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ChapterⅦ:Candle
No112.Unreasonable
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「もうそうは言わせない。……むしろこのくらいが、一番飽きない。」
「そんな大口叩いていいのか?俺はこれを宣戦布告だと解釈させてもらうが。」
「構わないな。燈花、君との“決定的な違い”を見せてあげる。」
そう言うと、燈花はショットガンに火薬散弾を込め、発砲してきた。どうやら、癪に障ったようだ。
ただ、これも戦略のうちだ。これだけドンパチやっていれば、周囲の警戒に身が入らなくなるはず。
ただ、俺の生存率はグッと下がってしまう。大丈夫だ。今の俺はあの時のように何も出来ない奴じゃない。半端な覚悟で挑んでいない。
“命を懸けて、挑んでいる。”
グラウンド。倒しても倒してもゾンビのように次から次へと出てくる。血を流して倒れる人もいる中、ある一定の人だけが。
「きりがないわね……寵愛さん。あれってもしかして……。」
「うん。どうやら、人間に紛れてクローンが居るみたい。燈花は、私達をどうしても校舎に入れたくないみたいだね。」
「それって……もしかして……」
分かってる。燈花は、一人一人確実に殺す気だって。
それに、クローンは実弾を使っている。腕はそこまでだけど、目は離せない。私と夕憧でまとめて相手出来るのはせいぜい二十人。歪がクローンの大半を引き受けながら、八割の生徒を護衛している。
これが限界であって、誰か欠けると形勢が崩されてしまう状態。
要の安否も心配だけど、今ここを離れる訳にはいかない。
「くたばれ!……ぐはっ!」
私達がクローンに気を取られている中、一般人の燈花の仲間が包丁を持って突っ込んできたけど、私は彼の刃が刺さるより先に、ポケットに忍ばせていたナイフで彼を刺した。
私は近接特化で銃撃戦にはなんの特徴もないハンドガンで参加するしかない。
対して、夕憧は操作が忙しい多機能なクロスボウを使いこなして、クローンを一掃している。ただ、彼女は近距離戦に持ち込まれると、武器が重量級のため不利になる。
この数日で動員メンバーの特徴を把握し、即興でバディを組ませた要は、やっぱり凄い。
「夕憧この調子で乗り切るよ!徐々にだけど、向こうの復帰も遅れてる!」
「はい!」
引き金を引き、クローンが倒れる。すると、先程倒したクローンが起き上がり、それを撃つ。避難場所に目を向けると、乱射している奴がいるので、そいつを優先的に仕留める。一体何ループ目だ。
「進展しないな……。要さんは無事なのか?撫戯はあとどれくらいかかるのか?夜空の行方は?」
この位置からは、夕憧と月歌さんが救出した人達を護衛しているのが見える。
ただ、全体の状態が全く掴めない。一人でこれだけ多くの命を預かるとなると、余裕がない。
暗殺なんて基本短期決戦だから体力トレーニングする意味なんて無いと思っていた時期もあったが、バリバリ体力戦だ。
サイレンスという組織は暗殺特化では無く、器用万能な暗殺機構だ。
「おらぁぁ!」
「ッ!しまった!」
体力が消耗してきているのか、ワンテンポ動きが遅れてしまった。一人の侵入を許可してしまった。
ただ、その心配は無用だった。
刹那、ワイヤーが敵の身体のみに引っ掛かり、動きが封じられた。
俺はそのワイヤーが伸びている方向を見て、口を開いた。
「いつまで待たせる……撫戯!」
「悪い。かなり手こずった。」
どうやら撫戯は、車両を退かした後、絡まれたクローンを振り切れず、再生不能になるまで戦闘を続けたらしい。
一般人が多い方を優先しろという小言は、今は言わないでおこう。
「うがぁぁっ!」
ワイヤーが弾かれると、クローンを締め付けられて細胞が分断された。
そして撫戯はワイヤーを手繰り寄せて回収し、電柱の上からこちらに飛び降りてきた。
「消防車の到着まであと二十分だ。燈花の退散と共に、こいつらは逃亡するはずだ。一気に片付けるぞ!」
「了解!」
俺は気合いを入れ直し、再びクローン軍団に臨んだ。
銃痕が付く度に火は勢いを増し、活動域が狭まる。
お互い防火服を着ているため動けはするが、火を戦術に組み込む燈花の方が、質は圧倒的に上だろう。
散弾を躱しながら蛇行ステップで奴との距離を詰め、棒に電流を流して突きにいく。
しかし、奴はバックステップで後退し、火炎瓶を俺の立つ地面に向けて投げる。俺はそれをサブマシンガンで破壊し、火が溢れるところに棒を投げ入れる。
「ぐぅっ!」
そして自らも火の中に突っ込み、サブマシンガンを連射する。
「ぐわぁっ!燃えろ!」
「ッ!」
棒を奴の脇腹辺りに直撃させて体勢を崩させてから銃撃したため防火服にかなり損傷を与えられたが、俺自身の服も燃えている。
なんと奴は酸素瓶を投げつけてきた。なので、一旦後退し、階段を上がって潜伏した。
「とんでもないな……。」
あの銃撃で決まっていた可能性もあった。ただ、ずっと火を浴び続けているのに一切弱らない奴の服に、サブマシンガン程度の威力では、まだ仕留められない。
確かに損傷をかなり与え、多くてあと三十発くらいで貫通させられそうだが、こちらのタイムリミットも少ない。
ただでさえ火が回っているというのに、空気を盛り込まれた。
防火服の耐久性はグッと低下し、生身の身体に伝導ではなく直接熱が伝わってくる。
