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ハーク国
意見の対立
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島へ戻ると妖精を連れて王に会いに行くデューン。持ち帰った荷物を出迎えた人達に任せて慌ててデューンの後を追うハンセナ夫妻。
その様子を見ていた人達は何かあったのか、あの子は誰だろうと不安そうに話している。
デューン達の到着後しばらくすると、トーク達も島に戻ってきた。
「ただいま、漁協組合の交渉上手くいったよ。住宅も良さそうな物件を見つけたんだ、昔の商会や古い物件をいくつか抑えて貰ったよ。」
「あの、何かあったようなんです。実は先程、デューン様が知らない幼い女の子を連れて帰ってきて、王に会いに向かったのですが、その後からハンセナ夫妻が顔色を変えて慌てて追いかけていったんです。」
「なんだろう、問題でも起きたのかな。ちょっと様子を見に行ってくるよ。ここは頼む。」
「お父さん、私達も一緒に行くわ。」
王達に会いに行くと、デューンが嬉しそうに立ち上がった。
「お帰り兄さん。皆に報告したくてね。兄さん達が帰ってくるのを待っていたんだよ。」
デューンは商人の話を盗み聞きし脅して妖精の契約主になった事を話した。口封じに商人を毒殺して妖精と一緒に島に戻ってきたと得意げに言う。これで、移住しなくて良いし妖精の力で島の皆が裕福になると。
妖精は黙ったまま話を聞いている。
「お前は、なんて事をしているんだ。」
突然王の怒鳴り声が響いた。普段は穏やかなで優しい王、今までデューンが何かしても注意はしたが怒鳴った事等1度もない。その王が、初めてデューンを怒鳴りつけた。
王妃とトークも怒りの形相でデューンを睨みつけていた。褒められると思っていたデューンは不満そうな顔をしている。
「こちらに帰ってこれなくても仕方がない、トーク悪いがデューンと妖精と一緒にすぐにドロン国へ戻ってくれ。とにかく王か上の人間に相談しないといけない。今回の移住の件でと言ってきちんとした立場の者に相談しないといけない。
いや、私も一緒に行った方が良いな。
デューン、自分達の為に妖精を犠牲にするような事をしてはいけない。私は妖精を犠牲にしてまで豊かな国にしたいとは思わない。
誰かを犠牲にして国を発展させるくらいなら、全員島を出て其々の道を行く方がずっと良い。」
王妃も強く頷いた。
「私の息子が、私利私欲の為に殺人を犯す犯罪者になるなんて。今すぐに妖精を解放しなさい。悪徳商人を殺したと聞いた時は妖精を助ける為と感心したのに。どうして30歳にもなって、こんな人間に。」
泣き出した王妃にバイオレットが駆け寄って慰めている。トーク達もデューンを冷たい眼差しで睨んでいる。皆で妖精達に謝罪する。なんとかデューンに契約を解除させるから許してほしいと。
皆に怒られているデュークが文句を言う。。
「国のために妖精を犠牲にする事の何が悪いんだ。この力で国は豊かになれる。
魔物を殺し海を穏やかにして、島の土地も回復させて食物が沢山育つようにすれば良い。薬だって今より多く作る事が出来れば沢山のお金が手に入る。妖精の力があればこの国は豊かになって皆が幸せになれるんだ。
国の為なら、妖精を犠牲にするくらいは仕方がないじゃないか。王なら国の事を一番に考えるべきだ。」
デューンの言葉を聞いてい怒りを通り越して呆れ果てたような表情になる皆。深いため息をついたトークがデューンに話しかける。
「お前は本当に・・・・・・。 妖精の魔法が素晴らしいのは誰でも知っている。ならなぜ、どこの大国も誰も妖精に手を出さないんだ。」
「妖精は強いから捕まえられなかったからだろ。俺は捕まえて契約できたが。」
「お前が捕まえて契約したんじゃない。お前が人を殺して奪ったんだ。
どの国も妖精が強いから手を出さないんじゃない。手を出した後他の妖精達の報復が恐ろしいから手を出せないんだ。怒った妖精が取り返しに来たら俺達なんて全員殺される。」
「この妖精に守らせればいいじゃないか。こいつを盾にしたら妖精達だって手を出せない。」
「手を出すに決まってるさ、殺さなきゃいい。気絶させる、戦闘能力を失うほど叩きつける、力を抑え込む。いくらでもやり方はある。この妖精が助けられた後、俺たち全員楽には死なせてもらえないぞ。
