48 / 137
02
ラフィーナ王国へ03
しおりを挟む
やがて昼過ぎ。
予定通りルルク村に着く。
まずは村長宅へ向かい、さっそく浄化の魔導石が設置されている祠に案内してもらった。
やはり、地脈を通して流れ込んでくる魔素の量が予想以上に少ない。
それに調整もあまり上手くいっていないようだ。
(あのねぇ…)
と、いつもの状況に密かに嘆息しながらもなんとか平静を保って調整をし、いつものように村長に話を聞く。
村長の話では、ここ最近魔物の出現が多く、村民は森に入れず困っているのだとか。
そのうち大変なことにならなければいいがと心配する村長に、
「大丈夫ですよ。今日ちゃんと調整しましたし、教会にも冒険者ギルドにもちゃんと報告しておきますから」
と、なんとか誤魔化してその日は村長宅に泊めてもらった。
一晩ゆっくり休ませてもらって、翌朝。
ちょっと寂しそうに甘えてくるエリーやベルの乗って来た馬のことを頼み、さっそく森に向かう。
森へ向かうあぜ道にはチト村では見かけない白く小さな花が咲き乱れていた。
田んぼの稲穂は青々として風にそよいでいる。
(初めて見るけどなんだか懐かしい風景ね)
と思いながら、私は、ややのんびりとした気持ちでベルの後に続いて歩いた。
やがて森に入る。
森の第一印象は爽やか。
エルバルド王国とは違い木の皮がやや白っぽい木が多いせいだろうか。
なんとなくそんな印象を持った。
梢を通して明るい光が適度に入る森の中を進む。
藪も少なく比較的歩きやすいように感じた。
夏ということもあって、時折生っている木の実を適当につまんで小休止を取りながら順調に進んで行く。
そんな休憩の折、ベルが、
「この辺りは鹿の魔物が多いけど、たまに牛の魔物が出るわ。あとは、小物ね。トカゲはいないけど角ウサギとイノシシの魔物は多い感じかしら」
と、この辺りの魔物の状況を教えてくれた。
その話を聞いて、私はうなずきつつも、
「昨日、浄化の魔導石を見た感じだと、おそらく油断できない状況になってるはずよ。普段出ないような魔物が出る可能性もあるから、気を付けて行きましょう」
と念を押すような感じで声を掛ける。
「ええ。わかっているわ」
と引き締まった表情で答える、ベルの顔に油断は無い。
きっと私が昨日説明したことをきちんと理解して、なおかつ、信じてくれているのだろう。
どうやら、彼女がまじめな性格らしいという私の第一印象は当たっていたようだ。
私はそのことを妙に嬉しく思い、微笑みながら、
「背中は任せたわね」
とベルにひと言告げると、うなずく彼女にこちらもうなずき返してまた森の奥へと歩を進めた。
やがて日暮れの時間が迫って来る。
私たちは、地図を頼りに適当な場所を見つけると、そこで野営の準備に取り掛かった。
今日も私が料理を作る。
村でたっぷり分けてもらった米を粉スープで炊き、簡単なピラフを作った。
ベルは相変わらず黙々と食べている。
しかし、時折表情が緩むからきっと美味しいと思ってくれているのだろう。
私は密かにそんなことを思い、心の中で微笑みながら、ピラフを口に運んだ。
淡々と食事を終え、軽くお茶を飲むと、まず先に私が休む。
ここへ来る途中の話し合いで、見張りは数時間おきに交代ですることにした。
その時、これまでにどんな冒険をしてきたのか、とか、どの程度の相手なら戦えるのかなどの意見を交わしている。
ベル曰く、ちょっとした強化魔法が使えるからゴブリンの群れ程度なら問題ないそうだ。
本人は遠慮がちにそう言うが、おそらく実力は私よりも上だろう。
もう7、8年ほどソロで活動しているのだそうだ。
私は『烈火』のアインさんのことを思い出し、
(なにか勉強になることもあるだろうから、しっかり見させてもらわないとね)
と思いながら軽くブランケットを羽織って目を閉じた。
2度ほどに分けて眠り、迎えた朝。
ここからはいつものように携帯型の浄化の魔導石を地面に突き立て魔素の流れを読む。
初めて見る光景にベルはややぽかんとしていたが、それでも、私が、
「こっちよ」
と方角を指さすと、さっと気を取り直して先導してくれた。
途中、小休止を兼ねてまた魔素の流れを読む。
するとやはり魔素の淀みはいっそう濃くなっていた。
私はさっそく、
「この先、もっと注意が必要になるわ。慎重に進みましょう」
と伝える。
