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成長の兆し04
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一度えぐれた湿地帯にじんわりと水が流れ込む様子を横目に、野営の準備に取り掛かる。
一応念のために周辺の魔素の流れを探ってみたが、どうやらきちんと浄化できているようだった。
料理の準備をしながら、ユナに、
「すごかったね」
と先ほどの感想を伝える。
しかし、
「うーん、威力はそれなりに上がったかな?」
と言ってやや不満そうだ。
私が、どういうことだろうか?と思っているとユナは、
「本当はあれを1匹ずつ的確に仕留められるようになりたいの…。まぁ、今でも5、6匹なら同時にいけるんだけど、さすがにあの状況じゃね」
と苦笑いを浮かべながら不満に思っている理由を教えてくれた。
なるほど、ユナの目標はまだ完全に達成していないらしい。
しかし、私は、
「5、6匹はいけるようになったんでしょう?すごい進歩じゃん」
とユナをやや励ますような感じで褒める。
するとユナは、
「うふふ。ありがとう」
と、いつものように柔らかく微笑んだ。
きっと、自分に厳しいユナのことだから、もっと上があると思って謙遜しているんだろう。
しかし、着実に一歩ずつ目標に近づいていることは間違いないように思える。
私はまた、羨ましいような誇らしいような気持ちで素直に仲間の成長を喜んだ。
「うふふ」
とユナが何かを思い出したような感じで笑う。
「ん?」
と私が小首をかしげると、ユナは、
「ジルの魔法もすごかったわよ」
と微笑ましい表情を私に向けてきた。
私はその意外な言葉に、思わず、
「え?」
と間の抜けた顔で返事をする。
するとユナはまた、
「うふふ」
と笑い、
「あの魔力の大きさといい展開の早さといい…。かなりのものだと思ったわ」
と私に微笑ましい視線を向けたままそう言ってくれた。
「そ、そうかな?」
となんだか気恥ずかしくなって照れ隠しにうつむきながら答える。
そんな私にユナは、
「ええ。すごかったわ」
と重ねて褒め言葉をくれた。
私はますます照れてしまって、
「まだまだよ…」
と答えて、とりあえず手近にあったジャガイモの皮を剥き始める。
ユナはそんな私にまるで慈しむような視線を向けると、
「真面目ね」
とひとこと言って、同じくジャガイモの皮を剥き始めた。
やがて、温かいスープが出来上がり、みんなで食べる。
一通りの仕事が終わった安堵感からか、ここ数日の緊張感はほぐれ和やかな雰囲気で食事は進んだ。
「やっぱり牛肉が入ると、一気に豪華な食事って感じになるよね」
と言ってアイカが美味しそうに牛肉入りのポトフを頬張り、ユナがどこか嬉しそうに、
「アイカは肉ジャガも牛肉派だもんね」
とその様子を眺めている。
ベルも表情が緩んでいるからきっと美味しいのだろう。
私はそんなみんなの楽しそうな様子を見ながら、ついつい微笑んでしまった。
「ね。やっぱり牛肉が入ると美味しいよね?」
とアイカが私に話を向けてくる。
私は、
(アンナさんが作る豚肉の肉ジャガも好きなんだけどなぁ…)
と思いつつも、
「ええ。そうね」
と微笑んで答えた。
(みんなと食べるとやっぱり美味しいわね)
と心の中にも「美味しい」が広がる。
みんなそれぞれ、なにかしらの充実感を得て、その日の食事を楽しく終えた。
翌朝。
地図を確認すると、最初に出発したフリエ村に戻るよりも2か所目の目的地トッド村に行く方がかなり近いということに気が付き、予定を変更してトッド村へと出発する。
ついでに途中で魔素の流れを見てみたが、どうやら大きな淀みは無さそうだ。
どうやら、あのカエルのいた大きな淀みがどちらの村にも影響していたということらしい。
私たちはそのことにひと安心しながら、森の中をやや足早に進んでいった。
2日目の午後。
トッド村に到着する。
さっそく村長に挨拶に行き、事情を話して今夜の宿をお願いした。
村長が快く受け入れてくれたので、私はさっそく浄化の魔導石がある祠へと案内してもらう。
おそらくフリエ村と同じ人物の手によるものだろうが、この村の浄化の魔導石の状態もひどい物で、淀みこそ私たちが森の奥で浄化を行ったことである程度解消されていたが、それでも各所に綻びが目立っていた。
(…まったく、もう…)
と、いつものといえばいつもの状況に頭を抱えたくなるのを通り越して、なにやら諦めのような気持ちで作業に取り掛かる。
そして、丹念に調整を終えると、こちらもまた心配そうにしている村長に向かって、
