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第一章 武具家
回復能力
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「…………」
「それ」は、完全にオークだ。
オークなのだが、オークじゃないような気がする。
この威圧感が、何よりの証拠だ。
震えが止まらない。
身体中から脂汗が出てくる。
「それ」がこちらに歩いてくる。
頭が危険信号を発してくる。
でも、動けない。
否、簡単に動かさせてくれない。
それでも、力を振り絞って、
「うおおぉぉぉ!」」
俺は立ち向かう。
「それ」に槍を突き刺しては抜き、突き刺しては抜く。
「それ」はあっという間に血だらけになったが、どういうわけか、治っていく。
「ーーアイアンダガー 顕現ーー」
短剣を顕現させ、切りかかる。
「それ」は動かない。
強者の余裕というやつだろうか。
それとも、止まっていないといけない理由があるのか。
それにしても、手応えが軽い。
絹ごしとまではいかないが、木綿豆腐を切っているような感覚だ。
「そうだ! ーーインフィニティボウ 顕現ーー」
矢を射ちまくる。
質より量だ。
体が柔らかいなら、これでも幾らか傷つくはず!
俺の予想通り、「それ」はインフィニティボウでもダメージを受けている。
あの治癒能力はずっとは続かないはず。
だったら、量で押し切るしかない!
流石に疲れてきた頃、「それ」の回復が止まった。
刹那、その手に持っている棍棒をこちらに投げてくる。
「っ!」
ギリギリで避けるが、先端が丸いはずの棍棒は、木に深々と突き刺さっている。
あれに当たっていたら……
と、考えてしまう。
しかし、
「ーーアイアンランス 顕現ーー」
治癒能力が無いなら、十分に勝てるはず。
「それ」が突進してくるが、オークより少し遅い。
やはり、こいつの強みは治癒能力と力だけのようだ。
俺は槍を突き出す。
「それ」は横に避けるが、槍を横に薙ぎ払い、斧のようになっている部分を当てる。
「それ」の身体は柔らかく、腕が落ち、横腹にも深く刃が通っている。
「それ」は崩れ落ち、地面に横たえる。
【ユニークモンスター『ヒーラーオーク』を討伐しました。スキル『治癒魔法』を取得しました。称号『ユニークなヤツ』を取得しました】
【レベルが上がりました】
【『武具家』のレベルが上がりました】
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
北条蓮(18)Lv.10
冒険者ランク:E
戦闘スキル:『武具家』スキルLv.3/10(ユニーク)
生活スキル:『鑑定』スキルLv.1/1、『治癒魔法』(0/100)スキルLv.1/10
称号:ユニークなヤツ
(取得条件)ユニークモンスターを討伐する。
ユニークモンスターとの戦闘時、能力の強さが2倍になる
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ユニークスキル 『武具家』
スキルLv.3/10
・常時発動
・自分の思い描く武器を顕現させることができる
その武器の種類はスキルLv.が高くなるにつれて増える
・顕現させた武器に合う装備を自動で発動者に装備させる
・武器を使った際に得られる熟練度が70%減る
・現在顕現可能な武器の種類
アイアンソード、アイアンランス、アイアンアックス、アイアンシールド、アイアンダガー、アイアンフレイル、インフィニティボウ、マジックロッド
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
お~~すげ~~。
レベル上がった。
10レベも上がるのか。
もうあんな奴とは戦いたくないけどな。
マジックロッドってなんだろ。
魔法の杖? だったらまだいらないか。
治癒魔法しか持ってないし。
治癒魔法の右の(0/100)って何だろ、回数制限かな?
試してみよう。ちょうどちょっと怪我もしてるし。
「治癒魔法」
お、痛みが取れた。
これが魔法か……。
で、どうなった?
(1/100)になったって事は回数制限で間違いはなさそうだな。
てか、この称号ってやつ、絶対遊んでるよな?
