やっ……」
「どうして? 気持ちよさそうだよ」
「いや……へん、変になりますっ……!」
「変になっていいよ」
「やだ! やっ、あああっ!」
びくびくと体が跳ね、頭が真っ白になった。
「イッた?」
「わ、かりません。やだって、言った、のに」
はあはあと息をつきながら抗議するのに、ネイト様は楽しそうな表情を崩さない。
「ぐちょぐちょ。これなら指を増やしても大丈夫かな」
囁きと共に、そこに感じる圧迫感が増した。
すぐにわかった。指が増やされたのだ。
「まだだよ。もう少し解さないと入らないからね」
ネイト様は宥めるように私の頭を撫でた。そして唇が再び奪われる。
舌を絡め、吸われ、上からも下からも卑猥な水音が聞こえる。
「んっ、ふっ……」
頭がぼんやりとしてくる。
唐突に下肢に感じる圧迫感が消えた。かと思うと、指よりも大きいものがそこに押し当てられた。
ネイト様のものだ。私は大きく目を見開いた。
「ゆっくりするから。受け入れて……」
唇が解放され、囁かれた。
私はつい、侵入してこようとするネイト様のものを見てしまう。
欧米系の人種だからだろうか、ネイト様のそれは、ベージュがかった濃いピンクで、思っていたより綺麗な色をしていた。
でも、大きい。指なんかとは比べ物にならない。
(ホントに入るの?)
恐怖に震えた。
ネイト様は、私の入口で性器をスライドさせ、先端に体液をまぶすように動かした。
そして、スムーズに動くことを確認してから、強く腰を押し付けてくる。
「あ……あ……」
圧迫感と共に、ネイト様のものが私の中に侵入してきた。
「大丈夫。ちゃんと上手に咥えこんでるよ」
(うそ……入って……)
ゆっくり、しかし確実に、私の中はネイト様を受け入れていく。
半ばくらいまで入った時だろうか。引き攣れるような痛みに襲われた。
「ふっ……」
「ごめん、痛いよね。初めてはどうしても痛むと思う」
「へいき、ですっ……がまん、できます……」
ネイト様がくれる痛みだから耐えられる。でも、早く終わって……。
宥めるようにネイト様の指が、再び入口の外側のクリトリスの部分に触れてきた。
ずちゅん!
クリトリスを刺激された快感に気を取られた隙を突いて、ネイト様のものが一番奥まで侵入してきた。
「かはっ……」
痛い。ものすごく痛い。
「ごめん。でもこの痛みは覚えておいて欲しかったから」
ネイト様は囁くと、私のお腹の上に手の平を当てた。
「《治癒》」
その言葉と共に、手の平が淡く光った。
と、同時にあんなに辛かった膣の痛みが引いていく。
「うそ、魔法……?」
「少しだけね。大っぴらにすると爵位が継げなくなるから秘密だよ」
ネイト様は悪戯っぽく笑った。
魔法は、特別な才能を持ったものだけが扱える能力だ。
才能持ちは国に管理され、魔術師となるための英才教育を受けるため、俗世との縁を切らなければならない。
アスラン皇太子も魔法の使い手だが、彼の場合は王族であるがための例外だ。
そのため、貴族の中には、才能があっても隠し、独学で魔法を習得する者もいるということを、知識として私は知っていた。
「《知覚過敏》」
続いて何かの魔法がかけられた。
「ホントはこんな魔法、使いたくないんだけど、ごめんね」
ネイト様の謝罪の意味を、私はこれから思い知ることになる。
「わたしで、よければ……」
答えると同時にネイト様は私を引きずるようにして移動し、乱暴にベッドに放り投げた。
「本当にいい? 一度始めたら止まれないよ?」
私に覆い被さるネイト様の瞳はらんらんと輝き、まるで肉食獣のようだった。
普段は人畜無害な、穏やかそうな雰囲気の人なのに。
顔付きが変わるくらいに傷ついているのだ。
警告が出来たはずなのに、傍観者の立場を取った事への罪悪感が湧き上がる。
「それでネイト様の気持ちが治まるのなら私は構いません。お慕いしています」
そう告げると、ネイト様の瞳が見開かれた。
こちらの人の瞳は、淡いから、どんな色でも水晶みたいで綺麗だ。
ネイト様の茶色の瞳も、スモーキークォーツみたいでとても綺麗。
「……知ってたよ。だから俺は……悪い大人だから、君の気持ちにつけ込むんだ」
ネイト様の表情が歪んだ。
私はネイト様の頬に手を添えた。
「つけ込んでください。私はネイト様のものになりたいです。あの人のように裏切りませ……」
言葉は途中で遮られた。
ネイト様の唇で塞がれたからだ。
貪るような口付けだった。
うっすらと開いた唇の合わせ目から、ネイト様の舌が侵入し、私の舌を探り、捉え、絡みつかせてくる。