「ちょっとした調整をしておきましたから、もう大丈夫ですよ」
と一応微笑みで答え、村長宅へと引き返していった。
久しぶりのお風呂で疲れを癒し、温かい食事をいただく。
「田舎料理ですが…」
と謙遜するが村長宅で出された料理はどれも素晴らしかった。
特に茸料理は素晴らしく、どれも茸のうま味が存分に活かされている。
(やっぱり地の物をその地でいただくってのが食事の醍醐味よねぇ)
と思いながら大変美味しくいただいた。
翌朝。
村長に見送られてフリエ村に向かう。
2つの村の間は駅馬車を乗り継いで1日半ほどだと言うので、野菜を売りに行く農家のおっちゃんらと一緒に幌馬車に乗り、のんびりとした旅を楽しんだ。
旅は何事もなく順調に進む。
のんびりとした景色を眺め、みんなで楽しくおしゃべりをしている間に、馬車はフリエ村に到着した。
さっそく村長に報告に行くと、かなり大袈裟に喜ばれた。
少し帰りが遅かったものだから心配してくれていたとのこと。
私は申し訳ないと謝りつつ、冒険をしていたら、トッド村に近い所までいったので、そちらで浄化の魔導石を調整してきたと話す。
すると、村長は嬉しいような様子で、
「あの村も、うちと同じく最近は苦労していたようですから助かります」
と礼を述べてくれた。
その日も村長宅に泊めてもらい翌日。
久しぶりに会って、ずいぶんと甘えてくるエリーを宥めて跨らせてもらうと、私たちはさっそく帰路に就いた。
のんびりとしたあぜ道から同じくのんびりとした雰囲気の田舎道を通って、いつものように裏街道に入る。
久しぶりの旅で嬉しそうなエリーを宥めながら、進んでいると、ベルが、
「いい冒険だったわね」
と声を掛けてきた。
「ええ。みんな、それぞれに何かつかんだみたいでよかったわ」
と柔らかく微笑みながら答える。
すると、アイカが、
「でも、まだまだってこともわかったよね…。なんていうか、あと一歩ってとこだとは思うんだけどさぁ」
となにやら思案気な表情でそう言い、ユナもそれにうなずきながら、
「ええ。もう少しってところね」
と続いた。
どうやらそれぞれに成長のきっかけは掴んだものの、もう一歩という気持ちも持っているようだ。
私はそんなことを感じ、ここまでのことを振り返ってみる。
思えば、みんなと会ってからまだ1年と少ししか経っていない。
それでも、私たちは信頼できる仲間という関係になれた。
それに、その短い期間を考えればとんでもない成長をしているとも言える。
それもきっとみんなで刺激し合い、切磋琢磨できたおかげだろう。
私ひとりではこうはいかなかったに違いない。
それに「烈火」やジミー、騎士団長のザインさんとの出会いも大きかった。
身近にいい目標が出来たことで、私たちは道の先をしっかりと見据えられている。
きっとこれからも多くの出会いを通じて、多くの学びと成長があるのだろう。
その過程で心が折れそうになることもあるはずだ。
しかし、私はひとりじゃない。
そう思うと、きっとこれからの道も確実に進んで行けると、確信できた。
そんなことを考えていたからだろうか、思わず、
「みんなと会えてよかった」
とつぶやいてしまう。
「え?なに?どうしたの?」
と聞いてくるアイカに、
「ううん。なんでもないわ」
と少し照れながら返す。
「うふふ。私もよ」
と私のつぶやきが聞こえていたらしいベルが微笑みながらそう言った。
「え?なに?内緒話?」
とまた聞いてくるアイカに、
「ふふ。みんなと会えてよかったって話よ」
と今度は正直に自分が今思っていることを話した。
「なぁんだ。そんなことか」
とアイカが笑う。
そんなアイカに、
「あら。とっても大切なことじゃない?」
と言うとアイカは、
「うん。でも、なんていうか、もう当たり前って感じかな?って思ってさ」
と答えた。
「まぁ、それもそうね。でも、そういう当たり前にちゃんと感謝しないといけないわ」
とユナが、なんだかお姉さんのようなことを言って、アイカが、
「はーい」
と少しおどけて返事をする。
私はそのやり取りがなんとも微笑ましくて、
「うふふ。そうね。感謝しないとね」
と優しく笑いながらユナに賛同した。
「うふふ。アイカとユナってまるで姉妹みたい」
とベルが笑った。
おそらく私と同じようなことを思ったんだろう。
私も、
「そうね。そんな感じがするわ」
と言うと、アイカが、
「それを言うならジルとベルだってそうじゃん」
と言っておかしそうに笑う。
「ええ。そうね。まるで双子の姉妹よ」
とユナが言うと、ベルが、少し顔を赤くしてうつむいた。
「あはは。ベル、照れてるね」
と言ってアイカがベルをからかう。
「…もう」
