多面性を持つ最強暗殺者はただ日常を望む

やみくも

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Chapter Ⅲ:Friendship

No27.Consultation with high pride

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 急にそんな質問されてもすぐには答えられないが、プライドが高い彼が誰かに聞いてまで答えを求めている。
 ライバルとして、期待に応えなくてはならない。

 「家族みたいなものかな。お前が求めている回答に変換すると“居場所”ってところだ。」

 「……そうか。ありがとう参考にさせてもらうよ。」

 それだけ言い残して彼は去って行った。何故それを聞いてきたかはわからないが、暗殺機構の構成員であるため何か抱えているのだろう。俺だって抱える感情が多い。
 絆達Orderも含め、強者でも人間らしい悩みはあるものだ。我々は天より高い希望では無い。どこまで行っても人間だ。
むしろ、そうで無くなる事を恐れるのが性だろう。
 
 俺も彼と話して一番に恐れていた呪縛から逃れられたので、登校するためにすぐさま帰宅した。







 屋上から去った俺は、今日も自室に籠もってナイフホルダーに付着した取れない血痕を見つめた。

 「居場所……か。」

 それらを見ているとそう口に零し、地下室に行ってひたすらナイフ投げの特訓をした。







 今日は退屈だが、それこそ俺の望む幸福である授業時間が終わり、放課後となった。日常茶飯事というべきか、旋梨から楽器店にお呼び出しがかかっているため向かっていた。

 「来たか。」

 「歪君おかえり。」

 「ただいま。」

 全員集合しているようだ。最早日課になりつつある。
 俺は担いでいたギターとピックを取り出し練習に付き合い始めた。



 主にオールラウンダーである俺がドラムの凛に教えていて、ギター・ベース・ボーカルの腕が超一流の旋梨が真依と波瑠に教えていた。
 
 「そう言えば!昨日ちょっと衝撃的な出来事があったんだよー。」

 互いに腕が疲れてきて、水分補給兼休憩をしていたところ、凛がそう話を振ってきた。

 「何があったんだ?」

 「紫藤さんと波瑠がね、人通りがあまり無い道路で………!」

 言いかけたところで波瑠が凛に飛びついてきて、口を塞いだ。

 『……言わないでよ。ほら、わ、忘れて!』

 『そ、そうだよね。ごめんね。』 

 彼女達は耳打ちで話しているつもりだろうが、全然普通に聞こえるというのは内緒だ。
 大体察しはついている。旋梨は演技で無い素直な行動に出る事が多々ある。
多分ここにいる人全員気づいているだろう。相変わらずハイスペックな男だ。

 「再開するぞ。」

 「分かった。」

 練習後半を行ない、今日も一日が終わった。







 薄暗い廃倉庫。しかし人が集落のように暮らした形跡があり、多くの監視カメラが全方位を見つめ、多くのドローンが付近を巡回していた。
 
 「お久しぶりです。黒薔薇。来てもらってすまないな。」

 「気にするな。底沼。」

 黒薔薇は三人の人を連れ、その廃倉庫「Leviathanの本拠地」に訪れていた。
 底沼というのは甘採のコードネームである。

 「始めるぞ。“今後の方針について徹底的に決定”する会議を…。」

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