163 / 474
第七章~何も盗んだことのない怪盗~
4.城下町
しおりを挟む
朝日が上るその少し前、未だ光が差し込むことのない時間に俺は目を覚ました。
体を伸ばし、水魔法で喉だけを潤して、そして服を着替える。服は大して豪華なものではないが、アースからそこそこ高めの服を貰っていた。国からの使者が平民と同じ服装では、面子が立たないからだろう。
顔を洗うのも髪の毛を整えるのも、魔法があれば直ぐにできる。身だしなみを整えるレベルの緻密な魔法は、そこらの魔法使いには使えないから、これも修練の成果と言えよう。
俺は窓を開け、そして体を風に変えて外に出る。
朝の散歩だ。ついでに言うのであれば、ちょっとばかし向かいたい所がある。
「……どうしようか。」
俺は欠伸をしながらそう呟く。昨日はよく眠れなかった。突然と、今まで会ったことのない祖父と会う事になったからだ。
家族に会えたのだ。それは無条件に嬉しい。家族と一緒に幸せに暮らせるのなら、それ以上に嬉しい事などそうない。
だが、前評判があまりにも悪過ぎた。
国王代理であるストルトスの悪評は他国にも届くほどだ。血族を重視する独裁体制の悪い例であるとして、非難の対象となっている。そんな人が自分の祖父であるという事が、正直ショックだった。
「まだどこも店は開いてないか。」
俺は街に降り、どこも店が開いていない商店街を歩いていく。
しかしそんな中、ランプを使って暗闇を照らし、ある店の前で体を伸ばしている人がいた。歳は50代ほどの男で、かなり厳つい顔をしている。
「ぉお?こんな朝っぱらから何をやってんだい?」
「それはお互い様だろ。」
「俺ァ店の準備だよ。これぐらいから仕込みをしておかなきゃあ、開店に間に合わないんだ。」
「ここ、何屋なんだ?」
「パン屋だよ。」
その顔でパン屋かよ。てっきり鍛冶屋かと思ってたわ。
「兄ちゃんは……旅人かい?ここら辺じゃあ見ねえ顔をしてるがよ。」
「まあ、そんな感じだ。」
「じゃあ、丁度焼き上がったし、うちのパンを食っていくか?勿論金は頂くけどよ。」
「タダじゃねえのか。いや、食うけど。」
「毎度あり!」
そう言って店の奥に引っ込んでいった。
確かに良い匂いがする。パン独特の匂いだ。学園時代から騎士としての給金はもらっていたから、金なら幸いに沢山あるし、パンを食うのもいいだろう。
「ほらよ、出来立てだから熱いぞ。」
「ありがと。」
「値段はこれぐらいだ。」
パン屋の男はトングで掴んだロールパンを俺の手に置き、値段が書かれた紙を俺に見せた。
ちょっと高い気がする。いや、別に大した金額ではないが、相場より少し高いような気がしなくもない。
「どうせ金持ってんだろ。これぐらい、いいじゃねえか。」
「商魂逞しいな。出来立てだし、普通に美味そうだから文句はないけど。」
俺は懐から金を手渡す。パンは熱いが、変身魔法が使える関係で、生憎とそういうのには耐性があった。熱いけれども火傷はしない。
「あんた、この店の店主か。」
「その通り。唯一の従業員でもある。」
「かなり大きな店に見えるが、従業員は雇わないのか?」
「雇う意味がねえんだよ。客はそんなに来ねえ。」
俺はパン食いながら店長の話を聞く。折角人に会ったのだから、この国の事を聞いておきたい。
「知ってるか、兄ちゃん。この国の人口、最近になって極端に減りやがったんだ。」
「それは、どうして?」
「税金が増えたからだよ。幸いにも隣にある国、ロギアはいい国だ。みんなそっちに逃げて行ったんだ。人が減って更に税金は増えて、余計に人は逃げて。ここ数年はずっとそれなんだよ。」
そこまで人が動くほど、税金が重いのか。これは想像以上に酷いかもしれない。
「そんで、最近になってやっと、国が人材の流出を防ぐために移住にストップをかけ始めてな。今いるのは逃げ遅れた、もしくはここから離れたくなかった奴らだけだ。」