とベルがはにかんだ笑顔でそう答えてみんなに微笑みが広がった。
初秋の日差しが辺りを優しく照らす。
キラキラと輝く稲穂がふんわりとした秋風にそよぐどこか懐かしい風景の中を、私たちは笑顔で進んでいった。
一応念のために周辺の魔素の流れを探ってみたが、どうやらきちんと浄化できているようだった。
料理の準備をしながら、ユナに、
「すごかったね」
と先ほどの感想を伝える。
しかし、
「うーん、威力はそれなりに上がったかな?」
と言ってやや不満そうだ。
私が、どういうことだろうか?と思っているとユナは、
「本当はあれを1匹ずつ的確に仕留められるようになりたいの…。まぁ、今でも5、6匹なら同時にいけるんだけど、さすがにあの状況じゃね」
と苦笑いを浮かべながら不満に思っている理由を教えてくれた。
なるほど、ユナの目標はまだ完全に達成していないらしい。
しかし、私は、
「5、6匹はいけるようになったんでしょう?すごい進歩じゃん」
とユナをやや励ますような感じで褒める。
するとユナは、
「うふふ。ありがとう」
と、いつものように柔らかく微笑んだ。
きっと、自分に厳しいユナのことだから、もっと上があると思って謙遜しているんだろう。
しかし、着実に一歩ずつ目標に近づいていることは間違いないように思える。
私はまた、羨ましいような誇らしいような気持ちで素直に仲間の成長を喜んだ。
「うふふ」
とユナが何かを思い出したような感じで笑う。
「ん?」
と私が小首をかしげると、ユナは、
「ジルの魔法もすごかったわよ」
と微笑ましい表情を私に向けてきた。
私はその意外な言葉に、思わず、
「え?」
と間の抜けた顔で返事をする。
するとユナはまた、
「うふふ」
と笑い、
「あの魔力の大きさといい展開の早さといい…。かなりのものだと思ったわ」
と私に微笑ましい視線を向けたままそう言ってくれた。
「そ、そうかな?」
となんだか気恥ずかしくなって照れ隠しにうつむきながら答える。
そんな私にユナは、
「ええ。すごかったわ」
と重ねて褒め言葉をくれた。
私はますます照れてしまって、
「まだまだよ…」
と答えて、とりあえず手近にあったジャガイモの皮を剥き始める。
ユナはそんな私にまるで慈しむような視線を向けると、
「真面目ね」
とひとこと言って、同じくジャガイモの皮を剥き始めた。
やがて、温かいスープが出来上がり、みんなで食べる。
一通りの仕事が終わった安堵感からか、ここ数日の緊張感はほぐれ和やかな雰囲気で食事は進んだ。
「やっぱり牛肉が入ると、一気に豪華な食事って感じになるよね」
と言ってアイカが美味しそうに牛肉入りのポトフを頬張り、ユナがどこか嬉しそうに、
「アイカは肉ジャガも牛肉派だもんね」
とその様子を眺めている。
ベルも表情が緩んでいるからきっと美味しいのだろう。
私はそんなみんなの楽しそうな様子を見ながら、ついつい微笑んでしまった。
「ね。やっぱり牛肉が入ると美味しいよね?」
とアイカが私に話を向けてくる。
私は、
(アンナさんが作る豚肉の肉ジャガも好きなんだけどなぁ…)
と思いつつも、
「ええ。そうね」
と微笑んで答えた。
(みんなと食べるとやっぱり美味しいわね)
と心の中にも「美味しい」が広がる。
みんなそれぞれ、なにかしらの充実感を得て、その日の食事を楽しく終えた。
翌朝。
地図を確認すると、最初に出発したフリエ村に戻るよりも2か所目の目的地トッド村に行く方がかなり近いということに気が付き、予定を変更してトッド村へと出発する。
ついでに途中で魔素の流れを見てみたが、どうやら大きな淀みは無さそうだ。
どうやら、あのカエルのいた大きな淀みがどちらの村にも影響していたということらしい。
私たちはそのことにひと安心しながら、森の中をやや足早に進んでいった。
2日目の午後。
トッド村に到着する。
さっそく村長に挨拶に行き、事情を話して今夜の宿をお願いした。
村長が快く受け入れてくれたので、私はさっそく浄化の魔導石がある祠へと案内してもらう。
おそらくフリエ村と同じ人物の手によるものだろうが、この村の浄化の魔導石の状態もひどい物で、淀みこそ私たちが森の奥で浄化を行ったことである程度解消されていたが、それでも各所に綻びが目立っていた。
(…まったく、もう…)
と、いつものといえばいつもの状況に頭を抱えたくなるのを通り越して、なにやら諦めのような気持ちで作業に取り掛かる。
そして、丹念に調整を終えると、こちらもまた心配そうにしている村長に向かって、
「ちょっとした調整をしておきましたから、もう大丈夫ですよ」
と一応微笑みで答え、村長宅へと引き返していった。
久しぶりのお風呂で疲れを癒し、温かい食事をいただく。
「田舎料理ですが…」
と謙遜するが村長宅で出された料理はどれも素晴らしかった。
特に茸料理は素晴らしく、どれも茸のうま味が存分に活かされている。
(やっぱり地の物をその地でいただくってのが食事の醍醐味よねぇ)
と思いながら大変美味しくいただいた。
翌朝。
村長に見送られてフリエ村に向かう。
2つの村の間は駅馬車を乗り継いで1日半ほどだと言うので、野菜を売りに行く農家のおっちゃんらと一緒に幌馬車に乗り、のんびりとした旅を楽しんだ。
旅は何事もなく順調に進む。
のんびりとした景色を眺め、みんなで楽しくおしゃべりをしている間に、馬車はフリエ村に到着した。
さっそく村長に報告に行くと、かなり大袈裟に喜ばれた。
少し帰りが遅かったものだから心配してくれていたとのこと。
私は申し訳ないと謝りつつ、冒険をしていたら、トッド村に近い所までいったので、そちらで浄化の魔導石を調整してきたと話す。
すると、村長は嬉しいような様子で、
「あの村も、うちと同じく最近は苦労していたようですから助かります」
と礼を述べてくれた。
その日も村長宅に泊めてもらい翌日。
久しぶりに会って、ずいぶんと甘えてくるエリーを宥めて跨らせてもらうと、私たちはさっそく帰路に就いた。
のんびりとしたあぜ道から同じくのんびりとした雰囲気の田舎道を通って、いつものように裏街道に入る。
久しぶりの旅で嬉しそうなエリーを宥めながら、進んでいると、ベルが、
「いい冒険だったわね」
と声を掛けてきた。
「ええ。みんな、それぞれに何かつかんだみたいでよかったわ」
と柔らかく微笑みながら答える。
すると、アイカが、
「でも、まだまだってこともわかったよね…。なんていうか、あと一歩ってとこだとは思うんだけどさぁ」
となにやら思案気な表情でそう言い、ユナもそれにうなずきながら、
「ええ。もう少しってところね」
と続いた。
どうやらそれぞれに成長のきっかけは掴んだものの、もう一歩という気持ちも持っているようだ。
私はそんなことを感じ、ここまでのことを振り返ってみる。
思えば、みんなと会ってからまだ1年と少ししか経っていない。
それでも、私たちは信頼できる仲間という関係になれた。
それに、その短い期間を考えればとんでもない成長をしているとも言える。
それもきっとみんなで刺激し合い、切磋琢磨できたおかげだろう。
私ひとりではこうはいかなかったに違いない。
それに「烈火」やジミー、騎士団長のザインさんとの出会いも大きかった。
身近にいい目標が出来たことで、私たちは道の先をしっかりと見据えられている。
きっとこれからも多くの出会いを通じて、多くの学びと成長があるのだろう。
その過程で心が折れそうになることもあるはずだ。
しかし、私はひとりじゃない。
そう思うと、きっとこれからの道も確実に進んで行けると、確信できた。
そんなことを考えていたからだろうか、思わず、
「みんなと会えてよかった」
とつぶやいてしまう。
「え?なに?どうしたの?」
と聞いてくるアイカに、
「ううん。なんでもないわ」
と少し照れながら返す。
「うふふ。私もよ」
と私のつぶやきが聞こえていたらしいベルが微笑みながらそう言った。
「え?なに?内緒話?」
とまた聞いてくるアイカに、
「ふふ。みんなと会えてよかったって話よ」
と今度は正直に自分が今思っていることを話した。
「なぁんだ。そんなことか」
とアイカが笑う。
そんなアイカに、
「あら。とっても大切なことじゃない?」
と言うとアイカは、
「うん。でも、なんていうか、もう当たり前って感じかな?って思ってさ」
と答えた。
「まぁ、それもそうね。でも、そういう当たり前にちゃんと感謝しないといけないわ」
とユナが、なんだかお姉さんのようなことを言って、アイカが、
「はーい」
と少しおどけて返事をする。
私はそのやり取りがなんとも微笑ましくて、
「うふふ。そうね。感謝しないとね」
と優しく笑いながらユナに賛同した。
「うふふ。アイカとユナってまるで姉妹みたい」
とベルが笑った。
おそらく私と同じようなことを思ったんだろう。
私も、
「そうね。そんな感じがするわ」
と言うと、アイカが、
「それを言うならジルとベルだってそうじゃん」
と言っておかしそうに笑う。
「ええ。そうね。まるで双子の姉妹よ」
とユナが言うと、ベルが、少し顔を赤くしてうつむいた。
「あはは。ベル、照れてるね」
と言ってアイカがベルをからかう。
「…もう」
とベルがはにかんだ笑顔でそう答えてみんなに微笑みが広がった。
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