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7章―A ー閉情編ー
色獣の絶島
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大体山の中腹に着いた頃、禍々しいエネルギーの濃度は徐々に増してきていた。
心明「……何か来る。」
目の前に見える洞窟の奥から、地響きのような音が聞こえる。そして、何かが目を光らせ、迫って来る。
冷気を放ち、それが晴れると、その正体が姿を現した。
もふもふの白い毛を持ち、氷塊を纏う巨大な狼だ。
曖人「フェンリル……?」
そう問うと、その狼は縮み、人型になった。
ウィンター「ようこそ、ホウキ教潰したと噂の流離いのリヴォリーターとその仲間。このアナーキ小大陸は、我々インフィニット教の占領下にある。迷いこんだだけなら、今なら見逃す。」
曖人「ご忠告どうも。ただ……引く気は無いな。」
ウィンター「そう言うと思っていた。」
すると男は再びフェンリルの姿に変身して、臨戦態勢に入った。
ウィンター「インフィニット教ウィンター。返り討ちにしてやろう。魔術:アイスブレス」
ウィンターは冷気を放ち、水滴が付着した地面が凍って、氷柱が生えてきた。
深雅「剣術:薙梨」
だが、深雅が咄嗟に逆鱗を抜刀し、薙ぎ払った。
そして、首元に接近し、斬りかかったが、惜しくも振り払われた。彼はそれを覚悟していたため、ノーダメージで着地した。
深雅「ここは俺達で引き受けた。曖人、チェイン、ファーマは先に進め。3人とも、それで構わないな?」
心明「勿論。」
萌愛「うん。」
李朱樹「了解。」
4人は各々武器を取り出し、ウィンターに向かったため、俺達は隙を見計らって先へと進んだ。
洞窟を抜け、廃城が上に見える。後はこの断崖絶壁を登るだけだ。この程度なら、飛行すれば余裕だ。
ハロウィン「ストップ。全員行かせるわけにはいかないよ。」
どこからか声が聞こえ、殺気を感じたため、俺達は臨戦態勢に入った。
すると、小さなカボチャの怪物の群れが、崖の上から落下してきた。
カボチャは緑炎を纏っており、崖に掠った箇所に燃え移っている。
チェイン「魔術:命散の鎖文字」
蒼炎の鎖を伸ばし、チェインはカボチャを断ち切った。すると、燃焼は収まり、粒子として散っていった。
すると、少女が崖上から飛び降りてきて、華麗に着地した。
ファーマ「インフィニット教か?」
ハロウィン「そうだよ。僕はハロウィン。半人とファントムのハーフなんだー。ラビリンス方面には生息してないんだよね?半人族。」
ファントムに関してはファーマから聞いたことがあるが、半人族については聞いたことが無い。
ファーマとチェインに目で訴え掛けるが、2人も知らない様子だ。
ハロウィン「え?知らない?特別に説明してあげる。半人族は人間の派生で、悪魔との中間。特定の動物の遺伝子を持っていて、変身も出来る。僕は会った事無いけど竜人ってのも居るらしい。……説明は済んだし遊んでくれるよね!」
そう言って彼女は緑炎を纏い、ジャック・オ・ランタンと電飾のようなパーツが散りばめられたワニの姿へと変身した。
ファーマ「俺達が相手になる。この先に教祖が居るはずだ。曖人一人で大丈夫そうか?」
曖人「問題無い。信じてる。」
そう言い残し、俺は飛び上がった。それを撃ち落そうとハロウィンはカボチャ弾を飛ばしてくるが、ファーマが全弾射抜いた。
チェイン「俺とファーマで遊んでやる。後悔するんじゃねぇぞ?」
ハロウィン「ふふっ……それはどっちかな?」
二度の戦闘を逃され、廃城へと辿り着いた。しかし、何者も居なかった。
それでも、生態反応はあるため、どこかに潜伏しているはずだ。
曖人「……もう少し進むか。」