歯列も、口腔内も、余すところなく舐め回され、お互いの唾液同士が混ざり合う。
ネイト様の、グリーンのような爽やかな香りに包まれ、頭がくらくらした。
舌と舌が絡み合う微かな水音が卑猥だった。
ちゅ、とリップ音とともに唇が開放された。
唾液が銀の糸を引き、ぷつりと切れた。
ネイト様は私の髪を一束掬い取り、そこに口付けると、囁くように告げた。
「脱いで」
「え……?」
「俺を慰めてくれるんだろ、レスリー。なら、出来るよね」
ネイト様への気持ちを試されていると感じた。
ならば私のする事は一つだけだ。
しかし、後ろ手にドレスのボタンを外そうとして、はたと困ってしまう。
「あの……一人では脱げないんです。後ろのボタン、外していただけますか?」
私はネイト様に背を向けた。
「そうだった。女の子のドレスは一人では脱げない構造だったね」
ネイト様がくすりと笑った気配がした。
衣擦れの音と共に、背中のボタンが外された気配がした。
続いて髪飾りが抜き取られる。
「使ってくれてたんだね、これ」
「はい。気に入っているので」
今日、髪をまとめていたのは、ネイト様に貰った髪飾りだった。
「壊れるといけないから」
ネイト様は一言断ると、髪飾りをベッド横のサイドテーブルに置いた。続いて、下着越しに背中が撫でられた。
「さあ、後は自分で脱いで」
「ね、ネイト様も脱いでください。私だけ脱ぐのは不公平です」
「そうだね。脱がなきゃ汚しちゃうからね」
からかうように囁かれて、かっと顔が熱くなった。
中村樹里は経験のないまま死んだ。女子校出身で、大学に入って、さあこれからだって時に病気になったからだ。
だから、これが私の初体験という事になる。
私はネイト様に背を向け、ドレスを脱ぎ捨てた。
下着も、パニエも、身につけたもの全てを脱ぎ捨て、生まれたままの姿になる。
「見せて」
大切なところを腕で隠して振り向くと、ネイト様もまた、生まれたままの姿だった。
「隠さないで」
腕を取られ、全てがネイト様に晒された。
「レスリーは綺麗だ」
「ね、ネイト様も、綺麗です」
ネイト様のそこが既に反応しているのがちらりと見えたが、恥ずかしくて私は目をそらした。
細身に見えたネイト様だが、その体は鍛えられ、騎士と遜色ないくらいの筋肉がついていた。
冷静に考えれば当然だ。エルドリッジ領は北の大国オーディンに国境を接している。そのため辺境伯家には私設兵団の所持が認められている。いざ有事があればネイト様は一軍の将として、その軍を率いて戦うのだ。
「俺の体は傷だらけで綺麗じゃないよ。レスリーのがずっと綺麗だ」
ネイト様は眩しそうに目を細めると、やや小ぶりな私の胸に触れてきた。
エロゲのレスリーは、騎士という職業柄か貧乳枠なんだよね。騎士にはならなかったけど、結局そこまで大きくは育たなかった。でも、エロゲヒロインだけあって、胸の色は綺麗だから、気に入ってもらえるといいんだけど。
むに、と胸が揉まれた。
同時にネイト様の唇が首筋に近付き、口付けられた。
ゆっくりと私の体がベッドに押し倒される。
胸に触れる手はそのままに、口付けは首から鎖骨へと移動した。
強く吸いつかれ、私の体に、ネイト様の印が刻まれる。
指先は乳首に移動し、摘んだり、引っ掻いたりと悪戯を始めた。
「気持ちいい?」
息を飲むと尋ねられる。
「わ、かりません。くすぐったい……です」
「そう? 腰が動いてるけど」
「それは、くすぐったいから!」
反論するとくすくすと笑われ、ちゅ、と胸に吸いつかれた。
「ネイト様、赤ちゃんみたい」
なんだか可愛らしくなって、ネイト様の頭を撫でると、かり、と乳首を甘噛みされた。
ぺろ、と見せつけるように舐められたり、口に含んだまま、舌を下品に動かしたり。
「んっ……」
むず痒い感覚に声が漏れた。
「赤ちゃんに吸われて感じるなんて、いやらしいママだ」
「赤ちゃんはそんな吸い方しません!」
「俺は赤ちゃんじゃないからね」
悪戯っぽく笑うと、ネイト様は胸から顔を上げ、下肢に手を這わせた。
「凄いね。髪が白金だと、ここもこんな色になるんだ」
一見無毛にも見える淡い茂みを触られ、体がかあっと熱くなった。そうなってるのはエロゲ映えの為なのだろうか。自分でも恥ずかしいと常々思っていたのだ。
「言わないでください」
「どうして? 綺麗でいやらしくて可愛いよ」
するりと女の子の部分に触られる。
「本当にレスリーは俺でいいの? 妻を寝とられる様な男だよ?」
「それは、あの方の見る目がなかっただけです! ネイト様は素敵な人なのに……」
「そんなこと言ってくれるのはレスリーだけだ。だからレスリー、俺は君を縛り付けるよ。他の誰にも取られない様に」