「さぁて、透念。ここからどう切り抜けるというのかな?」
「グッ!」
状況整理する暇もなく、奴も階段を上がって追ってきた。
「そんな大口叩いていいのか?俺はこれを宣戦布告だと解釈させてもらうが。」
「構わないな。燈花、君との“決定的な違い”を見せてあげる。」
そう言うと、燈花はショットガンに火薬散弾を込め、発砲してきた。どうやら、癪に障ったようだ。
ただ、これも戦略のうちだ。これだけドンパチやっていれば、周囲の警戒に身が入らなくなるはず。
ただ、俺の生存率はグッと下がってしまう。大丈夫だ。今の俺はあの時のように何も出来ない奴じゃない。半端な覚悟で挑んでいない。
“命を懸けて、挑んでいる。”
グラウンド。倒しても倒してもゾンビのように次から次へと出てくる。血を流して倒れる人もいる中、ある一定の人だけが。
「きりがないわね……寵愛さん。あれってもしかして……。」
「うん。どうやら、人間に紛れてクローンが居るみたい。燈花は、私達をどうしても校舎に入れたくないみたいだね。」
「それって……もしかして……」
分かってる。燈花は、一人一人確実に殺す気だって。
それに、クローンは実弾を使っている。腕はそこまでだけど、目は離せない。私と夕憧でまとめて相手出来るのはせいぜい二十人。歪がクローンの大半を引き受けながら、八割の生徒を護衛している。
これが限界であって、誰か欠けると形勢が崩されてしまう状態。
要の安否も心配だけど、今ここを離れる訳にはいかない。
「くたばれ!……ぐはっ!」
私達がクローンに気を取られている中、一般人の燈花の仲間が包丁を持って突っ込んできたけど、私は彼の刃が刺さるより先に、ポケットに忍ばせていたナイフで彼を刺した。
私は近接特化で銃撃戦にはなんの特徴もないハンドガンで参加するしかない。
対して、夕憧は操作が忙しい多機能なクロスボウを使いこなして、クローンを一掃している。ただ、彼女は近距離戦に持ち込まれると、武器が重量級のため不利になる。
この数日で動員メンバーの特徴を把握し、即興でバディを組ませた要は、やっぱり凄い。
「夕憧この調子で乗り切るよ!徐々にだけど、向こうの復帰も遅れてる!」
「はい!」
引き金を引き、クローンが倒れる。すると、先程倒したクローンが起き上がり、それを撃つ。避難場所に目を向けると、乱射している奴がいるので、そいつを優先的に仕留める。一体何ループ目だ。
「進展しないな……。要さんは無事なのか?撫戯はあとどれくらいかかるのか?夜空の行方は?」
この位置からは、夕憧と月歌さんが救出した人達を護衛しているのが見える。
ただ、全体の状態が全く掴めない。一人でこれだけ多くの命を預かるとなると、余裕がない。
暗殺なんて基本短期決戦だから体力トレーニングする意味なんて無いと思っていた時期もあったが、バリバリ体力戦だ。
サイレンスという組織は暗殺特化では無く、器用万能な暗殺機構だ。
「おらぁぁ!」
「ッ!しまった!」
体力が消耗してきているのか、ワンテンポ動きが遅れてしまった。一人の侵入を許可してしまった。
ただ、その心配は無用だった。
刹那、ワイヤーが敵の身体のみに引っ掛かり、動きが封じられた。
俺はそのワイヤーが伸びている方向を見て、口を開いた。
「いつまで待たせる……撫戯!」
「悪い。かなり手こずった。」
どうやら撫戯は、車両を退かした後、絡まれたクローンを振り切れず、再生不能になるまで戦闘を続けたらしい。
一般人が多い方を優先しろという小言は、今は言わないでおこう。
「うがぁぁっ!」
ワイヤーが弾かれると、クローンを締め付けられて細胞が分断された。
そして撫戯はワイヤーを手繰り寄せて回収し、電柱の上からこちらに飛び降りてきた。
「消防車の到着まであと二十分だ。燈花の退散と共に、こいつらは逃亡するはずだ。一気に片付けるぞ!」
「了解!」
俺は気合いを入れ直し、再びクローン軍団に臨んだ。
銃痕が付く度に火は勢いを増し、活動域が狭まる。
お互い防火服を着ているため動けはするが、火を戦術に組み込む燈花の方が、質は圧倒的に上だろう。
散弾を躱しながら蛇行ステップで奴との距離を詰め、棒に電流を流して突きにいく。
しかし、奴はバックステップで後退し、火炎瓶を俺の立つ地面に向けて投げる。俺はそれをサブマシンガンで破壊し、火が溢れるところに棒を投げ入れる。
「ぐぅっ!」
そして自らも火の中に突っ込み、サブマシンガンを連射する。
「ぐわぁっ!燃えろ!」
「ッ!」
棒を奴の脇腹辺りに直撃させて体勢を崩させてから銃撃したため防火服にかなり損傷を与えられたが、俺自身の服も燃えている。
なんと奴は酸素瓶を投げつけてきた。なので、一旦後退し、階段を上がって潜伏した。
「とんでもないな……。」
あの銃撃で決まっていた可能性もあった。ただ、ずっと火を浴び続けているのに一切弱らない奴の服に、サブマシンガン程度の威力では、まだ仕留められない。
確かに損傷をかなり与え、多くてあと三十発くらいで貫通させられそうだが、こちらのタイムリミットも少ない。
ただでさえ火が回っているというのに、空気を盛り込まれた。
防火服の耐久性はグッと低下し、生身の身体に伝導ではなく直接熱が伝わってくる。
「さぁて、透念。ここからどう切り抜けるというのかな?」
「グッ!」
状況整理する暇もなく、奴も階段を上がって追ってきた。
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