そうして足を進めると、床が陥没し、俺の身体は何かに引きずり込まれた。
その先は非常に暗く、はっきりは見えないが、触手のようなものが動いていた。
待っても何も起こらないため、とりあえず触手に斬り掛かった。
曖人「ぐっ!何だこれは!」
しかし、蚊のような小さな生物が纏わりつき、動きを封じられた。
それでも強引にエネルギーを纏い、斬撃をお見舞いした。
曖人「剣術:祟縫い・束締」
残留斬撃が触手を切り払うと、空間が振動し、地面から触手に掴まれた。
更に引きずり込まれた先に、明らかに格の違う巨大な触手を発見した。
曖人「あれが鍵かもな……。」
剣に光を纏い、フラッシュカッターを放った。
バレンタイン「うっ!」
すると悲鳴が残響し、光が差し込んだため、俺は地面を蹴って飛び上がり、脱出した。
外へ出ると、廃城は崩れ落ちており、無数の触手が地面から顔を出していた。
しかし、その触手は収納されていき、地面に亀裂が入り、薄桃色長髪のシルバーの瞳を持つ女が姿を現した。そいつから感じる力は、エンデスやセギンに酷似している。
曖人「7つの大罪暴食といったところか。」
バレンタイン「あら、残念。私は色欲を司っている。戦法からよく間違われるんだよねー。別にどっちでも良くない?それで何か変わるわけじゃないしね。」
曖人「まぁそうだな。……この流れだと、お前も半人族だろ。」
バレンタイン「そうよ。でも、素体となる動物がいないという意味では、特殊かもしれないね。改めて、私はインフィニット教教祖。7つの大罪色欲。バレンタイン。貴方がほぼ単騎でセギンを倒した事は知っている。だから、私はあらゆる手段を使って、貴方を翻弄する。」
曖人「いつ攻撃が飛んでくるかも分からないのに、随分と丁寧な自己紹介だな。俺は威風曖人。ラビリンスの英雄だ。」
バレンタイン「ふふふっ…では曖人さん。貴方の礼儀、利用させてもらいます。」
曖人「ッ!」
刹那、下から蚊に刺され、全身に身体が張り裂けそうな激痛が走った。
心明「……何か来る。」
目の前に見える洞窟の奥から、地響きのような音が聞こえる。そして、何かが目を光らせ、迫って来る。
冷気を放ち、それが晴れると、その正体が姿を現した。
もふもふの白い毛を持ち、氷塊を纏う巨大な狼だ。
曖人「フェンリル……?」
そう問うと、その狼は縮み、人型になった。
ウィンター「ようこそ、ホウキ教潰したと噂の流離いのリヴォリーターとその仲間。このアナーキ小大陸は、我々インフィニット教の占領下にある。迷いこんだだけなら、今なら見逃す。」
曖人「ご忠告どうも。ただ……引く気は無いな。」
ウィンター「そう言うと思っていた。」
すると男は再びフェンリルの姿に変身して、臨戦態勢に入った。
ウィンター「インフィニット教ウィンター。返り討ちにしてやろう。魔術:アイスブレス」
ウィンターは冷気を放ち、水滴が付着した地面が凍って、氷柱が生えてきた。
深雅「剣術:薙梨」
だが、深雅が咄嗟に逆鱗を抜刀し、薙ぎ払った。
そして、首元に接近し、斬りかかったが、惜しくも振り払われた。彼はそれを覚悟していたため、ノーダメージで着地した。
深雅「ここは俺達で引き受けた。曖人、チェイン、ファーマは先に進め。3人とも、それで構わないな?」
心明「勿論。」
萌愛「うん。」
李朱樹「了解。」
4人は各々武器を取り出し、ウィンターに向かったため、俺達は隙を見計らって先へと進んだ。
洞窟を抜け、廃城が上に見える。後はこの断崖絶壁を登るだけだ。この程度なら、飛行すれば余裕だ。
ハロウィン「ストップ。全員行かせるわけにはいかないよ。」
どこからか声が聞こえ、殺気を感じたため、俺達は臨戦態勢に入った。
すると、小さなカボチャの怪物の群れが、崖の上から落下してきた。