きっと死なせてほしいと懇願するほど、酷い目に合わせれるだろうな。で、どうやって俺達は助かるんだ? 」
答えられず黙り込むデューン。話しているうちに日が暮れてくる。夜の船出は危険だ。王はため息をついた。
「答えられないと黙り込む、そうしたら相手が諦めてうやむやにくれるとでも思っているのか。日が暮れては船が出せないな。この後3カ月は海の魔物のせいで我々は身動きがとれないが、何か対策を考えないと。
妖精様に解放条件と、解放出来たらご自分で妖精国へ帰る事が出来るのかを聞くんだ。」
ムスッとした不貞腐れた表情で黙っていたが、トークに怒鳴られるとデューンは妖精に質問した。妖精が答えを返す。
「解放条件は契約者が解放すると言うか死ぬか。契約者が他者に契約を譲渡すると言えばそれも可能。解放された場合は私は1人で妖精国へ帰る事が出来る。」
話を聞いて喜ぶ一同。約1名デューンだけは不満そうだったが。
「俺は納得できない、契約の解除も譲渡も絶対しないからな。外にこの話が洩れなければ妖精達にばれたりしない。国民だってきっと俺に賛成する、移住するより島で豊かな暮らしが出来る方が嬉しいに決まってる。」
最後は叫ぶように言うとデューンは契約書を持って走って出て行った。呼び止める声を無視してデューンはどこかへ行ってしまった。
「何という事だ。妖精達を怒らせたら、滅ぼされるのは我々だけでは済まないかもしれないのに。」
王の言葉に頷いて皆暗く険しい表情になる。今日は感情的になっていてデューンは話し合いが出来る状態ではないという事で、翌日改めてデューンと話して説得する事になった。
怒って飛び出してきたデューンは、わめきながら地団太を踏んでいた。
「なんでだよ、皆して俺を怒って、呆れた様な顔で俺の事を見て。妖精を返せだなんて、そんなこと誰がするか。」
興奮して物に八つ当たりをしていたデューン。落ち着くと何かが閃いた様な顔をして笑いだした。
「父さんはこの国の王に相応しくない。妖精の力を得た俺がこの国の王になるべきだよな。父さんには引退してもらおう、兄さんにも継承権は放棄させて。俺が王になる。もし、言う事を聞かなかったら両親は殺してしまおう。」
その夜デューンは両親の部屋を訪ねる。デューンが現れると、改めて妖精との契約を解除するように説得しはじめた両親。2人の話を無視してデューンは父親に王位を自分に譲るように迫った。
「妖精の力を使える俺こそが王に相応しい。国の為に何もできない父さんは、王を辞めるべきだよ。俺に王位を譲らない場合は2人とも殺すしかないけれど、父さん、どうする。」
王と王妃はデューンの言葉に衝撃を受けた。
「ああ、でも2人が生きていたら皆が俺に従うのをためらうかもしれないね。2人とも民に敬愛されているからな。」
デューンは妖精に命じて両親の動きを止めさせる。両親を刺殺すると、満足そうに微笑んだ。
「兄貴はどうしよっかな。でも兄貴を殺したら、バイオレットに憎まれちゃいそうだなあ。愛しいバイオレットには嫌われたくないな。それにいくら自分達の暮らしの止めとはいっても、家族全員皆殺しにした王だと民が怯えて逃げちゃうかもしれないしな。兄貴は殺さず継承権を破棄してもらうおう。」
デューンはトーク達の家を訪ねる。訪ねてきたデューンに説得を始めようとしたトークをとめるとデューンは言う。
「兄さん、父さん達の所に皆で一緒に来てほしいんだ。」
デューンは死んでいる両親を3人に見せる。刺されている国王夫妻を見て、バイオレットは悲鳴を上げて泣き出しキエトがバイオレットを抱きしめた。青ざめたトークは両親の側へと駆け寄った。両親の死を確認するとトークは2人の目をそっと閉じる。
「刺殺されている、デューンお前がやったのか。」
トークは悲愴な表情でデューンを見つめながら震える声で尋ねている。
「そうだよ、妖精を使える俺こそが王に相応しいからね。父さん達は妖精の件に反対していた。国の為に何かを犠牲にする事も出来ない人間に王は相応しくない。
兄さんには継承権を破棄してもらうよ。これ以上家族を失いたくないだろう、3人とも。」
笑いながら話すデューンを見て、トークは黙って頷いた。
「じゃあ、2人の葬儀の準備をしておいてね。明日は国葬と新国王のお披露目をしないといけないからね。
