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Chapter Ⅰ:Time limit

No11.Frenzy

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 「司令。白薔薇から資料が送られてきました。」
 
 資料を目にして、私は驚いた。

 「ショゴスのライセンス……回収していたのか。我々で動くと彼らに見つかる可能性も考慮して独自で分析を行なっていたという事か。」

 私は送られてきた分析結果をハッカーに渡し、ショゴスの特定を急がせた。我々には時間が無い。清心を敵に回す事だけは絶対にあってはならないのだ。







 あの一件から数日が経過し、東堂との対決当日となった。凛とは前ほどでは無いが、一応話せる位には修復済みだ。バンドに関しては全て旋梨に投げた。……元々彼が受けた依頼だけどな。
 東堂財閥の次期社長としての人生が確約されてる風鳴は、凄いキッチンルームを借りて、俺との勝負に臨むようだ。
 勿論実力派二人のガチバトルが行われるとなれば、人々も観覧しにくるものだ。
 客席はぎっしりと埋まり、最早スポーツ大会やるみたいな熱狂に包まれていた。

 「さぁ皆様お待たせしました!今回司会進行を務めさせて頂く風鳴君の友!多井と申します。では、選手入場です!」

 裏で聞いているが、ツッコミどころしか無い。東堂は真剣勝負と言っていたためてっきり一対一だと思っていたが、意外と選手と思わしき人物が裏で待機していた。

 「これ何人選手居るんだ?」

 俺は近くにいた東堂と絡んでる人に尋ねてみた。

 「三十人はいるらしいぞ。バトルロワイヤル式らしい。」

 「聞いて無いんだが。」

 「安心しろ。これは東堂の妹が当日に決めたルールだ。東堂は不正をしていない。」 
 
 主催者がルールを当日に知るのもどうかと思うが、彼も勝負に来ている。変に律義な彼にとっては当然の敬意だろう。
 そうこう考えてるうちに、選手入場が終わった。

 「それでは審査員を紹介します。まずはこの方!学校一の美食家!味にうるさい大食い男子。牛荷九丸氏!」

 「めっちゃ食うぞ!」

 フードファイターかよ。なんで呼んだんだ。
早速キャラ濃い審査員が来たな。

 「次に紹介するのはこの方!両親が有名シェフの気品溢れる福生徒会長!蜜菜氏!」

 「貴方達の実力…しっかり見せてもらいますよ。」

 牛荷九丸から一転急にガチすぎる。

 「最後はこの方!本大会の主催者!東堂財閥のブラコン姫。東堂奈那氏!」

 「お兄ちゃんの料理が最強なんだから!」

 こいつだけはいちゃ駄目だろ。何で主催者が平然と審査してんだ。それ抜きにしてもブラコンはアウトだろ。贔屓するのが目に見えてる。

 「おい東堂。どうなってやがる。」

 流石にぶっ飛んでるので、隣にいた東堂に抗議した。

 「今回の大会は全て奈那が仕切ってる。可愛い妹のルールには従わなければな。」

 完全に忘れてたがこいつシスコンだったわ。
蜜菜さんに評価されないと完全に詰みゲーと化す。てか、キャラが濃い。
 
 「それでは第一選考を開始します!第選考で生き残れるのは十人!テーマは前菜!制限時間は五十分。では……開始!」

 そんなこんなで始まった。この一週間の成果を存分に発揮する時だ。………俺何やってんだろう。







 「ボス情報を入手しました。」

 「なんじゃ?昨日の失態を挽回してみせろよ。」

 「東堂財閥が何か催し物を行っているそうです。しかも警備体制が甘いですよ。東堂財閥は政府と繋がっているそうですし、学生を中心に大勢の観客や選手が居ます。しかも東堂財閥の次期社長になるだろう息子まで!絶好のカモですよ。」

 男は酒瓶を投げ捨て、立ち上がった。

 「……おきに召しませんでしたか?」 

 「逆だ。有益だった。すぐに総動員してタコ殴りじゃ。二度とこのチャンスは無いと思え!」

 ショゴスの団員は動き始め、テロの準備を進めた。
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