33 / 100
01
地脈の異変07
しおりを挟む
部屋に戻って手早く装備を外し、さっそく風呂に向かう。
すると、風呂の入り口でちょうどサーシャさんと落ち合った。
互いに「お疲れ様」と声を掛け合い、さっそく風呂に入る。
ゆっくりと湯船に浸かりながら、私からサーシャさんに声を掛けた。
「ねぇ。サーシャさん」
「なぁに?」
「いつもあんな感じなの?」
「ん?」
「いや。連携。すごく息が合ってたね」
「あー…。まぁ10年も一緒にやってれば自然とそうなるわね」
「そっか。ねぇ。なんであの2人と組んだの?」
「ん?うーん…。なんていうか流れ?」
「流れ?」
「そう。きっかけは同じ護衛の仕事に参加して会ったことだったけど、なんとなく気が合ってね。それでなんとなく一緒に行動するようになったって感じかな?」
「…そうなんだ」
「なぁに?パーティー組んでみたくなったとか?」
「え?いや…。そういう訳じゃないっていうか…」
「うふふ。楽しいわよ?…まぁ、大変なこともあるけど」
「例えば?」
「主にガンツの酒癖ね」
「あー…」
「ふふっ。いつかジルもそういう仲間に出会えるといいわね」
「…うん」
「うふふ。…さぁ、そろそろ上がりましょうか?」
「ええ」
「きっと今日のビールは美味しいわよ」
「ははは。そうね」
そんな会話を交わし2人して笑顔で風呂を出る。
そして、手早く着替えるとそのまま食堂へと向かって行った。
「お待たせ」
先に席についていた男2人声を掛け、席に着く。
すると間髪入れず、ガンツのおっさんが、
「おう待ってたぜ。姉ちゃん、ビール4つだ!」
と、やや馴れ馴れしく店員のお姉さんに声を掛けた。
ややあって、
「お待ちどうさま!」
という元気な声とともにビールがやって来る。
私たちはすぐさまジョッキを手に取ると、
「「「「乾杯っ!」」」」
と誰からともなく音頭を取って、打ち上げが始まった。
「「「「ぷっはぁ…」」」」
と全員の声がそろう。
そして、みんなで笑い合っていると、
「つまみは適当に頼んどいたぜ」
というガンツのおっさんの言葉通り次々と料理がやってきた。
サラダに始まり、揚げ芋、メンチカツ、手羽先、ラザニア、鹿肉のローストに厚切りチャーシュー。
その全てが人数分のてんこ盛り。
その量を見て、私は、
(ていうか、多くない?しかも、肉ばっかり)
と、やや圧倒されたが、『烈火』の3人は迷わずそれぞれが選んだ肉にかぶりついている。
(うわ。こりゃ負けてられないわ)
と私の中で謎の闘争心に火が着き、私もまずは半熟の目玉焼きが乗った厚切りチャーシューにかぶりついた。
卵の黄身のとろっとした口当たりと分厚いチャーシューの噛み応えがたまらない。
奥からあふれ出てくる肉汁と塩気を感じて一気にビールを流し込む。
次にメンチカツのソースの味でまたビールを流し込むと、私は勢いよく、
「お替りっ!4つね!」
とお姉さんに向かって注文した。
「お。なかなかやるじゃねぇか」
というガンツのおっさんに、私が少しドヤ顔で、
「こう見えて居酒屋育ちなのよ」
と言うと、ガンツのおっさんが、
「ほう。そいつぁなかなかのエリートさんじゃねぇか。よし、今日は勝負だ!」
と言って来る。
しかし、そのガンツのおっさんの頭をサーシャさんがパチンと叩いて、
「今日は、私がいるってことを忘れないでよ」
とジト目を向けた。
ガンツのおっさんが一気にシュンとなる。
「ははは。勝負はお預けね」
と私が笑うと、ガンツのおっさんは、
「ああ。今日の所は見逃してやるよ」
と、苦笑いで吐き捨てた。
その後も笑い声が響き、お酒が進む。
宴席も中盤に差し掛かってきた頃、私は思い切ってアインさんに、
「ねぇ。あの強化魔法ってどうやって覚えたの?」
と聞いてみた。
しかし、アインさんは、
「あー…。あれな。実はサーシャに言われるまで知らなかったんだ。あれが強化魔法だってな」
と、頭を掻きながら申し訳なさそうな顔になる。
「え?どういうこと?」
と聞くと横からサーシャさんが、
「こいつはいわゆる天才ってやつね。理屈じゃなく感覚派って言えばいいのかしら。とにかくこいつのあれは特別ってことね」
と説明してくれて、アインさんも、
「ああ。なんていうか、こう、体の中が、『ぐわぁ』ってなってその熱が剣に移っていくって感じだ」
と、なんとも抽象的な説明をしてくれた。
私が、
(なんじゃそりゃ?)