「ちなみに店主はどっちなんだ?」
「俺ァ当然ここから離れたくなかったのさ。この国には愛着がある。思い出がある。いくら今の国王が腐っていようが、ここは俺の故郷だからな。」
民が政に口を出せる辺り、数年前までは良い国であった事には違いがないのだろう。余裕がなければ政治に目などいかない。
反乱が起きないのは、それ程までに絶大な権力を国が有しているからか。
「……悪い事は言わねえ。さっさとこの国から出て行きな。長居してる内に、旅行客にも制限をかけ始めるかもしれねえ。何やるかわかんねえんだ、今の国王代理は。」
俺もできる事ならそうしたい。だが、依頼は依頼だ。それにその国王代理は俺の祖父なのだ。責任を感じずにはいられない。
いや、関係ないのはわかっている。それでも家族だ。俺の家族なのだ。放ってはおくなど、選択肢には最初からなかった。
「わかった、ありがとよ店主。パンも美味かった。」
そう言ってパンを食い切り、その場を後にする。
「おうよ。もし、この国が良くなったらまた来てくれよ、兄ちゃん。」
「その前に潰れないようにな。」
「三十年は潰させねえよ。うちのパンは絶品だからな!」
腐ってはいなかった。人は大勢逃げたかもしれない。だけどそれでも、残りたい奴が残った。
まだ、彼らには見えているのだ。過去のリクラブリア王国が。百年前に植民地状態から自由を勝ち取った、気高いリクラブリアの魂が。
そして、この国をそうさせてしまったのは、他ならぬ俺の祖父である。
「……気持ち悪い。」
俺は再び街の中を歩いていく。複雑な感情を抱えたまま、街の景色を見て、動き始める街を見ながら歩いていく。
理性では分かっている。きっと俺とストルトスは分かり合えないだろう。しかしみっともなく、まだ改心できるかもしれない、まだ仲良くできるかもしれない。そんな淡い期待を追っている自分もいる。
「別に争う必要性もないはずだ。今のところ、あの人は俺に何もしてきていない。話せば案外、分かってくれる人かもしれない。」
俺は自分に言い聞かせるようにして街の中を歩く。いつの間にか太陽の光が差し込み始めていた。
そろそろ城に戻らなければと思い、変身魔法を使っても目立たない、路地裏の方へと足を進める。まだ早朝な方なので、人の数は少なく、誰もいない道を見つけるのは簡単だった。
「待て!」
帰ろうと魔法を使おうとした瞬間、男にしては高い声で呼び止められる。振り返ればそこには、黒髪の青年がそこには立っていた。
昨日会った青年だ。確か名前をイデアと言っていた。
手には一本の筒を持っていて、それを俺の方へと向けている。多少の魔力を帯びていることから、恐らくは魔道具だろう。
「こっちに来い。これは魔力弾を放てる魔道具だ。おかしな行動をすれば撃つ。」
「オイオイ、昨日助けなかったか。恩知らずにもほどがあるだろ。」
「それについては感謝してる。だけど僕には、手段を選ぶ余裕も、時間もない。」
俺は分かりやすく溜息を吐く。元よりこっちから会いに行くつもりだったが、まさかこんな風に会う事になるとは思っていなかったのだ。
「だから、大人し、く――」
「よっし、捕まえた。」
地面の下を通っていた蔦が、イデアの足へ絡みつき、そして体全体を縛るようにして宙吊りの状態にさせる。
魔法使いでもなさそうだ。火魔法で燃やそうとする気配もないし。
「やった! イデアを つかまえたぞ!」
「な、何言ってるの?」
「図鑑に登録しなくちゃ。」
「何言ってるの!?」
襲われたら正当防衛だよね。ちょっと話を聞くだけのつもりだったが、こうなっては仕方あるまい。しっかりと話を聞こうじゃないか。
「離せ! 何だ、これ!」
「異世界は便利だけど、ゲームがないのがつまらないな。ボードゲームも楽しいには楽しいけど。」
「話聞いてる!?」
俺は蔦でイデアを引きずりながら、街を歩いて行った。城へ戻るのは少々遅くなりそうだ。