「はい。ネイト様が縛って下さっ、あっ…!」
割れ目を掻き分けられ、指でなぞられて声が漏れた。
「ここに、俺のモノを入れて、徹底的に仕込んであげる。俺なしじゃ生きていけないように。レスリーは誰にも奪わせない」
ああ、また、肉食獣の眼差しになった。
とろりと女の子の部分か溶けて、いやらしい液体が分泌されたのが自分でもわかった。
ネイト様はそれを纏わせて、つぷりと私の中に指先を侵入させる。
「痛くない?」
質問に、私はこくりと頷いた。
ゆっくりと指が動き、未熟なそこに入っていく。
痛みはないが、異物感と圧迫感が凄い。
ネイト様は慎重に指を動かして、少しずつ私の体を拓いていった。
その手つきは、まさに開拓という言葉が相応しい。
「狭いね」
囁きながら、ネイト様は私の中を探る。
「ふっ……」
親指で、外側の酷く感じる部分を押された。同時に、ネイト様の指がある一点を掠め、私の体が跳ねた。
「見つけた」
ネイト様は嬉しそうに笑うと、そこを何度もなぞった。
少し浅めの、お腹側のところ。
「ネイト様、んっ、そこ、やっ……」
「どうして? 気持ちよさそうだよ」
「いや……へん、変になりますっ……!」
「変になっていいよ」
「やだ! やっ、あああっ!」
びくびくと体が跳ね、頭が真っ白になった。
「イッた?」
「わ、かりません。やだって、言った、のに」
はあはあと息をつきながら抗議するのに、ネイト様は楽しそうな表情を崩さない。
「ぐちょぐちょ。これなら指を増やしても大丈夫かな」
囁きと共に、そこに感じる圧迫感が増した。
すぐにわかった。指が増やされたのだ。
「まだだよ。もう少し解さないと入らないからね」
ネイト様は宥めるように私の頭を撫でた。そして唇が再び奪われる。
舌を絡め、吸われ、上からも下からも卑猥な水音が聞こえる。
「んっ、ふっ……」
頭がぼんやりとしてくる。
唐突に下肢に感じる圧迫感が消えた。かと思うと、指よりも大きいものがそこに押し当てられた。
ネイト様のものだ。私は大きく目を見開いた。
「ゆっくりするから。受け入れて……」
唇が解放され、囁かれた。
私はつい、侵入してこようとするネイト様のものを見てしまう。
欧米系の人種だからだろうか、ネイト様のそれは、ベージュがかった濃いピンクで、思っていたより綺麗な色をしていた。
でも、大きい。指なんかとは比べ物にならない。
(ホントに入るの?)
恐怖に震えた。
ネイト様は、私の入口で性器をスライドさせ、先端に体液をまぶすように動かした。
そして、スムーズに動くことを確認してから、強く腰を押し付けてくる。
「あ……あ……」
圧迫感と共に、ネイト様のものが私の中に侵入してきた。
「大丈夫。ちゃんと上手に咥えこんでるよ」
(うそ……入って……)
ゆっくり、しかし確実に、私の中はネイト様を受け入れていく。
半ばくらいまで入った時だろうか。引き攣れるような痛みに襲われた。
「ふっ……」
「ごめん、痛いよね。初めてはどうしても痛むと思う」
「へいき、ですっ……がまん、できます……」
ネイト様がくれる痛みだから耐えられる。でも、早く終わって……。
宥めるようにネイト様の指が、再び入口の外側のクリトリスの部分に触れてきた。
ずちゅん!
クリトリスを刺激された快感に気を取られた隙を突いて、ネイト様のものが一番奥まで侵入してきた。
「かはっ……」
痛い。ものすごく痛い。
「ごめん。でもこの痛みは覚えておいて欲しかったから」
ネイト様は囁くと、私のお腹の上に手の平を当てた。
「《治癒》」
その言葉と共に、手の平が淡く光った。
と、同時にあんなに辛かった膣の痛みが引いていく。
「うそ、魔法……?」
「少しだけね。大っぴらにすると爵位が継げなくなるから秘密だよ」
ネイト様は悪戯っぽく笑った。
魔法は、特別な才能を持ったものだけが扱える能力だ。
才能持ちは国に管理され、魔術師となるための英才教育を受けるため、俗世との縁を切らなければならない。
アスラン皇太子も魔法の使い手だが、彼の場合は王族であるがための例外だ。
そのため、貴族の中には、才能があっても隠し、独学で魔法を習得する者もいるということを、知識として私は知っていた。
「《知覚過敏》」
続いて何かの魔法がかけられた。
「ホントはこんな魔法、使いたくないんだけど、ごめんね」
ネイト様の謝罪の意味を、私はこれから思い知ることになる。
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