と思っていると、アインさんは少し慌てて、
「ああ、でも。今回ジルのあの聖魔法を見てちょっと似てるなって思ったぞ。なんていうか、あの地面に走ってたあの線があるだろ?あれが体の中にあって、そこに魔力を流す感じっていうか…。まぁ、イメージはそんな感じだ」
と、なんとなく自分の中の感覚らしきものを言葉にしようとしてくれる。
私はまたぽかんとしてしまったが、ふと、
(え?体の中にも魔素の流れがあって、それを感じてるってこと?)
ということに気が付き、
「ちょ、それ詳しく!」
とやや前のめりでアインさんに詰め寄った。
その後、しどろもどろながらもアインさんが説明してくれた理屈によると、集中しているとあの地脈の流れに似た線が自分の体の中にあるようなイメージがあって、それに沿って魔素を巡らせるように動かしているのだという。
私は、またしても、
(なに、それ?)
と思いつつその話を聞き、そこから、
(要するに自分の中の地脈を整えてやるってことよね?だとしたら、私も習得できる可能性があるんじゃないかしら?)
ということに気が付いた。
「すまん、やっぱり上手く説明できん」
とまた申し訳なさそうな顔をするアインさんに、私は、
「いや。十分よ。参考になったわ。ありがとう」
と素直に礼を述べる。
(とりあえず私の目指すべき所にひとつの道標ができた。魔素の調整なら聖女の専門だもの。もしかしたら、それがいかせるかもしれないってことよね)
と思うと、私は未来へのきっかけが見えたような気がして、嬉しさを感じ、目の前にあったジョッキを大きく傾けた。
翌朝。
少しだけ痛む頭を抱えて朝食の席へ向かう。
そこで、
「今回はいい勉強になったわ」
とアインさん、サーシャさんと握手を交わし、ついでにガンツのおっさんとも握手をしてあげた。
私たちは冒険者らしく手早く朝食を済ませると、それぞれの道を歩む。
私は教会長さんへの手紙を書きに部屋へ戻り、『烈火』の3人は次の冒険へと向かって行った。
今回わかったことは既存の浄化の魔導石だけでは地脈の変化に対応できていないということ。
それが予想以上に深刻で、携帯用の浄化の魔導石では応急処置にしかならなかったこと。
あと、今後、それを解消するのであれば冒険者との協力や新たな浄化の魔導石の設置が欠かせなくなってくるだろうことだ。
私にできることはする。
ただし、私一人で出来ることは限られているから、本部にも動いてもらわなければならない。
聖女の仕事の形骸化は予想以上に深刻だ。
そのことを切々と手紙にしたためた。
(さて、どうなることやら…)
そう思ってペンを置く。
宿の窓から差し込んでくる春の日差しは私がチト村を出た時よりもずいぶんと暖かくなっているように感じられた。
(元気かな)
ユリカちゃんとアンナさんの顔を思い浮かべる。
なんとなくしんみりとするようなほっこりとするような、そんなじんわりとした温かさを胸の中に感じ、私は荷物をまとめ始めた。
昼前。
近所で野菜を分けてもらってエリーのもとへ向かう。
いつものように甘えてくるエリーにたっぷりとニンジンをあげて撫でてやると、少し落ち着いた所で荷物を積ませてもらった。
「さぁ、帰ろうか」
という私の声に、エリーが、
「ひひん!」
と元気よく鳴いて答える。
私は、
(さて、今回のお土産は魚の干物ね。ちょっと遠回りになっちゃうけど、その分喜んでもらえるかな?)