体を伸ばし、水魔法で喉だけを潤して、そして服を着替える。服は大して豪華なものではないが、アースからそこそこ高めの服を貰っていた。国からの使者が平民と同じ服装では、面子が立たないからだろう。
顔を洗うのも髪の毛を整えるのも、魔法があれば直ぐにできる。身だしなみを整えるレベルの緻密な魔法は、そこらの魔法使いには使えないから、これも修練の成果と言えよう。
俺は窓を開け、そして体を風に変えて外に出る。
朝の散歩だ。ついでに言うのであれば、ちょっとばかし向かいたい所がある。
「……どうしようか。」
俺は欠伸をしながらそう呟く。昨日はよく眠れなかった。突然と、今まで会ったことのない祖父と会う事になったからだ。
家族に会えたのだ。それは無条件に嬉しい。家族と一緒に幸せに暮らせるのなら、それ以上に嬉しい事などそうない。
だが、前評判があまりにも悪過ぎた。
国王代理であるストルトスの悪評は他国にも届くほどだ。血族を重視する独裁体制の悪い例であるとして、非難の対象となっている。そんな人が自分の祖父であるという事が、正直ショックだった。
「まだどこも店は開いてないか。」
俺は街に降り、どこも店が開いていない商店街を歩いていく。
しかしそんな中、ランプを使って暗闇を照らし、ある店の前で体を伸ばしている人がいた。歳は50代ほどの男で、かなり厳つい顔をしている。
「ぉお?こんな朝っぱらから何をやってんだい?」
「それはお互い様だろ。」
「俺ァ店の準備だよ。これぐらいから仕込みをしておかなきゃあ、開店に間に合わないんだ。」
「ここ、何屋なんだ?」
「パン屋だよ。」
その顔でパン屋かよ。てっきり鍛冶屋かと思ってたわ。
「兄ちゃんは……旅人かい?ここら辺じゃあ見ねえ顔をしてるがよ。」
「まあ、そんな感じだ。」
「じゃあ、丁度焼き上がったし、うちのパンを食っていくか?勿論金は頂くけどよ。」
「タダじゃねえのか。いや、食うけど。」
「毎度あり!」
そう言って店の奥に引っ込んでいった。
確かに良い匂いがする。パン独特の匂いだ。学園時代から騎士としての給金はもらっていたから、金なら幸いに沢山あるし、パンを食うのもいいだろう。
「ほらよ、出来立てだから熱いぞ。」
「ありがと。」
「値段はこれぐらいだ。」
パン屋の男はトングで掴んだロールパンを俺の手に置き、値段が書かれた紙を俺に見せた。
ちょっと高い気がする。いや、別に大した金額ではないが、相場より少し高いような気がしなくもない。
「どうせ金持ってんだろ。これぐらい、いいじゃねえか。」
「商魂逞しいな。出来立てだし、普通に美味そうだから文句はないけど。」
俺は懐から金を手渡す。パンは熱いが、変身魔法が使える関係で、生憎とそういうのには耐性があった。熱いけれども火傷はしない。
「あんた、この店の店主か。」
「その通り。唯一の従業員でもある。」
「かなり大きな店に見えるが、従業員は雇わないのか?」
「雇う意味がねえんだよ。客はそんなに来ねえ。」
俺はパン食いながら店長の話を聞く。折角人に会ったのだから、この国の事を聞いておきたい。
「知ってるか、兄ちゃん。この国の人口、最近になって極端に減りやがったんだ。」
「それは、どうして?」
「税金が増えたからだよ。幸いにも隣にある国、ロギアはいい国だ。みんなそっちに逃げて行ったんだ。人が減って更に税金は増えて、余計に人は逃げて。ここ数年はずっとそれなんだよ。」
そこまで人が動くほど、税金が重いのか。これは想像以上に酷いかもしれない。
「そんで、最近になってやっと、国が人材の流出を防ぐために移住にストップをかけ始めてな。今いるのは逃げ遅れた、もしくはここから離れたくなかった奴らだけだ。」
「ちなみに店主はどっちなんだ?」
「俺ァ当然ここから離れたくなかったのさ。この国には愛着がある。思い出がある。いくら今の国王が腐っていようが、ここは俺の故郷だからな。」
