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第十二章〜全てを失っても夢想を手に〜
28.十年の準備
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賢者の塔、第8階と第9階は倉庫となっている。故にここを守る魔法使いは少なく、他の階層よりも多くの魔物が跋扈していた。
転移魔法陣が使えなくなり、下に直接降りようとする魔法使いはこの魔物に阻まれて引き返す事になる。それ程までに大量の強力な魔物がそこに集まっていたからだ。
人を集めれば通れなくはないだろう。しかしこの状況で人を集める余裕などあろうはずもない。よって、誰が言ったわけでもなくそこは通行止めとなっていた。
――たった一人を除いて。
その男は迷いなく9階へ降り、近付く魔物を容易く跳ね除けて8階まで降りる。8階まで降りるとより強力な魔物がいるが、その男は顔色一つ変えない。
彼には、それが許される。
全魔法使いの頂点、賢神第一席にして全ての精霊を束ねる『精霊王』レイ・アルカッセル。無法を通すだけの実力を彼は持っている。
「狙いはオーディンか。ま、道理だね。彼女を落とす事は十万の魔物に匹敵する価値がある。」
8階の下、即ち7階の大魔導図書館の様子を魔力で調べながらレイはそう言った。
オーディンは確かに強い。しかし、相手は必ず勝算を持ってここに来ているはずだ。何かしらの奥の手でオーディンが殺される事も十分にあり得る。
「僕がいなければの話だけどな。ここにいる魔物も人も、全員生きて帰さないし。」
第8階の魔物の数は特に多い。だがレイの周辺だけ、まるでいつも通りの賢者の塔であるかのように魔物の影は見えなかった。知性の薄い魔物が本能で遠ざかる程に、レイは生物としての格が違ったのだ。
勝てるはずがない。だってそうだろう、人がどうやって大自然の象徴たる精霊王に挑めるのだ。揺れる大地を人が止められるか、荒れ狂う嵐を人が止められるか、地表を飲み込む海を人が止められると言うのか。
否、止められるはずかない。
「ここにいたか、レイ。」
そんな一人でいるレイの所に、ハデスが姿を現す。レイには及ばないが、ハデスも老齢の優秀な魔法使いである。
レイほどに余裕綽々とここまでは来れなかっただろうが、辿り着ける事自体は驚くべき事でない。
「おお、ハデスじゃないか。どうしてここに来たんだい?」
「……お前と同じだ。オーディンを殺させるわけにはいかん。それにオーディンの手が空けば、この賢者の塔の騒動も直ぐに終わる。オーディン程に多対一に優れた魔法使いは存在しないはずだ。」
なるほど、とレイは頷く。
同じ魔法使いでも色がある。アルスが近接の高速戦闘を得意とするように、オーディンは広範囲の殲滅魔法を得意とする。それは数百年に渡り魔力に親しみ、洗練してきたからこその力だ。
対してハデスは広範囲の魔法は下準備を必要としてしまう。冠位の中でも集団戦は不得手な方であるといえた。
「それにしても、君も随分と立派になったものだね。あの青二才だった頃の君が懐かしいよ。」
「思い出話なら後にしろ。今は非常事態だ。」
「いやいや、聞いておけよ。ここで数分時間を無駄にしたって、大して結果は変わらないさ。」
レイは呑気に地べたに座り込んでハデスと目を合わせた。
「君は類稀なる努力の結果、冠位に辿り着いた。そして数十年に渡りその座を守り抜いている。僕が気になったのは、何がそこまで君を突き動かすかだ。」
人の行動は基本的に動機が存在する。本人にとっては何でもないような行動であっても、深層心理には必ず理由を持つものだ。
それが数十年に渡るものであれば、その動機も当然ながら強いものである。人は興味や好悪だけで長く物事を続けられるものじゃない。
そこに人の性格の根源が現れるのだ。
「君は魔法が嫌いだ。手段や道具としか思っていない。というのに、何故か今も熱心に研究を続けている。これは君に大きな目標があるからだ、そうだろう?」
ハデスは巨万の財を得て、冠位という権力を得て、そして研究者としての名誉を得た。それでも尚、研究をし続けている。魔法が好きというわけでもないのに。
「さて、ここからが本題なわけだけど――」
レイは微かな笑みを浮かべる。
「――お前、組織とどんな契約をした?」
