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9章ー総力決戦編ー
205.立ちはだかる脅威(前編)
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チェイン達が突入した正面玄関には多くのクローン兵が待ち構えており、乱戦状態になっていた。
チェイン「チッ…敵味方入り乱れているせいで鎖を振り回せないな…。」
素手に魔力を纏って襲い掛かる敵を返り討ちにはしているが、自らは動けずにいる状況の中、リューハは先陣を切って通路を確保した。
しかし、通路の奥からもクローン兵が流れ込んできて前に進めずにいた。
リューハ「きりが無い……せめて、この場では戦い辛そうなチェインさんと戯だけでも、前に進ませてあげたいが…」
打開策を考える暇もなく襲い来るクローン兵に対処しながらも、リューハはタイミングを見計らって動き始めた。
リューハ「先発隊全員いったん壁側に寄れ!」
そう言いながらナイフを持ち上げ、風を纏わせて振り降ろした。すると斬撃波が通路付近に固まるクローン兵を一掃してきれいになった。
リューハ「チェインさん、戯は先に行ってください!この場は自分と先発隊の皆さんで請け負います!奴らが流れ込む前に急いで!」
チェイン「ああ…感謝するぜリューハ!」
戯「皆の分まで暴れてくるね!」
エネルギーを漲らせた2人は通路を通り先に進んでいった。
リューハ「皆の分まで……ですか。それは無理ですね。戦場は違えども、こちらも暴れさせてもらうので!皆さん!」
先発隊達「うぉぉぉ!」
すぐに補充されたクローン兵を相手取り、彼らは戦いを再開した。
塔の左入口では第二・第三部隊が攻撃を仕掛けていた。この部隊はウォーム・クラスとカインド・ダイバーを主戦力に構成されている。
ナセ「順調。このまま前進する。」
W・C所属で防御特化のナセが先陣を切って攻撃を受け止め、その間に総攻撃でクローン兵を押しのけて進んでいった。
すると、道が二つに分かれた。
エサラ「ラナカ、バーグスはルゥリムさんと右に進んでください。」
グラッシェ「我々は左に進む。」
バロン『全体の様子はこちらセントラルアンテナ部隊で注視しておく。』
エサラ「任せましたよ。バロンさん。」
第二・第三部隊はそれぞれ二手に分かれて動き始めた。
ラナカ「……二人とも止まって。」
気配を察知したラナカは二人にそう指示した。するとあちらも気づいたのか大柄な影が迫って来た。
スチームパンクな鎧を身に纏ったその男は拳を振りかざし、飛び掛かってきた。
バーグス「…下がっていろ。オラァ!」
緑のオーラを纏わせて脚をあげ、拳を受け止めた。すると男は少し後ろによろめいたが、ドスンと地面を踏みしめた。
その刹那、部屋中に蒸気が充満した。
ラナカ「くっ…前が…!」
ルゥリム「私に任せてください。聖術:風唄」
咄嗟に魔力を練り上げたルゥリムは魔法で風を起こして蒸気を晴らした。
???「ガハハハ!思った以上だ侵入者!だがにゃ…そんなんじゃあマインダーさん達には勝てんぞ!」
ラナカ「そうね…私も同じ考えよ。でもそれでいい。だって私達の役目は……サニイ様達がてこずらずにマインダーと接触できるようにすることだもの。」
バーグス「道を開けろ。誰が相手だろうと、我々は必ず抑える!」
少しの沈黙が流れると男は構えた。すると男の鎧がみるみる熱を帯びていき、次第に蒸気が漂い始めた。
パングス「手前らの本気はよく分かった。となれば、簡単に通すわけにゃあいかない。プランティカ教選抜者このパングスが!手前らを押し潰してやらぁ!魔拳:スチームパンチ」
充分に熱した拳を突き上げ、パングスが拳を地面に叩きつけると、部屋全体が工場の中のように騒々と煙に包まれた。
パングス「見せてやろう。前座と思って見くびるなよ?ガハハハ!」
一方、エサラ率いる第二・第三部隊の総力は手際よくクローン兵を振り払いながら前進していた。
しかし、先陣をきるナセが急に足を停めた。
エサラ「ナセさん?」
ナセ「比べものにならない気配する。注意し……ぐっ…!」
エサラ「……?!…ナセさん!」
ナセが気配を伝えかけたその瞬間、矢の雨が降り注ぎ、彼はバリアの出力維持に集中した。しかし猛攻でバリアにひびが入っていき、すぐに限界に達した。
そこに追い打ちを掛けるかの如く、ゴーレムのような巨兵が上のフロアから降ってきた。
グラッシェ「全員その場で受け身をとれ!バリアが割れる!」
巨兵が着地した。フロア全体を大きく揺らしたダイナミックな着地により身体が上に吹き飛び、無抵抗なところに再び矢の雨が降り注いで多くの血が流れた。
エサラ「皆さんッ…!」
ナセ「魔術:パラソルバリア…!」
これ以上の被害を食い止めるためにナセは上に向けてバリアを張ったが、矢の雨に耐えられた時間はたったの8秒だった。
ナセ「嘘……。実力の桁が違う……。誰……?」
100は軽く超えていた隊員はエサラ達含めたったの20まで減らされ、五体満足に身体が動かせるのもエサラとグラッシェだけだった。
