多面性を持つ最強暗殺者はただ日常を望む

やみくも

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Chapter Ⅳ:Stealth

No39.Exclusion

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「良いアイディアだと思わないか?」

シュウさんがドヤ顔をする。



シュウさんのアイディアというのは、兄さんと野々村さんが付き合ってるって偽装するってこと。
そしたら、タカミーさんも兄さんのことを諦めるだろうって。



 「残念ですけど…それはちょっと難しいと思います。」

 「難しい…?どういうことだ?」

 「え…それは……」

 言っても良いのかな?
 個人情報だから、言わない方が良いかな?
でも、シュウさん…すごく知りたさそうな顔してる…



「なぁ、どういうことなんだ?」

 「え……じ、実は……野々村さんには好きな人がいらっしゃるので…」

 口の軽い自分自身にがっくりだよ。
でも、シュウさんのあの鋭い眼差しでみつめられたら、ついしゃべってしまうよね。



 「なるほど。そういうことか。
 確かに、美咲さんなら彼氏がいてもおかしくはないな。」

 「あ…彼氏というわけではなく…その、片想いなんです。」

 「え?片想い?
 告白してないってことか?」

 「いえ…告白はしたんですが……だめだったらしいです。」

 「えっ!?そうなのか~
でも、それなら問題ないんじゃないか?
カズと美咲さんなら、嘘じゃなくて本当に付き合っても良いと思うし。
けっこうあの二人、お似合いだと思わないか?」

 「えっ!?」



 野々村さんと兄さんがお似合い??
そんなこと、考えたことがなかったからびっくりしたけど…



(あぁ……)



 言われてみれば、確かに合わないこともない。
 昔の野々村さんなら合わないけど、今の野々村さんとなら確かに合うかもしれない。
 今更にしてそんなことに気付いて、私は混乱した。
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