と考えながら、エリーに跨り、前進の合図を出した。
穏やかな春の日差しに照らされ、野の花がそよ風に揺れるあぜ道を進む。
私はただ真っすぐその道の先を見つめてエリーの背に揺られた。
すると、風呂の入り口でちょうどサーシャさんと落ち合った。
互いに「お疲れ様」と声を掛け合い、さっそく風呂に入る。
ゆっくりと湯船に浸かりながら、私からサーシャさんに声を掛けた。
「ねぇ。サーシャさん」
「なぁに?」
「いつもあんな感じなの?」
「ん?」
「いや。連携。すごく息が合ってたね」
「あー…。まぁ10年も一緒にやってれば自然とそうなるわね」
「そっか。ねぇ。なんであの2人と組んだの?」
「ん?うーん…。なんていうか流れ?」
「流れ?」
「そう。きっかけは同じ護衛の仕事に参加して会ったことだったけど、なんとなく気が合ってね。それでなんとなく一緒に行動するようになったって感じかな?」
「…そうなんだ」
「なぁに?パーティー組んでみたくなったとか?」
「え?いや…。そういう訳じゃないっていうか…」
「うふふ。楽しいわよ?…まぁ、大変なこともあるけど」
「例えば?」
「主にガンツの酒癖ね」
「あー…」
「ふふっ。いつかジルもそういう仲間に出会えるといいわね」
「…うん」
「うふふ。…さぁ、そろそろ上がりましょうか?」
「ええ」
「きっと今日のビールは美味しいわよ」
「ははは。そうね」
そんな会話を交わし2人して笑顔で風呂を出る。
そして、手早く着替えるとそのまま食堂へと向かって行った。
「お待たせ」
先に席についていた男2人声を掛け、席に着く。
すると間髪入れず、ガンツのおっさんが、
「おう待ってたぜ。姉ちゃん、ビール4つだ!」
と、やや馴れ馴れしく店員のお姉さんに声を掛けた。
ややあって、
「お待ちどうさま!」
という元気な声とともにビールがやって来る。
私たちはすぐさまジョッキを手に取ると、
「「「「乾杯っ!」」」」
と誰からともなく音頭を取って、打ち上げが始まった。
「「「「ぷっはぁ…」」」」
と全員の声がそろう。
そして、みんなで笑い合っていると、
「つまみは適当に頼んどいたぜ」
というガンツのおっさんの言葉通り次々と料理がやってきた。
サラダに始まり、揚げ芋、メンチカツ、手羽先、ラザニア、鹿肉のローストに厚切りチャーシュー。
その全てが人数分のてんこ盛り。
その量を見て、私は、
(ていうか、多くない?しかも、肉ばっかり)
と、やや圧倒されたが、『烈火』の3人は迷わずそれぞれが選んだ肉にかぶりついている。
(うわ。こりゃ負けてられないわ)
と私の中で謎の闘争心に火が着き、私もまずは半熟の目玉焼きが乗った厚切りチャーシューにかぶりついた。
卵の黄身のとろっとした口当たりと分厚いチャーシューの噛み応えがたまらない。
奥からあふれ出てくる肉汁と塩気を感じて一気にビールを流し込む。
次にメンチカツのソースの味でまたビールを流し込むと、私は勢いよく、
「お替りっ!4つね!」
とお姉さんに向かって注文した。
「お。なかなかやるじゃねぇか」
というガンツのおっさんに、私が少しドヤ顔で、
「こう見えて居酒屋育ちなのよ」
と言うと、ガンツのおっさんが、
「ほう。そいつぁなかなかのエリートさんじゃねぇか。よし、今日は勝負だ!」
と言って来る。
しかし、そのガンツのおっさんの頭をサーシャさんがパチンと叩いて、
「今日は、私がいるってことを忘れないでよ」
とジト目を向けた。
ガンツのおっさんが一気にシュンとなる。
「ははは。勝負はお預けね」
と私が笑うと、ガンツのおっさんは、
「ああ。今日の所は見逃してやるよ」
と、苦笑いで吐き捨てた。
その後も笑い声が響き、お酒が進む。
宴席も中盤に差し掛かってきた頃、私は思い切ってアインさんに、
「ねぇ。あの強化魔法ってどうやって覚えたの?」
と聞いてみた。
しかし、アインさんは、
「あー…。あれな。実はサーシャに言われるまで知らなかったんだ。あれが強化魔法だってな」
と、頭を掻きながら申し訳なさそうな顔になる。
「え?どういうこと?」
と聞くと横からサーシャさんが、
「こいつはいわゆる天才ってやつね。理屈じゃなく感覚派って言えばいいのかしら。とにかくこいつのあれは特別ってことね」
と説明してくれて、アインさんも、
「ああ。なんていうか、こう、体の中が、『ぐわぁ』ってなってその熱が剣に移っていくって感じだ」
と、なんとも抽象的な説明をしてくれた。
私が、
(なんじゃそりゃ?)