重苦しい沈黙が辺りに響いた。1秒、2秒、3秒と時間だけが流れる。ハデスは何も語らない。
「答える気がないんだったら、もういいよ。ここで僕に殺されておけ。」
レイの体から魔力が漏れ出る。それは並の魔法使いの比ではない程に濃密で、周囲の大気を制圧する。ハデスが指先一つ動かせば、その瞬間に命を刈り取られるような圧力がレイにはあった。
それでも――ハデスは正面からレイを目の中に捉える。
「悪いな、精霊の王よ。」
目深に被ったつばの広い帽子、長い髭、シワだらけの顔、そして本人の性格。あらゆる要因が彼の表情を読み取るのを困難とする。
だというのに、それが誰が見ても明らかに分かるほどに彼は笑った。
「儂は今日の為に10年の歳月を費やしたぞ。」
指先の一つも、ハデスの体は動かなかった。ただ足先からほんの僅かに魔力が流れ出ただけだ。
ただそれだけで、この階層全てに魔力が走る。
一体どれだけの準備を費やしたのか想像がつかない程の大魔法陣が、足元で光を放つ。そして何よりもあり得ない事に、これほどの魔法陣がたった一つの生命体に向けられていた。
「これは――」
足元から無数の光の鎖がレイへと向かう。それを反射的に結界で防ぐが、その結界ごと鎖は縛り付ける。重要なのはこの場から逃げられないという事だ。
この魔法陣から逃れるような転移魔法を使える時間はない。攻撃魔法で術者を狙おうにもハデスにはいくつもの防御魔法がはられている。移動して逃げるのは論外。いくらレイであってもこの鎖を壊すならともかく、逃げ切るのは容易ではない。
それならレイが確認するのは、この魔法陣がどんな効果を持っているか。
「――転移魔法か。」
次の瞬間に二人の姿は掻き消える。魔法陣も光を失い、薄暗い闇の中で魔物の声だけが響く。
広がる景色が切り替わり、今度は薄暗い部屋の中にレイはいた。ハデスも同じ部屋の中にいる。
「知っておるはずだ。魔法使いが最も強い場所は、己が工房であると。」
光源は壁に点在する蝋燭だけで、自分の足元すらろくに見えはしない。
ただ、レイには分かった。この部屋の天井や壁、床の至る所に細かく魔法陣が刻まれている事を。これら全てが、ハデスに味方をするという事を。
「名も無き組織、そして新たな魔王軍が奮起し賢者の塔へと攻め込んだ。その最大の狙いは、お前だ。」
魔力は励起する。
「この中で儂に勝てるイメージが湧くか、レイ・アルカッセル。」
レイは初めて、冷や汗をかいた。
転移魔法陣が使えなくなり、下に直接降りようとする魔法使いはこの魔物に阻まれて引き返す事になる。それ程までに大量の強力な魔物がそこに集まっていたからだ。
人を集めれば通れなくはないだろう。しかしこの状況で人を集める余裕などあろうはずもない。よって、誰が言ったわけでもなくそこは通行止めとなっていた。
――たった一人を除いて。
その男は迷いなく9階へ降り、近付く魔物を容易く跳ね除けて8階まで降りる。8階まで降りるとより強力な魔物がいるが、その男は顔色一つ変えない。
彼には、それが許される。
全魔法使いの頂点、賢神第一席にして全ての精霊を束ねる『精霊王』レイ・アルカッセル。無法を通すだけの実力を彼は持っている。
「狙いはオーディンか。ま、道理だね。彼女を落とす事は十万の魔物に匹敵する価値がある。」
8階の下、即ち7階の大魔導図書館の様子を魔力で調べながらレイはそう言った。
オーディンは確かに強い。しかし、相手は必ず勝算を持ってここに来ているはずだ。何かしらの奥の手でオーディンが殺される事も十分にあり得る。
「僕がいなければの話だけどな。ここにいる魔物も人も、全員生きて帰さないし。」
第8階の魔物の数は特に多い。だがレイの周辺だけ、まるでいつも通りの賢者の塔であるかのように魔物の影は見えなかった。知性の薄い魔物が本能で遠ざかる程に、レイは生物としての格が違ったのだ。
勝てるはずがない。だってそうだろう、人がどうやって大自然の象徴たる精霊王に挑めるのだ。揺れる大地を人が止められるか、荒れ狂う嵐を人が止められるか、地表を飲み込む海を人が止められると言うのか。
否、止められるはずかない。
「ここにいたか、レイ。」
そんな一人でいるレイの所に、ハデスが姿を現す。レイには及ばないが、ハデスも老齢の優秀な魔法使いである。
レイほどに余裕綽々とここまでは来れなかっただろうが、辿り着ける事自体は驚くべき事でない。
「おお、ハデスじゃないか。どうしてここに来たんだい?」
