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未定
59.ペットは飼う前に準備
しおりを挟む問題無さそうなので、レッドウルフはこの試練の扉前で飼うことに決めた。
暫くすると、レッドウルフは諦めたのか逃げようとするのをやめて、伏せの姿勢になって目を瞑りジッとしている。
「諦めたか」
俺がレッドウルフに近付くと、レッドウルフは瞬時に起き上がり俺に襲い掛かってきた。
俺はカウンターの蹴りを入れてレッドウルフの身体を弾き飛ばした。
「あ」
ユニークスキルでダメージが入らないと思い、少々強めに蹴ってしまった。
吹き飛んだレッドウルフは途中で鎖の長さに達して、その勢いで首が締まる。
キャヒュッ!キャヒュッ!
「ごめんごめん。大丈夫か?」
ユニークスキルがあると言っても、考えて攻撃しないと危ないな。
変な咳き込み方をしているレッドウルフに近づくと、首根っこを捕まえて念の為回復ポーションを口を開けさせ無理矢理飲ませておく。
「多分これで大丈夫だろう」
しかしコイツはもう俺の事忘れたのか?
それとも外敵を襲うのはダンジョンモンスターとしての本能なのかもしれない。
ダンジョンモンスターを手懐けるのは無理なのかもな。
まあ、それは飼うだけなら問題無い事か。
今はまず動物を飼う上で、必要な物を考えないとな。
犬を飼う上で必要な物は、キャリーケース、犬小屋、ベッド、餌、水、食器、トイレ、おもちゃ、シャンプー、首輪、リード、ブラシ、犬用爪切りくらいだ。
「結構あるな」
キャリーケースはダンジョン外に出す事は無いと思う。そもそもレッドウルフが入るキャリーケースは売っていないから要らない。
犬小屋とベッド。犬小屋は手作り出来るけど面倒だからやらないとして、ベッドは使ってない毛布でも家から持って来よう。
餌はドッグフードでも良いのかな? それとも肉じゃないと駄目だろうか?
水は大丈夫だ。食器も最悪バケツを持って来れば良い。
トイレはダンジョンだから、その辺でやってもらおう。
おもちゃは無くても良いか。気が向いたら何か持ってこよう。
シャンプーは汚れてから考えるとして、首輪とリードは既に魔鉄の鎖を付けているから良い。
ブラシはどうするかな?
餌と違って懐いてない相手をブラッシングするのは、逆にストレスが溜まりそうだ。
毛繕いは自分でやってもらおう。
まあ、ブラシは一応買っておく。
犬用の爪切りはどうする? 犬の爪切りではレッドウルフの爪に歯が立たないと思う。
魔鉄製の爪切りでもあれば違うかもしれないがな。
切らなくても大丈夫か。レッドウルフのダンジョンモンスターとしての武器を失くすのは可哀想だ。
もう使う事も無いかもしれないけどな。
要る物は水と餌、その容器、家で使ってない毛布、ブラシだ。
水は水道水で良いと思うが、問題は餌だな。
ドッグフードって狼でも大丈夫かな?
一旦ダンジョンの外に出て、スマホで狼 ドッグフードで調べる。
狼は肉以外にも果物や野菜を食べれるのか。だけど穀物やドッグフードは駄目みたいだな。
そうだ。一つ思い付いた。
生き物が餓死する時ってHP減るんだろうか?
もしその減ったHPを回復ポーションで回復させ続けたら、餌要らないかもしれない。
餓死しそうになったら回復ポーションを飲ませる。ついでに体力ポーションも一緒に飲ませよう。
こうすれば、ダンジョンで定期的にポーションをドロップさせ続ければ良いだけになる。
間引きも一緒に出来て一石二鳥だ。
「あ、忘れていた。そういえばポーションにも限界があったな」
効果が小の回復ポーションでは、俺の神経を途中までしか治せなかった様に、餓死を食い止める事でも回復ポーションが効かなくなり、結局は餓死してしまう可能性が高い。
この回復ポーションの効果が大だったなら、それも変わるかもしれないがな。
俺が使った時は、瀕死って言うかHPだけ生きていただけで、身体は死んでるのと殆ど変わらない状態だった。
そこから効果大の回復ポーションを飲んだら全回復したからな。血液すらも全部だ。
だから効果大の回復ポーションなら、そんな事な食生活も可能かもしれない。
だが、その為には定期的に効果大の回復ポーションを手に入れる必要がある。
今現在、効果大の回復ポーションが手に入る場所を俺は1つしか知らない。
試練の扉。
効果大のポーションは、今の所終末の使徒レプリカを倒した時に出てきた宝箱に入っていた物しかない。
他の場所では、効果が小ばかりで中すらも見た事が無かった。
効果大の回復ポーションを手に入れたかったら、またあの終末の使徒レプリカに挑むしかない。
無理ゲーだ。
そんな事をするくらいなら、今すぐレッドウルフを血祭りに上げてドロップアイテムに変えてしまう。
こんなに面倒な事をしたのに、今更ドロップアイテムに変えるのは嫌だ。素直に餌を手に入れよう。
そうだな。何ならこの森で野生動物を捕まえてきて食べさせるのも良いかもな。
これならお金も掛からないから俺の財布にも優しい方法だ。
「一狩りしてくるか」
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