と思っていると、アインさんは少し慌てて、
「ああ、でも。今回ジルのあの聖魔法を見てちょっと似てるなって思ったぞ。なんていうか、あの地面に走ってたあの線があるだろ?あれが体の中にあって、そこに魔力を流す感じっていうか…。まぁ、イメージはそんな感じだ」
と、なんとなく自分の中の感覚らしきものを言葉にしようとしてくれる。
私はまたぽかんとしてしまったが、ふと、
(え?体の中にも魔素の流れがあって、それを感じてるってこと?)
ということに気が付き、
「ちょ、それ詳しく!」
とやや前のめりでアインさんに詰め寄った。
その後、しどろもどろながらもアインさんが説明してくれた理屈によると、集中しているとあの地脈の流れに似た線が自分の体の中にあるようなイメージがあって、それに沿って魔素を巡らせるように動かしているのだという。
私は、またしても、
(なに、それ?)
と思いつつその話を聞き、そこから、
(要するに自分の中の地脈を整えてやるってことよね?だとしたら、私も習得できる可能性があるんじゃないかしら?)
ということに気が付いた。
「すまん、やっぱり上手く説明できん」
とまた申し訳なさそうな顔をするアインさんに、私は、
「いや。十分よ。参考になったわ。ありがとう」
と素直に礼を述べる。
(とりあえず私の目指すべき所にひとつの道標ができた。魔素の調整なら聖女の専門だもの。もしかしたら、それがいかせるかもしれないってことよね)
と思うと、私は未来へのきっかけが見えたような気がして、嬉しさを感じ、目の前にあったジョッキを大きく傾けた。
翌朝。
少しだけ痛む頭を抱えて朝食の席へ向かう。
そこで、
「今回はいい勉強になったわ」
とアインさん、サーシャさんと握手を交わし、ついでにガンツのおっさんとも握手をしてあげた。
私たちは冒険者らしく手早く朝食を済ませると、それぞれの道を歩む。
私は教会長さんへの手紙を書きに部屋へ戻り、『烈火』の3人は次の冒険へと向かって行った。
今回わかったことは既存の浄化の魔導石だけでは地脈の変化に対応できていないということ。
それが予想以上に深刻で、携帯用の浄化の魔導石では応急処置にしかならなかったこと。
あと、今後、それを解消するのであれば冒険者との協力や新たな浄化の魔導石の設置が欠かせなくなってくるだろうことだ。
私にできることはする。
ただし、私一人で出来ることは限られているから、本部にも動いてもらわなければならない。
聖女の仕事の形骸化は予想以上に深刻だ。
そのことを切々と手紙にしたためた。
(さて、どうなることやら…)
そう思ってペンを置く。
宿の窓から差し込んでくる春の日差しは私がチト村を出た時よりもずいぶんと暖かくなっているように感じられた。
(元気かな)
ユリカちゃんとアンナさんの顔を思い浮かべる。
なんとなくしんみりとするようなほっこりとするような、そんなじんわりとした温かさを胸の中に感じ、私は荷物をまとめ始めた。
昼前。
近所で野菜を分けてもらってエリーのもとへ向かう。
いつものように甘えてくるエリーにたっぷりとニンジンをあげて撫でてやると、少し落ち着いた所で荷物を積ませてもらった。
「さぁ、帰ろうか」
という私の声に、エリーが、
「ひひん!」
と元気よく鳴いて答える。
私は、
(さて、今回のお土産は魚の干物ね。ちょっと遠回りになっちゃうけど、その分喜んでもらえるかな?)
と考えながら、エリーに跨り、前進の合図を出した。
穏やかな春の日差しに照らされ、野の花がそよ風に揺れるあぜ道を進む。
私はただ真っすぐその道の先を見つめてエリーの背に揺られた。
79
お気に入りに追加
213
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
【完結】お花畑ヒロインの義母でした〜連座はご勘弁!可愛い息子を連れて逃亡します〜
himahima
恋愛
夫が少女を連れ帰ってきた日、ここは前世で読んだweb小説の世界で、私はざまぁされるお花畑ヒロインの義母に転生したと気付く。
えっ?!遅くない!!せめてくそ旦那と結婚する10年前に思い出したかった…。
ざまぁされて取り潰される男爵家の泥舟に一緒に乗る気はありませんわ!
★恋愛ランキング入りしました!
読んでくれた皆様ありがとうございます。
連載希望のコメントをいただきましたので、
連載に向け準備中です。
*他サイトでも公開中
日間総合ランキング2位に入りました!