その言葉にベルは、
「わかったわ」
と深くうなずいてくれた。
ベルは決して言葉数の多い方ではない。
しかし、その真面目な姿勢というのは随所に見られる。
私を気遣うように歩く優しさ、私の言葉の一つ一つを真剣に聞いてくれる姿勢。
そういう所に私は好感を持った。
(ほんと、まじめな子よね…)
と、おそらく少し年上であろうベルに私はなんとも言えない微笑ましさを感じる。
私のそんな思いに気が付いたのか、ベルは少し不思議そうな視線を私に送って来たが、私は苦笑いで、
「なんでもないわ。ちょっと頼もしいと思っただけよ」
と答えて、
「…なにそれ」
と照れるベルに、私は、
「さぁ、行きましょう」
と声を掛けて先に進み始めた。
簡単な昼を挟んで夕方前。
そろそろ空にオレンジ色が混じり始めてきたところで、もう一度魔素の流れを読む。
やはりずいぶんと淀みが濃くなっていた。
「近いわね…」
とつぶやく私に、
「無理はしない方がいい」
とベルが忠告しくれる。
私も、
「ええ。勝負は明日ね」
と短く答えて、その日はその場で野営をすることにした。
行動食をお腹に入れて、お茶を飲む。
緊張で固くなった心とお腹にお茶の暖かさが嬉しい。
穏やかな沈黙の中私はふと思って、
「ねぇ。ベルはパーティーを組んだことはある?」
と聞いてみた。
「…無いわ」
と一瞬間を置いて答えたベルに、
「組んでみたいと思ったことは?」
と、さらに聞く。
すると、ベルは少し笑って、
「…私不器用だから」
と、寂しそうにそう答えた。
私はそんなベルの言葉になぜか親近感を覚える。
(ああ。この子、私と一緒なのかも…)
そう思った私は、
「…私もね、ずっとソロでいいって思ってたの」
とつぶやくようにそう言った。
「?」
とベルが疑問の視線を私に向けてくる。
私はその視線にまた苦笑いを返すと、
「あのね。ここ最近、他の人達と行動することが多かったの。そしたら、今まで自分に足りてなかったものとか、いろんなものが見えるようになって…。それまで『なんでもひとりで出来るようにならなくちゃ』って思ってたのが、なんだか逆に子供っぽい考えだったんじゃないかとか、そういうことを思うようになってさ…」
と、拙いながらも、今自分が思っていることをなんとか言葉として紡ぎ出した。
一瞬の沈黙が流れる。
そして、
「そうなんだ…」
とベルが答えて少しうつむいた。
私は慌てて、
「ごめん。そういうんじゃなくて、なんていうか…。その、うまく言えないんだけど、私もつい最近そういうことを考え始めたから、つい、同じようにソロで活動してるベルの意見が聞いてみたくなったっていうか…」
と言い訳をする。
しかし、そんな私に対して、ベルは、
「ううん。なんとなく…、なんとなくだけどわかるような気がするわ」
と少し困ったように微笑みながらそう答えてくれた。
「…なんかごめんね」
「ううん」
という短いやり取りでまた沈黙が流れる。
気まずいような気恥ずかしいような、なんとも言えない空気の中で、私たちはそれぞれにひと口お茶を飲んだ。
やがて、
「じゃぁ、今日も先に寝て」
というベルの言葉に甘えて、
「じゃぁ、適当な所で起きるから」
と言い、ブランケットに包まる。
パチパチと薪が弾ける音を聞きながら、私は、
(なんであんなこと言っちゃったんだろう)
と、反省しつつ目を閉じた。
予定通りルルク村に着く。
まずは村長宅へ向かい、さっそく浄化の魔導石が設置されている祠に案内してもらった。
やはり、地脈を通して流れ込んでくる魔素の量が予想以上に少ない。
それに調整もあまり上手くいっていないようだ。
(あのねぇ…)
と、いつもの状況に密かに嘆息しながらもなんとか平静を保って調整をし、いつものように村長に話を聞く。
村長の話では、ここ最近魔物の出現が多く、村民は森に入れず困っているのだとか。
そのうち大変なことにならなければいいがと心配する村長に、
「大丈夫ですよ。今日ちゃんと調整しましたし、教会にも冒険者ギルドにもちゃんと報告しておきますから」
と、なんとか誤魔化してその日は村長宅に泊めてもらった。
一晩ゆっくり休ませてもらって、翌朝。
ちょっと寂しそうに甘えてくるエリーやベルの乗って来た馬のことを頼み、さっそく森に向かう。
森へ向かうあぜ道にはチト村では見かけない白く小さな花が咲き乱れていた。