明日のお披露目で妖精に力を皆に見せるよ。兄さん達も楽しみにしていてね。これを見たらきっと兄さん達の考えも変わるから。」
自信たっぷりの表情を見せて、デューンは去っていった。トークは黙って拳を床に叩きつけた。
その様子を見ていた人達は何かあったのか、あの子は誰だろうと不安そうに話している。
デューン達の到着後しばらくすると、トーク達も島に戻ってきた。
「ただいま、漁協組合の交渉上手くいったよ。住宅も良さそうな物件を見つけたんだ、昔の商会や古い物件をいくつか抑えて貰ったよ。」
「あの、何かあったようなんです。実は先程、デューン様が知らない幼い女の子を連れて帰ってきて、王に会いに向かったのですが、その後からハンセナ夫妻が顔色を変えて慌てて追いかけていったんです。」
「なんだろう、問題でも起きたのかな。ちょっと様子を見に行ってくるよ。ここは頼む。」
「お父さん、私達も一緒に行くわ。」
王達に会いに行くと、デューンが嬉しそうに立ち上がった。
「お帰り兄さん。皆に報告したくてね。兄さん達が帰ってくるのを待っていたんだよ。」
デューンは商人の話を盗み聞きし脅して妖精の契約主になった事を話した。口封じに商人を毒殺して妖精と一緒に島に戻ってきたと得意げに言う。これで、移住しなくて良いし妖精の力で島の皆が裕福になると。
妖精は黙ったまま話を聞いている。
「お前は、なんて事をしているんだ。」
突然王の怒鳴り声が響いた。普段は穏やかなで優しい王、今までデューンが何かしても注意はしたが怒鳴った事等1度もない。その王が、初めてデューンを怒鳴りつけた。
王妃とトークも怒りの形相でデューンを睨みつけていた。褒められると思っていたデューンは不満そうな顔をしている。
「こちらに帰ってこれなくても仕方がない、トーク悪いがデューンと妖精と一緒にすぐにドロン国へ戻ってくれ。とにかく王か上の人間に相談しないといけない。今回の移住の件でと言ってきちんとした立場の者に相談しないといけない。
いや、私も一緒に行った方が良いな。
デューン、自分達の為に妖精を犠牲にするような事をしてはいけない。私は妖精を犠牲にしてまで豊かな国にしたいとは思わない。
誰かを犠牲にして国を発展させるくらいなら、全員島を出て其々の道を行く方がずっと良い。」
王妃も強く頷いた。
「私の息子が、私利私欲の為に殺人を犯す犯罪者になるなんて。今すぐに妖精を解放しなさい。悪徳商人を殺したと聞いた時は妖精を助ける為と感心したのに。どうして30歳にもなって、こんな人間に。」
泣き出した王妃にバイオレットが駆け寄って慰めている。トーク達もデューンを冷たい眼差しで睨んでいる。皆で妖精達に謝罪する。なんとかデューンに契約を解除させるから許してほしいと。
皆に怒られているデュークが文句を言う。。
「国のために妖精を犠牲にする事の何が悪いんだ。この力で国は豊かになれる。
魔物を殺し海を穏やかにして、島の土地も回復させて食物が沢山育つようにすれば良い。薬だって今より多く作る事が出来れば沢山のお金が手に入る。妖精の力があればこの国は豊かになって皆が幸せになれるんだ。
国の為なら、妖精を犠牲にするくらいは仕方がないじゃないか。王なら国の事を一番に考えるべきだ。」
デューンの言葉を聞いてい怒りを通り越して呆れ果てたような表情になる皆。深いため息をついたトークがデューンに話しかける。
「お前は本当に・・・・・・。 妖精の魔法が素晴らしいのは誰でも知っている。ならなぜ、どこの大国も誰も妖精に手を出さないんだ。」
「妖精は強いから捕まえられなかったからだろ。俺は捕まえて契約できたが。」
「お前が捕まえて契約したんじゃない。お前が人を殺して奪ったんだ。
どの国も妖精が強いから手を出さないんじゃない。手を出した後他の妖精達の報復が恐ろしいから手を出せないんだ。怒った妖精が取り返しに来たら俺達なんて全員殺される。」
「この妖精に守らせればいいじゃないか。こいつを盾にしたら妖精達だって手を出せない。」
「手を出すに決まってるさ、殺さなきゃいい。気絶させる、戦闘能力を失うほど叩きつける、力を抑え込む。いくらでもやり方はある。この妖精が助けられた後、俺たち全員楽には死なせてもらえないぞ。
きっと死なせてほしいと懇願するほど、酷い目に合わせれるだろうな。で、どうやって俺達は助かるんだ? 」
答えられず黙り込むデューン。話しているうちに日が暮れてくる。夜の船出は危険だ。王はため息をついた。