カボチャは緑炎を纏っており、崖に掠った箇所に燃え移っている。
チェイン「魔術:命散の鎖文字」
蒼炎の鎖を伸ばし、チェインはカボチャを断ち切った。すると、燃焼は収まり、粒子として散っていった。
すると、少女が崖上から飛び降りてきて、華麗に着地した。
ファーマ「インフィニット教か?」
ハロウィン「そうだよ。僕はハロウィン。半人とファントムのハーフなんだー。ラビリンス方面には生息してないんだよね?半人族。」
ファントムに関してはファーマから聞いたことがあるが、半人族については聞いたことが無い。
ファーマとチェインに目で訴え掛けるが、2人も知らない様子だ。
ハロウィン「え?知らない?特別に説明してあげる。半人族は人間の派生で、悪魔との中間。特定の動物の遺伝子を持っていて、変身も出来る。僕は会った事無いけど竜人ってのも居るらしい。……説明は済んだし遊んでくれるよね!」
そう言って彼女は緑炎を纏い、ジャック・オ・ランタンと電飾のようなパーツが散りばめられたワニの姿へと変身した。
ファーマ「俺達が相手になる。この先に教祖が居るはずだ。曖人一人で大丈夫そうか?」
曖人「問題無い。信じてる。」
そう言い残し、俺は飛び上がった。それを撃ち落そうとハロウィンはカボチャ弾を飛ばしてくるが、ファーマが全弾射抜いた。
チェイン「俺とファーマで遊んでやる。後悔するんじゃねぇぞ?」
ハロウィン「ふふっ……それはどっちかな?」
二度の戦闘を逃され、廃城へと辿り着いた。しかし、何者も居なかった。
それでも、生態反応はあるため、どこかに潜伏しているはずだ。
曖人「……もう少し進むか。」
そうして足を進めると、床が陥没し、俺の身体は何かに引きずり込まれた。
その先は非常に暗く、はっきりは見えないが、触手のようなものが動いていた。
待っても何も起こらないため、とりあえず触手に斬り掛かった。
曖人「ぐっ!何だこれは!」
しかし、蚊のような小さな生物が纏わりつき、動きを封じられた。
それでも強引にエネルギーを纏い、斬撃をお見舞いした。
曖人「剣術:祟縫い・束締」
残留斬撃が触手を切り払うと、空間が振動し、地面から触手に掴まれた。
更に引きずり込まれた先に、明らかに格の違う巨大な触手を発見した。
曖人「あれが鍵かもな……。」
剣に光を纏い、フラッシュカッターを放った。
バレンタイン「うっ!」
すると悲鳴が残響し、光が差し込んだため、俺は地面を蹴って飛び上がり、脱出した。
外へ出ると、廃城は崩れ落ちており、無数の触手が地面から顔を出していた。
しかし、その触手は収納されていき、地面に亀裂が入り、薄桃色長髪のシルバーの瞳を持つ女が姿を現した。そいつから感じる力は、エンデスやセギンに酷似している。
曖人「7つの大罪暴食といったところか。」
バレンタイン「あら、残念。私は色欲を司っている。戦法からよく間違われるんだよねー。別にどっちでも良くない?それで何か変わるわけじゃないしね。」
曖人「まぁそうだな。……この流れだと、お前も半人族だろ。」
バレンタイン「そうよ。でも、素体となる動物がいないという意味では、特殊かもしれないね。改めて、私はインフィニット教教祖。7つの大罪色欲。バレンタイン。貴方がほぼ単騎でセギンを倒した事は知っている。だから、私はあらゆる手段を使って、貴方を翻弄する。」
曖人「いつ攻撃が飛んでくるかも分からないのに、随分と丁寧な自己紹介だな。俺は威風曖人。ラビリンスの英雄だ。」
バレンタイン「ふふふっ…では曖人さん。貴方の礼儀、利用させてもらいます。」
曖人「ッ!」
刹那、下から蚊に刺され、全身に身体が張り裂けそうな激痛が走った。
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