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Chapter Ⅱ:Vicious

No26.Leviathan

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 あれから山田は約二時間程逃走して、給油のためにガソリンスタンドに入った。

 「はぁ……はぁ……恐ろしい奴らだ。あいつらに捕まったら命が無い。まだ死ぬわけには……!」

 「そうかそうか。そんなに僕らが恐ろしいか。」

 すると店員が山田を押さえつけ、制服を脱いだ。

 「なっ……!甘採さん…。」

 「黒薔薇に言われなかった?政府の警戒心を高めるなって。……何派手に暴れてんの?」

 「そ、それには深い事情がありまして……っう!」

 山田の左肩に「滲襲 甘採」は発砲した。

 「どうでもいい。君のような奴はプレデスタンスに必要無い。ばいばい。」

 甘採は山田の脳を撃ち抜き、証拠写真を撮影して黒薔薇に送信して、その場を去っていた。

 「……Leviathanに目をつけられたのが運の尽きだったな。」







 ある施設にて、甘採から写真が送られ、黒薔薇は目に止めた。すると、一人の男が話し掛けてきた。

 「山田が消えたお陰で研究がはかどるよ。これからどうする薔羨。」

 「今後の方針についてLeviathanと話し合いたい。呼べ。黄牙。」

 「了解。」

 そして彼らは解散していった。







 日本分断数ヶ月後、荒れ狂う人々に耐えられなくなった人々は政府が守護してくれる関東地方に逃げ込み、結果的に関東外はテロリストなどの勢力が完全に占拠した。
 最初は複数の小規模勢力が争いを続けていたが、その戦いに終止符を打つかの如く彼らは現れた。
 元サイレンス最強チーム「Enter」と、影の万能精鋭部隊「Leviathan」だった。
 彼らは荒れ狂う無法地帯の住民を統率し、「プレデスタンス」という巨大勢力となり、陰でテロリスト達を操り始めた。
 プレデスタンスの本当の目的は不明だが、政府に手を出そうとする無所属のテロ集団及び機関を排除していた。
 謎だらけの存在だ。







 早朝、俺はサイレンス本部に足を運んでいた。屋上に行くと、日の出をバックにナイフを見つめる絆の姿があった。
 
 「……絆?」

 「来たか歪。」

 名前を呼ぶと絆はナイフを降ろし、スマホを出し、ある写真を見せてきた。

 「……山田組会長。何者かによって殺害される?……っは!」

 「山田組といったら先日あんたらが解決した失踪事件と繋がりがある。これは偶然か?俺は無法地帯の秩序を守る奴がいるとしか思えない。」

 確かにそうだ。大体、最近のテロ集団は明らかに質が上がっている。凄腕の戦略家がいるのは間違い無い。

 「これは何かの前兆だったという事か?これから忙しくなるかもな…。」

 「だからこそあんたに相談したい事があって今日呼んだ。なんで早朝の屋上なのか察しているんだろ?」

 「極秘情報あるいは、聞かれたら不味い内容を喋るって事か。」

 すると絆は一度下を向いて真剣な顔で顔を上げ、口を開いた。

 「あんたにとっての仲間は………どのような存在なんだ。」


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