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Chapter Ⅲ:Friendship
No31.Momentary suppression
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商業地区。停まっている自動車は爆ぜており、ガソリンと銃痕、そして血痕がそこらに散布されていた。
交戦していたと思われる警察はほぼ壊滅状態。一般人は拘束されているか、既に息を引き取っていた。
そんな変わり果てた場所に俺達 Mythologyは到着した。
「なんて残酷な……。罪は無いはずなのに。」
俺は怒りを覚えた。もう少し早く到着していれば、失われずに済んだかもしれない命だというのに。しかし、事後を嘆いても仕方が無い。今すべきことは被害を食い止める事だ。
「目標確認。交戦開始!」
リーダー愛沙の指示で、旋梨は不協和音振動弾を豪馬組の群れに投げ込んだ。
「あああああ!」
不快な金属音が鳴り響き、耐性の無い豪馬組の者は倒れた。
この音には種類があり、効く者と効かない者の違いがはっきりとしている。彼は特徴の違いを瞬時に把握し、味方や市民に無害で敵の多数に有害な物を選抜して投げ入れている。
「ファインプレー。」
「半壊はさせたった。俺達で前方から銃撃戦を行う。歪と愁で背後を取れ。」
「了解。」
愁はミストを撒いて退路を確保した。
すると、ミストの方にグレネードを投げ込む豪馬組が現れた。
「任せてください。」
夜空はそう言って爆弾が一直線に並ぶ所を狙ってピンポイントで撃ち抜いた。
彼は反射神経と視力がずば抜けて高く、中距離狙撃手として優れた才能を発揮している。絶対狙撃手である彩良とは別ベクトルの腕だ。
「サンキュー夜空。愁先導よろしく。」
愁は俺の手を引いて、ミストの中に駆け込んで行った。
彼は暗所など視界不良の影響をとても受けにくい体質のため、ミストを頻繁に使用した戦闘が得意だ。
ミストの外では銃声が鳴り響いているが、心配無さそうな交戦音だ。
私達はミストで彼らが背後に回るまでヘイトを買うことと、出来るだけ数を減らすために真っ向で交戦していた。
数の差が相手の方が十五倍位あり、遮蔽物も少ないため、かなりリスクがあるけど、一人の少女のお陰でさほど問題は無さそうです。
「へへ、まとまってるぶんカモだよ。数と計画性はあるけど練度はそこそこね。」
そう言いながら夕憧は三人、六人と次から次へと気絶させていった。
夕憧の所持するクロスボウ型武器「Ice/777」は二本の矢を同時に飛ばせるかつ弦が高速自動で動く優れものだけど、理論値である連射力は装填の忙しさから出すのが困難な玄人武器だ。
彼女は体質的には凄い芸当は出来ないけど、とことんまで極めるのは得意分野である。
麻痺爆発を起こす火薬を矢に付着させており、凄いスピードで気絶させている。
ただのテロ集団に対してだから情けで麻痺爆発だけど、凶悪犯に対してはきっと無慈悲な連射が襲うだろうね。
私達は普通に応戦しているけど、それでも貢献は出来ている。私は全体の状況把握を常にしなければならない立場だからね。
「……ショータイムとするぞ。」
ミスト内から飛び出し、二丁拳銃で豪馬組の群れに突っ込んだ。
「…!白薔薇だ!一斉射撃!」
愛沙達に向いていたヘイトが一気に俺に集中し大量の銃弾が襲うが、俺はそれを華麗に躱しながら流れ弾を当てさせるなり自分で隙を見つけて撃つなりして内側から壊滅させていった。
「化け物だよ……。私達が数を減らしてるって言っても二十人は居るからね?」
「ですよね。」
彼のフィジカルはやばい。慈穏には劣るものの、まずあの領域に達する事がおかしな事。サイレンス最強は伊達じゃない。
私達はここまで持っていければ、傍観する以外にやる事が無くなる。彼の避ける必要のある弾数を減らすために。
俺は最後の一人を撃ち抜き、完全に殲滅した。
命を軽視する連中に、慈悲も哀情もあったものじゃない。それは俺達にも勿論当てはまる事だ。
暗殺者は無闇に命を奪う殺人鬼では無い。“こいつらとは違ってな”。
私と莉緒菜は交戦予定場所に向かいつつ、絆を探していた。
「あーもう!なんでこんな肝心な時に行方不明なの!」
ずっと連絡が途絶えており、どこで何をしているか、任務の話やこの事件が耳に入っているかも定かでは無い。
大丈夫なのだろうか……。
「チッ!嵌められた!」
俺は今、急いで商業地区に向かっていた。昨日パソコンが何者かによってハッキングされ、『明日、○○に来い。来なければ貴様の行為をメディアに売り渡す。』という文章が残されたのでそこへ向かったが、何もなかった。
すると、緊急メールで豪馬組進軍について知った。恐らく俺を引き離すためのフェイクだったのだろう。