巨兵が膝まづくと、巨兵の肩から一人の男が姿を現した。その姿を見るなり、通信越しのバロンは意味深に絶句した。
バロン『何故……ここに…?伝説の弓使いが……』
チェイン「チッ…敵味方入り乱れているせいで鎖を振り回せないな…。」
素手に魔力を纏って襲い掛かる敵を返り討ちにはしているが、自らは動けずにいる状況の中、リューハは先陣を切って通路を確保した。
しかし、通路の奥からもクローン兵が流れ込んできて前に進めずにいた。
リューハ「きりが無い……せめて、この場では戦い辛そうなチェインさんと戯だけでも、前に進ませてあげたいが…」
打開策を考える暇もなく襲い来るクローン兵に対処しながらも、リューハはタイミングを見計らって動き始めた。
リューハ「先発隊全員いったん壁側に寄れ!」
そう言いながらナイフを持ち上げ、風を纏わせて振り降ろした。すると斬撃波が通路付近に固まるクローン兵を一掃してきれいになった。
リューハ「チェインさん、戯は先に行ってください!この場は自分と先発隊の皆さんで請け負います!奴らが流れ込む前に急いで!」
チェイン「ああ…感謝するぜリューハ!」
戯「皆の分まで暴れてくるね!」
エネルギーを漲らせた2人は通路を通り先に進んでいった。
リューハ「皆の分まで……ですか。それは無理ですね。戦場は違えども、こちらも暴れさせてもらうので!皆さん!」
先発隊達「うぉぉぉ!」
すぐに補充されたクローン兵を相手取り、彼らは戦いを再開した。
塔の左入口では第二・第三部隊が攻撃を仕掛けていた。この部隊はウォーム・クラスとカインド・ダイバーを主戦力に構成されている。
ナセ「順調。このまま前進する。」
W・C所属で防御特化のナセが先陣を切って攻撃を受け止め、その間に総攻撃でクローン兵を押しのけて進んでいった。
すると、道が二つに分かれた。
エサラ「ラナカ、バーグスはルゥリムさんと右に進んでください。」
グラッシェ「我々は左に進む。」
バロン『全体の様子はこちらセントラルアンテナ部隊で注視しておく。』
エサラ「任せましたよ。バロンさん。」
第二・第三部隊はそれぞれ二手に分かれて動き始めた。
ラナカ「……二人とも止まって。」
気配を察知したラナカは二人にそう指示した。するとあちらも気づいたのか大柄な影が迫って来た。
スチームパンクな鎧を身に纏ったその男は拳を振りかざし、飛び掛かってきた。
バーグス「…下がっていろ。オラァ!」
緑のオーラを纏わせて脚をあげ、拳を受け止めた。すると男は少し後ろによろめいたが、ドスンと地面を踏みしめた。
その刹那、部屋中に蒸気が充満した。
ラナカ「くっ…前が…!」
ルゥリム「私に任せてください。聖術:風唄」
咄嗟に魔力を練り上げたルゥリムは魔法で風を起こして蒸気を晴らした。
???「ガハハハ!思った以上だ侵入者!だがにゃ…そんなんじゃあマインダーさん達には勝てんぞ!」
ラナカ「そうね…私も同じ考えよ。でもそれでいい。だって私達の役目は……サニイ様達がてこずらずにマインダーと接触できるようにすることだもの。」
バーグス「道を開けろ。誰が相手だろうと、我々は必ず抑える!」
少しの沈黙が流れると男は構えた。すると男の鎧がみるみる熱を帯びていき、次第に蒸気が漂い始めた。
パングス「手前らの本気はよく分かった。となれば、簡単に通すわけにゃあいかない。プランティカ教選抜者このパングスが!手前らを押し潰してやらぁ!魔拳:スチームパンチ」
充分に熱した拳を突き上げ、パングスが拳を地面に叩きつけると、部屋全体が工場の中のように騒々と煙に包まれた。
パングス「見せてやろう。前座と思って見くびるなよ?ガハハハ!」
一方、エサラ率いる第二・第三部隊の総力は手際よくクローン兵を振り払いながら前進していた。
しかし、先陣をきるナセが急に足を停めた。
エサラ「ナセさん?」
ナセ「比べものにならない気配する。注意し……ぐっ…!」
エサラ「……?!…ナセさん!」
ナセが気配を伝えかけたその瞬間、矢の雨が降り注ぎ、彼はバリアの出力維持に集中した。しかし猛攻でバリアにひびが入っていき、すぐに限界に達した。
そこに追い打ちを掛けるかの如く、ゴーレムのような巨兵が上のフロアから降ってきた。
グラッシェ「全員その場で受け身をとれ!バリアが割れる!」
巨兵が着地した。フロア全体を大きく揺らしたダイナミックな着地により身体が上に吹き飛び、無抵抗なところに再び矢の雨が降り注いで多くの血が流れた。
エサラ「皆さんッ…!」
ナセ「魔術:パラソルバリア…!」
これ以上の被害を食い止めるためにナセは上に向けてバリアを張ったが、矢の雨に耐えられた時間はたったの8秒だった。
ナセ「嘘……。実力の桁が違う……。誰……?」
100は軽く超えていた隊員はエサラ達含めたったの20まで減らされ、五体満足に身体が動かせるのもエサラとグラッシェだけだった。
巨兵が膝まづくと、巨兵の肩から一人の男が姿を現した。その姿を見るなり、通信越しのバロンは意味深に絶句した。
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