民が政に口を出せる辺り、数年前までは良い国であった事には違いがないのだろう。余裕がなければ政治に目などいかない。
反乱が起きないのは、それ程までに絶大な権力を国が有しているからか。
「……悪い事は言わねえ。さっさとこの国から出て行きな。長居してる内に、旅行客にも制限をかけ始めるかもしれねえ。何やるかわかんねえんだ、今の国王代理は。」
俺もできる事ならそうしたい。だが、依頼は依頼だ。それにその国王代理は俺の祖父なのだ。責任を感じずにはいられない。
いや、関係ないのはわかっている。それでも家族だ。俺の家族なのだ。放ってはおくなど、選択肢には最初からなかった。
「わかった、ありがとよ店主。パンも美味かった。」
そう言ってパンを食い切り、その場を後にする。
「おうよ。もし、この国が良くなったらまた来てくれよ、兄ちゃん。」
「その前に潰れないようにな。」
「三十年は潰させねえよ。うちのパンは絶品だからな!」
腐ってはいなかった。人は大勢逃げたかもしれない。だけどそれでも、残りたい奴が残った。
まだ、彼らには見えているのだ。過去のリクラブリア王国が。百年前に植民地状態から自由を勝ち取った、気高いリクラブリアの魂が。
そして、この国をそうさせてしまったのは、他ならぬ俺の祖父である。
「……気持ち悪い。」
俺は再び街の中を歩いていく。複雑な感情を抱えたまま、街の景色を見て、動き始める街を見ながら歩いていく。
理性では分かっている。きっと俺とストルトスは分かり合えないだろう。しかしみっともなく、まだ改心できるかもしれない、まだ仲良くできるかもしれない。そんな淡い期待を追っている自分もいる。
「別に争う必要性もないはずだ。今のところ、あの人は俺に何もしてきていない。話せば案外、分かってくれる人かもしれない。」
俺は自分に言い聞かせるようにして街の中を歩く。いつの間にか太陽の光が差し込み始めていた。
そろそろ城に戻らなければと思い、変身魔法を使っても目立たない、路地裏の方へと足を進める。まだ早朝な方なので、人の数は少なく、誰もいない道を見つけるのは簡単だった。
「待て!」
帰ろうと魔法を使おうとした瞬間、男にしては高い声で呼び止められる。振り返ればそこには、黒髪の青年がそこには立っていた。
昨日会った青年だ。確か名前をイデアと言っていた。
手には一本の筒を持っていて、それを俺の方へと向けている。多少の魔力を帯びていることから、恐らくは魔道具だろう。
「こっちに来い。これは魔力弾を放てる魔道具だ。おかしな行動をすれば撃つ。」
「オイオイ、昨日助けなかったか。恩知らずにもほどがあるだろ。」
「それについては感謝してる。だけど僕には、手段を選ぶ余裕も、時間もない。」
俺は分かりやすく溜息を吐く。元よりこっちから会いに行くつもりだったが、まさかこんな風に会う事になるとは思っていなかったのだ。
「だから、大人し、く――」
「よっし、捕まえた。」
地面の下を通っていた蔦が、イデアの足へ絡みつき、そして体全体を縛るようにして宙吊りの状態にさせる。
魔法使いでもなさそうだ。火魔法で燃やそうとする気配もないし。
「やった! イデアを つかまえたぞ!」
「な、何言ってるの?」
「図鑑に登録しなくちゃ。」
「何言ってるの!?」
襲われたら正当防衛だよね。ちょっと話を聞くだけのつもりだったが、こうなっては仕方あるまい。しっかりと話を聞こうじゃないか。
「離せ! 何だ、これ!」
「異世界は便利だけど、ゲームがないのがつまらないな。ボードゲームも楽しいには楽しいけど。」
「話聞いてる!?」
俺は蔦でイデアを引きずりながら、街を歩いて行った。城へ戻るのは少々遅くなりそうだ。
0
お気に入りに追加
374
あなたにおすすめの小説
[完結]異世界転生したら幼女になったが 速攻で村を追い出された件について ~そしていずれ最強になる幼女~
k33
ファンタジー
初めての小説です..!