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
登場魔物紹介
ヒーラーオーク Cランク
治癒能力が凄まじいオーク。回数制限あり。
幼い頃に大量の傷を負うとこれになることが多いらしい。
身体自体は柔らかく、動きも遅いので、遠くからチマチマやるのがベスト。
ランクについて
強さは、ランクが1つ上がるごとに強さが10倍くらいになっていきます。
蓮はDランクより少し強い程度ですかね。
ゴブリン? アレは弱すぎた……
「それ」は、完全にオークだ。
オークなのだが、オークじゃないような気がする。
この威圧感が、何よりの証拠だ。
震えが止まらない。
身体中から脂汗が出てくる。
「それ」がこちらに歩いてくる。
頭が危険信号を発してくる。
でも、動けない。
否、簡単に動かさせてくれない。
それでも、力を振り絞って、
「うおおぉぉぉ!」」
俺は立ち向かう。
「それ」に槍を突き刺しては抜き、突き刺しては抜く。
「それ」はあっという間に血だらけになったが、どういうわけか、治っていく。
「ーーアイアンダガー 顕現ーー」
短剣を顕現させ、切りかかる。
「それ」は動かない。
強者の余裕というやつだろうか。
それとも、止まっていないといけない理由があるのか。
それにしても、手応えが軽い。
絹ごしとまではいかないが、木綿豆腐を切っているような感覚だ。
「そうだ! ーーインフィニティボウ 顕現ーー」
矢を射ちまくる。
質より量だ。
体が柔らかいなら、これでも幾らか傷つくはず!
俺の予想通り、「それ」はインフィニティボウでもダメージを受けている。
あの治癒能力はずっとは続かないはず。
だったら、量で押し切るしかない!
流石に疲れてきた頃、「それ」の回復が止まった。
刹那、その手に持っている棍棒をこちらに投げてくる。
「っ!」
ギリギリで避けるが、先端が丸いはずの棍棒は、木に深々と突き刺さっている。
あれに当たっていたら……
と、考えてしまう。
しかし、
「ーーアイアンランス 顕現ーー」
治癒能力が無いなら、十分に勝てるはず。
「それ」が突進してくるが、オークより少し遅い。
やはり、こいつの強みは治癒能力と力だけのようだ。
俺は槍を突き出す。
「それ」は横に避けるが、槍を横に薙ぎ払い、斧のようになっている部分を当てる。
「それ」の身体は柔らかく、腕が落ち、横腹にも深く刃が通っている。
「それ」は崩れ落ち、地面に横たえる。
【ユニークモンスター『ヒーラーオーク』を討伐しました。スキル『治癒魔法』を取得しました。称号『ユニークなヤツ』を取得しました】
【レベルが上がりました】
【『武具家』のレベルが上がりました】
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北条蓮(18)Lv.10
冒険者ランク:E
戦闘スキル:『武具家』スキルLv.3/10(ユニーク)
生活スキル:『鑑定』スキルLv.1/1、『治癒魔法』(0/100)スキルLv.1/10
称号:ユニークなヤツ
(取得条件)ユニークモンスターを討伐する。
ユニークモンスターとの戦闘時、能力の強さが2倍になる
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ユニークスキル 『武具家』
スキルLv.3/10
・常時発動
・自分の思い描く武器を顕現させることができる
その武器の種類はスキルLv.が高くなるにつれて増える
・顕現させた武器に合う装備を自動で発動者に装備させる
・武器を使った際に得られる熟練度が70%減る
・現在顕現可能な武器の種類
アイアンソード、アイアンランス、アイアンアックス、アイアンシールド、アイアンダガー、アイアンフレイル、インフィニティボウ、マジックロッド
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お~~すげ~~。
レベル上がった。
10レベも上がるのか。
もうあんな奴とは戦いたくないけどな。
マジックロッドってなんだろ。
魔法の杖? だったらまだいらないか。
治癒魔法しか持ってないし。
治癒魔法の右の(0/100)って何だろ、回数制限かな?
試してみよう。ちょうどちょっと怪我もしてるし。
「治癒魔法」
お、痛みが取れた。
これが魔法か……。
で、どうなった?
(1/100)になったって事は回数制限で間違いはなさそうだな。
てか、この称号ってやつ、絶対遊んでるよな?
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登場魔物紹介
ヒーラーオーク Cランク
治癒能力が凄まじいオーク。回数制限あり。
幼い頃に大量の傷を負うとこれになることが多いらしい。
身体自体は柔らかく、動きも遅いので、遠くからチマチマやるのがベスト。
ランクについて
強さは、ランクが1つ上がるごとに強さが10倍くらいになっていきます。
蓮はDランクより少し強い程度ですかね。
ゴブリン? アレは弱すぎた……
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