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突入、無事救出

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「さてと、3か所の動きはどうだ。」
「地図も監視の報告でも動きはありません。バレット家の者達は所定の位置で待機中です。
王弟殿下の家の方から「いつでもどうぞ」との事です。」

 微笑むハワード。自身も準備万端である。
「では作戦開始、突入」
 その声と同時に3か所の家の扉が音もなく外され、中に眠り薬煙幕が投げ込まれる。
すぐに、魔法・魔道具無効化(ルーサー特別性)の魔道具を発動。
そのまま、音もたてずにするすると中に侵入していく。
 犯人か人質か分からないが、眠らせて縛ると外で待機しているものに渡し、中の部屋を捜索する。食料以外何も見つからず魔道具もないのを確認。

「ほかの2か所も無事回収したか。では、戻るぞ。」
 余計な事は離さず、ハワード達は監視を残して撤退し、王弟の屋敷の玄関へと転移した。

「無事成功して良かったよ。今の所、井戸や出口は異常なしとの報告だよ。
でも、公爵自ら行くっていうのはどうなんだろう。知ってたら一緒に行ったのに。」
「連れて行きませんよ。今回は人数に不安があったので仕方がなかったんです。
屋敷の警護を分厚くしたかったので。」
 真面目な顔で話してる2人だが、片方は得意そうで片方は悔しそうだ。

「まあいいや、回収して犯人と人質に分けたよ。ご家族はいなかったけど。
犯人は確認してから渡せばいいね。今回丁度いいのが参加してたから。」
「こうなってみると、彼女に感謝ですね。」
「自分で突入も出来たしね・・・・・・。君は久々に楽しんだよね。」

 その時、ルーサー・ページから王弟に通信が入った。
「皆様が突入している間に、荷物を抱えて走っていた怪しい者達を眠らせ拘束しました。
王弟殿下の所に運んでよろしいでしょうか。」

「そうだね。家に運んでくれ。事情を聴きたいから君も来てくれるかな。」 
 すぐに拘束者とルーサーに眠っているシーナの家族達が玄関に転移してきた。

「お二人ともご無事で何よりです。眠っているだけですから大丈夫ですよ。
一応診断は受けたほうが良いと思いますが。」
 王弟の家来に、拘束者とシーナの家族たちを渡す。

「場所を移動しようか。こちらへ。 飲み物を用意してくれ。」
 そういうと、王弟が部屋へと案内しだした。

 部屋に入るなり、さっさと話し始めたルーサー。
「私の魔道具が皆様のお役に立てているのを実際に見ることができて、嬉しかったです。
改良点まで発見できましたし、ありがとうございました。」
 嬉しそうなルーサーに、微笑む2人。

「ルーサー様、私の方こそお礼を言わねばなりません。
素晴らしい魔道具をお貸し頂いて、ありがとうございました。」
「そうだな。さすが、ルーサー様の魔道具だ。
あれは、ルーサー様個人の物のようでしたが。(他にもありそうだな。)」
「ええ、私の発明品ですよ。魔力量を節約して使える魔力発見器・・・・・・。
名前は考え中なんですけどね。まあその話はいいですよね。
今回の経緯を説明します。」

「バレット家の方が、突入を通信機で実況して下さっていたじゃないですか。
その部屋に、メリーナ様とレティシア様が待機なさっていたんです。
 レティシア様はきっとお父様や皆様がご心配だったのでしょうね。
メリーナ様と地図を見ていたそうなんです。
 突入して暫くすると、レティシア様が街の道路を動いている赤い点の塊に気づかれ、
メリーナ様にお知らせになっているのが聞こえたんです。
 そこでメリーナ様の許可を頂いて、魔道具を持った私がバレット家に転移しまして、
バレット家の護衛の方の協力を得て捕獲し回収してきました。」

 自分も救出作戦に参加できたからか、興奮気味で話を続けるルーサー。
「奴らが走っていた場所は記録しています。
バレット家の方が、奴らの出てきたと思われる場所の特定に行きました。
 発見が早かったので、何かわかるかもしれません。」

「ルーサー様も参加なさったんですね。」

 小さな声で呟く王弟を無視して、話し出すハワード。
「組織的な犯罪のようですね。裏組織か、意外と大きいのかもしれません。
シーナの家族がたまたま引っかかっただけなのか。依頼されて動いたのか。」

「シーナ嬢のご家族は健康に問題なく、眠らされていただけだそうだ。
シーナ嬢は早く会いたいだろうが、先に聴取させてほしい。会うのは明日でいいかな。」
「勿論です。こういう事は、早くやらねばなりませんから。」
そういうとハワードは、バレット家の者にこの事を伝えるように言う。

「さて、では彼らの話を聞きに行こうか。ルーサー様はどうなさいますか?」
「私はこれ以上いない方が良いでしょうから、帰りますよ。
無事救出できてよかったです。では失礼します。」
「ルーサー様、ありがとうございました。」
ルーサーは転移陣を使って帰っていった。

「凄いな、ルーサー様。もっと凄い魔道具を持っていても驚かないぞ。」
「それに、余計な事を聞く前に帰っていきましたしね。
こちらもさっさと終わらせて休みましょう。」
2人は話しながら、事件の概要を聞く為に地下へ向かっていった。

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