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冒険者シエンの日常

俺の名は(サブキャラ視点)

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皆様お久しぶりでございますっ!!
本編は完結済みですが、また番外編を更新したいと思います!!

是非是非、お付き合いくださいませ。

注:恋愛要素少なめでお送りします

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

***
とある冒険者side


俺は、しがない冒険者のドヤガー=オーだ。いや、変な言い方はよそう…。俺は優秀な冒険者だ。

俺には才能がある。

冒険者であった父と母に憧れ、幼少の頃から凄腕の冒険者になるために、日々研鑽を積んできた。

おかげで、中の上…いや、上の中あたり凡人では不可能なAランクまで辿り着いた。

Aランクだぞ?一国の冒険者ギルドでも、5人…地方では殆どいないとされるAランク。

確かにAパーティは複数存在するが、個人のAランクはそれほどいない。

俺が今いるギルドでも、個人のAランクは俺含めて3人。まぁ、比較的多い方だ。

が、たったの3人だともいえるんだぞ?
そのたったの3人の中に俺様がいるんだからな!

毎日のように、新人冒険者達に声をかけたり、サポートしたりしている。

全部俺の名声の為。

そして、依頼達成度だったり、他のAランクと違って俺はまぁ、優秀だから、ギルドに懇意にされてると思ってる。

俺って最強、素晴らしい。

俺には常に視線が付き纏う。

街を歩けば、女の視線の、
ギルドに入れば、冒険者の、

あつぅーい視線が(自意識過剰)

ま、身嗜みにも気を付けてるし、何せ俺ってかっこいいから

新人の冒険者達やそこそこのランクの冒険者達は、Aランクである俺を憧れの目と嫉妬の目で眺めてくる。

実に爽快で気分がいい。

もうこれは俺がTOPで最強だと言っても過言ではない。

あ?Sランク以上?あれはもう滅多にいないし、俺みたことねーし。

絶滅危惧種だよ。
なんなら、俺がSランク…いや、SSSランクになってやってもいい。

何せ俺様だからな


カランカランッ


いつものように、冒険者ギルドの扉を開ける。


ほら、俺に視線が集まった。

口元がにやけていたら、それこそかっこ悪い。

受付まで歩を進める。


「おい、アレって…」
「Aランクの『霧雨』だ…」
「え、あのひとが?」

「え、めっちゃイケめんおらん?」
「…っばか!」
「…となんで叩くのよ!」
「ほら、依頼いくよ!」
「え、っちょ、置いてかないで!?」

「アレか噂のー?」
「そそ」


俺は耳がいいからな。
そんなに褒めないでくれ。


「こんにちは、ドヤガーさん。どうされましたか?」

この受付嬢は絶対俺に気がある。
俺に笑いかけてくれるしな。

「あぁ、今日は何かいい依頼がないかな、と思ってな」

良い依頼というのは、まぁ、緊急案件のモノとかだ。

「今のところはないですよ」
「そうか、なら今日も通常依頼をするよ」
「かしこまりました」
「じゃ、行ってくるよ。今日終わったら、俺と…」
「お断りします。いってらっしゃいませ」

ふっ…きっと恥ずかしがってるんだな。
また、2人の時に誘うか。

踵を返し、依頼ボードへと向かう。

その途中、前にアドバイスした冒険者達。

「よぉ」
「「!!…あ、ドヤガーさん」」
「元気にやってるか?」
「はい。」
「この前はありがとうございました!」
「ありがとうございました!」
「いいってことよ、また何かあった時言ってくれ」
「「ありがとうございます!」」
「今から冒険か?」
「あ、はい!今日は討伐依頼をしようかと!」
「そうか、頑張れよ」
「「はい!」」

みてみろ、この俺を見る尊敬の眼差し。
俺が助けた人は、きっと俺を目指して冒険者をしてるんだな。そうにちがいない。


依頼ボードの前にフードを被ったチビがいるのを見つける。

初心者か?

なら、声かけてあげねーとな。
なんなら手助けしてやっても良い。

「よぉ。」

声と同時にぽんっと肩に手を置く。
華奢だな。こいつ本当に冒険者か?

フードの子は、ゆっくりと振り向いた。

「っ!?」

「…どうされました?」


目があった気がした。
殺気という剣呑な目が見えた気がした。
俺よりも圧倒的な強者であると本能が言った気がした。
そう、

だが、それは俺の気のせいだ。

こんなチビに、そんなこと思うわけねぇ。
現に、目の前にいるチビは、どこからどうみても普通のだ。

やけに整った顔をしてやがる。


「あ、いや…なんでもねぇ。…坊ちゃん、依頼か?」
「はい。今どれにしようか悩んでいるところです。」

依頼ボードに目を向ける。

チビが見ているのは、どこからどうみても、Aランク以上の高ランク依頼のあるほうだった。


文字が読めねぇのか?
どこからどう見ても初心者だしな…。


しゃーない、手伝ってやるか…





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
れいあおです!
いつのまにか名前変わってますが、気にしないでください!

お久しぶりですねっ!!
何せ、作者が、暫くの間、読み専にいました。

はい!ファンタジーです!
ファンタジーですよ!
またここから暫く更新していきたいと思いますので、お付き合いいただければ、感動で泣きます!

シエン冒険者物語
シエン無双ここに解禁です!


*ドヤガー=オーはちょっぴり自意識過剰な、自信家な、尊敬はされてるけど、自分に酔ってて痛い子だと認識されている、良い子です。
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