ある日 主人公 マサヤがトラックに引かれ幼女で異世界転生するのだが その先には 転生者は嫌われていると知る そして別の転生者と出会い この世界はゲームの世界と知る そして、そこから 魔法専門学校に入り Aまで目指すが 果たして上がれるのか!? そして 魔王城には立ち寄った者は一人もいないと別の転生者は言うが 果たして マサヤは 魔王城に入り 魔王を倒し無事に日本に帰れるのか!?

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
能力値カンストで異世界転生したので…のんびり生きちゃダメですか?
火産霊神
ファンタジー
私の異世界転生、思ってたのとちょっと違う…?
24歳OLの立花由芽は、ある日異世界転生し「ユメ」という名前の16歳の魔女として生きることに。その世界は魔王の脅威に怯え…ているわけでもなく、レベルアップは…能力値がカンストしているのでする必要もなく、能力を持て余した彼女はスローライフをおくることに。そう決めた矢先から何やらイベントが発生し…!?
異世界に転生をしてバリアとアイテム生成スキルで幸せに生活をしたい。
みみっく
ファンタジー
女神様の手違いで通勤途中に気を失い、気が付くと見知らぬ場所だった。目の前には知らない少女が居て、彼女が言うには・・・手違いで俺は死んでしまったらしい。手違いなので新たな世界に転生をさせてくれると言うがモンスターが居る世界だと言うので、バリアとアイテム生成スキルと無限収納を付けてもらえる事になった。幸せに暮らすために行動をしてみる・・・

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する
美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」
御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。
ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。
✳︎不定期更新です。
21/12/17 1巻発売!
22/05/25 2巻発売!
コミカライズ決定!
20/11/19 HOTランキング1位
ありがとうございます!

僕だけレベル1~レベルが上がらず無能扱いされた僕はパーティーを追放された。実は神様の不手際だったらしく、お詫びに最強スキルをもらいました~
いとうヒンジ
ファンタジー
ある日、イチカ・シリルはパーティーを追放された。
理由は、彼のレベルがいつまでたっても「1」のままだったから。
パーティーメンバーで幼馴染でもあるキリスとエレナは、ここぞとばかりにイチカを罵倒し、邪魔者扱いする。
友人だと思っていた幼馴染たちに無能扱いされたイチカは、失意のまま家路についた。
その夜、彼は「カミサマ」を名乗る少女と出会い、自分のレベルが上がらないのはカミサマの所為だったと知る。
カミサマは、自身の不手際のお詫びとしてイチカに最強のスキルを与え、これからは好きに生きるようにと助言した。
キリスたちは力を得たイチカに仲間に戻ってほしいと懇願する。だが、自分の気持ちに従うと決めたイチカは彼らを見捨てて歩き出した。
最強のスキルを手に入れたイチカ・シリルの新しい冒険者人生が、今幕を開ける。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる