独自ダンジョン攻略

sasina

文字の大きさ
上 下
58 / 125
未定

58.新しいハウス(レッドウルフ)

しおりを挟む


 マジックポーチから洗剤を取り出して、ダンジョンに入って直ぐの出口手前辺りに洗剤を道を塞ぐように盛った。

 人間なら唯踏まないように歩けば良いだけだが、スライムにとっては、この洗剤は絶対に乗り越えられない壁になる。

 こうしておけば、万が一間引きが失敗した時でもスライムが外に出るのを防げる筈だ。

 やり残した事も終わったので、レッドウルフを抱えて試練の扉がある部屋まで向かった。

ーーー

 到着した。
 道中のスライムは勿体無かったが洗剤を軽く撒いて倒した。

 今度、海にでも行ってマジックポーチに無料の大量の砂を入れに行こう。

「よいしょっと」

 レッドウルフを地面に下ろす。

 ロープを解いてから、ブルーシートを剥がしてやる。

「まだ気絶したままか」

 そんなに強く殴った覚えは無いんだけどな。実際気絶させた時にダメージは殆ど与えていない。

「大丈夫だよな?」

 一応鑑定して生死を確認する。息してるけど。

【種族:逸れレッドウルフ
 性別:メス
 lv: 31
 スキル:噛み付くⅤ 引っ掻くⅢ 嗅覚Ⅱ 
     威嚇Ⅲ(MP300) 火息Ⅰ(MP100/20秒)
 HP:22977/28485
 MP:285/665 】

 HPはちゃんとある。MPも火息Ⅰで消費した分が回復してきてるな。

 命の別状は無さそうだ。

 今の内に準備を済ませるか。

 レッドウルフを縛っている魔鉄の鎖も外す。

 外した魔鉄の鎖を今度は首に巻き付け外れないように結んだ。

 本当はちゃんとした首輪が欲しかったが、lv31の相手の力に耐えられる首輪が売っている筈がない。

 それにダンジョンのドロップアイテムでも、首輪なんて物は今の所ドロップしていない。

 念の為、首に巻き付けた鎖の輪が重なっている位置に返しの付いた短剣を挿し込む。これで鎖や短剣を破壊しない限りレッドウルフは抜け出せない。

 一応この短剣も鑑定しておくか。
 
【名前:魔鉄のナイフ
 状態:良
 効果:  】

 効果無しか。種類は短剣ではなくナイフだったか。

 このナイフは片刃で剣身の先端の背に返しの刃が付いている。鎖の輪に差し込めば鎖から外れない。
 首輪のストッパーにはちょうど良かった。

 そして首輪として巻いた魔鉄の鎖の反対側を、その部屋にある供物の杯の括れに巻き付ける。

 さっきと同じ様に鎖の輪が重なっている位置に短剣を挿す。

 返しの付いた短剣は品切れなので、ついでに後2、3本追加で挿しておくか。

 一応鑑定もしてみたが、効果の付いている短剣はコレぐらいのものだった。

【名前:魔鋼のククリ
 状態:良
 効果:麻痺 小  】

 まあ、短剣ではなくククリナイフなんだけどな。ククリナイフは剣身がブーメランの様にくの字に曲がったナイフで見た目だけなら俺の一番好きな短剣だった。

 効果は麻痺の小とあまり強くは無いが、便利そうな効果をしていた。

 今は所詮1階層で手に入れた物ばかりだが、これから下の階層に行くに従って、効果の高いドロップアイテムも増えていくと思うと期待が膨らむな。

 さて、レッドウルフに付けた鎖がちゃんと外れないかの確認をしないとな。

 俺はレッドウルフが目を覚ますのを離れて待つ事にした。

 レッドウルフが起きた時、側に俺が居ると逃げようとするかもしれないので、開いたままの試練の扉を入って、終末の使徒レプリカが居た奥の玉座で待機しておく。

 ただ待っているだけでは時間の無駄なので、少し神眼を使って神槍の再現、適応の稽古をして時間を潰すことにする。

 この稽古は極度の集中状態になる。無音のこの空間では稽古を始めると、多分ぶっ倒れるまで気づかずに稽古を続けてしまう。
 1時間後にアラームをセットして稽古を始めよう。

ーーー

 タイマーのアラームが鳴ったので、稽古をやめた。

 ジャリン!ジャリン!