家の全仕事を請け負っていた私ですが「無能はいらない!」と追放されました。
水垣するめ
恋愛
主人公のミア・スコットは幼い頃から家の仕事をさせられていた。
兄と妹が優秀すぎたため、ミアは「無能」とレッテルが貼られていた。
しかし幼い頃から仕事を行ってきたミアは仕事の腕が鍛えられ、とても優秀になっていた。
それは公爵家の仕事を一人で回せるくらいに。
だが最初からミアを見下している両親や兄と妹はそれには気づかない。
そしてある日、とうとうミアを家から追い出してしまう。
自由になったミアは人生を謳歌し始める。
それと対象的に、ミアを追放したスコット家は仕事が回らなくなり没落していく……。
覚悟は良いですか、お父様? ―虐げられた娘はお家乗っ取りを企んだ婿の父とその愛人の娘である異母妹をまとめて追い出す―
Erin
恋愛
【完結済・全3話】伯爵令嬢のカメリアは母が死んだ直後に、父が屋敷に連れ込んだ愛人とその子に虐げられていた。その挙句、カメリアが十六歳の成人後に継ぐ予定の伯爵家から追い出し、伯爵家の血を一滴も引かない異母妹に継がせると言い出す。後を継がないカメリアには嗜虐趣味のある男に嫁がられることになった。絶対に父たちの言いなりになりたくないカメリアは家を出て復讐することにした。7/6に最終話投稿予定。
宮廷錬成師の私は妹に成果を奪われた挙句、『給与泥棒』と罵られ王宮を追放されました ~後になって私の才能に気付いたってもう遅い!
日之影ソラ
ファンタジー
【16日0時に一話以外削除予定しました】
※小説家になろうにて最新話まで更新中です。
錬成師の家系に生まれた長女アリア・ローレンス。彼女は愛人との間に生まれた子供で、家や周囲の人間からは良くない扱いを受けていた。
それでも錬成師の才能があった彼女は、成果を示せばいずれ認めてもらえるかもしれないという期待の胸に、日々努力を重ねた。しかし、成果を上げても妹に奪われてしまう。成果を横取りする妹にめげず精進を重ね、念願だった宮廷錬成師になって一年が経過する。
宮廷付きになっても扱いは変わらず、成果も相変わらず妹に横取りされる毎日。ついには陛下から『給与泥棒』と罵られ、宮廷を追い出されてしまった。
途方に暮れるアリアだったが、小さい頃からよく素材集めで足を運んだ森で、同じく錬成師を志すユレンという青年と再会する。
「行く当てがないなら、俺の国に来ないか?」
実は隣国の第三王子で、病弱な妹のために錬成術を学んでいたユレン。アリアの事情を知る彼は、密かに彼女のことを心配していた。そんな彼からの要望を受け入れたアリアは、隣国で錬成師としての再スタートを目指す。
これは才能以上に努力家な一人の女の子が、新たな場所で幸せを掴む物語。
知りませんでした?私再婚して公爵夫人になりました。
京月
恋愛
学生時代、家の事情で士爵に嫁がされたコリン。
他国への訪問で伯爵を射止めた幼馴染のミーザが帰ってきた。
「コリン、士爵も大変よね。領地なんてもらえないし、貴族も名前だけ」
「あらミーザ、知りませんでした?私再婚して公爵夫人になったのよ」
「え?」
(完結)お姉様を選んだことを今更後悔しても遅いです!
青空一夏
恋愛
私はブロッサム・ビアス。ビアス候爵家の次女で、私の婚約者はフロイド・ターナー伯爵令息だった。結婚式を一ヶ月後に控え、私は仕上がってきたドレスをお父様達に見せていた。
すると、お母様達は思いがけない言葉を口にする。
「まぁ、素敵! そのドレスはお腹周りをカバーできて良いわね。コーデリアにぴったりよ」
「まだ、コーデリアのお腹は目立たないが、それなら大丈夫だろう」
なぜ、お姉様の名前がでてくるの?
なんと、お姉様は私の婚約者の子供を妊娠していると言い出して、フロイドは私に婚約破棄をつきつけたのだった。
※タグの追加や変更あるかもしれません。
※因果応報的ざまぁのはず。
※作者独自の世界のゆるふわ設定。
※過去作のリメイク版です。過去作品は非公開にしました。
※表紙は作者作成AIイラスト。ブロッサムのイメージイラストです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる