きっと

ルビー

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第4章

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 千秋は、少年院にいた。外の世界と高い壁に遮られ、ハルトの母親を心の奥から憎んだ。
6人部屋に入れられ、面会に父親は、来なかった。あれほど、母親のことをバレるのを嫌がった千秋が、今は、無縁の安らぎの中にいた。これから、事情聴取される不安はあるが、あの、ずるい父親のことを考えていた。もし、あの父親の愛人が、ハルト君の母親でなければ、自分の母親の似の前になるのだ。
もう、私には何もない気がして、楽なようで、寂しさもあるのでした。
でも、あの女は私にないすべてを持っている。
あすなのことだ。千秋の中で嫉妬に駆られた。


 千秋は、年の割に色気付いている。
 男性監視員を口説き落とせば、もう少し暮らしやすくなり、同室者を脱がして監視員に気に入られると、罪より早く釈放される。そのことに詳しいのが、同室のマチコだった。手口は、本当にプロだった。マチコの容姿はまだまだ青く中学生らしい少女だった。
 千秋が、着替えをしようと、上の服を脱ぎ着替えに出した服がないことに気づき探していると、マチコが監視員を呼ぶボタンを押した。
千秋の胸を監視員に見せるのだ。千秋の大きな胸が、丸見えになった。脱いだ服も隠されたのだ。
「ちょっと、いい加減にして、私の服。」
監視員が入って来た。
「早く服を着なさい。」
「キャー。」
千秋は、胸を腕で隠し丸まった姿勢をとった。その時点で脱がされる役に決定したのだ。
監視員が5人に
「でなさい。」
「私の服が隠されたのです。」
千秋が監視員に訴えると、
千秋以外は、部屋から出された。
「千秋、あほだから、きっと全裸にされてると私は思う。」
「初日だからな、胸を触られるくらいじゃない。」
「これで、私たち安泰。」
「何か、ホッとするね。」
「うん。」
ダーゲットにされなくてこれで千秋より早く釈放される事が決定したのだ。
マチコの選択は、正しかったのだ。

「あの服を着させて下さい。」
「よく考えたら、脱いだ服か、新しい服かわかるだろ。」
「私の体が見たいのですか。」
「まだわからないようだ。」
千秋の手を後ろに拘束され倒された。
「俺に一言も逆らうな。監視員に、気に入られると早く釈放される噂を聞いたのだろ。返事は。」
「・・・。はい。」
千秋は胸を触られ拘束を解き、監視員は外に出た。

千秋は、男性に体をさわられるのは、初めてのことじゃなかった。これから、あの監視員を口説こうと考えたのだ。みんなと仲良くなる必要がある。さっきの監視員は、釈放を早める力があるからだ。
 次の日、監視員から事情聴取の話があった。




 
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