 鎖が引っ張られる音が聞こえる。

「起きてたか」

 全く気づかなかったな。アラームの音はきちんと聞こえたのに何で気付かないんだろうな?

 テントを壊された時も寝たまま気づかなかった。目覚ましが鳴れば簡単に起きれるのにな。

 俺にとって機械音は耳障りで集中力が切れるのかもな。

 スマホで音楽を聴きながら稽古をしても、特に気にならなかった。

「ん~謎だ」

 まあ、それよりもさっきから暴れてるレッドウルフの様子を見に行くか。

 マジックポーチに槍を仕舞ってから、タオルと着替えを取り出して汗だくの体を拭いてから着替えた。

 俺は気づかれない様にレッドウルフの方へ近づいて行き、視認できる位置で止まり様子を見る。

ーーー

 30分ぐらい様子を見た。

 レッドウルフではこの鎖から逃れられないな。

 レッドウルフが引っ張っても魔鉄の鎖は切れそうに無かった。
 鎖を噛み付くⅤで破壊しようとしても、噛み付こうとすると魔鉄の鎖から黒いオーラを出てレッドウルフを押さえつけて触れられない様だった。

 この黒いオーラは魔鉄の鎖の効果、束縛 小だと思う。

 効果は縛られている相手が縛りを解こうとすると発動する力だ。
 鎖だけでなくストッパーとして挿している短剣にレッドウルフが触ろうとしても束縛が発動している。

 効果は小だがレッドウルフの今のlvでは抗うことが出来ないレベルも力のようだ。

 まあ、この束縛は鎖に直接又は間接的に触ろうとすると発動する力の様なので、火息Ⅰを鎖に当てるだけなら束縛は発動しなかった。

 その火息もスキルレベルが足りないのかあまり効いた様子はなく、レッドウルフは鎖から抜け出す事は出来なかった。


 
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

弓使いの成り上がり~「弓なんて役に立たない」と追放された弓使いは実は最強の狙撃手でした~

平山和人
ファンタジー
弓使いのカイトはSランクパーティー【黄金の獅子王】から、弓使いなんて役立たずと追放される。 しかし、彼らは気づいてなかった。カイトの狙撃がパーティーの危機をいくつも救った来たことに、カイトの狙撃が世界最強レベルだということに。 パーティーを追放されたカイトは自らも自覚していない狙撃で魔物を倒し、美少女から惚れられ、やがて最強の狙撃手として世界中に名を轟かせていくことになる。 一方、カイトを失った【黄金の獅子王】は没落の道を歩むことになるのであった。

フリーター転生。公爵家に転生したけど継承権が低い件。精霊の加護(チート)を得たので、努力と知識と根性で公爵家当主へと成り上がる 

SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
400倍の魔力ってマジ!?魔力が多すぎて範囲攻撃魔法だけとか縛りでしょ 25歳子供部屋在住。彼女なし=年齢のフリーター・バンドマンはある日理不尽にも、バンドリーダでボーカルからクビを宣告され、反論を述べる間もなくガッチャ切りされそんな失意のか、理不尽に言い渡された残業中に急死してしまう。  目が覚めると俺は広大な領地を有するノーフォーク公爵家の長男の息子ユーサー・フォン・ハワードに転生していた。 ユーサーは一度目の人生の漠然とした目標であった『有名になりたい』他人から好かれ、知られる何者かになりたかった。と言う目標を再認識し、二度目の生を悔いの無いように、全力で生きる事を誓うのであった。 しかし、俺が公爵になるためには父の兄弟である次男、三男の息子。つまり従妹達と争う事になってしまい。 ユーサーは富国強兵を掲げ、先ずは小さな事から始めるのであった。 そんな主人公のゆったり成長期!!

