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24話 反転の使い方2

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ー1週間後ー

「おっとと、危ねぇ」

パァン!

1週間、休むことも忘れ、反転の力を試していたため、その成果として、以前は全く使い物にならなかった移動に反転を使う事がある程度可能になった。

ただ、完璧に使いこなせるという段階には程遠いが、転ばずに距離の加減をして、移動できるようになった。といっても転ばないだけで、止まる際、多少のふらつきはまだある。それもこれから練習していく過程で、無くすようにする予定だ。

理想は、移動してすぐにまた移動や、移動してすぐに相手に攻撃するなどといった、移動だけで終わらず、次の行動に繋げると言う形のため、まだまだ完成までは程遠い。ただ、着実に進んではいるため、俺はその事実に喜びを感じていた。

「この1週間である程度こつをつかめてきたが、その代わり全くダンジョン探索が進められてないのが問題だな」

反転の新しい使い方が不安定なまま、次の層へ進むのはよくないと思った俺は、六層に留まり、ゴブリン相手にひたすら練習を重ねていった。

「まぁ、ある程度形にはなったし、次の層に進むか。重力を反転させる使い方も、おいおい練習していけばいいか」

1週間、六層のゴブリンを見つけては狩る、見つけては狩ると言う名の練習を続けていたため、六層をほとんど探索することになり、ついでとばかりに、七層への階段は見つかっていた。俺はその階段から七層へと降りていく。

「七層には上位種が現れるか?前までは、ただただ恐怖の対象だったが、今となっては戦うのが楽しみだな」

冒険者図書館で集めた情報によると、スライムの上位種とゴブリン種の上位種は下記のものがいるらしい。

アシッドスライム
ポイズンスライム
パラライズスライム
キングスライム

ホブゴブリン
アーチャーゴブリン
メイジゴブリン
ジェネラルゴブリン
キングゴブリン

スライムの上位種は、それぞれ相手を状態異常にするための体を持つ。

しかし、状態異常持ちといっても、相当弱いステータスではなく、かつ長時間触れているようなことにならなければ、状態異常にはならないらしい。だが、少し前の俺では、すぐに状態異常になり、死ぬ未来しか見えなかったために、5層以降に挑もうとは思えなかった。

そしてキングスライムは、その名の通りスライムの王だ。スライムが直径40センチの体に比べて、キングスライムは直径2メートルはある魔物だ。その大きな体に潰されると、その体に取り込まれ、溺死という方法でこちらを殺そうとしてくるため、キングスライムは注意が必要そうだ。


そしてゴブリンの上位種は、その名の通りのものが多い。

ホブゴブリン→ゴブリンの強いやつ

アーチャーゴブリン→弓を使うゴブリン

メイジゴブリン→魔法を使うゴブリン

ジェネラルゴブリン→将軍級のゴブリン

キングゴブリン→王級のゴブリン

異常者を除き、下に行くほど強くなる。また、上位者のゴブリンの厄介な所として、個々の力もそうだが、下に行くほど、そのゴブリンに従う配下のゴブリンが多くなることだ。

ホブゴブリン→5体の配下

アーチャーゴブリン→10体の配下

メイジゴブリン→12体の配下

ジェネラルゴブリン→20体の配下

キングゴブリン→50体の配下

上記の数字はあくまで参考となる。そのため、もっと多くの配下を従えていることもあれば、逆に配下のいない一匹狼のスタイルを貫くやつもいるみたいだ。しかし、後者のゴブリンは、配下がいない代わりにその能力は高く、配下のいるゴブリンよりも注意が必要だと書かれていた。

キングになると、滅多な事がない限り、普通の層にいることはなく、大抵がフロアボスがいる層にいる事がほとんどらしい。

フロアボスとは、ダンジョンの各層を守るモンスター達だ。多くのダンジョンでは、10層、15層、20層と、10層から5層刻みでフロアを守るボスが現れる。

5層ごとに、フロアボスと呼ばれる強力な魔物が出るのは、厳しいなと当時は思ったが、どうやらフロアボスのいる層は、フロアボスと配下しかいないらしく、一層丸々探索すると言った手間がないこと、フロアボスを倒すと、高確率で宝箱を落とすことから、フロアボスを好んで倒す人もいるとも書いてあった。

「6層からは、そんな上位種が出てくるんだ、いくらステータスが上がったと言っても、ユニークスキルがあるといっても、万が一があるからな、気を引き締めていくぞ」

俺は自分に喝を入れつつも、七層へと繋がる階を降りていく。
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