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Chapter Ⅰ:Time limit
No5.Bomber
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俺は着地後即座に射撃したが、距離を取って爆弾を投げてきた。回避には成功したが、煙で目隠ししながら男はショットガンを射撃したきた。
「……危ないな。」
寸前の所で回避し、拳銃でカウンターしたが、男は背を低くしながらこちらに突っ込み、刃物を突き出してきた。
隙だらけだったので、足元に射撃して、態勢を崩させてから頭に命中させると、男は倒れた。
「…………爆ぜろ。」
頭から血を流しながら男が呟くと、男が腰に巻いていた火薬に火が灯された。
「……置き土産か。」
すぐにその場を退散し、爆発を回避した。その威力は周囲の遮蔽物となるものを全て破壊する程のものだった。
「……流石ここに乗り込んで来ただけはある。素人とは思えない判断力だ。ただ、立ち回りが俺を想定できていなかったな。」
無傷で勝利はしたものの、想像以上に手練れていた事には驚きが隠せない。恐らく一般人によるテロでは無いだろう。
しかし、これまでにテロ集団側に組織があるという情報は無い。何はともあれ、これから警戒する必要がありそうだ。
無線機で指揮官に鎮圧成功を報告し、戦後処理部隊の手伝いをした。
数時間が経ち、爆弾処理の完了が報告されて今回の任務は幕を閉じた。
あの交戦の後は何事も無く終わったためわざわざ俺が出向くまでも無かったように思えるが、後から聞いた話によると、結構強いはずの旋梨が割と苦戦していたようだ。
旋梨が交戦した爆弾魔は俺が交戦した男の双子の兄らしく、互角位のようだ。つまり、メンバーが中途半端な強さだと、最悪のケースも想定できた。自分から申し出て参入させてもらったが、この判断は正しかった。
任務終了後、俺と旋梨は柊司令に招集されたため、サイレンス陣の車に乗り、本部へと向かった。
「歪。今回の主犯についてどう思っている?」
本部に向かっている途中、旋梨がそう尋ねてきた。
「一般人では流石に無いだろう。簡単に片付きはしたものの、風格はあった。多分元軍人とかだろう。」
「やっぱお前強いわ。俺は今回ギリギリだったよ。」
「何の招集かは知らないが、俺は今回交戦した連中が何らかの組織の一員ではと睨んでいる。現状根拠は足りないが、警戒して損は無いだろう。日に日にスケールが増しているしな。それに………。」
途中までしか喋っていないが、旋梨もやはり察しているようで、深く頷いた。
そうこうしているうちに、本部に到着した。
ノックに司令室に入ると、早速柊司令は喋り始めた。
「まずは今回の任務ご苦労だった。君達がいなければ、安全な爆弾処理は叶わなかっただろう。早速本題に入っていくが、君達のお察しの通り、今回は件は先日の渋谷駅前の件と関連性がある。そして、彼らが何らかの巨大な組織の構成員であることも……。」
「組織についての情報はまだ無いのですか?」
旋梨がそう質問すると、司令は「現在調査中だ。しばらく時間を与えて欲しい。」と答えた。
実際、テロ集団側の組織については、存在するとは予想していた。最初はバラバラな進行だったが、日に日に協調性や計画性が生まれてきている。
しかし、やはり私的で小規模に見える集団との交戦もある為、断定には至らなかった。
だが今回のケースでは、流石に大規模な組織が絡んだ計画だと疑う。そのくらいにはよく考えられていて、戦力、技術が半端で無いと感じる。
男は確か構成員の資料を持っているような事を話していた。私的にしては執着が凄すぎる。
これ以上は長引きそうな為、情報が整理できたらまた後日、司令と我々で会議をするという事で、今回はお預けとなった。
俺と旋梨は司令室を後にして、自宅にへと帰還した。
これからどうなってしまうのだろう。 そう考えると眠れないが、疲労困憊状態に陥り、私生活…ましてや任務に影響すると不味い為、気合いで睡眠した。
「……危ないな。」
寸前の所で回避し、拳銃でカウンターしたが、男は背を低くしながらこちらに突っ込み、刃物を突き出してきた。
隙だらけだったので、足元に射撃して、態勢を崩させてから頭に命中させると、男は倒れた。
「…………爆ぜろ。」
頭から血を流しながら男が呟くと、男が腰に巻いていた火薬に火が灯された。
「……置き土産か。」
すぐにその場を退散し、爆発を回避した。その威力は周囲の遮蔽物となるものを全て破壊する程のものだった。
「……流石ここに乗り込んで来ただけはある。素人とは思えない判断力だ。ただ、立ち回りが俺を想定できていなかったな。」
無傷で勝利はしたものの、想像以上に手練れていた事には驚きが隠せない。恐らく一般人によるテロでは無いだろう。
しかし、これまでにテロ集団側に組織があるという情報は無い。何はともあれ、これから警戒する必要がありそうだ。
無線機で指揮官に鎮圧成功を報告し、戦後処理部隊の手伝いをした。
数時間が経ち、爆弾処理の完了が報告されて今回の任務は幕を閉じた。
あの交戦の後は何事も無く終わったためわざわざ俺が出向くまでも無かったように思えるが、後から聞いた話によると、結構強いはずの旋梨が割と苦戦していたようだ。
旋梨が交戦した爆弾魔は俺が交戦した男の双子の兄らしく、互角位のようだ。つまり、メンバーが中途半端な強さだと、最悪のケースも想定できた。自分から申し出て参入させてもらったが、この判断は正しかった。
任務終了後、俺と旋梨は柊司令に招集されたため、サイレンス陣の車に乗り、本部へと向かった。
「歪。今回の主犯についてどう思っている?」
本部に向かっている途中、旋梨がそう尋ねてきた。
「一般人では流石に無いだろう。簡単に片付きはしたものの、風格はあった。多分元軍人とかだろう。」
「やっぱお前強いわ。俺は今回ギリギリだったよ。」
「何の招集かは知らないが、俺は今回交戦した連中が何らかの組織の一員ではと睨んでいる。現状根拠は足りないが、警戒して損は無いだろう。日に日にスケールが増しているしな。それに………。」
途中までしか喋っていないが、旋梨もやはり察しているようで、深く頷いた。
そうこうしているうちに、本部に到着した。
ノックに司令室に入ると、早速柊司令は喋り始めた。
「まずは今回の任務ご苦労だった。君達がいなければ、安全な爆弾処理は叶わなかっただろう。早速本題に入っていくが、君達のお察しの通り、今回は件は先日の渋谷駅前の件と関連性がある。そして、彼らが何らかの巨大な組織の構成員であることも……。」
「組織についての情報はまだ無いのですか?」
旋梨がそう質問すると、司令は「現在調査中だ。しばらく時間を与えて欲しい。」と答えた。
実際、テロ集団側の組織については、存在するとは予想していた。最初はバラバラな進行だったが、日に日に協調性や計画性が生まれてきている。
しかし、やはり私的で小規模に見える集団との交戦もある為、断定には至らなかった。
だが今回のケースでは、流石に大規模な組織が絡んだ計画だと疑う。そのくらいにはよく考えられていて、戦力、技術が半端で無いと感じる。
男は確か構成員の資料を持っているような事を話していた。私的にしては執着が凄すぎる。
これ以上は長引きそうな為、情報が整理できたらまた後日、司令と我々で会議をするという事で、今回はお預けとなった。
俺と旋梨は司令室を後にして、自宅にへと帰還した。
これからどうなってしまうのだろう。 そう考えると眠れないが、疲労困憊状態に陥り、私生活…ましてや任務に影響すると不味い為、気合いで睡眠した。
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