無能扱いされ会社を辞めさせられ、モフモフがさみしさで命の危機に陥るが懸命なナデナデ配信によりバズる~色々あって心と音速の壁を突破するまで~

ぐうのすけ
ファンタジー
大岩翔(オオイワ カケル・20才)は部長の悪知恵により会社を辞めて家に帰った。 玄関を開けるとモフモフ用座布団の上にペットが座って待っているのだが様子がおかしい。 「きゅう、痩せたか?それに元気もない」 ペットをさみしくさせていたと反省したカケルはペットを頭に乗せて大穴(ダンジョン)へと走った。 だが、大穴に向かう途中で小麦粉の大袋を担いだJKとぶつかりそうになる。 「パンを咥えて遅刻遅刻~ではなく原材料を担ぐJKだと!」 この奇妙な出会いによりカケルはヒロイン達と心を通わせ、心に抱えた闇を超え、心と音速の壁を突破する。

神の宝物庫〜すごいスキルで楽しい人生を〜

月風レイ
ファンタジー
 グロービル伯爵家に転生したカインは、転生後憧れの魔法を使おうとするも、魔法を発動することができなかった。そして、自分が魔法が使えないのであれば、剣を磨こうとしたところ、驚くべきことを告げられる。  それは、この世界では誰でも6歳にならないと、魔法が使えないということだ。この世界には神から与えられる、恩恵いわばギフトというものがかって、それをもらうことで初めて魔法やスキルを行使できるようになる。  と、カインは自分が無能なのだと思ってたところから、6歳で行う洗礼の儀でその運命が変わった。  洗礼の儀にて、この世界の邪神を除く、12神たちと出会い、12神全員の祝福をもらい、さらには恩恵として神をも凌ぐ、とてつもない能力を入手した。  カインはそのとてつもない能力をもって、周りの人々に支えられながらも、異世界ファンタジーという夢溢れる、憧れの世界を自由気ままに創意工夫しながら、楽しく過ごしていく。

はぁ?とりあえず寝てていい?

夕凪
ファンタジー
嫌いな両親と同級生から逃げて、アメリカ留学をした帰り道。帰国中の飛行機が事故を起こし、日本の女子高生だった私は墜落死した。特に未練もなかったが、強いて言えば、大好きなもふもふと一緒に暮らしたかった。しかし何故か、剣と魔法の異世界で、貴族の子として転生していた。しかも男の子で。今世の両親はとてもやさしくいい人たちで、さらには前世にはいなかった兄弟がいた。せっかくだから思いっきり、もふもふと戯れたい!惰眠を貪りたい!のんびり自由に生きたい!そう思っていたが、5歳の時に行われる判定の儀という、魔法属性を調べた日を境に、幸せな日常が崩れ去っていった・・・。その後、名を変え別の人物として、相棒のもふもふと共に旅に出る。相棒のもふもふであるズィーリオスの為の旅が、次第に自分自身の未来に深く関わっていき、仲間と共に逃れられない運命の荒波に飲み込まれていく。 ※第二章は全体的に説明回が多いです。 <<<小説家になろうにて先行投稿しています>>>

14歳までレベル1..なので1ルークなんて言われていました。だけど何でかスキルが自由に得られるので製作系スキルで楽して暮らしたいと思います

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕はルーク 普通の人は15歳までに3~5レベルになるはずなのに僕は14歳で1のまま、なので村の同い年のジグとザグにはいじめられてました。 だけど15歳の恩恵の儀で自分のスキルカードを得て人生が一転していきました。 洗濯しか取り柄のなかった僕が何とか楽して暮らしていきます。 ------ この子のおかげで作家デビューできました ありがとうルーク、いつか日の目を見れればいいのですが

異世界転生雑学無双譚 〜転生したのにスキルとか貰えなかったのですが〜

芍薬甘草湯
ファンタジー
エドガーはマルディア王国王都の五爵家の三男坊。幼い頃から神童天才と評されていたが七歳で前世の知識に目覚め、図書館に引き篭もる事に。 そして時は流れて十二歳になったエドガー。祝福の儀にてスキルを得られなかったエドガーは流刑者の村へ追放となるのだった。 【カクヨムにも投稿してます】

ハズレスキル【収納】のせいで実家を追放されたが、全てを収納できるチートスキルでした。今更土下座してももう遅い

平山和人
ファンタジー
侯爵家の三男であるカイトが成人の儀で授けられたスキルは【収納】であった。アイテムボックスの下位互換だと、家族からも見放され、カイトは家を追放されることになった。 ダンジョンをさまよい、魔物に襲われ死ぬと思われた時、カイトは【収納】の真の力に気づく。【収納】は魔物や魔法を吸収し、さらには異世界の飲食物を取り寄せることができるチートスキルであったのだ。 かくして自由になったカイトは世界中を自由気ままに旅することになった。一方、カイトの家族は彼の活躍を耳にしてカイトに戻ってくるように土下座してくるがもう遅い。

処理中です...