「……お前と同じだ。オーディンを殺させるわけにはいかん。それにオーディンの手が空けば、この賢者の塔の騒動も直ぐに終わる。オーディン程に多対一に優れた魔法使いは存在しないはずだ。」
なるほど、とレイは頷く。
同じ魔法使いでも色がある。アルスが近接の高速戦闘を得意とするように、オーディンは広範囲の殲滅魔法を得意とする。それは数百年に渡り魔力に親しみ、洗練してきたからこその力だ。
対してハデスは広範囲の魔法は下準備を必要としてしまう。冠位の中でも集団戦は不得手な方であるといえた。
「それにしても、君も随分と立派になったものだね。あの青二才だった頃の君が懐かしいよ。」
「思い出話なら後にしろ。今は非常事態だ。」
「いやいや、聞いておけよ。ここで数分時間を無駄にしたって、大して結果は変わらないさ。」
レイは呑気に地べたに座り込んでハデスと目を合わせた。
「君は類稀なる努力の結果、冠位に辿り着いた。そして数十年に渡りその座を守り抜いている。僕が気になったのは、何がそこまで君を突き動かすかだ。」
人の行動は基本的に動機が存在する。本人にとっては何でもないような行動であっても、深層心理には必ず理由を持つものだ。
それが数十年に渡るものであれば、その動機も当然ながら強いものである。人は興味や好悪だけで長く物事を続けられるものじゃない。
そこに人の性格の根源が現れるのだ。
「君は魔法が嫌いだ。手段や道具としか思っていない。というのに、何故か今も熱心に研究を続けている。これは君に大きな目標があるからだ、そうだろう?」
ハデスは巨万の財を得て、冠位という権力を得て、そして研究者としての名誉を得た。それでも尚、研究をし続けている。魔法が好きというわけでもないのに。
「さて、ここからが本題なわけだけど――」
レイは微かな笑みを浮かべる。
「――お前、組織とどんな契約をした?」
重苦しい沈黙が辺りに響いた。1秒、2秒、3秒と時間だけが流れる。ハデスは何も語らない。
「答える気がないんだったら、もういいよ。ここで僕に殺されておけ。」
レイの体から魔力が漏れ出る。それは並の魔法使いの比ではない程に濃密で、周囲の大気を制圧する。ハデスが指先一つ動かせば、その瞬間に命を刈り取られるような圧力がレイにはあった。
それでも――ハデスは正面からレイを目の中に捉える。
「悪いな、精霊の王よ。」
目深に被ったつばの広い帽子、長い髭、シワだらけの顔、そして本人の性格。あらゆる要因が彼の表情を読み取るのを困難とする。
だというのに、それが誰が見ても明らかに分かるほどに彼は笑った。
「儂は今日の為に10年の歳月を費やしたぞ。」
指先の一つも、ハデスの体は動かなかった。ただ足先からほんの僅かに魔力が流れ出ただけだ。
ただそれだけで、この階層全てに魔力が走る。
一体どれだけの準備を費やしたのか想像がつかない程の大魔法陣が、足元で光を放つ。そして何よりもあり得ない事に、これほどの魔法陣がたった一つの生命体に向けられていた。
「これは――」
足元から無数の光の鎖がレイへと向かう。それを反射的に結界で防ぐが、その結界ごと鎖は縛り付ける。重要なのはこの場から逃げられないという事だ。
この魔法陣から逃れるような転移魔法を使える時間はない。攻撃魔法で術者を狙おうにもハデスにはいくつもの防御魔法がはられている。移動して逃げるのは論外。いくらレイであってもこの鎖を壊すならともかく、逃げ切るのは容易ではない。
それならレイが確認するのは、この魔法陣がどんな効果を持っているか。
「――転移魔法か。」
次の瞬間に二人の姿は掻き消える。魔法陣も光を失い、薄暗い闇の中で魔物の声だけが響く。
広がる景色が切り替わり、今度は薄暗い部屋の中にレイはいた。ハデスも同じ部屋の中にいる。
「知っておるはずだ。魔法使いが最も強い場所は、己が工房であると。」
光源は壁に点在する蝋燭だけで、自分の足元すらろくに見えはしない。
ただ、レイには分かった。この部屋の天井や壁、床の至る所に細かく魔法陣が刻まれている事を。これら全てが、ハデスに味方をするという事を。
「名も無き組織、そして新たな魔王軍が奮起し賢者の塔へと攻め込んだ。その最大の狙いは、お前だ。」
魔力は励起する。
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