田んぼの稲穂は青々として風にそよいでいる。
(初めて見るけどなんだか懐かしい風景ね)
と思いながら、私は、ややのんびりとした気持ちでベルの後に続いて歩いた。
やがて森に入る。
森の第一印象は爽やか。
エルバルド王国とは違い木の皮がやや白っぽい木が多いせいだろうか。
なんとなくそんな印象を持った。
梢を通して明るい光が適度に入る森の中を進む。
藪も少なく比較的歩きやすいように感じた。
夏ということもあって、時折生っている木の実を適当につまんで小休止を取りながら順調に進んで行く。
そんな休憩の折、ベルが、
「この辺りは鹿の魔物が多いけど、たまに牛の魔物が出るわ。あとは、小物ね。トカゲはいないけど角ウサギとイノシシの魔物は多い感じかしら」
と、この辺りの魔物の状況を教えてくれた。
その話を聞いて、私はうなずきつつも、
「昨日、浄化の魔導石を見た感じだと、おそらく油断できない状況になってるはずよ。普段出ないような魔物が出る可能性もあるから、気を付けて行きましょう」
と念を押すような感じで声を掛ける。
「ええ。わかっているわ」
と引き締まった表情で答える、ベルの顔に油断は無い。
きっと私が昨日説明したことをきちんと理解して、なおかつ、信じてくれているのだろう。
どうやら、彼女がまじめな性格らしいという私の第一印象は当たっていたようだ。
私はそのことを妙に嬉しく思い、微笑みながら、
「背中は任せたわね」
とベルにひと言告げると、うなずく彼女にこちらもうなずき返してまた森の奥へと歩を進めた。
やがて日暮れの時間が迫って来る。
私たちは、地図を頼りに適当な場所を見つけると、そこで野営の準備に取り掛かった。
今日も私が料理を作る。
村でたっぷり分けてもらった米を粉スープで炊き、簡単なピラフを作った。
ベルは相変わらず黙々と食べている。
しかし、時折表情が緩むからきっと美味しいと思ってくれているのだろう。
私は密かにそんなことを思い、心の中で微笑みながら、ピラフを口に運んだ。
淡々と食事を終え、軽くお茶を飲むと、まず先に私が休む。
ここへ来る途中の話し合いで、見張りは数時間おきに交代ですることにした。
その時、これまでにどんな冒険をしてきたのか、とか、どの程度の相手なら戦えるのかなどの意見を交わしている。
ベル曰く、ちょっとした強化魔法が使えるからゴブリンの群れ程度なら問題ないそうだ。
本人は遠慮がちにそう言うが、おそらく実力は私よりも上だろう。
もう7、8年ほどソロで活動しているのだそうだ。
私は『烈火』のアインさんのことを思い出し、
(なにか勉強になることもあるだろうから、しっかり見させてもらわないとね)
と思いながら軽くブランケットを羽織って目を閉じた。
2度ほどに分けて眠り、迎えた朝。
ここからはいつものように携帯型の浄化の魔導石を地面に突き立て魔素の流れを読む。
初めて見る光景にベルはややぽかんとしていたが、それでも、私が、
「こっちよ」
と方角を指さすと、さっと気を取り直して先導してくれた。
途中、小休止を兼ねてまた魔素の流れを読む。
するとやはり魔素の淀みはいっそう濃くなっていた。
私はさっそく、
「この先、もっと注意が必要になるわ。慎重に進みましょう」
と伝える。
その言葉にベルは、
「わかったわ」
と深くうなずいてくれた。
ベルは決して言葉数の多い方ではない。
しかし、その真面目な姿勢というのは随所に見られる。
私を気遣うように歩く優しさ、私の言葉の一つ一つを真剣に聞いてくれる姿勢。
そういう所に私は好感を持った。
(ほんと、まじめな子よね…)
と、おそらく少し年上であろうベルに私はなんとも言えない微笑ましさを感じる。
私のそんな思いに気が付いたのか、ベルは少し不思議そうな視線を私に送って来たが、私は苦笑いで、
「なんでもないわ。ちょっと頼もしいと思っただけよ」
と答えて、
「…なにそれ」
と照れるベルに、私は、
「さぁ、行きましょう」
と声を掛けて先に進み始めた。
簡単な昼を挟んで夕方前。
そろそろ空にオレンジ色が混じり始めてきたところで、もう一度魔素の流れを読む。
やはりずいぶんと淀みが濃くなっていた。
「近いわね…」
とつぶやく私に、
「無理はしない方がいい」
とベルが忠告しくれる。
私も、
「ええ。勝負は明日ね」
と短く答えて、その日はその場で野営をすることにした。
行動食をお腹に入れて、お茶を飲む。
緊張で固くなった心とお腹にお茶の暖かさが嬉しい。
穏やかな沈黙の中私はふと思って、
「ねぇ。ベルはパーティーを組んだことはある?」
と聞いてみた。
「…無いわ」
と一瞬間を置いて答えたベルに、
「組んでみたいと思ったことは?」
と、さらに聞く。
すると、ベルは少し笑って、
「…私不器用だから」
と、寂しそうにそう答えた。
私はそんなベルの言葉になぜか親近感を覚える。
(ああ。この子、私と一緒なのかも…)
そう思った私は、
「…私もね、ずっとソロでいいって思ってたの」
とつぶやくようにそう言った。
「?」
とベルが疑問の視線を私に向けてくる。
私はその視線にまた苦笑いを返すと、
「あのね。ここ最近、他の人達と行動することが多かったの。そしたら、今まで自分に足りてなかったものとか、いろんなものが見えるようになって…。それまで『なんでもひとりで出来るようにならなくちゃ』って思ってたのが、なんだか逆に子供っぽい考えだったんじゃないかとか、そういうことを思うようになってさ…」
と、拙いながらも、今自分が思っていることをなんとか言葉として紡ぎ出した。
一瞬の沈黙が流れる。
そして、
「そうなんだ…」
とベルが答えて少しうつむいた。
私は慌てて、
「ごめん。そういうんじゃなくて、なんていうか…。その、うまく言えないんだけど、私もつい最近そういうことを考え始めたから、つい、同じようにソロで活動してるベルの意見が聞いてみたくなったっていうか…」
と言い訳をする。
しかし、そんな私に対して、ベルは、
「ううん。なんとなく…、なんとなくだけどわかるような気がするわ」
と少し困ったように微笑みながらそう答えてくれた。
「…なんかごめんね」
「ううん」
という短いやり取りでまた沈黙が流れる。
気まずいような気恥ずかしいような、なんとも言えない空気の中で、私たちはそれぞれにひと口お茶を飲んだ。
やがて、
「じゃぁ、今日も先に寝て」
というベルの言葉に甘えて、
「じゃぁ、適当な所で起きるから」
と言い、ブランケットに包まる。
パチパチと薪が弾ける音を聞きながら、私は、
(なんであんなこと言っちゃったんだろう)
と、反省しつつ目を閉じた。
71
お気に入りに追加
210
あなたにおすすめの小説
【完結】聖女にはなりません。平凡に生きます!
暮田呉子
ファンタジー
この世界で、ただ平凡に、自由に、人生を謳歌したい!
政略結婚から三年──。夫に見向きもされず、屋敷の中で虐げられてきたマリアーナは夫の子を身籠ったという女性に水を掛けられて前世を思い出す。そうだ、前世は慎ましくも充実した人生を送った。それなら現世も平凡で幸せな人生を送ろう、と強く決意するのだった。
絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。
勝手に召喚され捨てられた聖女さま。~よっしゃここから本当のセカンドライフの始まりだ!~
楠ノ木雫
ファンタジー
IT企業に勤めていた25歳独身彼氏無しの立花菫は、勝手に異世界に召喚され勝手に聖女として称えられた。確かにステータスには一応〈聖女〉と記されているのだが、しばらくして偽物扱いされ国を追放される。まぁ仕方ない、と森に移り住み神様の助けの元セカンドライフを満喫するのだった。だが、彼女を追いだした国はその日を境に天気が大荒れになり始めていき……
※他の投稿サイトにも掲載しています。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
王家も我が家を馬鹿にしてますわよね
章槻雅希
ファンタジー
よくある婚約者が護衛対象の王女を優先して婚約破棄になるパターンのお話。あの手の話を読んで、『なんで王家は王女の醜聞になりかねない噂を放置してるんだろう』『てか、これ、王家が婚約者の家蔑ろにしてるよね?』と思った結果できた話。ひそかなサブタイは『うちも王家を馬鹿にしてますけど』かもしれません。
『小説家になろう』『アルファポリス』(敬称略)に重複投稿、自サイトにも掲載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる