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5章:記憶に残る文化祭
#31.この想いを、伝えたいんだ
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あれから美咲と奏翔とも合流して、しばらくの間待っていると早彩達三人がやって来た。
「あ、おかえり。」
「ええと…ただいま?」
様子を見た感じ、内心がどうであれ一応は丸く収まったようだ。ひとまず安心した。
「見守りありがとうございます。副会長。」
「いいえ、私は何もしてないわ~。…二人はすぐには和解することができないと思うの。これまでされてきた事を考えたら、それは仕方がないことだと思う。だけどね、二人はいつか打ち解けられると私は感じるよ。」
「…それは俺も同感です。稀香も元々はいい子でしたから……」
琉威と莉緒先輩のそんな会話が聞こえてくるが、早彩と稀香は特に気にしている様子がない。
今思うと、琉威達はかなりサポートしてくれていたんだなぁとつくづく感じる。被害者だけじゃなくて加害者も救済しようとする姿勢は彼らしくて尊敬している。
「皆そろそろ投票始まっちゃうよ!とりあえずグラウンドに向かおっ?」
すると、美咲が時間を気にしてそう声を掛けた。
「そうだね。じゃあ向かおうか。」
「ああ。」
僕と琉威は段差から立ち上がり、僕達はグラウンドの方へと歩いて向かった。
グラウンドに着くと、ちょうど投票タイムが始まっていた。僕達は結果発表を見る集合場所だけ決めておき、それぞれ投票場所に向かった。
「爽真は何処に投票するか決めたの?」
早彩がそう尋ねてきた。勿論自分の携わるブースに票を入れたいのだが、それはできないため他のブースを選ぶしかない。色々なブースを周ってきたけど、一つしか考えられなかった。
「クラス部門はみさかなんとこのお化け屋敷、部活動部門は美術部のトリックアート、組織部門ならダントツで生徒会メイドカフェかなぁ…」
「そっかぁ…私はクラスと組織は爽真と同じで、部活動はテニス部の射的ゲームにしたよ!」
「考えてることは大体同じだね。」
「うん!」
そう笑い合いながら、僕達は投票用紙に記入をして投票箱に入れた。
『投票タイムは終了しました。今から集計を行うため、もうしばらくお待ち下さい。』
アナウンスによって投票タイムの終了が告げられ、僕達は集まった。
「早彩ちゃん達は私のクラスに票入れてくれた~?」
「うん…他に入れたいものもなかったから……」
自信満々で尋ねる美咲に対して、早彩はあまり乗り気ではなかった。
そりゃ彼女は楽しめたというよりは、怖い思いをしたのだから乗り気じゃないのは納得がいく。
ただ、僕達が周ったクラスブースの中では、面白いアイディアとクオリティだとは思った。
「あ、俺はみさかなのクラスには入れてないぞ。」
「もぉ…そこは嘘でも入れたって言ってよ!奏翔も何か言ってやって!」
「琉威…?誰がサーバーの管理をしていると思ってる?………何か負けた気分だ…」
「そう言われると実際、反論できないんだがなぁ……」
『生徒の皆さん、長らくお待たせしました。これより投票結果を発表します。』
そんないつも通りの会話を聞いて過ごしていると、どうやら集計が終わったらしい。
グラウンド中から歓喜の声が上がり、盛り上がりをみせていた。
「いよいよだね……」
「俺らのクラスはどう評価されたか……」
「きっと大丈夫…きっと大丈夫…!」
「早彩ちゃん達のクラスには負けたくないなぁ~私達だよねっ!」
「あぁ…まぁ……」
ドキドキから声を掛け合う中、校舎側ステージでは集計済の投票箱を委員の人が一箇所に集め、巨大スクリーンにプロジェクターで手元が投影された。
『ご覧ください!今年もほぼ全ての在校生の皆さんが投票に参加してくれました!ありがとうございます!それでは…まず初めに組織部門の結果を発表します!』
すると再び歓声が上がり、緊張からかすぐに静まり返った。
『組織部門の最人気賞は………我らが生徒会のメイドカフェだ!』
想像通りの結果だが、大きな歓声が上がった。
「まぁここはな……予算好き放題だったから……」
「ちょっと琉威!急な暴露話やめてっ!」
『それでは次!部活動部門の最人気賞は………情報部のVR異世界旅行体験会だ!今年も部活動部門は接戦でした!僅差でテニス部や科学部も奮闘していました!』
今度は歓声だけではなく、悔しがるような声も上がっていた。僕の所感としても、部活動部門はダントツのものはなかった。どれが一位でもおかしくなかったのだ。
「流石奏翔!勝利もお手の物だねっ!」
「半分くらいは他の部員だけどね……俺は琉威の手伝いしてたし。」
「美術部は名前も呼ばれなかったかぁ……」
「まぁそう気を落とさないで…僕は美術部が一番だと思ってるから。」
皆それぞれ考えることは違っているが、ただ一つ“おめでとう”という気持ちは変わらない。
ここまで二部門の発表が終わったが、僕達にとっては序章だ。彼女が変わるきっかけとなった…いや、皆が成長し、団結するきっかけとなったクラス部門で、しっかりと賞を収めたい。
『それでは最後!クラス部門の結果を発表します!』
今日一番の歓声がグラウンドを包み込み、同時に今日一番の緊張感が走った。
「来るぞ……」
「緊張しますね……」
「大丈夫。僕達なら……」
「私達のギミックは過去にないっ!負けるビジョンが見えないっ!」
「美咲…それ、フラグ……」
緊張という静寂が心臓の鼓動を早まらせ、バクバクとグラウンドに響き渡る。
そんな中、司会役員はマイクに口元を近づけて発した。
『クラス部門最人気賞は……二年A組のお化け屋敷だ!』
鼓動は歓声へと変わり、熱狂に包まれた。だけど、全てが喜びの声ではなかった。僕達のように。
「だめ…だった……皆で頑張ったのに…」
「……流石に悔しいね…すぐ傍で見ていたから分かるよ…早彩の気持ち。」
もうこれで結果発表は終わり。今回は結果を残せなかった。そう思っていたその時、生徒会長が登壇した。
『さて、各部門の最人気賞が出揃ったところで…最優秀賞を発表します!この最優秀賞は、全体の過半数の票数と、生徒会長による承認があって初めて認定されます。ここからは悠月生徒会長…よろしくお願いします!』
生徒会長がマイクを受け取り、話し始めた。
『皆さんこんばんは。生徒会長の悠月歩です。単刀直入に発表します。最優秀賞は……二年B組のフィルムアート展です!』
「…っ!」
耳を疑った。でも確かに、そう言っていた。
「琉威……?」
「…あ?別に俺は何もしてないし言ってないぞ。莉緒副会長も同様にな。」
「ってことは……私達が自らの力で成し得た結果ってこと…?」
「ああ…そうみたいだ。」
すると、あの熱狂を軽々と更新して、グラウンド中に歓声が巻き起こった。誰一人悔しがっている人がいない。満場一致で納得の結果だったみたいだ。
次第に二年B組の仲間達が僕達の方に集まってきて、級代が言った。
「前例のない偉業……これを成し遂げられたのは早彩さんが居てくれたお陰だ。本当にありがとう…クラスを団結させてくれて。」
すると次第に早彩は涙腺を崩したか、感動の涙を一滴、二滴と零しながら応えた。
「いいえ…皆さんが居てくれたお陰です…皆さんが…私を信じてついてきてくれたお陰ですっ……!本当に……ありがとうございましたっ…!」
早彩はそう感謝を告げて、辺りは感動と歓声の嵐となっていた。
「あーあ…一番美味しいところが持ってかれちゃった。でも…これが私が望んでた結末みたいっ!」
「そうだねぇ…結局、友達の喜びが自分の喜びにもなるんだろうね。」
『これにて、文化祭を終了します。皆さん、気をつけて下校してくださいねっ!』
お祭り帰りの余韻がある静けさというものは、寂しくも心地よいものだ。もうすぐ季節と共になくなる冷たい夏風に吹かれ、僕と早彩は帰路を辿っていた。
「想いを伝えられて…本当に良かったよ……」
「早彩……そうだね。」
月明かりに照らされる彼女の横顔は、本当に美しかった。泣いた跡が反射して、とても眩しく感じられた。
「あの……早彩っ!」
「……?爽真?…どうしたの?」
名前で呼び止めると、彼女は振り返りきょとんと首を傾げた。
準備期間中はこの気持ちを抑えていたけど、全てが終わった今、限界を迎えていた。僕も彼女に“想い”を伝えた。
「好きだよ……早彩…」
「あ、おかえり。」
「ええと…ただいま?」
様子を見た感じ、内心がどうであれ一応は丸く収まったようだ。ひとまず安心した。
「見守りありがとうございます。副会長。」
「いいえ、私は何もしてないわ~。…二人はすぐには和解することができないと思うの。これまでされてきた事を考えたら、それは仕方がないことだと思う。だけどね、二人はいつか打ち解けられると私は感じるよ。」
「…それは俺も同感です。稀香も元々はいい子でしたから……」
琉威と莉緒先輩のそんな会話が聞こえてくるが、早彩と稀香は特に気にしている様子がない。
今思うと、琉威達はかなりサポートしてくれていたんだなぁとつくづく感じる。被害者だけじゃなくて加害者も救済しようとする姿勢は彼らしくて尊敬している。
「皆そろそろ投票始まっちゃうよ!とりあえずグラウンドに向かおっ?」
すると、美咲が時間を気にしてそう声を掛けた。
「そうだね。じゃあ向かおうか。」
「ああ。」
僕と琉威は段差から立ち上がり、僕達はグラウンドの方へと歩いて向かった。
グラウンドに着くと、ちょうど投票タイムが始まっていた。僕達は結果発表を見る集合場所だけ決めておき、それぞれ投票場所に向かった。
「爽真は何処に投票するか決めたの?」
早彩がそう尋ねてきた。勿論自分の携わるブースに票を入れたいのだが、それはできないため他のブースを選ぶしかない。色々なブースを周ってきたけど、一つしか考えられなかった。
「クラス部門はみさかなんとこのお化け屋敷、部活動部門は美術部のトリックアート、組織部門ならダントツで生徒会メイドカフェかなぁ…」
「そっかぁ…私はクラスと組織は爽真と同じで、部活動はテニス部の射的ゲームにしたよ!」
「考えてることは大体同じだね。」
「うん!」
そう笑い合いながら、僕達は投票用紙に記入をして投票箱に入れた。
『投票タイムは終了しました。今から集計を行うため、もうしばらくお待ち下さい。』
アナウンスによって投票タイムの終了が告げられ、僕達は集まった。
「早彩ちゃん達は私のクラスに票入れてくれた~?」
「うん…他に入れたいものもなかったから……」
自信満々で尋ねる美咲に対して、早彩はあまり乗り気ではなかった。
そりゃ彼女は楽しめたというよりは、怖い思いをしたのだから乗り気じゃないのは納得がいく。
ただ、僕達が周ったクラスブースの中では、面白いアイディアとクオリティだとは思った。
「あ、俺はみさかなのクラスには入れてないぞ。」
「もぉ…そこは嘘でも入れたって言ってよ!奏翔も何か言ってやって!」
「琉威…?誰がサーバーの管理をしていると思ってる?………何か負けた気分だ…」
「そう言われると実際、反論できないんだがなぁ……」
『生徒の皆さん、長らくお待たせしました。これより投票結果を発表します。』
そんないつも通りの会話を聞いて過ごしていると、どうやら集計が終わったらしい。
グラウンド中から歓喜の声が上がり、盛り上がりをみせていた。
「いよいよだね……」
「俺らのクラスはどう評価されたか……」
「きっと大丈夫…きっと大丈夫…!」
「早彩ちゃん達のクラスには負けたくないなぁ~私達だよねっ!」
「あぁ…まぁ……」
ドキドキから声を掛け合う中、校舎側ステージでは集計済の投票箱を委員の人が一箇所に集め、巨大スクリーンにプロジェクターで手元が投影された。
『ご覧ください!今年もほぼ全ての在校生の皆さんが投票に参加してくれました!ありがとうございます!それでは…まず初めに組織部門の結果を発表します!』
すると再び歓声が上がり、緊張からかすぐに静まり返った。
『組織部門の最人気賞は………我らが生徒会のメイドカフェだ!』
想像通りの結果だが、大きな歓声が上がった。
「まぁここはな……予算好き放題だったから……」
「ちょっと琉威!急な暴露話やめてっ!」
『それでは次!部活動部門の最人気賞は………情報部のVR異世界旅行体験会だ!今年も部活動部門は接戦でした!僅差でテニス部や科学部も奮闘していました!』
今度は歓声だけではなく、悔しがるような声も上がっていた。僕の所感としても、部活動部門はダントツのものはなかった。どれが一位でもおかしくなかったのだ。
「流石奏翔!勝利もお手の物だねっ!」
「半分くらいは他の部員だけどね……俺は琉威の手伝いしてたし。」
「美術部は名前も呼ばれなかったかぁ……」
「まぁそう気を落とさないで…僕は美術部が一番だと思ってるから。」
皆それぞれ考えることは違っているが、ただ一つ“おめでとう”という気持ちは変わらない。
ここまで二部門の発表が終わったが、僕達にとっては序章だ。彼女が変わるきっかけとなった…いや、皆が成長し、団結するきっかけとなったクラス部門で、しっかりと賞を収めたい。
『それでは最後!クラス部門の結果を発表します!』
今日一番の歓声がグラウンドを包み込み、同時に今日一番の緊張感が走った。
「来るぞ……」
「緊張しますね……」
「大丈夫。僕達なら……」
「私達のギミックは過去にないっ!負けるビジョンが見えないっ!」
「美咲…それ、フラグ……」
緊張という静寂が心臓の鼓動を早まらせ、バクバクとグラウンドに響き渡る。
そんな中、司会役員はマイクに口元を近づけて発した。
『クラス部門最人気賞は……二年A組のお化け屋敷だ!』
鼓動は歓声へと変わり、熱狂に包まれた。だけど、全てが喜びの声ではなかった。僕達のように。
「だめ…だった……皆で頑張ったのに…」
「……流石に悔しいね…すぐ傍で見ていたから分かるよ…早彩の気持ち。」
もうこれで結果発表は終わり。今回は結果を残せなかった。そう思っていたその時、生徒会長が登壇した。
『さて、各部門の最人気賞が出揃ったところで…最優秀賞を発表します!この最優秀賞は、全体の過半数の票数と、生徒会長による承認があって初めて認定されます。ここからは悠月生徒会長…よろしくお願いします!』
生徒会長がマイクを受け取り、話し始めた。
『皆さんこんばんは。生徒会長の悠月歩です。単刀直入に発表します。最優秀賞は……二年B組のフィルムアート展です!』
「…っ!」
耳を疑った。でも確かに、そう言っていた。
「琉威……?」
「…あ?別に俺は何もしてないし言ってないぞ。莉緒副会長も同様にな。」
「ってことは……私達が自らの力で成し得た結果ってこと…?」
「ああ…そうみたいだ。」
すると、あの熱狂を軽々と更新して、グラウンド中に歓声が巻き起こった。誰一人悔しがっている人がいない。満場一致で納得の結果だったみたいだ。
次第に二年B組の仲間達が僕達の方に集まってきて、級代が言った。
「前例のない偉業……これを成し遂げられたのは早彩さんが居てくれたお陰だ。本当にありがとう…クラスを団結させてくれて。」
すると次第に早彩は涙腺を崩したか、感動の涙を一滴、二滴と零しながら応えた。
「いいえ…皆さんが居てくれたお陰です…皆さんが…私を信じてついてきてくれたお陰ですっ……!本当に……ありがとうございましたっ…!」
早彩はそう感謝を告げて、辺りは感動と歓声の嵐となっていた。
「あーあ…一番美味しいところが持ってかれちゃった。でも…これが私が望んでた結末みたいっ!」
「そうだねぇ…結局、友達の喜びが自分の喜びにもなるんだろうね。」
『これにて、文化祭を終了します。皆さん、気をつけて下校してくださいねっ!』
お祭り帰りの余韻がある静けさというものは、寂しくも心地よいものだ。もうすぐ季節と共になくなる冷たい夏風に吹かれ、僕と早彩は帰路を辿っていた。
「想いを伝えられて…本当に良かったよ……」
「早彩……そうだね。」
月明かりに照らされる彼女の横顔は、本当に美しかった。泣いた跡が反射して、とても眩しく感じられた。
「あの……早彩っ!」
「……?爽真?…どうしたの?」
名前で呼び止めると、彼女は振り返りきょとんと首を傾げた。
準備期間中はこの気持ちを抑えていたけど、全てが終わった今、限界を迎えていた。僕も彼女に“想い”を伝えた。
「好きだよ……早彩…」
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