「計算高い奴め…。」
とにかく、Orderのリーダーとしてこのまま放っておくわけにはいかない。元凶は“確実に”俺が追い詰める。
交戦していたと思われる警察はほぼ壊滅状態。一般人は拘束されているか、既に息を引き取っていた。
そんな変わり果てた場所に俺達 Mythologyは到着した。
「なんて残酷な……。罪は無いはずなのに。」
俺は怒りを覚えた。もう少し早く到着していれば、失われずに済んだかもしれない命だというのに。しかし、事後を嘆いても仕方が無い。今すべきことは被害を食い止める事だ。
「目標確認。交戦開始!」
リーダー愛沙の指示で、旋梨は不協和音振動弾を豪馬組の群れに投げ込んだ。
「あああああ!」
不快な金属音が鳴り響き、耐性の無い豪馬組の者は倒れた。
この音には種類があり、効く者と効かない者の違いがはっきりとしている。彼は特徴の違いを瞬時に把握し、味方や市民に無害で敵の多数に有害な物を選抜して投げ入れている。
「ファインプレー。」
「半壊はさせたった。俺達で前方から銃撃戦を行う。歪と愁で背後を取れ。」
「了解。」
愁はミストを撒いて退路を確保した。
すると、ミストの方にグレネードを投げ込む豪馬組が現れた。
「任せてください。」
夜空はそう言って爆弾が一直線に並ぶ所を狙ってピンポイントで撃ち抜いた。
彼は反射神経と視力がずば抜けて高く、中距離狙撃手として優れた才能を発揮している。絶対狙撃手である彩良とは別ベクトルの腕だ。
「サンキュー夜空。愁先導よろしく。」
愁は俺の手を引いて、ミストの中に駆け込んで行った。
彼は暗所など視界不良の影響をとても受けにくい体質のため、ミストを頻繁に使用した戦闘が得意だ。
ミストの外では銃声が鳴り響いているが、心配無さそうな交戦音だ。
私達はミストで彼らが背後に回るまでヘイトを買うことと、出来るだけ数を減らすために真っ向で交戦していた。
数の差が相手の方が十五倍位あり、遮蔽物も少ないため、かなりリスクがあるけど、一人の少女のお陰でさほど問題は無さそうです。
「へへ、まとまってるぶんカモだよ。数と計画性はあるけど練度はそこそこね。」
そう言いながら夕憧は三人、六人と次から次へと気絶させていった。
夕憧の所持するクロスボウ型武器「Ice/777」は二本の矢を同時に飛ばせるかつ弦が高速自動で動く優れものだけど、理論値である連射力は装填の忙しさから出すのが困難な玄人武器だ。
彼女は体質的には凄い芸当は出来ないけど、とことんまで極めるのは得意分野である。
麻痺爆発を起こす火薬を矢に付着させており、凄いスピードで気絶させている。
ただのテロ集団に対してだから情けで麻痺爆発だけど、凶悪犯に対してはきっと無慈悲な連射が襲うだろうね。
私達は普通に応戦しているけど、それでも貢献は出来ている。私は全体の状況把握を常にしなければならない立場だからね。
「……ショータイムとするぞ。」
ミスト内から飛び出し、二丁拳銃で豪馬組の群れに突っ込んだ。
「…!白薔薇だ!一斉射撃!」
愛沙達に向いていたヘイトが一気に俺に集中し大量の銃弾が襲うが、俺はそれを華麗に躱しながら流れ弾を当てさせるなり自分で隙を見つけて撃つなりして内側から壊滅させていった。
「化け物だよ……。私達が数を減らしてるって言っても二十人は居るからね?」
「ですよね。」
彼のフィジカルはやばい。慈穏には劣るものの、まずあの領域に達する事がおかしな事。サイレンス最強は伊達じゃない。
私達はここまで持っていければ、傍観する以外にやる事が無くなる。彼の避ける必要のある弾数を減らすために。
俺は最後の一人を撃ち抜き、完全に殲滅した。
命を軽視する連中に、慈悲も哀情もあったものじゃない。それは俺達にも勿論当てはまる事だ。
暗殺者は無闇に命を奪う殺人鬼では無い。“こいつらとは違ってな”。
私と莉緒菜は交戦予定場所に向かいつつ、絆を探していた。
「あーもう!なんでこんな肝心な時に行方不明なの!」
ずっと連絡が途絶えており、どこで何をしているか、任務の話やこの事件が耳に入っているかも定かでは無い。
大丈夫なのだろうか……。
「チッ!嵌められた!」
俺は今、急いで商業地区に向かっていた。昨日パソコンが何者かによってハッキングされ、『明日、○○に来い。来なければ貴様の行為をメディアに売り渡す。』という文章が残されたのでそこへ向かったが、何もなかった。
すると、緊急メールで豪馬組進軍について知った。恐らく俺を引き離すためのフェイクだったのだろう。
「計算高い奴め…。」
とにかく、Orderのリーダーとしてこのまま放っておくわけにはいかない。元凶は“確実に”俺が追い詰める。
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