「答えられないと黙り込む、そうしたら相手が諦めてうやむやにくれるとでも思っているのか。日が暮れては船が出せないな。この後3カ月は海の魔物のせいで我々は身動きがとれないが、何か対策を考えないと。
妖精様に解放条件と、解放出来たらご自分で妖精国へ帰る事が出来るのかを聞くんだ。」
ムスッとした不貞腐れた表情で黙っていたが、トークに怒鳴られるとデューンは妖精に質問した。妖精が答えを返す。
「解放条件は契約者が解放すると言うか死ぬか。契約者が他者に契約を譲渡すると言えばそれも可能。解放された場合は私は1人で妖精国へ帰る事が出来る。」
話を聞いて喜ぶ一同。約1名デューンだけは不満そうだったが。
「俺は納得できない、契約の解除も譲渡も絶対しないからな。外にこの話が洩れなければ妖精達にばれたりしない。国民だってきっと俺に賛成する、移住するより島で豊かな暮らしが出来る方が嬉しいに決まってる。」
最後は叫ぶように言うとデューンは契約書を持って走って出て行った。呼び止める声を無視してデューンはどこかへ行ってしまった。
「何という事だ。妖精達を怒らせたら、滅ぼされるのは我々だけでは済まないかもしれないのに。」
王の言葉に頷いて皆暗く険しい表情になる。今日は感情的になっていてデューンは話し合いが出来る状態ではないという事で、翌日改めてデューンと話して説得する事になった。
怒って飛び出してきたデューンは、わめきながら地団太を踏んでいた。
「なんでだよ、皆して俺を怒って、呆れた様な顔で俺の事を見て。妖精を返せだなんて、そんなこと誰がするか。」
興奮して物に八つ当たりをしていたデューン。落ち着くと何かが閃いた様な顔をして笑いだした。
「父さんはこの国の王に相応しくない。妖精の力を得た俺がこの国の王になるべきだよな。父さんには引退してもらおう、兄さんにも継承権は放棄させて。俺が王になる。もし、言う事を聞かなかったら両親は殺してしまおう。」
その夜デューンは両親の部屋を訪ねる。デューンが現れると、改めて妖精との契約を解除するように説得しはじめた両親。2人の話を無視してデューンは父親に王位を自分に譲るように迫った。
「妖精の力を使える俺こそが王に相応しい。国の為に何もできない父さんは、王を辞めるべきだよ。俺に王位を譲らない場合は2人とも殺すしかないけれど、父さん、どうする。」
王と王妃はデューンの言葉に衝撃を受けた。
「ああ、でも2人が生きていたら皆が俺に従うのをためらうかもしれないね。2人とも民に敬愛されているからな。」
デューンは妖精に命じて両親の動きを止めさせる。両親を刺殺すると、満足そうに微笑んだ。
「兄貴はどうしよっかな。でも兄貴を殺したら、バイオレットに憎まれちゃいそうだなあ。愛しいバイオレットには嫌われたくないな。それにいくら自分達の暮らしの止めとはいっても、家族全員皆殺しにした王だと民が怯えて逃げちゃうかもしれないしな。兄貴は殺さず継承権を破棄してもらうおう。」
デューンはトーク達の家を訪ねる。訪ねてきたデューンに説得を始めようとしたトークをとめるとデューンは言う。
「兄さん、父さん達の所に皆で一緒に来てほしいんだ。」
デューンは死んでいる両親を3人に見せる。刺されている国王夫妻を見て、バイオレットは悲鳴を上げて泣き出しキエトがバイオレットを抱きしめた。青ざめたトークは両親の側へと駆け寄った。両親の死を確認するとトークは2人の目をそっと閉じる。
「刺殺されている、デューンお前がやったのか。」
トークは悲愴な表情でデューンを見つめながら震える声で尋ねている。
「そうだよ、妖精を使える俺こそが王に相応しいからね。父さん達は妖精の件に反対していた。国の為に何かを犠牲にする事も出来ない人間に王は相応しくない。
兄さんには継承権を破棄してもらうよ。これ以上家族を失いたくないだろう、3人とも。」
笑いながら話すデューンを見て、トークは黙って頷いた。
「じゃあ、2人の葬儀の準備をしておいてね。明日は国葬と新国王のお披露目をしないといけないからね。
明日のお披露目で妖精に力を皆に見せるよ。兄さん達も楽しみにしていてね。これを見たらきっと兄さん達の考えも変わるから。」
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